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熱戦展開中の『bjリーグ』で
滋賀レイクスターズのキーマンを直撃!

レギュラーシーズン終盤に入り、東・西地区の各上位4チームによるプレイオフ出場をかけた争いが激化している5年目のプロバスケットボールリーグ『bjリーグ』。プレイオフ出場チームが着々と決まっている東地区に対し、関西3チームが属する西地区は大混戦状態になっている。今回はその西地区において、初のプレイオフ出場が見えているリーグ参入2年目の滋賀レイクスターズに注目。過去、所属チーム全てで優勝争いを経験してきた“プレイオフ出場請負人”の城宝匡史に、プレイオフ進出へのカギなどについて話を聞いた。


――リーグ開幕直前に滋賀レイクスターズに移籍して約半年くらいになると思いますが、滋賀にはもう慣れましたか?

「慣れましたね。でも、どこに行っていいのか分からないです。髪の毛を切りに行くのにも、いちいち大阪に行っていましたしね(苦笑)」

――(笑)。そんな新天地、滋賀1年目のシーズンも残りわずかになりました。ここまで、思い描くシーズンは送れていますか?

「本当に急な移籍だったし、去年は1回しか対戦したことがなく外国人選手も顔ぶれが変わっていたんで、どんなチームなのかも分からなかったんですよ。だから、最初の頃はプレイオフとかも全然考えてなくて。でもチームメイトと仲良くなって試合をこなすごとに可能性のあるチームだなって思えてきました」

――カンファレンスが違うと対戦する機会も少ないから、前情報もほとんどなかったんですね。

「そうなんですよ。それに、まさか滋賀に行くとは思っていなかったですもん(笑)」

――プロスポーツは何があるか分かりませんからね(笑)。
試合を重ねるごとに可能性のあるチームと思えてきたそうですが、選手の入れ替わりもあり、開幕当初とはチームの雰囲気も変わってきましたか?

「全然違いますよ。合流間もないときは、4位でプレイオフに出れても、ファイナルにはいけないチームだなって。自分が4年間ファイナルに出ていてそう思いました」

――それはなぜ?

「足りないものがいっぱいあって。オフェンスの起点になる選手もいなかったし、ディフェンスでも問題のある選手が何人かいたし。でも、今年に入ってレイとマイキーが来たことでサイズもあがったし、ゲイリーがリバウンドを支配できるようになったんで、もしかしたらファイナルに行けるかなって思えてきました」

――なるほど。城宝選手といえば、これまで所属していた大阪エヴェッサ、東京アパッチで優勝争いを経験していますが、優勝争いができるチームの共通点っていうのは何だと思いますか?

「賢くないとダメなんですよ。みんなが言葉に出さなくても、自分がこうしなきゃいけないとか、やることをわかっている。自分の役割を知っていたんですよ。東京でも個々で見たらバラバラに見えるんですけど、思っていることは一緒で。例えば、『今日はこの選手が調子いいから、中心に攻めさせて……』とか、共通理解が出来ていたんですよ。そういうのがうちは最初の頃、全然できていなくて。欠けていた部分ですね」

――今はできている?

「最初よりは良くなっていますよ。でも、ここで!という場面の判断が間違っているというか。ポイント、ポイントですね。この前の福岡戦(3/21)でも追いついたのに、大事なところでミスしたりとかね。そこでの共通理解がもっとあれば違うんですけどね」

――そこはもうコミュニケーションを重ねていくしかないですよね。

さて、プレイオフ進出をかけた4強入りの戦いも終盤戦に入りましたが、5位の大分が2ゲーム差で迫るなど西地区は大混戦です。

「そうなんですよ。うちはギリギリ4位にいるんですけど、これから沖縄と大阪と当たっていくんで厳しい戦いなりますが、僕は4位でいいって思っているんですよ。プレイオフさえ出られればあとは一発勝負なんで。でも、レギュラーシーズン最終戦がアウェイでの大分戦なので、それまでにはプレイオフ行きを決めたいですね」

――そうですね。あと1歩で4強入りを逃した昨年の悪夢再び……にならないように。そのためにも沖縄とエヴェッサとの試合が重要になってくると思います。

「沖縄はジェフが復活してくる時期だと思うんで、厄介ですね。沖縄戦まで時間があるんで対策は十分できると思うんですけど、勝負どころでの共通認識を深めるためにもコミュニケーションをしっかりとって。練習中からやらないとプレイオフで残るのは難しいとは思うんで。大阪はリンが怪我してどうかな?って思っていたらすぐに戻ってきましたからね(笑)。ジェイソンはレイとかが抑えられると思うんですけど、問題はリンですよね。誰がマッチアップするのかっていう」

――エヴェッサの闘将を止めるのは大変そうですね。この強豪2チームとの対戦で目指すのは全勝?それともタイでしょうか?

「最低でもタイですね。うちにマイキーが加入してから、両チームとは対戦していないんで全勝できる可能性はあると思うんですけど、強豪チームなので。その分、相性のいい高松や京都からきっちり勝利をあげたいですね。ただ、高松もジェフリーっていう選手が入って良いチームになっているんで、油断しないようにしないと。うち、みんな若いからすぐに油断しちゃうんで(苦笑)」

――それは困りますね(苦笑)。精神的支柱にしっかりしてまとめてもらわないと。

「外国人選手のまとめ役に関しては、マイキーに期待して。明るいし、盛り上げ役なんですよね」

――では城宝選手の役割は?

「僕はあんまり喋るタイプじゃないんで、黙々と自分の仕事をして。これからの試合では日本人選手の得点ってすごい大事になると思うし、最近はコンスタントに点が取れるようにはなっているんでそれを継続するくらいですね」

――どんどん点を取って、勝利に導いてもらわないと。
では最後にプレイオフ出場への意気込みをお願いします。

「僕自身は4年間ファイナルに行っているんで、とりあえずはプレイオフには出なきゃいけないし、その記録を途絶えさせないためにも、ファイナルには絶対に行きたいんですよね。プレイオフさえ出られれば、あとは1発勝負なんで作戦勝ちっていうのもありますし。そこまでどれだけ対策を練っているのかがカギになりますけど、4強入りすればあとは運任せです(笑)。マイキーが合流してよくなっているんで、このチームワークを向上させてプレイオフに出場したいですね。城宝=プレイオフに導く人っていうイメージをつけたいです。今年ファイナル行ったらそうなりますから」

――すでに、城宝選手=プレイオフ出場請負人っていうイメージはありますけどね(笑)。

「これまでは、たまたまかなって。でも、このチームでいけるとなったら全然違いますよね。チームの中心選手としてやっているんで、自分のチームで行けるっていうのは今までとは全然違う喜びがあると思うんで、なんとしてもプレイオフ、そしてファイナルに行きたいです」 




(2011年4月 1日更新)


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撮影:中岡隆造

プロフィール

城宝匡史(じょうほう・まさし)●82年、北海道出身。背番号31/ポジション・SG(シューティングガード)。『bjリーグ』発足1年目の05年より大阪エヴェッサ(05-06年、06-07年)でプロバスケ選手としてのキャリアをスタート。その後、東京アパッチ(07-08年、08-09年)を経て、今季開幕直前に滋賀レイクスターズへ電撃移籍。チームトップの総得点をマークする高い得点力、ハードなディフェンスなどで、加入1年目より主力として活躍している。4年連続のファイナル進出経験者。

オフィシャルサイト 
http://www.masashi-joho.com/


滋賀レイクスターズ

昨シーズンより『bjリーグ』に参入した滋賀県初のプロスポーツチーム。ロバート・ピアス ヘッドコーチのもと、悲願の4強入り、プレイオフ進出を目指して奮闘中。

滋賀レイクスターズ・オフィシャルサイト
http://www.lakestars.net/

bjリーグ・オフィシャルサイト
http://www.bj-league.com/bj/Top.do


試合情報

撮影:田籠哲也

滋賀レイクスターズ ホームゲーム
『bjリーグ2009-2010』
▼4月3日(土)17:00/4日(日)14:00〈vs 沖縄〉
野洲市総合体育館

▼4月24日(土)17:00/25(日)14:00〈vs 京都〉※ホーム最終戦
守山市民体育館
滋賀レイクスターズ[TEL]0120-976-509