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ハンブレッダーズ、地元・大阪で初アリーナワンマンを開催
結成15周年を祝う武道館公演も発表

2023年10月31日の結成14周年を経て、現在15周年イヤーの真っただ中にいるハンブレッダーズが、3月24日、初となるアリーナワンマン「ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~」を大阪城ホールにて開催した。今年2月には、全国12か所を巡る「ハンブレッダーズ "秋のグーパンまつり2023"」を無事終え、アルバム「はじめから自由だった」をリリース。4月5日(金)からは同作を携えたツアーも控え、今波に乗る彼らがホームタウン・大阪で迎えた記念すべき一夜を紹介する。

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Photo by 松本いづみ

もちろんアリーナでもムツムロ(vo&g)によるいつものバンド紹介から始まるが、今夜は"あの日、少年漫画の主人公になれなかった俺たちが、今、大阪城ホールに立ってます!という歓喜の一文が足され、でらし(b)とukicaster(g)も曲前から舞台端まで走り出して「逃飛行」で全力のスタートを切る。そして特効の炎が上がる「ギター」や、ukicasterのギターがリードする「ユースレスマシン」へとつなげ、序盤からぐいぐい上昇。ハイスピードをキープしてボーカルにも熱がこもり、早くも観客はシンガロングで呼応する。暗転中もメンバーの名前を呼ぶ声が響き、MCでは逆にメンバーが"すごい!"を連呼。"現実のものとは思えないです"(でらし)と、だれもが夢見心地のなか、今度は「スクールマジシャンガール」で甘酸っぱい思春期の情景へ。外は真冬並みの寒さだが、サクラ色のライトに染まった会場にはひと足早い春が訪れ、そこから木島(ds)がシャッフルビートでご機嫌に誘って「ユアペース」。メロディアスなベースやギターだけでなく歌声も楽しげで、ファンを大いに弾ませるが、次は巻き舌的なボーカルや速弾きのギターなど、それぞれに荒ぶる「才能」で猛攻をかける。真っ赤な照明が4人のシルエットを浮かび上がらせたり、ストロボが網膜を刺激したり。エッジーな光景をまぶたに焼きつけ、ここでいったん小休止のトークに。ムツムロが"人生初のバイトが(大阪)城ホールの設営で......"と振り返れば、木島は大阪城ホールで見たスピッツのライブを思い出して"(同じ舞台に)立ってるのか?"と自問自答。またムツムロは"今日、父さんと母さんが来てて......"と明かし、同じく今日の会場で母と見た山崎まさよしのライブと、その日あった家族のエピソードまで披露する。地元・大阪の公演ならではのほっこりとしたひと時だ。

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Photo by 松本いづみ

humbreaders240403-8.jpgPhoto by 渡邉一生

しかし曲に戻れば「DANCING IN THE ROOM」で再び加熱。ギターカッティングもベーススラップも小気味いいダンスナンバーは、場内がざわめくミラーボールのきらめきでさらに気分上々にし、続く「STILL DREAMING」では爽快なメロディと伸びやかな歌声で突き抜ける。加えて直球勝負の「プロポーズ」では4人のユニゾンで推進力を生み、オーディエンスが歌う声も。すると、そんなファンたちにどこから来たのかを尋ね、その回答にムツムロとでらしがツッコみ倒すという爆笑のコミュニケーションを経て、大阪への愛をこめた「都会に憧れて」と「アイラブユー」をシームレスに。2本のギターが掛け合うようなシーンや "ラブラブラブ"のコールなどにハートも温まる。だがその直後、空気を変えたのは木島のワンマンショー。"DJ KIJIMA"の文字が輝く電飾をバックに、華麗なDJプレイとドラムソロを炸裂させると、大歓声が沸いてモニターに映る木島の表情も満足げ。およそ5分間、大観衆の視線をひとり占めにする。そしてメンバーが戻って勢いそのままに後半戦へ。

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Photo by 渡邉一生

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Photo by 渡邉一生

まずは胸が高ぶるイントロから「ワールドイズマイン」。ギターもベースもキレッキレなうえに、銀テープが盛大に発射されて大空間は興奮状態に。人々は存分に跳ねて大合唱し、まさに"この世界はきっと僕らのものなのさ"といったところだ。しかもその後もスピードは増して「起きろ!」と「COLORS」。でらしの"起きてっかー!"のシャウトもシンガロングも轟き、頭上はきつく握られた拳で埋め尽くされる。そんな壮観な景色を目にしてムツムロは"ミュージシャンっていう仕事をしてるんですけど、どうしても落ち込んじゃう日もあって......。だからこそこの仕事をしててよかったなって最近思ってます。俺の気持ちがアガんない時でも、俺が作った音楽がだれかの日常で歌ってたりして。その日だれかに届いてればいいなと思いながら東京で暮らしてます"と語り、バラード「東京」で日々の思いを体現。秒針のように刻むビートにのせるエモーショナルな旋律や哀愁漂うギターに、観客はうなずくようにして聴き入るが、曲後のムツムロの呼びかけもまた心を揺さぶる。"吉野、来てる?"と、オリジナルメンバーで現在は(夜と)SAMPOのギタリスト・吉野エクスプロージョンを探し、"お前のせいで俺の人生、とんでもないことになってます。お前が始めたハンブレッダーズ、こんなことになってるよ!"と伝えると、彼と過ごした時代を描く「銀河高速」へ。ミラーボールからの光が星のように降り注ぐなか、クラップと疾走感を伴って駆け抜け、たくさんの手がアップ&ダウン。ファンにも思わず込み上げるものがあるに違いないが、続くのは"3-A(3年A組)のお前が、城ホールでDJしてるわって笑ってもうたわ(笑)"(ムツムロ)という彼らだからこその"木島いじり"。まんざらでもない様子の当の本人からは、"70歳くらいまではバンド続けたいなと思います!"という宣言も飛び出し、いよいよゴールに向けスパートを開始する。

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Photo by 渡邉一生

現在の思いをユーモアも感じさせるアンサンブルで鳴らす「ビートアディクション」で大きな手拍子を起こしたら、青いキラーチューン「DAY DREAM BEAT」でダメ押し。約10000人によるあのキャッチーなサビの合唱が大阪城ホールに広がり、モニターでは4人の笑顔と客席の映像がオーバーラップして映画のよう。加えて曲名のコールだけで歓声が上がる「見開きページ」では、"大好きなものに大好きって言わなくちゃ!"、"乞うご期待!"とマックスで吠えて青春をよみがえらせる。そしてムツムロは感極まりつつ、"俺は中学のころ友達がいなくて、毎日が楽しくない時期があったんですけど、高校に入ってバンドをやり始めて友達ができて、ライブハウスに出始めてそこでもまた友達ができて。今は曲を作るたびに聴いてほしいなっていう友達がいっぱいいるんですよ。本当に幸せな人生にしてもらってるなって思います"と感謝を口にし、"俺たちはライブハウスから来たバンドなんで、この先もずっとライブハウスで演奏していきたいと思ってます"と最後に「ライブハウスで会おうぜ」をセレクト。モニターには彼らが思い出を作ってきた各地のライブハウスの写真が次々に映し出され、バンドの歴史を物語る。それを背に軽やかかつエネルギッシュに響かせるメンバーの魂を込めたラストチューンは特大のクラップに支えられ、すべての人の心を一つにしてついに4人はゴールにたどり着いた。

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Photo by 松本いづみ

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Photo by 渡邉一生

しかし、さすがの15周年はアンコールもお楽しみ満載。まずメンバーが現れたのはアリーナ後方のサブステージで、大喜びするファンのすぐ横を通って登壇すると、"売れたなと思いました(笑)"(ムツムロ)とスモールトークをはさんで、4人が向き合う位置に着席し、「ファイナルボーイフレンド」と「口笛を吹くように」を。オーディエンスはアコースティックギターのやさしい音色や美しいハーモニーでつづるピュアなラブソングに気分よくのぼせ、穏やかなメロディにリラックスして体を揺らす。そして彼らがメインステージに戻る道中、モニターに流れるのは4人がどこかを歩く足元のVTR。到着した建物をカメラがとらえると、そこにはなんと武道館の文字が! 10月9日(水)、日本武道館公演決定という大発表に人々は狂喜乱舞する。再登場したムツムロは"何これ(笑)?"とひとボケするも、すぐに"頑張るぞ!"と気を吐き、"これから俺たちの代表曲になる曲を"と「グー」をオーラスに。聴く者の背中を全身全霊で押すロックは、渾身の"グー"を全員に突き上げさせて感動のフィナーレ。一人残らず上気し、ハンブレッダーズ初のアリーナワンマンは冷めない余熱をたっぷり残して幕を下ろした。

Text by 服田昌子




(2024年4月 4日更新)


Check

Set List

「ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~」
2024.3.24 Sun at 大阪城ホール

01. 逃飛行
02. ギター
03. ユースレスマシン
04. スクールマジシャンガール
05. ユアペース
06. 才能
07. DANCING IN THE ROOM
08. STILL DREAMING
09. プロポーズ
10. 都会に憧れて
11. アイラブユー
12. ワールドイズマイン
13. 起きろ!
14. COLORS
15. 東京
16. 銀河高速
17. ビートアディクション
18. DAY DREAM BEAT
19. 見開きページ
20. ライブハウスで会おうぜ
EN1. ファイナルボーイフレンド
EN2. 口笛を吹くように
En3. グー

▼セットリストLinkfire
https://lnk.to/hmbr_jtimeWE

Release

Album『はじめから自由だった』
発売中 TOY'S FACTORY

【通常盤】(CD)
3300円(税込) TFCC-81063
【初回限定盤】(CD+Blu-ray+ブックレット)
6500円(税込) TFCC-81061~2

《CD収録曲》
01. はじめから自由だった
02. サレンダー
03. ビートアディクション
04. 十七歳
05. DANCING IN THE ROOM
06. ひらがな
07. またね
08. ペーパームーン
09. 無駄な抵抗
10. グー
11. THE SONG

《初回限定盤付属Blu-ray収録内容》
「ハンブレッダーズ“ヤバすぎるワンマンツアー2023”」at NHK Hall
・起きろ!
・ワールドイズマイン
・見開きページ
・いいね
・再生
・プロポーズ
・パーティーを抜け出して
・ファイナルボーイフレンド
・ドラムソロ
・ヒューマンエラー
・才能
・アイラブユー
・常識の範疇
・ギター
・光
・ヤバすぎるスピード
・東京
・BGMになるなよ
・THE SONG
・またね
・DAY DREAM BEAT
・逃飛行
・ライブハウスで会おうぜ

「ハンブレッダーズ“ヤバすぎるワンマンツアー2023”」TOUR DOCUMENTARY

https://lnk.to/humbreaders_4thfullAL

Live

はじめから自由だった“ワンマンツアー”

【福岡公演】
▼4月5日(金) Zepp Fukuoka
【新潟公演】
▼4月10日(水) NIIGATA LOTS
【神奈川公演】
▼4月15日(月) CLUB CITTA’
【香川公演】
▼4月21日(日) 高松festhalle
【愛知公演】
▼5月1日(水) Zepp Nagoya
【石川公演】
▼5月9日(木) 金沢EIGHT HALL
【広島公演】
▼5月11日(土) BLUE LIVE 広島
【宮城公演】
▼5月18日(土) 仙台PIT
【東京公演】
▼5月21日(火) Zepp Haneda(TOKYO)
【北海道公演】
▼5月25日(土) サッポロファクトリーホール

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:259-984
▼5月30日(木)・31日(金) 18:30
Zepp Osaka Bayside
1Fスタンディング-4800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
2F指定席-4800円(ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※販売期間中は、インターネットのみで販売。1人2枚まで。チケットは、5/23(木)朝10:00以降に引換えが可能となります。
[問]GREENS■06-6882-1224

【沖縄公演】
▼6月8日(土)・9日(日) output


『ARABAKI ROCK FEST.24』
▼4月27日(土)
みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

『MAIZURU PLAYBACK FES.2024』
▼4月29日(月・祝)
MAIZURU P.B. Harbor Park

ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~
▼10月9日(水) 日本武道館

チケット情報はこちら


オフィシャルサイト