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“フェスティバルホールに立った時、
拍手してもらえるように歌い続ける”
Bigfumiが伝え広げる誠意と愛
『Oneman Live 2024 ~それでも生きていくんだ 追加公演~
in サンケイホールブリーゼ』ライブレポート

西日本で一番身体の大きいシンガーソングライター・Bigfumiが、2月25日(日)、サンケイホールブリーゼにて『Oneman Live 2024 ~それでも生きていくんだ 追加公演~ in サンケイホールブリーゼ』を開催した。昨年11月に待望の1stフルアルバム『Bigfumi 1』をリリースし、同年12月に行われた東名阪ワンマンツアー『ワンマンライブ「それでも生きていくんだ」』の全公演をソールドアウトさせたBigfumi。その追加公演である本公演は、初めてのホールでのライブ。しかも見事、ソールドアウトを達成した。感謝にあふれた2時間弱のライブは、確実に夢のフェスティバルホールに繋がる一夜となった。

この日はあいにくの雨模様だったが、会場のサンケイホールブリーゼは熱気で高まっていた。ロビーにはファンからのバルーンスタンド花も飾られ、子どもから大人まで、Bigfumiのグッズを身にまとった老若男女が集合した。2階席までびっしり埋まった会場には、昨年12月に味園ユニバースで行われたツアーファイナルの賑やかさとはまた違う、厳かな雰囲気が漂っていた。

定刻を少し過ぎ、ステージが暗転してSEが流れると、客席からはすぐさまクラップが発生。先にバンドメンバーの山本晃平(g)、森田カズヤ(key)、中村優太(b)、清家トモキ(ds)、関真哉(sax)、Satsuki(cho)が登場、大きな拍手で迎えられる。やがてステージに大きなシルエットが浮かび上がり、お馴染みのタキシード姿でBigfumiが現れた。

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雰囲気たっぷりに1曲目をスタート......と思いきや、いきなり歌い出しの歌詞を間違えたBigfumi。「もう1回いきましょう」と笑顔で仕切り直し、『繋いでいけ』をダイナミックに響かせる。イントロのワンフレーズを歌い上げたところで、客席からは大喝采の嵐が起こり、あたたかなエールが緊張をほぐしていく。Bigfumiの伸びやかな歌声と美しいバンドアンサンブルが、高い天井に吸い込まれていった。続けて千葉ロッテマリーンズ・山口航輝選手の登場曲『後悔なき航海』を堂々と披露。関とSatsukiのコーラスが楽曲を彩り、客席は力強い歌詞とグッドメロディーに酔いしれた。

間髪入れず清家のキックが鳴り響き、ビートに導かれて一糸乱れぬクラップが発生。「サンケイホールブリーゼ! Bigfumiです!」と叫び、屈指の盛り上がりソング『太っててもいいですか?』を投下。サビは全員でタオル回し! 間奏では、一気に楽しくなった空間に関がサックスソロを思い切り放ち、会場の熱をまたひとつ引き上げた。

「サンケイホールブリーゼ、ソールドアウトありがとうございます! 皆のおかげで素敵な景色が見れてます」と一言挨拶を挟み、ミラーボールがキラキラと光り輝いた『Don't Stop Music』を経て、ピアノとサックスのセッションから始まった『手を上げて』では、客席は皆"プチョヘンザ"状態。さらに関&Satsukiの振り付けに合わせて一緒にダンスし、一体感に包まれる。そんな様子を見て嬉しそうに笑顔を浮かべたBigfumiは、2階席にもしっかり目配せしてサインを送る。続き、清家のカウントからジャジーに響き渡った山本のギターリフ、中村のグルーヴィなベースライン、関のアンサンブル、森田のピアノソロと、個々の見せ場が際立った『pop noon』へ。楽しさを全身からあふれさせて小踊りする森田を見て、中村や山本も思わず破顔する。バンドメンバーの朗らかな空気感も、Bigfumiのライブを構成する大切な要素なのだなと改めて感じさせられた。

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MCでは人生初の「2階席~!」に感慨深げなBigfumi。そして2階席からは「父ちゃーん」という可愛い声が。声の主はBigfumiの長男・絃之助くんだ。父と息子のあまりに可愛いやり取りに、思わず頬が緩む。ホールでも客席との心の距離は近く、ゆるく楽しいトークを展開していった。「Bigfumiのライブに初めて来たよって人どのくらいいます?」と問いかけると、2階席の方が多く手が挙がり、新たな出会いに感謝を伝える。これまで苦楽を共にしてきたバンドメンバーに「2022年からこのメンバーでやってきて、(満員の会場は)どうですか」と話を振ると中村は「圧巻です」と充実の表情を見せる。このあたたかな空気もBigfumiならではだ。

「新しく来た人も、いつも来てくれる人も、Bigfumiの音楽に少しでも心を動かされて来てくれたと思いますので、そんなあなたを報いるように歌っていきたいと思います」と述べ、想いを込めて『その人生は素晴らしい』を歌い、<頑張るあなたに僕は歌を歌うよ>と力強く背中を押す『Trust』へ。<今ここに立つ>ではグッと拳を握り、2番で「僕に力をください」と客席にシンガロングを求めると、みるみるうちに広がる大合唱で、会場は感動の空気に包まれていった。

ここで森田以外のメンバーが捌け、森田とBigfumiの2人で、この日の天気にもぴったりの『雨の日のバラード』を披露。"バラードが得意"と公言するだけあって、さすがのボーカル力で魅了した。柔らかく湿度を含んだ歌声が心地良く染み渡り、中には涙を流す人も見られたのだった。

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2度目のMCでは、SNSで「相棒を見つけた」と報告していたばかりのメイトンのミニギターを持って笑顔を見せる。客席からのボケに「ウクレレじゃないのよ」とツッコミながら、次に披露する『サンキューバースデー』への想いを語り始めた。2階席で見ている絃之助くんとも会話しつつ「今日誕生日の人、本当におめでとうございます。絃之助が大きくなったらいつか伝えたいと思っているのは、"誕生日ありがとう。父ちゃん、今日も音楽で食べさせてくれてありがとう"ってこと。そのためには、皆がずっと俺のこと応援してくれなきゃ」と圧(?)をかけて笑わせる。また、Bigfumiのご両親も来ていることを明かし「産んでくれて、育ててくれてありがとうという想いと、絃之助、今日誕生日の人へ向けたメッセージを送ります。皆さんもいろんな人を思い浮かべてこの歌を聴いてください」と『サンキューバースデー』を滔々と歌い上げた。Satsukiのコーラスも力強く、実にハートフルなハイライトシーンを作り出した。

ここからはギアをアップ! 「拍手まだまだ足りないんじゃない!?」と勢いを増して『パーティーを抜け出して』を投下。中村のベースソロやアウトロの突き抜けるような関のサックスソロを経て、Queenばりの山本のギターリフが響き、『Giant Killing』をパワフルに歌い上げた。

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味園ユニバースでのライブと大きく違うと感じたのは、野球をキッカケにBigfumiを知った人の割合が変化したことだ。大学の先輩である阪神タイガースの梅野隆太郎選手をはじめ、複数のプロ野球選手が登場曲に楽曲を使用していることから、主にスポーツ界をキッカケに知名度を拡大していたBigfumi。最近はWEBメディア、テレビ、ラジオ、TikTokなどのSNS、YouTubeといった、Bigfumiの音楽に触れる窓口が増えたことで、ファンの入り口が多様化していることが実感できた。Bigfumiは「かつてミュージシャンらしい動きができず、たくさんの人にお世話になりながら、何とかメンバーで走ってきたんですよ。そしたらレコード会社が、"Bigfumiええやないか"と力を入れてくれて。今当たってるの、ピンスポですよ。すごない?」と感慨深げ。裏方のスタッフの存在や、ケータリングがあることにも喜び、「ここはまだまだ、夢見たBigfumiの通過点だと思いたい。だけどひとまずは、ソールドアウト喜んでもいいでしょうか?」と謙虚に述べると、会場は大きな大きな拍手に包まれた。

続けてスポットライト担当の照明スタッフと交わした会話を紹介し、「仕事かもしれんけど、どのタイミングでスポットを当てるかを考えるため、俺の曲をいっぱい聴いてくれてるわけよ。『雨の日のバラード』が一番好きでしたと言ってくれたんよ。僕らで作り上げた曲です」と、空間を共に作り上げる喜びを口にした。このトークの間もずっとピンスポを当て続けていた照明スタッフは、きっと嬉しかったのではないだろうか。

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そして「10年ぐらい音楽やってるけど、いつまでたってもステージに立ったら感謝しか出てこんくて。素人みたいに"ありがとうと言うな"と教えられることもあるんですよ。でも俺、わからんから、"ありがとう"って何回も言います。そしたら今日この景色が見れました!」と述べ、多くの人々のおかげでBigfumiの音楽が広まっているとして、「ひとつずつ誠意を持って、愛を持って接していったら、Bigfumiがこの先の夢のフェスティバルホールを埋めた時、皆拍手してくれるんじゃないかと思って。そう信じて僕は歌を歌います」と決意と矜持を語る。その一方で「今日1曲目から間違えたんだから、皆と変わらんぞ」と、決して自分は特別ではないとオーディエンスに寄り添い、距離の近さを保ち続けるのが実に彼らしい。

「僕が夢を叶えるその時も、あなたに拍手してほしい。スタッフさんも先輩も後輩も友達も家族も、全員に拍手してもらえるように生きていくので、あなたもどうか生きてください」と心を込めて、"誰かを応援する人に向けた応援歌"の『太陽のような人でありたい』を熱唱した。時にアカペラで力強く歌う様子からは、並並ならぬ想いの強さが伝わってきた。本編最後を飾ったのは『それでも生きていくんだ』。客席のシンガロングとバンドメンバーのコーラスが会場中に響き渡り、これまでにない多幸感で満たされる。やがて、関の見事なサックスソロが最高のフィナーレ感を演出した。

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アンコールを求めるクラップに応えて先に登場したBigfumiが、バンドメンバーをひとりずつ呼び込んでいく。グッズのTシャツを着用したメンバーが笑顔でステージにカムバックすると、まずは全員で記念撮影。そして6月15日(土)に梅田クラブクアトロで『Oneman Live 2024~太陽のような人でありたい~』が開催されることをアナウンスすると、会場からは祝福の拍手が贈られた。

アンコールでは3月2日に配信リリースされた新曲の『WE RISE UP』を初披露。"飛び立つことを諦めない。ここから立ち上がろう"という熱いメッセージが込められた楽曲で、初見にも関わらず勇気が湧いてくる。ステージで懸命に歌声を響かせるBigfumiの姿が、なんだかより大きく感じられた。

そして「少しでも僕の歌があなたを救えているなら、僕はここに立つ意味があると思うし、歌を歌っていいんだなと認められたような気持ちになります。あなたの笑顔が誰かを救ってるはずです。今日は本当にありがとうございました!」と述べ、阪神タイガース梅野隆太郎選手や日本ハムファイターズ山崎福也選手の登場曲で、代表曲とも言える『Life』を、客席と一緒に大合唱して締め括った。

これまでのライブでもひたすらに感謝を伝え続けてきたBigfumiだが、この日のライブはそれに加え、チームとしての絆がより見えるような時間だった。それはもちろん、バンドメンバーや関係者だけでなく、オーディエンスも含めてのチームだ。勇気と感動と愛を受け止めた客席からの「ありがとうー!」という歓声と、鳴り止まぬあたたかな拍手が、間違いなくBigfumiを後押ししているはずだ。フェスティバルホールという夢に向かって、Bigfumiが進んでいく道のりを、共に見守っていこう。

Text by ERI KUBOTA




(2024年3月 5日更新)


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Set List

『Oneman Live 2024 ~それでも生きていくんだ 追加公演~ in サンケイホールブリーゼ』
2024.2.25 Sun at サンケイホールブリーゼ

01. 繋いでいけ
02. 後悔なき航海
03. 太っててもいいですか?
04. Don’t Stop Music
05. 手を上げて
06. pop noon
07. その人生は素晴らしい
08. Trust
09. 雨の日のバラード
10. サンキューバースデー
11. パーティーを抜け出して
12. Giant Killing
13. 太陽のような人でありたい
14. それでも生きていくんだ

EN1. WE RISE UP(新曲)
EN2. Life

Live

Bigfumi Oneman Live 2024 ~太陽のような人でありたい~

【東京公演】
▼5月4日(土・祝) 渋谷CLUB QUATTRO
【福岡公演】
▼6月8日(土) Gate’s7

Pick Up!!

【大阪公演】

▼6月15日(土) 18:30
梅田クラブクアトロ
スタンディング-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以下は1名様まで保護者同伴に限り入場無料。
[問]夢番地■06-6341-3525

【愛知公演】
▼6月22日(土) ell.FITS ALL

3/15(金)23:59まで大阪公演の最速オフィシャル先行受付中!
※予定枚数終了しだい発売終了

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