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2024年追っかけたい最注目バンド・downt
「3人で音を出す意味のあるものを探し続ける」
曲の制作に桁違いな時間をかける彼ら音楽の作り方

富樫ユイ(g&vo)、河合崇晶(b)、Tener Ken Robert(ds)によって2021年に結成された3ピースバンド・downt(ダウント)。2021年の結成以来東京を基軸に活動し、その圧倒的なライブパフォーマンスでも注目を集めることとなった彼ら。アルバムでのデビューに始まり、コンセプチュアルなEP、8分に及ぶ大作を含む2曲入りの作品をリリースするなど、枠やなんとなく存在する音楽業界の当たり前にとらわれない作品の数々で、軽やかに進んできた。そんな彼らが、満を持して1stフルアルバムをリリースするというニュースが届いたのは1月のこと。しかしインタビュー日も決まったが、なかなか全曲を含む作品は届かない(現在はアルバム情報もリリース済み)。聞けば、「難航しているらしい」という。そのインタビューの直前、発表されたdownt東名阪ツアーのニュースの見出しを見て驚いた。『downtが東名阪ツアー「downt Release Show」開催、何をリリースするかは不明』。不明て…! そんなツッコミも本人たちに直接入れてみよう。そんなdowntの3人へのインタビューだ。

曲ができあがったら
まずはライブでやってみる


――昨日のライブを拝見しに行ったのですが、ライブ開始直前に衝撃のリリースが出ましたね。『downtが東名阪ツアー「downt Release Show」開催、何をリリースするかは不明』。

ロバート「ライブの直前に見て、吹き出しました」

河合「なにも面白く無い」

富樫「実際は彼が一番笑ってましたけど」

河合「ただ単にアルバムの制作が遅れているだけです」

――「アルバムが出ます」ぐらいは言ってもいいのでは? とも思いましたけど(笑)。

河合「僕も思ってますよ。解禁?がどうとか言ってた気がする。」

――とにかく「何をリリースするかは不明」っていうのはインパクト大でした。そしてライブを拝見しまして、新曲中心のセットリストというのがイベント形式のライブでは攻めてるなあ! と思ったのですが、意図があれば聞きたくて。

河合「基本いつでも新しい曲を中心にやりたいです。それが普通だと思ってました」

富樫「ライブでやらないとわからないことがいっぱいあったりします」

河合「今表現したいことを、今ライブで表現するのが自然かな。俺たちはの中では」

――昨日は新曲を披露してみて、得られたことはありましたか?

富樫「いつもそうですけど、新鮮です。バンドで合わさった時に気持ちいいなと思う瞬間もあります」

――昨日披露された新曲は、制作中のアルバムの収録曲の中からセレクトされたと思うのですが、ライブを挟んで制作に活かせそうなことは見つかりましたか?

河合「ここのドラムはいらないなとか、この曲は思ったより激しくなくていいかなとか感じました。ライブやスタジオで実際にやってみた感覚を、作品に落とし込んでいきたい」

富樫「全員の共通認識としてなるべくライブで新曲をやりたいっていうのもそこにあって、スタジオやDTMで気づけなかった違和感を覚えることもあるので。ライブでやることで感じるしかないというか」

――バンドにとってはアルバムを作る前にライブでやることがとても有効なんですね。

河合「ライブで曲のイメージが違うって気がつくことが多い。今回のアルバムで作る曲は、スタジオやライブの体感を落とし込もうとしている感じ。前作『III』を出してからずっと曲は作り続けていたけど、この1~2カ月で作り始めた曲がアルバムの曲になっています」

――まさにdowntの今の気分が反映されたアルバムになっていっている、と。

河合「ライブでやってみたら全然ピンと来なくてボツになるのが結構続いたので、今バンドでやるなら何をやりたいのか、ずっと3人で音を出して、意味のあるようなものをずっと探している感じですね。収録曲が決まるまで、時間はかかってます。『SAKANA e.p.』を作った後からずっとそうかな」

ロバート「1stアルバムの『downt』だけが違う作り方でしたね」

――なるほど。ニューアルバムの話はまた後ほど改めてお伺いしたいのですが、そもそもdowntとはどんな人たちなのか? ということも記事にできたらと思っています。みなさんdowntを始めるまではどんなふうに音楽と関わって来たのでしょうか?

富樫「私はバンドを始めるまでは正社員で働いていて、大学時代も軽音サークルでバンドをやりたいなとは思っていたけど行動できなくて。でも働いているのも自分も嫌になって、現状を全て変えたい気持ちからバンドを組むために東京に出てみようと。バンドを組むまでは普通に生活していました」

――なるほど。ロバートさんは?

ロバート「ドラムは大学に入ってから軽音楽部で始めて。いろいろコピーして、当時よく流行った残響レコードに所属するバンドを聞いたり、ライブハウスに遊びに行くようになってそのまま普通に卒業しました。そこからインストバンドやギターロックのバンドをやったり、バンドのサポートをしたりしていたんですけど、とあるバンドのスタジオ会で河合さんと知り合いました。それがきっかけでdowntにも誘ってもらったんです。本当さまざまなバンドをしながら、仕事をしながら、普通に過ごしていましたね」

河合「高校生の頃にバンドを始めた。その時にベースやってって言われたけど、ベース持ってなくて。キーボードは持ってたので、ライブではキーボードでベースの音を連打して」

――斬新!

河合「それが結構面白かったので、ギター買ってバンドやろうと思って、大学の軽音部とか、オリジナルバンドのスタジオ入ったりしたけどそこまで面白さを感じなくて。大学卒業してからエンジニアの仕事してたんですが、暫くしてからやっとバンドの面白さを実感出来て、1年くらい仕事しないでスタジオ入ってたらクビになった」

ロバート「当たり前だよ。よく1年持ったね」

河合「ハードコアとかエモが好きなんですけど、周りにそういうのが好きな人はいなかったので。普通に曲が良いなって思ったバンドに加入したり。どのバンドもベースがいなかったんでじゃあベース弾くわって感じで。あと自分のバンドやりたくて家で曲作ってました」

――3人それぞれ大学の軽音楽部~社会人~バンドと同じ流れなんですね。そこからdowntへの流れは?

河合「富樫が"バンドやりたいです"って音源をSNSに上げていて、"結構いいですね"って」

富樫「SNSからです。ネットでつながった顔も名前も知らない人」

――顔も名前も知らない人にアクセスすることは抵抗なく?

河合「嫌だなーとは思っていたけど、とにかくメッセージを送ってみようと」

富樫「今の彼には考えられないです。人間性を知ると。メッセージを送って来たなんて」

――富樫さんの曲を褒めたんですか?

河合「いや褒めなかったです」

富樫「いいとは思っていなかったらしくて。でも私としては、連絡が来たらうれしいじゃないですか」

河合「音の取捨選択が好きだったというか、面白そうだったんです。あと、MASS OF THE FERMENTING DREGSが好きとも書いていたから、俺もマスドレ好きですって連絡した気がします。そこからバンドを組むまでは早かったかな」

――今回も河合さんのやりたいハードコアバンドでもエモバンドではない感じですけども。

河合「エモバンドやりたいって言って既存のエモバンドをコピーしてもしょうがないと思っていて。そもそもオリジネーターは自分たちをエモと思ってやっていないような気がするし、形式だけ引用してもあまり面白く無いと思って。だからやろうとするならハードコアパンクの方かなって。downtの曲の展開や音の組み合わせとかの引用はほとんどハードコアです」

――え、downtがですか?

河合「最近だと完全それに振り切った曲も作って合わせてみたりしました。MINOR THREATとかJAWBOXみたいな。原点を探るような」

ロバート「やったわぁ」

――まずは3人で奏でる音楽を探るのに、時間をかけたんですね。

富樫「曲作りよりもそれに一番時間がかかったのかもしれないです」

――でも2021年の3月にバンドを結成していて、その年の10月には1stアルバムの『downt』が出ているわけで...。

河合「1stは富樫が今まで作っていた曲を、時間をかけて作り上げたバンドとしてのエッセンスでアレンジをして完結した作品でした。それを次の『SAKANA e.p.』でやったら、正直前作の方が面白かったなってなっちゃって。2作目になってクオリティーは上がったんでしょうけど、面白さは減ったなとか考えるようになって」

富樫「私はそこまでは思わなくて。自分がその時に弾きたいギターややりたいことをやれて感動したし、自分的には満足していました」

河合「いい曲はあったけど。実験作みたいだなと思ったので、この次どうしようかなと。だからこそ3枚目の『III』はやり方を変えたかった」

――印象として1stアルバムの『downt』は、自分たちがやりたい音楽はこういうことなんだということを幅広く見せてもらった気がして、2枚目のEPの『SAKANA e.p.』は曲のタイトルの付け方も含めてコンセプチュアルな作品作りをされている印象を受けていた分、3枚目の『III』は1曲目の「前奏」と8分の大作「13月」の2曲入りまた違う流れできたので、もはやアルバムとかシングルとかEPとか配信とか、そういう括りは関係ない、みたいな印象を受けました。

富樫「まさにそうかもしれないです。無知だったのかもしれないけど、なんでそこまで枠にこだわるのかなとは思っていて。作品としてシングルが出て、EPが出て、アルバムだみたいな流れがよくわからなかったんです。そこまで強いこだわりがないというか」

――じゃあ次は何を出すかということは、どう決まっていくんですか?

河合「バンドが一番やりやすい形を取るだけですね」

――でもデビューがアルバムということもなんだか珍しくて、よくあるのはシングルをいろいろと出してそれをまとめたアルバムが出るっていう流れ...。

河合「それが音楽的に合ってるなら良いけど、俺らみたいなバンドはある程度纏まってないと作品として成立しないこと多いし。もしプロモーションのためだけにやるんだとしたら、誰も知らないんだから出し惜しみする意味が分からない」

富樫「私も最初はアルバムなんじゃないの?と勝手に妄想していました。個人的に、まとまったものが好きだったというのもありましたね」

河合「トラックメイカーとか、この曲はこのアーティストとフィーチャリングしていてとか、単曲をリリースするのは面白いなぁと思います」

――単発をたくさん出す流れができたのはサブスクが広がったからとか、コロナがあったからっていうのもありますよね。でもそういう考えを持っているからこそ、downtのリリースペースは大きな作品でドン、なのでゆっくりめなんでしょうか。

河合「自分の感覚だと結構早いペースのつもりではいます」



曲採用の基準になるのは「光が見えるかどうか」


――ここまでリリースしてきた作品で1枚目、2枚目、3枚目と枚数を重ねるごとに変えていったことがあるとすれば、まず1枚目から2枚目の間に変化はありましたか?

河合「2枚目は1枚目と同じようなことをしただけかな。全てが延長線上にあった感じで、でも音だけはこだわりました」

――というと?

河合「1作目は金がなかったので、俺が知る限り一番安いスタジオに入って2日ぐらいでミックス・マスタリングまでやったんですけど、2枚目は自分が興味あったスタジオでやってみた。ドラムとギターのテックも知り合いにお願いして。自分たち以外に協力を仰いで音にこだわりました」

――では、2枚目から3枚目の変化というと?

河合「3枚目はもともと3曲入りの予定で、ここでバンドとしての音を確立したいと思っていました。曲の作り方含めて"これが自分たちの音だ"というものを確立したかったんですけど、失敗して。結局(2曲入り作品だけど1曲目は前奏)1曲だけになって」

――でもその1曲は「これがdowntだ」と言えるものになりました?

河合「なってないです。全部「13月」みたいにしたいわけでもないという感じで」

――それは曲の長さという意味ですか?

河合「いや、重さですかね。疲れるので。あれは多分アルバムの1枚目、2枚目でやったことの集大成として作ったつもりで。本当はなんとなくメンバーで音を合わせたもの作品になるくらいのスタンスで曲作りのやり方を確立したかったんです。ただ、今の時代は短い曲が多い気がするので面白いかなとは思いました」

――長い曲は聞かれないとも言われていますもんね。

ロバート「配信何秒かでサビが来ないととかね」

――個人的な感想としては...実は原稿って長く書く方が簡単なんです。思いついたことを全て書けばいいので。

富樫「とてもわかります。そうですよね」

――逆に短くするにはテクニックがいるというか...それのようにやりたいことを全て丁寧に入れ込んだら、この長さの曲になりましたということなのかなと思っていたんですけど、それは...違う?

河合「違いますね。富樫からデモが上がって来た時は、1分半ぐらいしかなかったので」

富樫「それはなくない?」

河合「2分あったかもしれないけど、それで終わりだったんですよ。これでいいの? って聞いたら...」

富樫「1サビで終わるのがいいんだよって」

河合「本当かなー、この曲もっと面白いと思うんだよな、3分とか4分あってもいいだろうと」

――それを8分にできたのは?

富樫「実はトータルタイムの違う、いろんなバージョンがあったんです」

河合「美しいメロディと歌で攻めまくるバージョンもあったけど、そこは結構削りました。そういうことができるようになったのはバンドとして進歩したかなと思いますね。ボーカルってあんまり削りたがらないんですよ」

富樫「そりゃそうだよ。歌まで変えてしまうと結局何がしたかったんだっけ、と陥りがちですね。削るにしても、主軸になる部分をしっかり判断して取捨選択を行う必要があると思っていて。 最近削りすぎてる気はしていたけど。結果全体像がよくなればいいです」

――ちなみにそのボーカルを削るというのは、音数を削るということと同意義ですか?

河合「そうですね。歌で伝えきっているぐらい詰め込んでいたら、その後は面白い展開を思いついたとしても必要ないんですよ。ドラムとベースいらないじゃんって思うことも多くて。そうなってアレンジに詰まることが多かったですね」

富樫「私は歌が好きなので、コードとメロディだけで確立したものを作りがちで。ただ、それをそのままバンドで曲にするとなると普通に飽きるんですよね。感動が薄れることが多いので、全体を見て修正するためにアレンジを繰り返しています」

河合「詰め込んでもいいけど、それをやるならギターもう1本入れて、キーボードも入れて、アレンジャーをつけて、J-POPみたいに作れば成立するなと思います。俺らがやっても面白くならないと思うけど。」

――そういう作業を今まさに新作のアルバムリリースに向けてされていると思います。制作が難航しているという話も小耳に挟んでいますが。

河合「難航はずっとしてます」

――現状どんな感じですか? ニュースに「何をリリースするかは未定」と出たことで、少し気持ちの猶予もできたんじゃないですか。

ロバート「猶予は一切ないです!」

――ありゃ。ちなみに、難航しているポイントは明確になっているんでしょうか。

河合「これがバンドとしてアリなのか、ナシなのかに悩んでいます。ライブでやってみたら気持ちよくないな、違うなって」

――気持ちよくなさは3人共通の認識ですか?

富樫「そうですね。最初は全くわからなかったんですよ。歌だけキモいって言われても何がキモいんよ!? って。でも、最近なるほどね~って思えてきました」

河合「1作目は歌もギターも控えめだったんです。でも自分たちがいろんなことをできるようになって、歌もギターも両方前に出て来た感じがしていて」

富樫「今までは、この歌でこのギターで、それ意外ありえないという感じでめちゃくちゃ自分勝手というか、かなりひとりよがりでしたね」

河合「『SAKANA e.p.』の時は半分ぐらいの曲がそうで、もっと面白くできたなっていうのが、感覚ではわかるけどなんでそうなったかは言語化できてなくて最近は少しわかるようになってきました。基本的にボーカルに口は出さなかったけど、出すようになってきたりして」

――なるほど。現状としてはどんなアルバムになる予定でしょうか。

河合「バンドの音を表現したいなって思ってます」

――バンドの音?

富樫「そうですね」

河合「すごく演奏がうまかったり、ライブパフォーマンスがちゃんとしているバンドに自分は興味を持たないことが多くて、単純に音と音を合わせてそれやばいね、みたいな作品にしたいと思ってます」

――それヤバいね、と思える音を実現させるために大事なことというのは?

河合「感覚でこれはいい、これはダメという判断がちゃんとしてないと。やりたいこと、やりたくないことをハッキリと持つことかなと思います。そこがいい加減だと、ぼやけていくので」

富樫「3人で何回もスタジオに入って合わせているその感覚をアルバムにしたいとは思っています。当然、メンバーそれぞれ感覚が違うからわかることもあればわからないこともあるんです。それがわからない時に、なんでこの人はこの音がダメだって言ってるんだろう? というところまで考えるようになりました。個人的には、1曲に向き合う時間が増えましたね」

――それは...アルバム制作に時間が必要だし、難航もしますね。

ロバート「うん、時間かかりますね」

河合「そんな効率悪いことをするバンドは減ってるのかも」

――そういう作り方をしているということは、アルバムの制作を前にコンセプトを決めて、そこに向かって作ってくということはできないですよね? 自分たちがやりたい音を大事に作っていくと。最新の自分たちの音楽が毎回パッケージになっていくという。

河合「2枚目の時はエモ・リバイバルをコンセプトにしようと思っていたんですよ。だから全部チューニングをそのチューニングにしてみたんですけど、全然そうならなかった」

富樫「私のルーツにエモがなくて」

ロバート「そのチューニングにしたとしてもね」

河合「俺はエモ・リバイバル自体そんなは好きじゃないけど、周りから勧められて富樫も興味が出て。ALGERNON CADWALLADERとか好きって。じゃあ一旦飽きるまでやろうかって、『SAKANA e.p.』は全部そういう曲になって、で、もうこういうのいいよ! って」

富樫「無事、なりました。もう弾きたくないなって」

河合「そりゃよかった」

――コンセプトを設けてみたけど、ハマらなかった?

河合「全然その通りにならなかった」

富樫「やっぱり自分って出るんだなと思いますよね」

――このインタビュー時点ではアルバムタイトルも発表になっていないのですが、今言える中で私たちにアルバムのキーワードをもらうことはできますか?

富樫「可能性、推進力? ヒントになるかな」

ロバート「逆に謎が深まっちゃうよね」

河合「推進力、あんまり好きじゃないな」

ロバート「俺好きだけど、推進力」

――(笑)。その他にレコーディング中の会話でよく出て来ていたこととか。

河合「『輝きを見たい』とかかな」

富樫「あ、『輝きを見たい』は言ってたね」

――文学的!

河合「あと光を見たいんですよね。それは曲を作る時にも思います」

富樫「そうだね」

――デモ曲のピックアップも基準は「光が見えるかどうか」?

河合「そうですね。これは初めて話すけど、個人的にはずっとそう。前のバンドでもそうですね」

――なるほど。そしてこのアルバムのリリース後にはツアーが決まっています。リリースツアーなので、今回のライブに関してはまだ発表していない新曲をいろいろやってみるというよりは、リリースするニューアルバムからのライブになるのでしょうか。

河合「いや、アルバムの曲だけじゃなくてその時にある新曲もやりたいと思ってます」

――おぉっ! それはもう次の作品に向けて。

河合「1、2曲は絶対持っていきたいなと思っています。基本的に曲ってできたらもうやりたいことは終わったみたいに俺は思っているので、アルバムが完成したら次の曲を作るっていうのが自然かなと思います」

富樫「常に私たちも生きているから、考え方も毎日変わるだろうし、好きな音楽も変わると思うので、それを出していくという形になるんだろうなと思います」

――ちなみに2024年、バンドとしてやりたいことを最後にお伺いできればと。あります?

河合「あります」

富樫「あ、あれね。」

河合「対バンした友達のバンドと酒を飲むっていう。全然やったことないから」

――そもそもバンドの結成がコロナ禍ですしね。

河合「ライブし始めた時からすぐにバンドが忙しくなっちゃって。ライブしたら速攻帰るサイクルでやって来たので、こんなのはバンドじゃないと。バンドはライブやって朝まで酒飲みながら売れているバンドの悪口を言って無駄な時を過ごすのが本来の姿」

――まずはアルバムを無事作り終えてね?

富樫「バタバタ慌ただしいとすぐ疲れちゃうので、ゆっくり人と話す時間をもっと大事にしたいと思っています」

取材・文/桃井麻依子




(2024年2月20日更新)


Check

Release

1st Full Album『Underlight & Aftertime』
3月6日(水)発売 2750円
PCD-25384
P-VINE

《収録曲》
01. underdrive
02. Whale
03. AM4:50
04. prank
05. Yda027
06. 煉獄ex
07. mizu ni naru
08. 8/31(Yda011)
09. 紆余
10. 111511
11. 13月

Profile

ダウント…富樫ユイ(g&vo)、河合崇晶(b)、Tener Ken Robert(ds)によって2021年に結成。同年10月に1枚目の作品となる『downt』をリリース(CD/CT共に完売)し、その後精力的にライブを行なっていきながら、2022年6月には2作品目となるEP『SAKANAe.p.』をリリース。直後の7月から開催した東名阪のリリースツアーでは全公演SOLD OUT、それと並行して1st とEPの編集盤レコード『Anthology』をリリースすると即完するなど各方面で話題に。2022年は、『FUJI ROCK FESTIVAL ’22』のROOKIE A GO-GOへの出演をはじめ、各所の野外フェスへも出演し会場を沸かせた。2023年1月より、下北沢SHELTERを軸足とした自主企画『Waste The Momonts』をスタート。第1回は明日の叙景を、第2回はSubway Daydreamを迎えて開催。その後、バンドとしての新機軸となる8分半超の大作「13月」を含む、3枚目の作品となる『III』を配信リリース。リリースに併せ、自主企画・第3回にDENIMSを迎え開催し、ここまでの自主企画全3公演は全てSOLD OUTとなった。緊迫感のある繊細且つ大胆な演奏に、秀逸なメロディセンスと情緒的な言葉で綴られ、優しく爽やかな風のようで時に鋭く熱を帯びた歌声にて表現される世界観は、ジャンルの境界線を越えて広がりを見せている。

オフィシャルX
https://twitter.com/downtband

オフィシャルInstagram
https://www.instagram.com/downt_japan/


Live

『downt Release Show』

【東京公演】
▼3月22日(金) LIVE HOUSE FEVER
【愛知公演】
▼3月30日(土) 新栄シャングリラ

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:261-627
▼3月31日(日) 18:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング-3300円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[ゲスト]有
[問] GREENS■06-6882-1224

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