ホーム > インタビュー&レポート > FM802 MIDNIGHT GARAGE × ぴあ関西版WEB企画 『SECOND ROYAL RECORDS 20周年特集』 FM802 DJ土井コマキ、小山内信介、Barbara・OKU(vo&g)スペシャル対談!
盟友・カクバリズムに感化され周年イベント開催へ
土井「『MIDNIGHT GARAGE』、この時間はSECOND ROYAL RECORDSの特集をいたします。セカロイからお客様をお迎えしております。自己紹介をお願いします」
小山内「SECOND ROYAL RECORDSの小山内信介です」
OKU「BarbaraのOKUです」
土井「小山内さんは代表で、Barbaraはセカロイ所属ということですかね」
OKU「そうですね。今所属してます」
土井「20周年のパーティーが9月23日(土・祝)に迫ってまいりましたが、21周年なんですよね」
小山内「そうです。今年めでたく21周年を迎えているんですが、20周年パーティーをやっちゃおうと。何か不思議な言い回しですけれど(笑)」
土井「色々世の中の状況もあって、去年はなかなかできなかったと」
小山内「気持ち的には昨年20周年だったので、がっちりイベントをやりたかったんですけれども、やっぱり状況的に動けないところがあって。ただ、カクバリズムが昨年20周年イベントを気を張って頑張ってたので。大阪ではなんばHatchで開催したりと、全国で頑張ってる姿を見て奮い立たせられまして。カクバリズムの周年に行った日に、"来年20周年やるぞ"と心に決めて開催する運びとなりました」
土井「15周年の時にも特集したんですけども、それ以来ということで、その後どうなんだろうみたいな話もできたらなと思ってお迎えいたしまし
た。やっぱりカクバリズムって、一緒に歩んでる感じなんですか」
小山内「設立も一緒くらいの時期だし、(オーナーの)角張くんと僕も同い年なので、この20年ぐらい、一緒にイベントをやったり、最近だとHomecomingsのマネージメントをカクバリズムと一緒にやったりとか。本当に活動を見てても、リリースしてるアーティストの音源を聞いても、すごくリスペクトできるレーベルだと思ってます」
土井「『MIDNIGHT GARAGE』も、昔から"東のカクバリズム、西のSECOND ROYAL"みたいな感じがやっぱりずっとあるので。負けてられないという感じの20周年ですね」
小山内「勝ち負けは気にしてはないんですが(笑)。気概としては"やったるぞ"と」
サブスクの登場で変化した、音楽の届け方
土井「前回の15周年の特集から6年経ってるんですけど、世の中の状況も随分変わり。こんなにサブスクになるとは思ってなかったですよね」
小山内「全く思ってなかったですね。全然変わりましたね」
土井「でもその隣で、CDよりもレコードやカセットテープ、音源とさらにはTシャツとか、音楽以外の別のアイテムがセットになっているパッケージもめっちゃ増えてきたと思うんですけど」
小山内「ありますね」
土井「SECOND ROYALは、この6年で何か変わってきたこととかありますか」
小山内「以前はまず媒体で考えるとレコードやCDのリリースをベースに、音源を聴いてもらうために、たくさんの人に届けるためにどうしたら良いかということを考えていたんですけれども、それが逆になっちゃって」
土井「逆」
小山内「この音源をサブスク以外で聴いて貰うためには何の媒体を作るのが良いんだろうと。楽曲に関してはサブスクで聴けるのが一般的になってしまったので音源を聴いてもらうための次の一手はどうしようかと考えるようになりました。CDやレコードを作って、例えば大阪だと、FLAKE RECORDSで音源を取り扱ってもらって、DAWAくんが推してくれたら、FLAKEの取り扱い商品をチェックしてる方が聞いてくれたり、京都のJET SETで大きく展開してもらえたら、全国のレコード好きの人がレコードのリリースを通じてそのアーティストを知ってくれるとか。もちろんそれぞれ昔からのお付き合いなのですが、最近はよりサブスク以外でリリース作品に触れて貰う機会について考えるようになりました」
土井「小山内さん自身はサブスクで聴きます?」
小山内「めっちゃ聴いてます」
土井「さらに一歩進むにはってことですよね」
小山内「そうですね。自分もサブスクで音楽聴いてるんですけど、レコードを買う量は変わらず、何なら増えてるぐらい。レーベルとしてもレコードをリリースしたいなとはずっと思ってます。ただやっぱりご時世的にも全体的にCDが売れなくなってきたんで、レコードを皆作るみたいなことになると、レコードが市場に多くなりすぎて、買う側がどれを買ったらいいか迷う。そうなると、そのうちの1個を誰が勝ち取るかみたいな話になってくる。市場でレコードが余ると人気がないんじゃないかみたいな感じに見えるのもあって」
土井「やっぱり今、レコード出す人増えてますか」
小山内「めちゃくちゃ増えてます。"これもレコードで作りますか?"みたいなレコードも山ほど出てます」
土井「ちょっと今毒吐きました(笑)」
小山内「いや、そういうことではなく(笑)。確かにちょっと毒吐いたかも。すみません(笑)」
土井「でもそうですよね。皆サブスクやダウンロードで音源は聴くけど、じゃあ手元に持ってもらうものとして何がいいんだろうという時に、今までだったらCDを作っていた人も、CDじゃなくてレコードを選ぶようになってきてる」
小山内「ありますね。あと"レコードが売れてるから作ろうか"みたいなノリがここ最近は結構あるかなという気はします」
土井「やっぱりレコードの方が売れてるんですかね」
小山内「どうなんでしょうね。そんな感じがしてはいるんですけど、でもレコードってそんなにバンバン買えないじゃないですか」
土井「そうですね、割と高いです」
小山内「2枚買ったら1万超えみたいな」
土井「高級品ですよね」
移転して、コミュニケーションが生まれる「街のレコード屋さん」に
土井「SECOND ROYALは6年の間にお店の場所が変わってますね」
小山内「2022年12月に移転しまして。以前は中京区、四条河原町の京都の中心部にあったんですけど、今は北野天満宮の近くですね」
OKU「市街地よりももっと西で北という感じですね。西に行ってもっと北に上がるみたいな。外れた場所です」
土井「なにゆえ?」
小山内「前の場所を契約上出なきゃダメになってしまって。前はテナントビルの三階にあって、目指さないと来れないような場所だったんで、もうちょっと開放的な場所がいいなというので路面店を探してたんですけど、街中にはなかなか条件にあう物件がなくて。色々探していくうちに、遠方に見つかった感じなんですけれども」
土井「より目指さないといけないと(笑)」
小山内「バスじゃないと来れないんで」
土井「バスなのか。なかなかですけど」
小山内「京都のバスって乗っちゃえば、めっちゃ簡単なんです」
土井「難しいですよ。乗るまでが難しい」
OKU「種類がありすぎて」
小山内「ただね、ほんとにバス、皆さん乗ってください」
土井「バスの人(笑)。じゃあ、お店の雰囲気が結構変わったんですか」
小山内「そうですね。2階建ての町屋を1軒借りてて。築年数は不詳なんですけれども、だいぶ古い町屋なのですが全部リノベーションしてあって。1階が店舗で2階が事務所なんですが、全てあわせると前の2.5~3倍ぐらいの面積ですね」
土井「お店の内容はどんな感じなんですか?」
小山内「そんなに変わらずなんですけど、面積が広くなったんで、その分多めにセレクトしたレコードを置いています。レーベルアーティスト以外にも、国内外のアーティストのレコードなりカセットなりをメインに、色々グッズも扱ってる感じですね」
土井「小山内さんがセレクトしてるんですか?」
小山内「そうですね。HALFBYだったり、それこそBarbaraだったり、所属アーティストの楽曲が好きな人が聴いて、"これも良いね"と思えるようなレコードばかりじゃないかなと。僕がオーダーしてるんで、多分そこは何か通ずるものを感じてもらえるんじゃないかな、というような目線でセレクトしてます」
土井「実際にお店でアイテムが並んでいて、手に取って、自分の聴くものが広がっていくっていう、昔ながらの広がり方」
OKU「でもそうかもしれないですね。お店が立命館と同志社に結構近いんですよ。なのでお店の周りに大学生が住んでるんですけど、まだレコードもレコードプレイヤーも持ってないような子が、"何かある"と言ってお店に来て、レコードプレイヤーはないけど、レコード可愛いと言ってレコードを買って、後からプレイヤーを買うみたいなのも生まれてたりして。そのエピソードを聞いて、すごく良いなと思って。出した意味あったねって」
土井「その大学生にとっての1枚って、結構重みありますよね」
小山内「この間、お盆明けで来てくれた大学生の子が、"お盆で実家帰ったんで今お金あるんです"って(笑)」
土井「違うよ、それは生活費としてくれたやつ! でもレコード買っちゃうみたいな。もう何かすごい絵に描いたような流れじゃないですか!」
小山内「"ビールも飲んじゃおう"とかって言って。ビール置いてるんですけど」
土井「めっちゃ良いですね」
小山内「レコードを買って、すごい喜んでて」
土井「ちなみに何買ったんですか」
小山内「その時はイギリスのブラック・カントリー・ニュー・ロードってバンドのアルバムと、山下達郎さんのLP。過去のアルバムが色々と再発されてるんですが、山下達郎さんの音源ってサブスクにないんで、色々店頭で聴いてもらってたら、"どれも良い~、どうしよう"みたいな感じで1枚選んで買っていってくれました」
土井「レコードって新しいものだけですか?」
小山内「新譜メインで、中古もちょっとだけ置いてる感じです」
土井「大学生が集まるお店って最高です」
小山内「お盆で帰省してお金あるっていうの、めっちゃ懐かしい感覚というか。ここで使っていいんか、とはほんとに思いましたけどね(笑)」
土井「でもそれも多分昔からある話というか。レコード買っちゃったり本買っちゃったり、漫画買っちゃったり、ありますよね」
小山内「なので、ちょっと地元密着の街のレコード屋さん的な場所になってきているのかなと思いますね。近くにあって良かったなというようなお店になっていったら理想かなと思いますけど。OKUくんがFLAKE RECORDSで色々な音源に出会ったように、そういう店になりたいですね」
OKU「高校生の頃FLAKEに通ってたんで。でもあの子たちも、確かにそういう出会いがあるんじゃないですか。コミュニケーションが生まれるお店のスタイルなので、それがすごくあの場所にマッチしているし、新たな出会いが生まれやすい環境なのかなとか」
月1で蔵を借りて行うBAR&DJイベント『OUR LOCAL』
小山内「この間、その子らもBarbaraのイベントに遊びに来てくれたりしてたんで。すっごい踊ってましたけど」
OKU「楽しそうにしてくれて」
土井「めっちゃ良いじゃないですか。お店でライブとかはやってるんですか?」
小山内「たまにインストアライブをやってて、1番最初に元シャムキャッツのSummer Eyeの夏目くんの弾き語りライブをやったり。あとは今度うちから7インチを出す、幽体コミュニケーションズという、今年フジロックのルーキーにも出演したバンドのインストアライブをやったりしてるんですけど、それと他にうちのテナントの横にレンタルスペースの蔵がありまして。その蔵は日替わりで色んなお店が入るスペースなんですけれども、そこで月1回、バーとDJイベントを主催してます」
土井「そこはSECOND ROYALと関係ない場所?」
小山内「うちの店舗と大家さんが一緒で月1で借りてる場所ですかね。OKUくんもそこでDJをやって、BarbaraのギターのMARUくんがバーテンとして立ってます。彼は元バーテンなんで、めちゃくちゃプロの目をしてます。カクテルシェーカーをちゃんと上手に振る(笑)」
土井「そういう場所が隣にあると良いですね」
小山内「月1回、自分たちも楽しみというか。その日はお昼からお酒飲んでみたいな。クラブで大騒ぎみたいなのもいいですけれども。イベントの名前が『OUR LOCAL』で、出演者も基本、うちの事務所の周りに住んでる人たちが出て、そこでスイーツやフードを出したりDJして」
土井「京都METROでのレギュラーイベントの『SECOND ROYAL』は、大変失礼ながら今はどうなってるんですか?」
小山内「今はレギュラーではやってないです。コロナ前だと思いますけれど、結構前にストップしてます」
土井「じゃあその代わりではないですけど。やっぱりクラブイベントって、もちろん音楽聞くのも楽しいんだけど、毎回集まる約束してないけど、そこに行くと何となく顔を合わす面々と喋ったりというのが楽しかったりするじゃないですか」
小山内「まさにそうですね。それを自分たちの地元でやっちゃおうみたいな。特にあの辺りは、昔からあるライブハウスだったりクラブ、イベントスペースみたいなものがないので、月1現れるそういう場所みたいな形でゆっくりやっていけたらなと思ってますね」
土井「またそこから、"セカロイから出したいんですけど"みたいな音源の持ち込みがあったり。HALFBYのDJでめっちゃ踊ってた福富くんみたいな子が出てきたりすると、面白そう」
セカロイをよく知る、カジヒデキからメッセージが到着!
土井「9月2日磔磔、タ方に登場されるこの方からメッセージが届いております」
カジ「『MIDNIGHT GARAGE』をお聞きの皆さん、こんばんは。カジヒデキです。SECOND ROYAL RECORDS 20周年のライブイベントが近づいてきましたね。セカロイといえば、元々小山内くんやHALFBYの高橋(孝博)くんたちがMETROでやっていた『SECOND ROYAL』というタイトルのクラブイベントからスタートしているし、最初の頃はDJが作る音楽というイメージが強いので、常にクラブカルチャーやユースカルチャーに寄り添ったグッドセンスな音楽レーベルというイメージです。レーベルがスタートして割とすぐにHALFBYがトイズファクトリーからメジャーデビューしてオーバーグラウンドの活動をしたり、森野(義貴)くんのHANDSOMEBOY TECHNIQUEはスウェーデンをはじめ海外でも評判が高かったり。そうこうするうちにHomecomingsがセカロイから出ました。最初の頃は可愛いギターポップのバンドと思っていましたがめきめきと頭角を表し、今ではフジロックのホワイトステージを余裕で埋め尽くせるようなロックバンドに成長して、本当にすごいと思います。この20年、常に若くてセンスの良いバンドやアーティストを見つけては、しっかり成長させてきた素晴らしいレーベルだと思っています。しかも京都に根付いてやっているのがほんとに良いですよね。僕らが大好きなグラスゴーの音楽シーンにすごく似ているなという気がします。The Pastels、Teenage Fanclub、Belle and Sebastian、Franz Ferdinand。皆グラスゴーに根付いてやって、それと同じだなと思います。小山内くんというと、本当に優しくて気遣いの行き届いた人。常に新しい音楽や若いアーティストにレーダーを張っているのも本当に素晴らしいことですけど、小山内くんが影響を受けた目上のバンドやアーティストへのリスペクトを忘れない気持ちが本当にすごいことだと思うんです。そしてSECOND ROYALはほんとに良い意味で、時代時代のシーンに合わせて、レーベルのカラーを少しずつ変化させてきたと思います。これからも小山内くんのセンスで同じように長く続けてほしいなと思います。本当に素敵なレーベルです。今回は20周年記念ライブに僕を誘ってくれたことが本当に嬉しいですし、僕がこの後まだ生きていて、音楽活動も続けていたら、25周年、30周年記念ライブにもぜひ誘ってくださいね。よろしくお願いします」
音楽を追う中で自然に時代にリンクした
小山内「いや~......」
土井「どういう顔ですか。それ」
小山内「じーんときちゃった。ちょっと音源を絶対録音してね、放送の」
OKU「ただ、ちょっと褒められすぎ感」
小山内「まあ20年だし(笑)」
OKU「カジさんが優しいです。ほんとに嬉しい」
土井「セカロイのことをやっぱりずっと見てる感じが。めっちゃよく分かってはんなっていう。全てを説明してくれてました。グラスゴーと京都が似てるみたいなことをおっしゃってましたけど、"あ、そうなんや"とね」
小山内「多分街自体はそんな大きくないけれども、そこに皆ミュージシャンが集まる感じとか、でもそれぞれがそれぞれのテリトリーですごい活躍したりみたいなところが、京都にもあるのかもなと思いました。The Pastelsのスティーブン・パステルが運営してるレコード屋さんもあるので、死ぬまでに1回行ってみたいと思います」
土井「もっと早めに行ってほしいですけど。でも確かにグラスゴー出身のアーティストって"グラスゴー出身"ってずっと言ってるというか。京都出身の人も、今東京に住んでたとしても、京都出身みたいなことはずっと言ってる」
小山内「Homecomingsの福富くんも東京行ってからも、京都について京都新聞でずっと連載してましたね」
土井「地元愛がずっとあるという」
OKU「でも地元でもないですもんね」
小山内「大学時代から東京に出るまでだけど」
OKU「魅力があったんでしょうね」
土井「SECOND ROYALはクラブミュージックから始まってまして、少しずつ時代に合わせてレーベルのカラーを変化させているという話もありましたけど、それは意識してというわけでもなく?」
小山内「意識的というよりは、国内外のアーティストの新譜をずっと追って聴いていてそこから現在まで常に自分が好きな音楽を取捨選択してきていることが、時代の流れみたいなところとリンクしてるのかなという気はします。自分の聴いてるジャンルが時代によってもしかしたら変わってるように見えるかもしれないけれども、基本的に好みはずっと一緒なので」
徐々に変化した、OKUのセカロイとの向き合い方
土井「9月2日(土)の京都磔磔、METROが終わりましたら、大阪は9月23日(土・祝)に味園ユニバースでドカンと開催です。出演アーティストを紹介してもらえますか」
小山内「HALFBY、YOUR SONG IS GOOD、サニーデイ・サービス、Homecomings、 台湾からDSPS、そしてBarbaraです」
土井「Seussで9月2日にMETROに出て、9月23日はBarbaraです。考えてることや、意気込みは?」
OKU「ユニバースの日は、僕らがあの会場が元々作られたあの頃のディスコっぽい感じにできたらなと思ってるんですけど。とにかく自分たちが、METROのSeussも含め、20周年のセカロイのパーティーを楽しみたいなという。遊びに行く感覚で演奏もさせてもらうぐらいの感じで。で、僕らが楽しんでるところがお客さんにも伝わって、アーティストのお客さんも皆楽しいみたいなことができればなって。あまり力みすぎずやりたいなと思ってるんですけど」
土井「前の周年(15周年)の時はね、なかったわけじゃないですか、Barbaraが」
OKU「なかった。確かに」
土井「今回は周年にも出演することになり、SECOND ROYALに以前描いていたイメージと、中に入って変わったところは?そもそもどんなイメージを抱いてました?」
OKU「ちょっと近くなりすぎて、もう身内みたいな感じになっちゃってるんですけど、でも入ってみて、Seussの時は考えて活動することをあまりしてなかったんで、勢いだけでやってたんですけど、Barbaraで僕も大人になったんで、色々考えてやってるうちに見えてきたというか。良くも悪くもSECOND ROYALは商売っ気があまりないので」
土井「(笑)」
OKU「何をやるにしてもバンドの意志優先だし、バンドのモチベーションが下がってて特に動かない時に小山内さんが無理やりやらせるみたいなこともないし、ほんとにアーティストに寄り添う、1歩2歩、ちょっと後ろから背中を押す感じのレーベルなのかなっていう」
土井「じゃあ、"頑張れよ、やれよ"みたいなことはないんですか」
OKU「でも今僕の持ってる感覚では、Win-Winにできたらいいなと思ってて。例えばレコーディングしてすごくお金かかるじゃないですか。それであまり売れませんでしたとなっても咎められないというか。きっと裏では小山内さんが色々やってるんでしょうけど、多分性格的にそれをバンドに見せないというか。BarbaraではWin-Winで、セカロイにとってもBarbaraやっててメリットがあるし、僕らもセカロイでやっててメリットがあるみたいな関係が作れたらなって。今までは本当にもたれかかってただけなので、それはちょっと今イメージが変わったというか、向き合い方が変わった部分です」
土井「心強いですね。引っ張っていってもらいたいですね」
小山内「だいぶ意識が変わっていって」
土井「でもそういうのってライブにも影響する?」
小山内「してますね。ライブ1つへの向き合い方も全然変わってると思うし、何のためにやってるかみたいなことも、OKUちゃんは自分で考えるようになってるので。それによって曲が良くなったり、ライブが良くなったり、パフォーマンスが良くなったり。すごく良い方向に向かっているんじゃないかなと思いますけど」
OKU「それを引き出すために言ったわけではない(笑)」
小山内「そうなの?(笑)」
土井「ユニバース、この日のこのラインナップの中で、ちょっと引っ掻き回してほしいですよね」
小山内「やっぱりカラーをしっかりと持って、しっかりライブできる人たちが揃ってるんで。トップバッターがBarbaraで始まるので、ふぁーっと楽しい雰囲気に皆なってもらって、そのままラストのHALFBYまでずっと踊り続けるみたいな感じが理想かなと思います」
サニーデイ・サービスの曽我部恵一からもメッセージが到着!
土井「そんな味園ユニバースに登場するこの方から、さらにメッセージが到着しております。
曽我部「サニーデイ・サービスの曽我部恵一です。『MIDNIGHT GARAGE』をお聞きの皆さん、こんばんは。SECOND ROYALはね、僕はいつ知ったのかもう忘れたんですけど、20周年ってことは20年前からあるでしょ。僕らのROSE RECORDSも20年ぐらいやってると思うんで、大体同じ時期に始まったんだと思うんですけど、セカロイさんはやっぱり何が良いって、内容が良い。すごく良いアーティストがいっぱい揃ってらっしゃるでしょう。森野さんとかHALFBYとか。本当に僕はいいなと思って、新しい最近のアーティストでも、"あ、セカロイなんだ"と思うことがあって。だから単純にレーベルとして素敵だなと思います。僕がやってるROSE RECORDSは、基本的に自分の音源を出すための手口なので、あまりアーティストがどうって感じでやってないんですよね。だから小山内くんたちが色んなアーティストと仲間やチームみたいに動いているのは、傍目で見てるとすごく羨ましいけど、僕は自分がアーティストでもあって、レーベルオーナーでもあるから、なかなかそういう風にはいかないなと思うところもあるんですけど、単純にSECOND ROYAL、良いレコードを出す良いレーベルだなと。憧れと言うとちょっと大袈裟かもしれないけど、良いレーベルだなって思ってます。音楽レーベルというのはレコード会社でもあるんですけど、始めた人というかレーベルオーナーの趣味、レコード棚を見てる気持ちにさせてくれるのがやっぱりインディーレーベルの良さで。大きいレコード会社は大きいレコード会社で良いところがいっぱいあると思うけど、やっぱり色んなものがある。1つのカラーに染まってないというか。それがつまんないっちゃつまんないけど、インディーレーベルはそれがありますよね。このレーベルはこういうカラーなんだなと思うし、良いところだと思ってます。セカロイも僕にとってはそういうレーベルです。これからも大変なことは色々あるでしょうけど、楽しいことの方がきっと多いよね。楽しいことが8割、大変なこと2割ぐらいですか。僕は自分でレーベルをやってて楽しいなと思うけど、やっぱり怖いのは飽きちゃうことで、もうやりきったなと思うことがあったら、そこでストップしちゃうかもしれないけど、また今日も新しい発見とかやりたいことがどんどん出てくるから続けてるんだと思います。きっと小山内くんたちもそうだと思っております。これからもよろしくお願いします。SECOND ROYAL 20周年おめでとうございます」
小山内「ありがたい~」
土井「インディレーベルはレーベルオーナーのレコード棚を見せてもらってる感じっていうのはすごい確かにって。それが好きとおっしゃってましたけどね。あと怖いのは飽きることっておっしゃってましたね」
小山内「ね。そういう時が来るんかと。よぎったことがあまりなくて」
土井「まだ飽きそうとか、もういいかなみたいなこと一瞬もない」
小山内「音楽については全くゼロですね。思ったことがないかも。常に面白い音楽が出てくるし。仕事的にしんどい面2割みたいな話に関してはたまにしんどいなって思ったりする時がありますけども」
土井「じゃあ怖いことは何なんですか?」
小山内「レーベルが回っていかなくなることじゃないですか。
土井「経営の話!(笑)ちょっとBarbara頑張って! ひとまずワイワイと楽しい周年にできたら。9月23日は味園ユニバース。学生証の提示で1000円キャッシュバックがあると」
小山内「学生の方にも気軽に来ていただきたいなと思いますので。ぜひお集まりください。
その時々の音楽とアーティストに向き合って、続けていけたら理想
土井「さあこの先なんですけれども、SECOND ROYAL RECORDS 30周年、40周年に向けて」
小山内「よし!20年やろう!と思って続けてきてなくて、ずっと素敵なアーティストと出会ったり、最高の音源をリリースする機会に恵まれてというのを繰り返してるうちに20年経ってたので、今後も同じように、ちゃんとその時々の音楽に真摯に向き合って、所属してくれているアーティストと、この先も続けていけたら理想だなとは思います」
土井「20年やろうと思ってなかったんですね。あまり大きい先の目標とかはずっとなく、この先も別にそこは思わず、日々って感じですね」
小山内「日々のことを頑張っていきたいなと思います。あとはやっぱりSECOND ROYALのクラブイベントから始まってるので、イベントをやると楽しいんですよ。そこにいる人たちが楽しそうにしてる姿を見たりするのもとても好きで。それで自分も楽しくなってというのがやっぱり好きなので。一時期イベントやるのを控えてた時期が長かったですけれども、頻繁にやっていけるようにしたいなとは思っています」
土井「また輪も広がりますし。何より楽しいですし」
小山内「ライブイベントももちろんですけど、パーティーというものをもう少し自分たち発信でやっていけるようにしたいなと。近いところの目標ではそうですね」
土井「ある意味原点回帰じゃないですけど、あるとさらに楽しいかも。Barbaraは今後の予定はありますか」
OKU「アルバムに向けて曲を作ってるんで。来年の前半ぐらいまでにはアルバムが出せたらなと思ってます」
土井「ライブではもうやってたりするんですか」
OKU「めちゃくちゃやってて。今年に入って3回ぐらい自主企画をやって、ライブを仕上げるとか、新曲を仕上げていくみたいなところをずっと頑張ってたので。今年の後半は制作の方に注力して、来年リリースの形が取れるといいなと思ってます」
土井「楽しみにしてます。まずは『SECOND ROYAL RECORDS 20th Anniversary Party』9月23日(土・祝)が味園ユニバース、午後2時スタート。皆さんお集まりください。20周年おめでとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします」
小山内「ありがとうございます。よろしくお願いします」
土井「今日はSECOND ROYAL RECORDSから小山内さん、そしてBarbara・OKUくんをお迎えしました。ありがとうございました」
小山内・OKU「ありがとうございました」
Text by ERI KUBOTA
Photo by ヨシモリユウナ
(2023年9月20日更新)
【京都公演】
※終了しました
-DAY-
▼9月2日(土) 14:30
磔磔
スタンディング-4500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]カジヒデキ/SATORU ONO/堀江博久/Summer Eye/KENT VALLEY/台風クラブ/THE FULL TEENZ
[問]SMASH WEST■06-6535-5569
※終了しました
-NIGHT-
▼9月2日(土)22:00
京都メトロ
スタンディング-3000円(ドリンク代別途要)
※磔磔公演チケットお持ちの方-1500円
[出演]HALFBY/Homecomings/KONCOS/in the blue shirt/CeeeSTee/tanitomo8/MAKOTO ONO/and more
[VJ]asaco(SPEKTRA)
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード:247-471
▼9月23日(土・祝) 14:00
味園 ユニバース
全自由-5000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]HALFBY/YOUR SONG IS GOOD/サニーデイ・サービス/Homecomings/DSPS/Barbara
※未就学児は保護者同伴に限り入場無料。公演当日、学生証提示で\1,000キャッシュバックあり(早割チケットをお持ちの方は対象外)。
※販売期間中はインターネットのみでの販売。1IDで1回のみ4枚まで購入可。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569