ホーム > インタビュー&レポート > 新世代R&Bバンド・HALLEYが語る アルバム『From Dusk Till Dawn』のプロダクションの裏側
The Naleioを中心に集まった、音楽オタクの5人
――大阪での2回目のライブはいかがでした?
清水「僕は前回よりちょっとほぐれた感じがしました。1回目の大阪(『Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2023』)は緊張して、悔いが残るぐらいやらかした記憶があったので。少しは肩の力を抜いてできたかなと思います」
張「やりたいことは結構できたよね」
清水「広かったしね」
――やっぱりステージが広いとやりやすいですか?
清水「ステージがデカいと多分音響さんも音を作りやすいし、コミュニケーションが取りやすくて、ライブしやすい環境だった。我々は結構ライブ中にコミュニケーションを取りたい人たちだから」
張「全員の音を均等に聴けるしね。あと"ずっと見たくて、今日初めて見に来ました"みたいな方もいらっしゃって。初めましての方たちにどうアプローチしていこうかと考える契機にもなったので、そういう意味では転換点になったんじゃないかなと思ってます」
――1回のライブですごく分析されるんですね。
高橋「演奏中にお客さんの反応を見てパフォーマンスを変えたり、分析しながらやってるので。で、ライブが終わった後に反省会に入るスピードがえげつない(笑)」
清水「片付けしながら反省会してる」
張「打ち上げやる暇あったら反省会したい、みたいなところがあるから、俺ら」
――結成後のお披露目ライブの後も、打ち上げに参加せず曲作りをされていたんですよね。
張「そうなんですよ!(笑)」
西山「1番下っ端だし、絶対行った方がいいのに、"俺ら次あるんで"って(笑)」
張「でもね、別にその時はイキってたわけではなくて、本当に曲を書きたくて帰ったので。多分その感じは変わってないよね」
登山「こいつ(清水)は大阪の楽屋でまた曲作ろうとしてました(笑)」
張「楽屋でDAW開く人いないから(笑)」
――すごい。集まれば自然に曲作りが始まってしまうんですね。
張「曲の話をずっとしてますね。オタクなんで僕たち」
――年齢は西山さんが1番下ですか?
清水「歳で言うとテヒョン(張)、継(高橋)、僕の3人が同い年で、晴(登山)がその1個下。で、さらにもう1個下が心(西山)ですね」
――皆さん、現役大学生ですよね。
全員「まあ......。。」
――だいぶ濁った(笑)。早稲田大学の音楽サークル"The Naleio"で出会ったということですが、全員が早稲田というわけではないんですよね。
清水「晴、心、継の3人は早稲田です」
――早稲田のサークルは、他大学にも開かれているんですか?
張「基本的にインカレなので、色んな大学の人がいっぱい集まってて。それこそ音大の人専門の人もいるし、何してるかわかんない人もいるし」
高橋「大学生じゃない人も、フリーターもいる」
清水「歳の近い人は誰でもOKみたいな」
――最初はテヒョンさんがバンドを組みたいとなって、サークルに入ったんですよね。
張「僕は上智大学で弾き語りサークルにいたんですけど、"僕の好きな音楽がやりたい"と思った時に、合う子たちがあまりいなかったんです。で、偶然卒業ライブに来てた先輩がビー・ジーズの『How Deep Is Your Love』を歌ってて。マジで好きな曲だったから、"どこで音楽やってるんですか"と聞いたら"The Naleioだよ"と教えてくれて。元々はソロだったけど、バンドかソロ名義で一緒に音楽を作れる人がほしかったので、The Naleioに仲間探しの旅に出た感じです」
――そこでこのメンバーが集まったと。
張「僕たちが3年生で心が1年生の時に、新歓セッションという新入生歓迎会があって。皆でジャムセッションして、ドラフトみたいな感じで、気が合ったらバンドを組むんです」
――まずセッションするのが絶対なんですか?
張「絶対です」
登山「言っちゃえば、バンドを組めないと入会できないんです」
清水「つまりセッションができないと、楽器が上手くないと入会できない。僕も3年生の時にThe Naleioに行きました。本当は2年生の時に行こうと思ってたんですけど、コロナがぶちあたって新歓もできなくて、1年間引きこもって音楽ばっかり聴いて、その次の年にThe Naleioに行った同じタイミングでテヒョンも来て。僕も"絶対バンド組むぞ"という気持ちだったので、結構エネルギーは合ったというか」
張「不思議なドラマーがいるなと思ってたんですよ。ドランクビートという、よれたビートっぽいのを変なフォームで叩いてて。気になってたら彼の方から話しかけてくれて、"一緒にやろうよ"と話が弾んで。そこに偶然いたのが心と晴」
清水「晴と心は高校の先輩後輩で2人で来てて。テヒョンと"ギターとベースと鍵盤探そう"と言ってたら、ちょうど鍵盤とギターで一緒にいて。後ろでボソボソと"何も準備してねえよ"と言って尖ってて。"怖っ"て(笑)」
登山「本当に前日に行こうって決まったんよ(笑)」
西山「セッションリストのうち、3〜4曲しかわからなくて」
登山「俺、直人が1年生だと思って接してたんですよ。なんなら1個下だと思ってたら、顔合わせライブが終わって"実は俺3年なんだよね"みたいな。1年生のフリしてた方が友達できるからって。キモすぎると思って(笑)」
清水「僕童顔だから、自分の大学でも、(当時)3年生だけど毎回新歓で間違えられてて。"早稲田なら絶対1年生でいけるわ"と思って」
張「で、新歓セッションの時にベースがいなくて。僕たちクリスチャンなんですけど、学生のクリスチャン同士のサークルみたいな感じで、上智の学生会と早稲田の学生会が繋がってたんですよ。だから継(高橋)とは大学1年生の時から知り合いで、よくベースの動画を上げていたので、趣味が合うことは知ってて。実はバンドを組む前にも2人でカバー動画をあげたりしてたので、その繋がりで"ちょうどベースいるわ。呼ぶね"って継に電話かけて」
高橋「で、"え! The Naleioマジ!?"って」
登山「その年、彼は怖くてThe Naleioのセッションに行けなかったんです」
高橋「The Naleioの先輩の代にBREIMENさんがいるんですけど、僕めちゃくちゃ高木祥太(vo.ba)さんのファンで。コロナ期はずっと祥太さんの動画を見て練習してて、"The Naleioに行きたいけど、もう3年生だからな〜"みたいな感じでいたら、ちょうど連絡がきて。運が良かったです」
――導かれたような感じですね。
張「本当に。最初はジャンル広く何でもカバーしようって、ジャミロクワイとかカーク・フランクリンの『Love Theory』とかやってたよね」
清水「でも最初の頃からちょっとアレンジしないと気が済まないみたいな雰囲気はあって」
登山「そもそもギターが入ってない曲を選曲するから、フレーズを用意して練習したところで、結局変わっちゃう」
張「どうしても仕方ないですよね。僕たちが聴くのってR&Bやソロシンガーで、鍵盤曲で大所帯の曲が多いので、5人でやるとなるとアレンジを変えなきゃなんない」
清水「実際The Naleioって、普通は10人ぐらいの大所帯で、ホーンセクションやコーラスがいるバンドが基本なんです。それこそBREIMENの高木さんがいたバンドはそのぐらいの大所帯。俺らは普通のバンドサークルみたいに5人で出ようとしてて。で、初回のお披露目ライブの後に継の家に皆で篭って曲作りをしたのが、HALLEYのスターティングだった気がします」
――曲作りはどんな感じでされているんですか?
張「プロダクションのプロセスは曲ごとに違うんです。歌詞は僕が書いて、楽曲はHALLEY全体でやるんですけど、それぞれが曲の種を持ってくるんですよね。その種ごとにセッションして作ろうとか、PC上で作ってもう1回セッションに持っていこうとか、あるいはDAWだけで作りきろうというのもあるし。まずは主に僕のPCでDAWをいじってプロダクションすることが多いんですけど、レコーディングにいくとエンジニアの友達のTaketo(Ichikawa)くんのPCに移って、その画面を見ながら皆で意見しながらプロダクションするスタイルになりますね。プリプロの段階は5人で僕のPCを見ながら向き合って、"じゃあこういう音はどう?"と言いながらやる感じです」
曖昧な時の流れを、感覚的に共有している5人の仲間たち
――1stフルアルバム『From Dusk Till Dawn』は"時間と曖昧さ"がテーマということですが、昨年5月から3か月連続でリリースされたシングル『Set Free』『Whim』『Breeze』から地続きのものがあると感じます。どのようにアルバムを作っていこうとなったんですか?
登山「コアコンセプト自体は、僕が考えてる部分が多くて。実は1st Demo EP『'D'』(2022年会場やオンラインでリリース)を出した時から、アルバム3枚目ぐらいまでの構想を考えてて。そこから逆算して、今回は『From Dusk Till Dawn』とつけたんですけど。自分の中で、HALLEY自体がバンドでありつつ、HALLEYという作品でもある感覚があって。バンド活動自体が作品っぽくなったらいいなと思ってて。それで1枚目は時間をテーマにしようかなというのがぼんやりあって。で、"HALLEYの時間って何だろう"というところから考えていって、バンドメンバーで密に打ち合わせを重ねて、シングル3枚は空の時間帯の違う写真をモチーフにしましたね」
張「この曖昧さや時の流れについて、1番最初に僕たちの中で共有した感覚は、新歓の顔見せライブを終えて、高まったあまりに継の家に駆けつけて、朝まで曲作りをした時のことなんですよ。一段落ついて、ちょっとコンビニに行こうと外に出た時の空の色が、曖昧な時間帯だったのをめっちゃ覚えてて。朝4時とか5時で、日が暮れてるのか昇ってるのかわからない時間。僕たちが佇んでいる感覚。ずっとそこにいたいなという想いも込められているし、その中で僕たちが存在してるんだなと自覚できる。曖昧だけど時が流れていて、それを感覚的に共有している5人の仲間たちというコンセプトだよね。ちなみにその時初めて作ったのが『Breeze』です」
登山「部屋にこもりすぎて、普通に時間がわからなくなってるだけなんですけど」
清水「そのコンセプトと空模様を重ねて、今は朝なんだろうか夕方なんだろうかという意味を『From Dusk Till Dawn』のタイトルに込めました。"Dusk"と"Dawn"を古語で訳すと、"誰そ彼時(たれそがれどき=夕方)、彼は誰時(かはたれどき=明け方)"と言ったりするんですけど、『Who Is He?(interlude) 』のタイトルとも関連してきて。1曲目の『Daydream(M-1)』は"白昼夢"という和訳になるんですけど、"昼"と"夢"という概念、そして時間が混ざり合うことが、このアルバムの軸になってくるなと。『Daydream』は元々テヒョンが書いてた曲だったよね」
登山「アルバムの構成が僕の中で見えてきた時に、"1曲目に『Daydream』って曲欲しいかもな"と言ったら、テヒョンが"ちょうど白昼夢というテーマで書いてる曲あるよ"って」
張「曲も歌詞も、全然HALLEYのために作ってたわけじゃなくて。共通の友達のピアニストと一緒に曲を作ろうとなった時に歌詞だけ書いていて、全部書いたのに使わなかったんですよ。だから何か曲を作りたいなと思って作っていたのが、偶然にも彼の意中に合っていたんです」
登山「日本語詞というのも僕のイメージと合って。HALLEYは英語詞が多いんですけど、『Daydream』は日本語っぽくできたらいいなとぼんやり思っていたので。俺からしたらめっちゃラッキーだった(笑)」
アルバム構成のリファレンスは『千と千尋の神隠し』
――アルバムのピースを埋めていくために作った曲は他にもあるんですか?
張「『From Dusk Till Dawn(M-11)』と『Who Is He? (interlude)(M-6)』はアルバムのコンセプトにあわせて書き下ろしました。他の曲はアルバムを作っていく過程で、同時並行でできていって。最後にできたのがこの2曲。アルバムのピースを埋めていきたいし、表題曲になりうる楽曲を作りたい、みたいな気持ちで作った曲たちです」
登山「これ、誰にも言ってないんですけど、アルバムが『千と千尋の神隠し』を参照した構成なんですよ」
――え!?
登山「僕『千と千尋』がめっちゃ好きで、そこから取ってて。"曖昧さ"みたいな話なんですけど。構成で言うと、『千と千尋』は現実からトンネルを通ってファンタジーの世界に行って、現実に帰ってくる話なんですけど、実際は現実に帰ってきてるんじゃないんです。A→B→Aじゃなくて、実はA→B→Aと見せかけてA→B→Cになっているんですよ。そういうイメージで、『Who Is He?(interlude) 』がトンネルみたいになってたらな、みたいな」
――へー!
高橋「僕らも今初めて聞いた(笑)」
清水「俺ジブリ作品わかんない(笑)」
張「晴はこういう出発点を作ってくれる人物なんです。まずアルバムの全体像の前にある根幹のコアコンセプトを作ってくれて、そこから皆どんどん連鎖して考えていくんですけど」
登山「例えば"デザインどうする?"となった時、"こういうコンセプトがあるし、こっちにいこう"と選択できるようになる。そのために太い真ん中の軸があればいいなと」
張「真ん中に彼なりのコンセプトはあると思うんですけど、僕たち5人全員それぞれの解釈が共存できるように、スペースを作ってくれるんですよね」
登山「それは意識してるかも」
張「例えば、僕がライナーノーツを書いたものと皆が書いてくれてるものが、似ているようで違ったり。言葉の使い方もフレーズも異なるけど、それはやっぱりこのアルバムの深みに直結してくるところだし、コアコンセプトはあるけど、そこに連想される表現や自由な解釈が、"タイムレスさ"というか。時間が経ってアルバムを振り返った時に、当時のことを思い出したり、今の考え方と照らし合わせたりできる、深みの分厚さの根源かなと思っています」
登山「だからなぜこのコンセプトになったか、みたいなところは話しすぎないようにしてて。話しすぎると全く同じ意見になっちゃうので」
張「楽曲の時もそうですね。種を持ってきて、わざと完成してない作品を皆で育てていく。その作業が1番楽しいので。『Daydream』はちょっと完成されちゃってたけども、他の曲は最初から皆で作ったもんね」
登山「あとはノエル・ギャラガーさんのソロアルバム『Who Built The Moon?』の構成もちょっとオマージュしてて。色んな参照元があります。最後は『Write Me a Love Song(M-12)』で弾き語りで現実に戻ってくるというふうに作ってますね」
――聴いてる側はまんまとハマってますよ。
清水「うわー、嬉しいです」
張「今作はコンセプト的にも音楽的にも、やりたいことを全部詰めました。ジャンルを混ぜてる曲もあれば、ストレートに"このジャンルでいこう"という曲もあるし」
登山「リファレンス含め、こんなに詰めて大丈夫なのかなと思ったけど、"来年の俺もまた頑張るやろ"と思ったから、出し切ろうと(笑)」
張「『Daydream』に関しても、"久しぶりに出た良い曲なんだけどな"と思いつつ、"どうせまた良いの出てくるでしょ"って。来年の自分から良い曲が出てこなかったら、音楽やめなきゃいけないなと思って。越えられないならダメだからさ」
清水「それもあるな。今よりも良いものができなかったら、音楽人として悔しいもんね」
今のフレッシュな僕たちを見に来てほしい
――今作で"ここは聴いてほしい!"というポイントを、それぞれ教えてください。
登山「僕はギター的に『Lemonade(M-10)』がめっちゃ好きで。直人が原案を出してくれた曲で、元々全然違うギターアレンジでライブでもやってて。ライブごとに少しずつアレンジを変えていってるんですけど、その変化の感じが、自分がギターを練習したり勉強していく途中の変化と近いものがあって。自分の取り入れたい言語が出せてる曲かなと思うので好きですね」
――アウトロの余韻も気持ち良くて、聞きごたえがありますね。
登山「結構こういうジャンルって、レコーディングで何本もギターを重ねたりするんですけど、この曲に関してはほとんど1本で録ってるので、バンドらしさもあるかなと。そこも面白いところですね」
高橋「僕は『Clear Mind(M-9)』が好きです。最初はダークな雰囲気で、落ち着いたしっとりしたところがABと続くんですけど、楽曲後半のCセクションでガラッと雰囲気が変わって、音もコードも開放的になっていく。ライブで弾いてても楽しいし、お客さんとも一体感が出て盛り上がる。自分がやりたかったジャンルのベースも入れていて、皆も"いいね"と褒めてくれて。自分的にもすごく手ごたえを感じた曲です」
清水「Cセクションの直前に1回ブレイクみたいに楽器が全部止まって、サウンドエフェクトが入ってバーンとなるギミックになってるんですけど、未だにアルバム全曲聴いても、"この曲やっぱかっけーな"となる」
全員「うんうん」
清水「僕は『'Cause It's Too Cold To Walk Alone(M-3)』。自分の原案で形になった状態で出した曲なんですけど、コード進行もベースのリフも、ドラムのビートも音像も、自分のやりたいことがめちゃくちゃ詰まってて。でもアルバム全体の中ではかなり渋い曲。HALLEYの1番深いところを表してる。HALLEY内でもすごく気に入ってる曲なので、コアなファンほど好きになってほしい曲です」
――私もこの曲好きです。
全員「おおー!」
――ゴスペル要素があったり、少し物悲しい感じも良くて。歌い方はラップ的ですね。
張「苦労したよね。ラッパーじゃない人がラップを歌うとちょっとイタいから、語りっぽい感じで」
清水「解釈の難しいトラックを作って、テヒョンに"歌え"と無茶振りして。僕が考えていた"こういうのできたらいいな"を、テヒョンが高純度で上げてくれたから、満足度の高い曲ですね」
西山「僕は表題曲の『From Dusk Till Dawn』。この曲もやりたいことを詰めましたね。フックとバースと2つのセクションしかなくて、その中で色々展開を変えていくみたいな」
清水「歌は本当に繰り返しの中で、周りが楽曲としてどんどん展開されていく」
西山「そうそう。で、最後に合唱があって。個人的にも好きなレアグルーヴとか、ちょっと古い音楽のフレーズを取ってきて、こっそり入れたりしました」
清水「『'Cause It's Too Cold To Walk Alone』とは違う意味で詰め込んだね。展開がドラマチックですね」
西山「確かにドラマチックだ。これも好きになってくれたら、コアファン認定したい(笑)」
――テヒョンさんはいかがですか?
張「えー......『Write Me a Love Song』ですかね。世の中のラブソングって、"愛してるよ"と伝えるじゃないですか。この曲は逆に"愛してくれ"と言ってる曲なんです。ラブソングが世の中に溢れてる理由は、それが結局人間の求めてることだからと思うけど、1番素直に、着飾らずに書いた曲かな。メンバーがめちゃくちゃ褒めてくれたのも嬉しかったし。今作は等身大のアルバムとして、自信満々の歌詞もあったり、別れた時の歌詞、付き合い始めた時の歌詞、自分自身に失望してる時に自分に言い聞かせてる歌詞が、1枚の中でどんどん出てくるんですけど、移り変わる時間の流れの中で1番最後に戻るのは、自分ともうひとりの誰かとの関係。お互いがお互いのために尽くし合う関係性を願い合うところに立ち戻れているなというのが、この曲で伝わると思うし、表題曲の『From Dusk Till Dawn』の後、現実に戻る瞬間にこの曲があるのがすごく素敵。そういう意味で好きな曲ですね」
――3月には『SXSW』にも出られてまたひとつステップアップされると思いますが、2024年はどのように活動していこうと思われていますか?
登山「バンド以外の人たちとも一緒に曲とか作れたらいいよね、みたいな話はしてますね。フューチャリングなのか共作なのかプロダクションなのか、わからないですけど」
――考えてる人とかいるんですか?
西山「夢語っとく?ベイビーフェイスとかいっとく?!」
全員「やばいね!(興奮)」
張「僕がただただファンなんですけど、小袋成彬さん。会ってお話したいです。共作やフィーチャリングでお招きしたい」
登山「僕リアルな話、Dos Monosの荘子itさんと何かできたらいいな。ヒップホップの方にがっつり持っていってほしい。荘子itさんやDos Monosの系の音楽を好きな人も、きっとHALLEYの好きな部分はあるから、荘子itさんナイズされたHALLEYも聴いてみたいし、バンドアレンジからトラックメーカーさんを入れたりもしたいですね」
清水「それこそラッパーをお呼びするとかね。僕は管楽器の人を呼んで、ジャズの方に寄せて曲を作るとか、めちゃくちゃやりたいですね」
高橋「僕はゴスペルが好きなので、コーラスワークでゴスペルクワイヤとかを入れたいです。サム・ヘンショウやジェイコブ・コリアーみたいに、自分でトラックやコーラスワークを作れる人もいるけど、そういう方に関わってもらって、僕らの想像を超えたコーラスワークで学びつつ、ゴスペル、R&Bみたいなサウンドを取り入れたいです」
――最後に3月30日(土)のCONPASSでの大阪初ワンマンの意気込みをお願いします!
張「今のフレッシュな僕たちが出せればいいなと思ってます。今作は"曖昧な時間で等身大"みたいなコンセプトがあるので、120%を出してもいいんですけど、僕は振り返った時に、結果120%だったなと思えるぐらいがちょうどいいと思っていて。100%を出し切って、考え込まずにライブを楽しみたいです。大阪の皆さんに会うのも3回目になるし、ステージとも距離が近いので、もっと皆さんとコミュニケーションを取りながら、話しかける勢いで歌いたいなと思ってます」
Text by ERI KUBOTA
(2024年3月 5日更新)
¥2,750(税込)
YLLH-1001
【収録曲】
1.Daydream
2.Breeze
3.'Cause It's Too Cold To Walk Alone
4.Comfy
5.Sugary
6.Who Is He? (interlude)
7.Whim
8.Set Free
9.Clear Mind
10.Lemonade
11.From Dusk Till Dawn
12.Write Me a Love Song
張太賢(チャンテヒョン/Vo.)、登山晴(トヤマハル/Gt.)、西山心(ニシヤマシン/key)、高橋継(タカハシケイ/Ba.)、清水直人(シミズナオト/Drs.)、東京を拠点に活動している5人組R&Bバンド。2021年5月、早稲田大学ブラックミュージックサークル「The Naleio」での出会いをきっかけに結成。Jazz,R&B,Soul,Gospel,Funkなどの影響を強く受け、ポップスでありながらもブラックミュージックの文脈を感じさせる音像が特徴。2024年3月8日に1stアルバム『From Dusk Till Dawn』のリリースが決定。3月28日東京・SPACE ODDと3月30日大阪・CONPASSにて1stワンマンツアー”Daydreaming”の開催も決定。さらにアメリカ・テキサス州オースティンで開催されるSXSW2024に出演する。
【東京公演】
▼3月28日(木) SPACE ODD
Pコード:262-335
▼3月30日(土) 18:00
CONPASS
オールスタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[問]CONPASS■06-6243-1666