ホーム > インタビュー&レポート > 1月11日(水)よりシアター・ドラマシティで開幕 劇場中が息を詰めて見守る濃密な90分… 『90ミニッツ』、東京公演観劇レポート!
2011年、三谷幸喜生誕50周年記念スペシャル“三谷幸喜大感謝祭”のラストを飾る新作舞台『90ミニッツ』東京公演が盛況の内に終了。連日、西村雅彦と近藤芳正の火花散る競演が繰り広げられた。
「今年は映画・舞台・私生活においてさまざまな挑戦をして来ましたが、『90ミニッツ』は最後にして最大のチャレンジです。」と言い切る三谷。大阪公演よりひと足早く、観劇レポートをお届けしよう。
暗い中に救急車の音が響き、タイトルが浮かび上がる。明るくなると舞台の天井から床へ一筋の水が落ちてくる。舞台上では白衣の男(西村雅彦)が電話中。そこへ男(近藤芳正)が訪ねてくる。白衣の男は整形外科副部長、場所は病院内の彼の部屋であり、訪れたのは交通事故で運び込まれた9歳の男の子の父親とわかる。
「息子さんは危険な状態ですが、90分以内に手術をすれば助かります。承諾書にサインを」と医者。「手術を拒んでいるわけではなく、輸血が困るんです。なんとか輸血なしで手術をお願いします!」と父親。子供の命を救うため、ここからリアルタイムで90分間、まさに息詰まる戦いが始まる。
さまざまな方向から説得を試みる医者、懇願し理解を得ようと必死の父親。2人はそれぞれがそれぞれの立場で“正しい”選択をするために、ぶつかり合い葛藤する。医者と父親の駆け引きは緊張状態を保ったまま、その力関係をシーソーのように変化させながら出口を模索する。時は刻一刻と過ぎ、男の子の状態は悪化の一途をたどる。手術室からの連絡が頻繁になる。もう時間がないっ!ジリジリするような焦燥感。下階の手術室でGOの返事を待つ医者チームの様子がみえるようだ。
緊張感に満ちた濃密な90分、誰もここから目が離せない!
(2012年1月 7日更新)