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“4人でいられたらそれでいい”
SCANDAL・RINAが語る、現在のバンドの精神性

昨年8月に「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定され、今年結成18年目を迎えたSCANDAL。そんな彼女たちから届いたキャリア11枚目のオリジナルアルバム『LUMINOUS』は、メンバー全員が作詞作曲を行い、自ら光を放つように自分たちの“今”を昇華させた楽曲が収録されている。さらに旧知の仲であるRhythmic Toy Worldとの共作の『あなたへ』、EOWとの共作『Plum』、『Line of sight』などの既存シングルも収録。今回は、独自の歩み方をしてきたSCANDALというバンドとメンバーへの想い、そしてアルバム収録曲について、RINA(dr)にたっぷり話を聞いた。インタビューで力強くまっすぐに語るRINAの瞳はまさしくキラキラと輝き、メンバーへの愛と今の4人のモードが良いものであることが伝わってきた。

自分たちで意志を持てたから、バンドを続けることができた


――改めて、ギネス世界記録認定おめでとうございます! 認定以降、メンバー間で意識の変化はありましたか?

「ありがとうございます。それがキッカケで何が変わった、みたいなことは意外となかったんですけど、私は結構気づかないうちに張り詰めてた気持ちがあったのかなと思って、その日を超えてホッとした気分にはなりました。皆で"自分たちらしい結果を残せて良かったね"という話はしたし、"ここからはより自由にのびのびとバンドができたらいいよね"という話になって、今はそんな気分でやってます」

――どのくらい前からギネスのことを意識されていたんですか?

「5年とか6年(笑)。あるインタビュアーさんに"もう少しでギネス記録取れるんじゃない?"という話をされて、スタッフさんが動いてくれて確認したところ、どうやら本当に取れそうだよとなりました」

――その5~6年はプレッシャーもあったんですか?

「そこまでは続けなきゃな、みたいな気持ちはありましたね」

――今作『LUMINOUS』にも、自由になって自分たちで輝きだしたというマインドが反映されています。

「ようやく自分たちのことをバンドとして認められたというか。"よくやったよね。だって世界一長くやったんだよ"って。なので、すごく気分は解放されましたね」

――逆に言うと、それまでは自分たちのことを認めることができなかった?

「ずっとどこかに葛藤があったバンドなんです。ダンススクールで出会ったメンバーで、バンドのことを全然知らない人たちが、自分でバンドをする道を選んだのではなく、先生に勧められて"面白そうだ"と思えたからスタートして、それがこんなに長く続くものだと思っていなかったんですよね。なので、他の大勢のバンドとストーリーが違いすぎるというコンプレックスもあったし。活動していくうちに、"それが自分たちの個性なんだ"と認められるようにはなったんですけど、なかなかフェスに出られない時期があったり、音楽ファンの方に理解してもらうのが難しかったり、バンドでもアイドルでもない時期が10年ぐらいあって、"どこにも属せない自分たち"に苦しめられた時期が長かったんです。でもそこも認めながらまっすぐに音楽を伝え続けて、わかってもらえるまでやっていくしかないなと思って、1つ1つ壁をクリアしていきました。最初は作曲ができなくて作家さんにお願いしていたんですけど、やっぱり自分たちで作りたいよねと思うようになってそこもクリアして。MCでしっかり自分たちの想いを伝わるまで話そうと言って、今のライブスタイルに変わっていって。1つ1つ乗り越えて、その都度分かってくれる人を1人1人増やしてきた感覚がすごくあります」

――ものすごく努力されたんですね。

「うん、努力しました!」

――それができたのはなぜだったと思いますか?

「バンドを始めてバンドの魅力を知って、すごくこのカルチャーを好きになって、自分たちもまっすぐ見てほしいという想いが大きくなって。最初は制服でデビューして、それがキャッチーで取り上げられることがあったんですけど、制服を脱いだ時に"強みがなくなるよ"とレーベルに言われたりもしたんですよ。だけどやっぱり、自分たちのリアリティのある姿と言葉で音楽していかなきゃ続けられないと思って。どんどん4人の意思が出てきて、ものすごく大幅に変化してきたバンドなので、自分たちでちゃんと意志を持てたのが続けられた理由かなとは思います」

――長い道のりでしたね。

「ほんとにそうです。子供の頃からやってるので、人間的な変化もすごく大きくて。社会のことが何もわかってなかったなと今は思うんですけど、中高生の頃から表現できたから作ってこられた音楽がたくさん残っているし、すごく特別な人生を歩ませていただいたなという気持ちです」

――独自の歩み方で、SCANDALというものが確立した感じでしょうか。

「4人でいられたらそれでいいなと、今はすごく思ってますね。メンバーという仲間が完成形なんだなと思ってる。他のミュージシャンも音楽を聴いてくれるようになったし、今回のアルバムに対しても嬉しい言葉をたくさんかけてもらって。もちろん仲間が増えたなとも思えているんですけど、やっぱり独特なバンドではあるので、個性を大事にしながら続けていけたらいいんだなと思えていますね」



"SCANDALのサウンドって新しいな"と思える始まりにしたかった


――RINAさんのブログに、"音楽って自分たちのために歌っても良かったんだった"という文章があって。これは、周りに求められるものをやらないといけないとか、縛りもあった中で出た言葉ですか?

「自分たちのことをここまで正直に歌詞にできるようになったのって、本当にこの数年なんですよ。そういう意味で、自分たちのことを音楽にしていいんだなと思えたんです。基本的には期待に応えるのがめちゃくちゃ好きな4人なので、お客さんがどんな音楽を求めてくれてるかもわかってますし、そこには応えつつ、自分たちがやりたい表現も妥協せず遠慮せずやっていこうと。どちらもある状態がいいですね」

――今作『LUMINOUS』はそれが結実した作品になるのでしょうか。

「そうです」

――最初は10曲収録の予定だったそうですが、どの曲が追加されたんですか?

「『CANDY』(M-5)です。『ハイライトの中で僕らずっと』のカップリング曲で、シングルにだけ入ってる特別感もいいかなと思ってたんですけど、楽曲を並べていった時に、次の曲との高低さがガッと出た方がいいかなという話になって。あとは"11枚目のアルバムで11曲入りも面白いかもね"ということで入れました。ボリュームがいきなり上がったり、面白い作りになっていて。音数が少ない分、曲全体の緊張感があるのが魅力の1曲です」

――2023年5月にリリースされた『Line of sight』以降の楽曲が収録されていますが、他のアルバム曲は新曲なんですね。

「そうです。ストックを仕上げた曲も何曲かあるんですけど、そういう作り方は意外と今までしたことがなかったんですよ。"今作って今出す"みたいな鮮度重視のリリースの仕方だったけど、ギターのMAMIがここ数年スランプで、本人は悩んでいて。MAMIから出てくる言葉もメロディーも大好きだし信頼していたので、今回も皆で作ろうという話になった時に、MAMIが『群青pleats』(M-1)を送ってきてくれて。"これはストックだけど、今の方がむしろ自分たちに合うかも"という話になって、めちゃくちゃ良いじゃんということで仕上げていきました」

――アルバムの幕開けである『群青pleats』は制服を想起させる曲で、いわばSCANDALの始まりを歌っていると思います。音はすごく遊んでいますね。

「1曲目にはなかなかならないような遊び心がありますね(笑)」

――元々はストックの曲だったんですね。

「弾き語りでメロディーと歌詞があって、そこから"どうアレンジしていく?"というところから、今の自分たちがやりたいサウンドに持っていきました。だから元々曲自体はあったけど、今の自分たちとのハイブリッド感がある曲。皆が聴いた時に"SCANDALのサウンドって新しいな"と思ってくれるような始まりにしたくて、『群青pleats』を1曲目に持ってきました」

――歌詞の<尖ったり揺らいだり熱を帯びたり 目まぐるしいけど愛おしい そのハートを大切にして>がすごく素敵です。"ハート"という単語はRINAさんの3月20日のブログにも出てきましたね。

「"私たちって昔からちゃんと自立していて、自分で自分を楽しくさせながら、いろんな選択をして生きていける女の子だったよね"ということを思い出したんです。MAMIは上手く歌詞が出てこない時期だったんですけど、この歌詞を読んで本人も"自分ってこういうふうに生きてきたよなと、改めて思った"と言ってて。過去の自分が残した言葉に前向きにしてもらった1曲ですね。こんな気分で毎日過ごせたらいいなって、演奏しながらすごく思います」



どんな性別の、どんな組み合わせのパートナー同士であろうと、"自分の曲"になればいい


――『ファンファーレ』(M-2)は疾走感があって、ギネス世界記録認定後最初に作った曲ということで、やはり力強さがあるなと感じます。TVアニメ『HIGHSPEED Étoile』のEDテーマにもなっていますね。

「カーレースのアニメで、主人公は自立している強い女性が良いという話をいただいていて。それは自分たちの曲を作る時に大切にしてることだし、4人の気持ちにもリンクしたので、バンドのストーリーと重ねながら、EDテーマになることを頭に置いて、TOMOMIが歌詞を書いてくれました」

――アルバム全体的に自立した女性が出てきて、SCANDALの歴史そのものが詰まっていますよね。

「私たちも聴き直して、本当に全部そうだよねという話をしました」

――RINAさんが作詞された『私たち』(M-3)も自立した女性ですが、女友達の目線からメンバーを見た歌詞なのかなと感じたんですよね。

「これは私も数年前の歌詞のストックから引っ張ってきたものなんですけど、当時完成させるには何かが足りないなとずっと思ってたんですよ。関係性に答えやゴールがある内容じゃないので、多分そこに当時の自分は引っかかっていたんだと思うんですけど、今の自分が読み返してみたら、曖昧な距離感や名前のない関係性もひとつの形だよなと思えるようになっていて、"あ、この歌詞はもう完成してたんだな"と思えて。それでDメロの2行(<二度と同じ形になれない私は波のよう あなたはじっと海を照らす太陽だった>)だけ付け足して歌詞を仕上げて、メンバーにも良い反応をもらったので、MAMIにメロディーをつけてもらいました」

――どんなメロディーがいいとか、リクエストされたんですか?

「泣けるJ-POPにしたくて。歌詞がちょっと暗いとも取れるので、メロディーは明るくていいかなというのと、あと鍵盤を入れたかったので、それを伝えました。歌詞はさっきおっしゃっていただいたように、友達同士にも取れるというか。どんな性別のどんな組み合わせのパートナー同士であろうと、それぞれ自分の曲になるものに仕上がったらいいなと思って、『私たち』というタイトルにしました。例えば制度の問題で、同性同士で結婚や夫婦という形に辿り着けなかったり、昔の恋愛を引きずっていて、その人は特別な存在なんだけど違う形で一緒にいるとかいられないとか、そういうことを想像しながら書いていきました」

――書き足した2行はどのように出てきたんですか?

「私奈良県出身なんですけど、海がない県なので、海を目指してドライブする遊び方が、すごく特別なことをしてる気持ちになるんですよ。それで海と太陽を眺めてて、"どっちもキラキラしてるけど、同じ光を放ちながら重なることはないんだな"と思ったんですよね。で、そういう人間関係はあるなって。どっちに原因があるとかではないんですけど、ある程度の距離感を保って一緒にいる方がお互いが輝けると何となく思って、メモに殴り書きしてたものを、この歌詞に組み込もうと思って書いていきました」



ひとつのことで全否定するんじゃなく、自分のことを愛していきたい


――RINAさん作曲の『Vision』(M-6)はサウンドが本当にカッコ良いですよね。ギターのバッキングからのどんどん早くなるリズム隊が最高です。

「嬉しいです(笑)」

――ノイジーに終わるのもRINAさんらしいなと感じました。この曲は『Line of sight』のカップリング曲ですね。

「バンドとしては"自分のことを愛して、自分にも優しくしながら生きていきたいよね"というメッセージをずっと伝えられてきたと思うんですけど、自分自身のことになると、それを実行するのが難しい時があって。私自身、"今自分で自分のこと愛せてないな"とか、自分のことを否定しちゃう時があるんですよね。『COUNTDOWN JAPAN 22/23』の楽屋で、昔から密着してくれてる仲の良いカメラマンさんに、"RINAって、人には優しい言葉を投げかけられるのに、自分で自分のこと否定する時あるよね"と言われて、めちゃくちゃハッとして」

――自覚がなかったんですね。

「はい。でも、"ほんとそうだな"と思って。で、フェスが終わって帰宅した瞬間に歌詞を書き始めて、一気に書ききったんですよ。自分が今までやってきたことが積み重なってるから、ひとつのことで全否定するんじゃなくて、自分のことを愛していきたいなと思って。私なりのセルフラブソングなんですよね」

――1個ダメなところがあったら、全部否定してしまうんですか?

「自分には尖った言葉を投げかけちゃえるというか。自分で傷つける意味ないよなと思いながらも、感情的になってやっちゃう時があるんです。でも良い時も悪い時も全部自分だから、丸ごと受け入れて愛していきたいなとすごく思いました」

――今は自分のことを大事にできるようになりましたか?

「なったと思います。別にしょっちゅう否定してるわけではなかったんですけど、ふいに自分に対して"うーん"と思う時があって。"ちゃんと自分のことを好きな自分の方が好きだな"と思えた、良いキッカケになりました」

――<私から夜に飛び込んで>というのは、チャレンジの意味ですか?

「明確な意味はなくて、言葉のノリというか。でも何となく"自分のダークな部分に飛び込んでさえ愛す"みたいな感覚でした。誰でも両面あると思うので、どっちも自分と受け入れて、自分にも優しく生きていくのは大切だなと思いましたね」

――自分に優しくしたい時、RINAさんは何をしますか?

「1番は自分を否定しないことですけど、楽しくなることをいっぱいしたり、映画やお笑いが好きなので、好きなものに囲まれて過ごす日を作ったりします。素直に生きるということなんですかね」



悲しさや怒り、憤りをぶつけられるのがロックバンド


――『Vision』の後はロックな楽曲が続きますね。『LOOP』(M-7)は1発録りだとか。

「4人で1発録りをしました。大体の曲はドラム、ベース、ギター、ギターの順番に1人ずつレコーディングしていくことが多いんですけど、この曲は4人のグルーヴをライブ感ある感じに閉じ込めたくて、"せーの"で録って1回で終わりみたいな。それも楽しかったです。同じ日に歌も録って、全部合わせて4~5時間ぐらいで出来上がりました」

――インディーズ時代から数えても、1発録りはあまりされてこなかったですか?

「少ないですね。"せーの"で録ることはあるんですけど、所々直すことも多かったですし。多少の粗さを残して、それも良しとするのは久々でした」

――そうしたい気持ちがあったんですか。

「ライブを意識して作ったのもありますし、テクニック的にもかなりシンプルで簡単な楽曲なので、4人のクセが強い方がカッコ良くなるんじゃないかなと思いました」

――ギターフレーズがループしていますね。

「この曲はまさにそこから作り始めたんですよ。私DTMで作曲する時にギターを上手に弾けないので、ループ素材でコードを貼り付けていくんです。その作り方を活かして1曲作ろうと思ったので、仮タイトルを『LOOP』にして、歌詞もループをテーマに書いていきました」

――それで、繰り返しの日々から飛び出したいという内容になっているんですね。<こんな世界じゃ 笑えないわ>と。

「これは同じスケジュールをこなしてる気分になって不安になる時があって、そういうところから書き始めたんですけど、日常生活で見る悲しい出来事や悪いニュースの原因がいつも同じすぎない?って」

――なるほどね。

「悲しさも怒りもあるし、どうしたらこの繰り返しから抜けられるんだろう、こういうことが減ったらいいのにと日々思うんですよ。そういう感情をぶつけられるのがロックバンドだから、作っててすごく楽しかったです」

――あとボーカルが渋いですよね。

「そうですね(笑)。私の仮歌をデモに入れてたんですけど、そこでもだいぶザラッと歌ってたんですよ。HARUNAがデモの雰囲気も汲み取ってくれて、さらに彼女のアイデアをプラスして歌ってくれました」



今はやりたいことをやるべきモード。すごく健康的


――『あなたへ』(M-9)は作詞がMAMIさんで、作曲をRhythmic Toy World(以下、RTW)の内田直孝さん、編曲を同じくRTWの岸明平さんが手がけています。ここ数年はメンバー4人での制作を重視されていましたが、共作をされた理由は?

「何となく"MAMIが歌う曲がアルバムに入ってたらいいよね"、という話をしていて、MAMIもその時歌いたい気持ちがあったので、今回は自分たちで完結させるのではなく、外からのエッセンスをもらって新しいものを作ってもいいんじゃないかなと思えて。やっぱりどこかで"4人でやらなきゃいけない"みたいなのがルールになってたんですけど、それも崩して、"新しいものが作れて楽しそう"という想いから他の人の力を借りようと。できないからやってもらってた初期の頃とは全然違うし、そういう自由度もありだという話になりました」

――なるほど。

「元々うっちー(内田)とMAMIが友達だったので、2人でやり取りして作業を詰めてもらって、ある程度デモが完成した時点でメンバーにシェアしてもらって。その時点ですごく良くて。イントロが3〜4パターンあって皆で選んだり。あとMAMIが歌詞を送ってきてくれた時、あまりにも言葉がまっすぐすぎて、"強烈すぎるかな"と相談されたんですけど、私はそれが良いなと思ったんですよね。誰が聴いても何のことを歌ってるかよくわかるし、18年目になった自分たちが歌うからこそ伝わる言葉たちだなと思ったので、このまま仕上げてていきました」

――ファンの方が聴いたら泣いてしまうのでは。

「だいぶヤバそうです(笑)。タイトルは最後まで決まってなかったんですよ。MAMIに"何がいいと思う?"と相談されて、"もうこれは日本語で『あなたへ』だよ"って。本当にまっすぐな曲です」

――イントロもメロディアスで切なくて、最高のギターリフですね。

「泣けます。今の楽曲としてはイントロが長いんですけど、"イントロ弾きたい! いっぱい弾いてから歌始まろうよ"となりました。最近の曲は歌始まりや短いイントロが良いと言われがちだし、その方が聴かれる確率が高くなったりするのかもしれないけど、そういうことを度外視で作った曲ばかりですね(笑)」

――アルバムだからできるところもあるんですかね。

「今の自分たちのモード的に、やりたいことをやるべきみたいなところにいるんだと思いますね。すごく健康的です」



4人の精神性や人柄をちゃんと残して伝えていくべき


――『ハイライトの中で僕らずっと』(M-11)ですが、昨年11月に行われた学生招待ライブ『OSAKA DREAM LIVE 2023-autumn-』で歌っておられた時、HARUNAさんが"どんな瞬間も4人でいればハイライトだった"とおっしゃっていて、HARUNAさんを見つめる3人の眼差しが本当に優しかったのが印象に残っています。

「え~、嬉しい! これは今の自分たちを象徴する本音の1曲です」

――大事な1曲ですよね。

「すごく大事な曲になりましたね。バンド自体、もうこの先どこで終わってもおかしくないとも思うんですけど、だからこそ1曲1曲、1公演1公演のライブを本当に大切に心を込めてやっていきたいし、日に日にこのバンドのことが大切になっていってるので、どこかでゴールする瞬間があるかもしれないけど、そこまで丁寧に届けていこうと皆で決めています」

――SCANDALって、今言語化するとしたらどんなバンドですか?

「もうこんなガールズバンドは出てこないんじゃないかなと、自分でも思います。4人でこれだけの人生をバンドだけに費やせたことは本当に奇跡的だし、3人に感謝しかないですね。この4人じゃないと作れなかった音楽とライブばかり。この4人の精神性や人柄をちゃんと残して伝えていくべきだなとすごく思ってます」

――18年は長かったですか。

「長かったですね。自分の人生の中にほとんどバンドしかないので、本当に贅沢だなと思うし、経験できなかったことも山ほどあるんだろうなとも思う。なので一言では表現できない気分なんですけど、バンドマンになって良かったです。表現できる場所があることにすごく感謝してます」

――同じ女性として、メンバーはどんな存在ですか?

「たくましいですよ。ほんとにすごい人たちだなと思う。今まで公言してきたことを全て有言実行できたので。他の女の子じゃできなかっただろうなと心から思うし、本当に結婚したかったらしてほしいし、出産したかったらしてほしいし、もしどこかで区切りをつけたいと言われたら絶対に受け入れたい。ちゃんと全部話し合える4人でいたいなと思ってます」

――素敵な関係性ですね。

「"よく頑張ったな"とお互いに言い合えます。30代に入ってちょうどいろいろ考える年齢でもあるから、すごくそう思いますね」

――そしてこの勢いでツアーが始まります。関西は5月11日(土)Zepp Osaka Baysideと、12日(日)奈良・EVANS CASTLE HALL。どんなライブにしたいですか?

「今まではライブハウスとなると、割と激しい曲をいっぱいやりたい感じだったんですけど、アプローチを変えたライブをできたらいいなと思ってます」

――アプローチを変える?

「選曲はアルバム曲中心になるんですけど、過去の曲から持ってくる曲もたくさんありますし、色んな時代の自分たちを楽しんでもらえるツアーにしたいのと、これからライブハウスでライブを続けていく上で、どういうやり方なら長くできそうかなという実験をしたくて。ずっと暴れるだけのライブは、40歳になったらできないかもしれない。そういうことを今から皆で考えてるんですよ。いろいろ考えて良いライブを届けたいです」

Text by ERI KUBOTA




(2024年4月23日更新)


Check

Release

新しいフェーズに入ったSCANDALの11枚目のオリジナルアルバム
Album『LUMINOUS』
発売中

【完全生産限定盤】(CD+Blu-ray+GOODS)
12100円(税込) VIZL-2304

【初回限定盤A】(CD+Blu-ray)
4950円(税込) VIZL-2305

【初回限定盤B】(CD+雑誌)
4950円(税込) VIZL-2306

【通常盤】
3300円(税込) VICL-65949

《収録曲》
01. 群青pleats
02. ファンファーレ
03. 私たち
04. Plum
05. CANDY
06. Vision
07. LOOP
08. Line of sight
09. あなたへ
10. 1:47
11. ハイライトの中で僕らずっと

Profile

2006年大阪で結成。2008年「DOLL」でメジャーデビュー。翌年には「少女S」でレコード大賞新人賞を受賞。国内外問わずに多くのフォロワーを持ち、世界中でコンサートを行っている。近年ではファッションアイコンとしても注目を集め、自身のアパレルブランド「FEEDBACK」をプロデュース。2019年にはプライベートレーベル“her”を設立する等、名実ともに日本を代表するガールズバンド。2023年8月には「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定された。2024年3月20日に11枚目のオリジナルアルバム『LUMINOUS』がリリース。自ら光を放つフェーズへと移行した4人を存分に味わうことができるアルバムに仕上がっている。さらに全19公演に及ぶ全国ツアー『SCANDAL TOUR 2024“LUMINOUS”』を開催中。

SCANDAL オフィシャルサイト
https://www.scandal-4.com/


Live

SCANDAL TOUR 2024 “LUMINOUS”

【新潟公演】
▼4月27日(土) NIIGATA LOTS
【石川公演】
▼4月28日(日) 金沢EIGHT HALL
【愛知公演】
▼5月4日(土・祝) Zepp Nagoya
【神奈川公演】
▼5月6日(月・祝) KT Zepp Yokohama

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:264-601
▼5月11日(土) 18:00
Zepp Osaka Bayside
1Fスタンディング-6000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
1Fスタンディング(学割)-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-6500円(ドリンク代別途要)
2F指定席(学割)-5000円(ドリンク代別途要)
※小学生以上チケット必要(当日入場口にて小学生以下は年齢を証明できるものをご持参ください)。【学割】
※当日、入場口にて小学生は年齢を証明できるものを、中学生・高校生・大学生・専門学生の方は学生証をご持参ください。
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は5/8(水)朝10:00以降となります。
[問]サウンドクリエーター
■06-6357-4400

【奈良公演】
▼5月12日(日) EVANS CASTLE HALL
【北海道公演】
▼5月16日(木)・17日(金) ペニーレーン24
▼5月19日(日) club COCOA
【東京公演】
▼5月25日(土) Zepp Haneda(TOKYO)
【台湾公演】
▼6月9日(日) The Legacy

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