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「『RADIO CRAZY』に出させていただくのは、めちゃくちゃ嬉しくて感慨深い」aikoが地元大阪で初フェスに出演。
ヒゲダン藤原、マカロニはっとり、KANA-BOON谷口と響かせた
極上のハーモニー。12月27日(火)Z-STAGE aikoライブレポート

今年3年ぶりにインテックス大阪にカムバックした、FM802が毎年年末に開催するロック大忘年会『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2022』。今年は12月25日(日)~28日(水)まで初の4日間開催となった。3日目の12月27日(火)、Z-STAGEに登場したのはaiko。何とaikoはフェスへの出演自体が初めて。デビュー25周年イヤーでの記念すべき初フェスは、地元大阪の『RADIO CRAZY』となった。ライブにはまさかのサプライズゲストも登場し、その場にいた全員を幸せの渦に巻き込んだ圧巻の50分だった。

『RADIO CRAZY』の4つのステージの中で一番大きなZ-STAGEには、フェス初登場のaikoの姿を見ようと超満員の人が詰めかけていた。客電が消えると、広大な会場からは待ってましたの大歓声。SEはなしで、ステージがパッと明るくなると『キラキラ』からライブスタート。ピンクのふわふわの飾りがついたブルーのスウェットにジーンズという、カジュアルながらもファッショナブルな出で立ちで登場したaiko。バンドメンバーが放つ重厚なサウンドに、伸びやかでクリアな歌声を乗せてゆく。会場からは一斉にクラップの嵐。ニコニコの笑顔でステージを軽やかに動き回り歌う姿に、フロアからは思わず「可愛い」と声が漏れる。

「皆さんこんばんは! aikoでーす! RADIO CRAZY! 初めてなので、優しくしてください! よろしくお願いしまーーーーーす!!!」と大声を張り上げて『beat』へ。全身で楽しむのだと言わんばかりに、跳ねるリズムに体を任せ、歌いながらショートボブの頭をブンブン振ったり、ゴロンとステージに寝転んだりと、様々な表情を見せるaiko。無邪気でキュートな仕草に一瞬で心が掴まれる。

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さらにイントロが聞こえるなり歓声が上がった名曲『花火』を披露。ここでもくるくるとステージを動き回り、アンプにちょこんと座ってポーズをとったり、しゃがみ込んで歌ったり、オーディエンスに手を振ったりする様子は見ていて飽きない。2番ではフェイクを交えて喋るように歌い、aiko節を効かせて雰囲気をクールにも導いた。音で遊んでいるようにも感じられてワクワクする。会場を丸ごと掌握する歌唱力はさすがで、早くもワンマンライブのような盛り上がりを見せた。続いてはジャジーな『夢見る隙間』で大人っぽいaikoも表現。間奏ではギターソロもバッチリ決まり、aikoはステップを踏んで踊りまくる。アダルトな空気と生命力を感じさせるステージでさらに魅了した。

MCでは「ありがとう! ふふふ」と嬉しそうに笑顔を浮かべ、「改めまして、aikoです!よろしくお願いしまーす!」と深くお辞儀。超満員になったフロアを見て「やばーい! 嬉しい!!!!」と歓喜する。「初めて私フェスに出るんです。それが『RADIO CRAZY』で、本当にありがとうざいます」と興奮したように感謝を述べ、「会場の裏、芸能人いっぱい。すごい。めっちゃ普通のふりしてたけど、うわーっと思いながらご飯食べてた(笑)」と、内緒話を友達に打ち明けるかのように飾らない雰囲気で、フロアとコミュニケーションを取る。

「今日は初めてのレディクレなんで、aikoのことを聞いたことない皆さんに出会えるチャンスやと思って色んな曲を用意してきました。いつものライブやったら下ネタすごい言ってるねんけど、今日はやめとく。もし興味ある人がいたら、来年ツアーあるので遊びに来てください」とアナウンスも挟みつつ、観客からのヤジに世間話をするように反応する。そうだった、大阪のお客さんはライブ中、アーティストにめちゃくちゃ話しかけるんだった(笑)。そんな光景が戻ってきたことが嬉しく、aikoも「声を出せるのもすごいことやんね」と笑顔。

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続く『ハニーメモリー』では、歌い出しを失敗してお茶目にやり直す場面もありながら、透明感のある歌声をしっとりと響かせた。

2度目のMCでは「ここに来る人は音楽が大好きな人がたくさん集まっていると思っています。私も802が開局した頃から802を聞いていて、『MUSIC GAMBO』という番組で自分の一部を形成された音楽を802に教えてもらったので、この『RADIO CRAZY』に出させていただくのはすごく、とても、めちゃくちゃ嬉しくて感慨深いんですけども、ここでやるにはこの歌を絶対に歌おうと思って」と述べると、察したフロアから大きな拍手が起こる。そう、毎年FM802が春に行うACCSESS!キャンペーンソングだ。FM802にゆかりのあるアーティストが参加して、オリジナルの楽曲を制作する恒例のキャンペーン。aikoは2019年に『メロンソーダ』の作詞・作曲を手がけた。「後ろの皆さんも、柱があってちょっと見えにくい皆さんもおるかもせえへんけど、絶対に届けるから!」と力強く約束する。こういう気遣いはオーディエンスにとっては本当に嬉しい。「では歌います。『メロンソーダ』です、よろしくお願いします!」とイントロが演奏される。

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aiko1人で歌うのかと思いきや......「一緒に歌ってくれるのはー! 鮪くん! はっとりくん! 聡くんでーす!」と、谷口鮪(KANA-BOON)、はっとり(マカロニえんぴつ)、藤原聡(Official髭男dism)がステージに登場。まさかのサプライズに会場からはどよめきと大歓声が起こる。さらにステージ上手では、FM802 DJsとして大抜卓人、落合健太郎、中島ヒロト、樋口大喜、高樹リサが『メロンソーダTシャツ』を着て(急遽作ったそうだ)コーラスに参加。一層ステージが賑やかになった。

藤原やはっとりは以前からaikoのファンであることを公言していたし、はっとりは『メロンソーダ』のレコーディングでは会えなかったと言っていたことから、同じステージで歌える喜びはひとしおだろう。思いきり声を張り上げて歌う様子からは気合いが伝わってきた。aikoも嬉しそうに3人の間を行ったり来たり。向かい合ってデュエットのように歌う姿もあり、ハッピーな空気で満たされていった。そしてFM802とアーティスト、アーティスト同士の絆も感じることができた。オーディエンスも大興奮で、FM802だから実現できるスペシャルな時間にすっかり酔いしれた。

歌い終わるとaikoは「ヤバい楽しかった!!! ありがとうございました!」と興奮冷めやらぬ様子。はっとりが「本物だぁ!」と感動していると「よー言うわ!」と、アンプに足をかけてはっとりの歌う真似をする(初日のZ-STAGEのマカロニえんぴつのライブを見ていたらしい)。谷口はメロンソーダ柄の真っ赤なロンTを着ており、aikoに「メロンソーダ着てる! やるやん!」と褒められていた。藤原も本当に幸せそうで、憧れの人と同じステージに立てた喜びがこちらまで伝わってきた。

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「バイバーイ!」と名残惜しそうにゲストボーカルとDJsを見送ると、間髪入れず「男子ー! 女子ー! 全員ー!」とものすごい勢いでフロアを煽る。「皆いなくなっちゃったけど、もうちょっと盛り上がってな! よろしく!」と、会場の熱気をまたひとつ引き上げて『be master of life』を投下。軽快なサウンドが鳴り響くとステージの端までダッシュ! 個人的な話だが、筆者はこの曲を学生時代にMDに入れて毎日聞いていたので感無量だった。もう勝手に体が動いてしまう。間奏では「声出せるようになって、すごい嬉しいです! これからももっともっと、皆さんの近くに行けるように頑張ります! 皆さんこれからもよろしくお願いします!! いきまーす!」と、はちきれんばかりの大音声を張り上げる。その想いに呼応したフロアも最速クラップで一体感を高めていく。ラスサビでダンッと足を踏んだ瞬間、銀テープが発射され、盛り上がりは最高潮に達した。

そして「皆に良いことがありますように!」と『ストロー』を披露。汗だくで気持ち良さそうにステージを歩き回り、ファンとの交流を楽しむ様子が印象的だった。そして「じゃあ最後にもう1曲お届けします! 皆さん超絶に楽しんでください!」と最高のアンセム『ボーイフレンド』でラストナンバーを締め括る。これは元々セットリストになかった曲なので、aikoからのプレゼントだ。フロアは熱狂してジャンプ! サビでは全員で大合唱。声を出せる喜びと楽しさをしっかりと噛み締めた。

「皆さん本当に大切な時間をたくさんくれてありがとうございました! またね! バイバーイ!」と笑顔で手を振り「続いては、sumikaの登場です」と次のZ-STAGE登場アーティストのsumika(ドラムの荒井智之もaikoジャンキーである)へキュートに繋ぎ、明るくステージを去った。

rc-aiko230105-7.jpgくるくる変わる表情、フレンドリーで人懐っこい人柄、一瞬たりとも止まらないパワフルでポップなパフォーマンス、そして圧倒的な歌唱力と存在感。その姿はまさにポップスター。小さな体からどうやってあんなに大きな声を出しているのだろうと思うほどにエネルギッシュでカッコ良かった。見ると元気になる大満足のステージ。aikoのライブはパワースポットだなと、本気でそう思った。ぜひまた『RADIO CRAZY』でaikoのライブが見れることを願いたい。

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なお、2023年1月9日(月・祝)には、FM802で14:00から夜中3:00までの13時間にわたり、『FM802 RADIO CRAZY RADIO de LIVE CRAZY』として『RADIO CRAZY』のライブ音源がオンエアされる。こちらも要チェックだ。

Text by ERI KUBOTA




(2023年1月 6日更新)


Check

Set List

『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2022』
2022.12.27 Tue at インテックス大阪

01. キラキラ
02. beat
03. 花火
04. 夢見る隙間
05. ハニーメモリー
06. メロンソーダ
07. be master of life
08. ストロー
09. ボーイフレンド

番組情報

「FM802 RADIO CRAZY RADIO de LIVE CRAZY」

レディクレのライブ音源のみでお届けする13時間の生放送!! 4日間の興奮再び!
『FM802 RADIO CRAZY』のライブ音源だけでお届けするスペシャルプログラムをオンエアします!

●日時:1月9日(月・祝) 14:00~深夜3:00までの4部構成!
■第一部 14:00~17:48 DJ=落合健太郎、田中乃絵
■第二部 18:00~21:00 DJ=浅井博章、板東さえか
■第三部 21:00~23:48 DJ=内田絢子、樋口大喜
■第四部 24:00~3:00 DJ=土井コマキ、高樹リサ
※オンエアアーティスト詳細は後日発表します(すべてのアーティストの音源O.Aではございません)

尚、一部アーティストを除く、新年の意気込み&サインが書かれたポストカードカレンダーをプレゼント!
詳しくは番組をチェックしてください!
※プレゼントはWチャンスとしてFM802の会員制サイト『RADIPASS GOLD』でもプレゼントします!
詳しくは1月9日の放送後お知らせします。

https://funky802.com/pages/pickup_detail/6890