ホーム > インタビュー&レポート > ガンバからセレッソの一員へ 新天地に挑む闘魂FWを直撃!!
――お久しぶりです。今日はよろしくお願い致します。
さて、セレッソでのキャンプを終えての手応えはいかがですか?
「キャンプしてみんなと仲良くなって、久しぶりに大阪でやったんですけど、いい感じでやれていますね」
――ガンバ時代とは違って、セレッソではチーム最年長なんですよね?
「チーム最年長ですけど気持ちは18歳くらいでやっていますし(笑)、年齢は関係ないですよ」
――気持ちは18歳ですか(笑)。チームに合流して約2ヵ月くらい経つと思うのですが、セレッソの印象はいかがですか?
「若い選手が多いっていう印象があったんですけど、来てみてまさか自分が1番上っていう風には思わなかったですけどね。なってみればなってみたで……最初は最初で意識していた部分はあったかもしれないですけど、今は若い選手たちと一緒にやる楽しさっていうのがすごいあります。とくに、3対3とかやってみたら、乾であったり、香川であったりとか、あの辺に負けないぞって思いながらやれるっていうのがすごく楽しかったりしてね」
――才能ある若い選手が多いですもんね。若い選手に刺激を受けている中、今季は播戸選手にとっては攻めの、勝負の1年になるんじゃないのかなと勝手に思っているのですが、ご自身の中では今季はどういう位置づけなんでしょう?
「今年ダメなら、播戸竜二、終わりでしょ?っていうくらいの感じでやっていますよ。やっぱりガンバでのここ2年はそんなにいっぱい試合に出ているわけでもなかったし、今年移籍してきて試合に出られる、出られない色々あると思う。もし、そこで試合にでれへんくて点も取れへんくて……ってなったら、やっぱりアカンねやって思われるから。だから、本当に危機感を持って毎日やっているし、ダメなら引退はせーへんけど、代表とかにも呼ばれへんようになるやろうし、Jリーグのほかのチームも、サポーターとかも注目してくれへんようになるやろうし。……そんなのには絶対になりたくないから。もがいてます。もがき中です(笑)」
――もがき中ですか(苦笑)。セレッソは昨季の布陣のままでいくと1トップが濃厚ですが、これまで1トップの経験はありましたっけ?
「全然ないですね。生まれてこのかた、1トップってやったことがなくて。新しい選手も多いし、やっぱり疲れもあったんで、練習試合でもそんなに良くなかったんですけど、そこばかりを気にしても仕方がないんで。今は自分たちのコンディションをしっかりと上げている段階なんで、これからドンドン戦術であったり、コンビネーションは出来てくると思うから、あまり焦らずに。しっかりとやるべきことをみんなでやっていきたいなって思います」
――抜けたカイオの代わりにどう活躍されるのか、期待されているサポーターは多いと思います。
「う~ん、カイオがどういう選手なのか知らんから、下手に頭にいれんほうがいいかなって思う部分があって。オレは“播戸竜二”っていうプレイヤーで、これから香川であったり、乾であったり、家長、清武であったり、マルチネスとか、色んな選手とあわせて行く中でコンビネーションを作らなアカンわけで。今までの形ははっきり言ってどうでもいいというか、新しいものを作っていく。いない選手のことを思ってもしょうがないので、今はまた新しいことを作っていく過程の1つですね」
――なるほど。そしていま、色々な選手の名前が挙がってきましたが、その中で重要になってくるのが攻撃のトリオを組むことになるであろう香川選手、乾選手との連係になると思います。現時点での手応えはどうでしょう?
「これからですね。あの2人はあの2人独自のサッカー観であったり、2人だけの世界は間違いなくあるから、それは尊重して。ただ、自分はこういうプレイヤーでこうして欲しいっていうのは言うつもり。その摺り合わせていく作業をこれからできればいいなって」
――ちなみに、監督からの要望っていうのはありましたか?
「とくにはないですね。最終的な部分……点を取ることっていうのは求められているけど、その辺についてはまだ深く、密に話はしていないです。だけど、信頼関係っていうのはやりながら作っていくものだと思うし、やっぱり監督に信頼されるように頑張りたい。それに、みんなの前で “経験のある選手やから~”っていう話もされるんで、信頼っていうか……信頼もそうやけど、期待されているっていうのは感じているんで、すごいやりがいは感じますね。期待されてプレイできるっていうのは自分的にも大きくなれるというか、期待されればされるほど、それに応えたいと思う方なんで」
――期待されることで応えたい気持ちが大きいということは、例年以上にモチベーションが高いということでしょうか?
「モチベーションの変化っていうので、今までがアカンかったのかと言われればそうじゃない。モチベーションは高いけど、期待される、されへんで、モチベーションという意味ではなく自分がやらなあかんっていう風に思うことが例年より大きくなった感じですね。しっかりと責任を持って、コンディションやプレイを磨いていかなアカンっていう。だから、いい感じでやれているというか充実してやれています」
――その充実ぶり、新生セレッソの本拠地初お披露目となるのが、3月14日のホーム開幕戦“大阪ダービー”。古巣・ガンバとの対戦はやはり楽しみですか?
「楽しみですよね。“大阪ダービー”っていう独特な雰囲気の中でどんな風にやれるんかっていう楽しみもあるし、一緒に長いことやってきたガンバの選手と対戦できるっていう楽しみもある。だから、オレとしては本当にポジティブなイメージしかなくて、早くやりたいだけやし、今の自分の100%を出してやりたいなっていう気持ちですね」
――セレッソはガンバとの相性が悪いのですが、4年ぶりの“大阪ダービー”でセレッソが攻めきって勝つためにはどうすればいいでしょう?
「前の選手みんながそれぞれいいものを持っているから、それをベストな感じで出せればいいと思いますね。ガンバやから……とかあまり意識せずに。そういうんじゃなくて、常に自分の持っている全てを1試合にどれだけだせるかっていうのが重要なことで。次とかじゃなくて、目の前の試合に100%出して、次は次で回復して100%の力を出せればいいと思いますし、それで成長していくと思う」
――シーズンは長いですしね。
「そうですね。一試合に一喜一憂せずに、シーズンを通してどうか。チームとしても、個人としてもどうできるのかっていうのが1番大事なことだと思います」
――今季、個人的にはどんな目標を掲げていますか?
「得点王ですよ。やっぱりFWとしてはそこを目指さないといけないと思う。チームとしては監督が言っていたようにカップ戦とかでまず優勝を狙いたいし、ACLの出場圏内に行きたいです。今年、J1に昇格したセレッソとしてもこれからしっかりとJ1に定着して、土台を作って上にあがっていく年になると思うんで、降格だけは絶対にしたくないですね」
――そうですね、降格だけは本当に阻止して頂きたいです。個人の目標は得点王ということですが、日本代表に関しては?
「もちろん、まだまだチャンスはあると思いますし、FWはその時点で1番点を取っているやつが偉いと思うんで、そこにいけるように点取りまくったら誰も何もいえないと思うんで、そうなるようにしっかりと準備をしたいですね」
――分かりました。得点王と日本代表入り、期待しています。
それでは最後にメッセージをお願いします。
「やっぱりいいとき、悪いとき、色々あると思うんですけど、期待されるっていうことはみんなやれると思ってくれていると思うんで、その期待に応えられるように。自分自身もみんなの期待を裏切らないように、頑張りたいと思うし、それに応えてみんなで喜びたいんで、どんどん期待はして欲しいですね。アカンかったらアカンかったでもがくんで(笑)。最終的にはその期待に応えられるように頑張ります」
3月6日(土)より各地で開幕を迎えるJ1リーグ戦。4年ぶりにJ1の舞台に戻ってきたセレッソ大阪で輝きを取り戻すのか、浪速の闘魂FWに注目だ。
(2010年3月 4日更新)
播戸竜二(ばんど りゅうじ)●’79年、兵庫県姫路市出身。’98年ガンバ大阪でプロとしてのキャリアをスタートさせ、コンサドーレ札幌(’00・’01年)、ヴィッセル神戸(’02~’05年)、ガンバ大阪(’06~’09年)を経て、今季よりセレッソ大阪に移籍加入した元日本代表FW。DFの裏への飛び出し、ゴール前での嗅覚、泥臭いプレイにここぞという場面での勝負強さが持ち味だ。
セレッソ大阪 ホームゲーム
『J1リーグ戦』
▼3月14日(日)16:00〈vs ガンバ大阪〉
▼3月27日(土)16:00〈vs 浦和〉
『J1リーグ戦』
▼4月3日(土)13:00〈vs 京都〉
▼4月18日(日)13:00〈vs 湘南〉
▼4月25日(日)14:00〈vs 名古屋〉
『ヤマザキナビスコカップ』
▼4月14日(水)19:00〈vs 新潟〉
大阪長居スタジアム
●セレッソ大阪チケットセンター[TEL]06(6609)3750
注目はガンバ大阪との大阪ダービー!
3月14日(日)のホーム開幕戦で、2006年以来となるガンバ大阪との“大阪ダービー”が実現!! 播戸選手の古巣との対戦や、昨季J2で50点近いゴールをマークしたセレッソが誇る魅惑の攻撃コンビ、香川真司と乾貴士のプレイがどこまで通じるのか……など、見どころ満載だ。互いの意地とプライドをかけたダービーマッチは必見!!