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“キャンプに誘えるいいヤツ”が組んだ新感覚バンドは
タイムカプセル開封に向けZeppを目指す
Dannie Mayインタビュー&動画コメント

MVのサブスク総再生回数が300万を超え、7月スタートのドラマ「イケメン共よメシを喰え」ではオープニングテーマの書き下ろしを担当するなど、今人気上昇中の3人組ボーカルワークバンド・Dannie May(ダニーメイ)が、ぴあ関西版WEBに初登場。目まぐるしく変化する令和の音楽シーンをばく進する彼らのスタイルやニューシングル「ぐーぐーぐー」についてマサ(Vo&Gt)に話を聞いた。ほかにはない結成・制作エピソードに驚かされること間違いなし。

――はじめにプロフィールに関して聞きたいのですが、Dannie Mayはボーカル&ギターのマサさん、ボーカル&キーボードの田中タリラさん、そしてボーカル&クリエイターのYunoさんから成るボーカルワークバンドという珍しいスタイル。どのようにして現在の体制になったのでしょうか?
 
「もともとタリラと僕は同じボーカルグループを組んでたんです。そこの映像を作ってたのがYuno。彼はもともとカメラマンで映像制作とかをしていたんですよ。で、そのグループが解散するってなって、僕はずっとバンドをやりたいなっていうのがあったのでタリラとYunoを誘ったんです。その時、一番大事にしたのが続けられること。バンドが上がっていくためには続けることが大事だなって思ったんで。だから、こいつらいいヤツだな!って思った2人を集めたんですけど、それがあいつらだったっていう(笑)。今タリラは鍵盤を弾いてますけど、もともと鍵盤をやってたわけじゃないし、Yunoも同期データをやってたわけじゃなく、(バンドを組んだ)あとで何やる?って決めました。ただ3人とも偶然、歌は歌えたんですよ。Yunoももともとアカペラグループをやってたし、僕もシンガーソングライターだったんで、それなら3人で歌うか!って今の体制に。とは言え3人ともバンド畑の人間じゃなかったんで、どういう風に曲を作っていこう?ってなって、Yunoの特技が石ころから物語を作るみたいなことだったので、それをいかしたいよねって、彼が最初にMVプロットを書いてそこから作ってみようと始めたのが今の(制作の)形になったきっかけですね」
 
――結成のいきさつも曲の作り方も驚きです。ちなみにマサさんはタリラさんとYunoさんのどんなところがいいヤツだなと?
 
「超正直なんですよ。裏表がないというか……Yunoもタリラもいい意味でわかりやすい。2人とも思ったことをためない人間。ちゃんと言うんです。人間関係がこじれる時って、たまっていく時だなと思ってて。ま、僕がそうなんです(笑)。いろんなことがたまっていっちゃう。それで人が言ったことの裏側もすごく気になっちゃうけど、2人はすごく正直だから僕も安心してしゃべれるなって。今考えればですけど、そこが2人を誘った決め手だったかなと思います」
 
――3人の音楽的ルーツや好みはバラバラなようですが、そこは気にはならなかったですか?
 
「楽器のこととか、そういうのはまったく考えずに組んだんですよ。3人でキャンプ行く?ぐらいの誘い方というか……キャンプに行く時って、いいヤツを誘うじゃないですか(笑)」
 
――確かに(笑)。では3人の違いをマサさんがうまく調整しているんですか?
 
「3人が全然違う音楽が好きで、しかも3人とも結構偏ってる。タリラならマイケル・ジャクソンのここが好き!って、YunoもUKロックのここが好き!ってすごく明確。そこを僕がバランサーみたいな立ち位置で、デコボコしたところをこう(手でまとめるジェスチャー)して。ポップスはバランスが相当大事だなって思うことが最近多いんですよ。ちょっといびつなんだけど、なんか料理みたいな感じで最終的にはすごくきれいな形のものにするっていう作業が重要だなって」
 
――さて、先ほど話に出たように制作方法も珍しいですよね。Yunoさんの作ったMVプロットから曲を作り始めるということですが、プロットはどんな感じですか?
 
スタッフ「見せましょうか?」
 
――見たいです。
 
スタッフ「(実際の「ぐーぐーぐー」のプロットを見せながら)MVのイメージやキャスト候補やストーリー、パートごとにもイメージを挙げてあります」
 
――ちゃんとしたビジネスのプレゼン資料のよう。すごい!
 
「やってますね。だんだんレベルも上がってきてます(笑)」
 
――Yunoさんは何から発想を得てプロットを作っているんですか?
 
「出どころはその時々ですね。彼の問題意識にあるものと、僕のそれがリンクすることがあると、こういうものがちょっと違和感だよねっていうようなことが0→1になる時もあるので、その時の僕らの状況だったりを話すのが大切だなって。もちろん(プロット制作の前に)話し合ってからの時もあって、すべて(Yunoにイメージや内容をプロットに)落としてもらってるっていうのでもなく……。例えば『五行』(5th EP)の時は、三つ子の魂百までって言うように、僕らが3年間 Dannie Mayをやってきて土台が固まり、その土台からどんどん大きな輪を広げていこうっていう話し合いをもとに、Yunoが(万物が変化し循環するという考えを持つ)五行思想っていうのが(輪を広げていくという考えに)合うよねって提案してくれて。そういう会話から生まれることもあります」

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――日々のコミュニケーションが大切になりそう。
 
「そうかもしれないですね。コミュニケーションが取れてないと、ただの外注バンドになっちゃう。発注し合うバンドになっちゃうのは全然よくないので」
 
――いいヤツを誘ってよかったですね(笑)。
 
「よかったです(笑)。だからこそ(現在のスタイルで制作できる)みたいなのがあるかもしれないですね。でも、じゃあ普段からプライベートでも一緒に遊ぶのかって言ったら、別に遊ばないんですよ。ただバンドで会ったらめっちゃ話すから変な感じなんですよね(笑)。昨日もライブのあとに久しぶりにタリラと飲んだんですけど、なんか友達よりも近いんだけど、でも遠いみたいな……そういう距離感がありますね。そこは言語化できないからモヤモヤするんですけどね(笑)」
 
――不思議な関係。ではその距離感が変わったら作業フローも生まれる音楽も変わるかもしれない?
 
「でもアルバムの曲があったとして、そこにプロットがあるわけではなくて(プロットがあるのは)シングルのタイミングとかなので、常に変わらずやりたいようにやるとは思いますね。それに3人ともそれぞれの趣向とかはあっても、Dannie Mayの立ち位置にあまりこだわりはないんです。だから僕らの曲は曲調も結構バラけてて、ずっとパンク!とかずっとR&B!みたいなことはなく、できるんだったら別に何をやってもいいんじゃね?くらいの感じなんでフッ軽なのかもしれないです」
 
――なるほど。そもそも自由度が高いバンドだから、制作スタイルとは関係なくいつでも自由な音楽作りが続けられるわけですね。
 
「毎回新しいことをやるんでめっちゃ綱渡りなんですよ。でもなんかいい感じに帳尻があって、毎回何かわかんないけどうまくいくみたいなことが起きてますね(笑)。でも一人だったら絶対にできないです」
 
――そんないつも新しい側面を見せる楽曲ですが、新曲「ぐーぐーぐー」はかなりキャッチー。これはドラマ「イケメン共よメシを喰え」の主題歌として書き下ろされたものですが、初のテーマ曲制作はいかがでしたか?
 
「プロットがきて、(ドラマの原作)マンガもプロットみたいなものだから、いつもよりもっと具体的で、やりやすい!って感じでした。曲調みたいなことは指定があったので、そこに合わせはしたんですけど、パズルというか……こういうマンガで、こういう曲調で、そうしたらどれくらいの年代への音楽で、それにDannie Mayっぽいという要素が入ってて。例えばパスタを作るとして、これとこれを使ってねっていう材料の指定があったら、(作ることができるメニューも)限定されてくるじゃないですか。でもそれを作るだけだとつまんないから、スパイスも入れてみようとか、どんどん(レシピが)細かくなっていく。そういう感じで作れたのがおもしろかったですね」
 
――歌詞に関してはいつもと違って本能的で刹那的です。
 
「そうですね。普段は何か言わないといけないことが絶対にあるんですけど、今回って別に何も言ってないっていう(笑)。こういう言い方をすると……(誤解されるかもしれない)ですけど、何かを伝えようとして書いた曲ではなくて名刺として優れたものをっていう角度で書いたので、ちょっと言葉遊びみたいなものを入れながら原作を彷彿させつつみたいなところにフォーカスしたかなと思います」
 
――主題歌の役割ですよね。勢いのある曲ですが作り方は意外とロジカルでした(笑)。だからなのか強い印象を残すのに、聴きづらさはなく耳なじみもいい。ほかの曲でもそういう感じがありますよね。
 
「絶対に聴いたことのあるメロディを意識的に忍ばせるようにはしてますね」
 
――それはさじ加減が難しそう。
 
「そこもバランスなんでしょうね。最近よく話すのは80点ぐらいを狙って曲を書くというか……もちろん僕の頑張りとしては120%なんですけど、できあがったものとしては80点とか平均点が高めだよねっていうのをぶっちゃけ狙ってます。今みたいなやり方だからこそ、どんどん書いてもちゃんと聴けるよねっていうバンドになりたいなと思って。突出して好きなもの(ジャンル)があるわけではないし。でもここから頭ひとつ抜けていくのには、120%で120点を出さないとダメなんだなって感じてて、そうしようってなった時、さっき出た聴きづらさっていうのが……(必要)。その聴きづらさがスパイスになるんで、そことのバランスで今すごくワーッ!てなってます(笑)」
 
――80点というのは完成度ではなく8割の人に受け入れられるというようなことですね。Dannie Mayは器用でジャンルレスであるがゆえ、親しみやすさと尖った部分のバランスが悩みの種になる。
 
「今はいい音楽がいっぱい出てるから、ずっといいものを、しかも短いスパンで提供し続けて、やっと曲と顔が結びついてくるみたいな時代かなって。誰でも(音楽が)できる時代になったってすごく言われるけど、その分精査される時代でもあると思いますね」
 
――だから高い平均点を出して底力をつけたい!と……。
 
「ちゃんと顔が認知されてからの……」
 
――尖った一発(笑)?
 
「……ま、高みを目指していきたいですよね(笑)」
 
――では最後に今後について。まず10月は「FM802 MINAMI WHEEL 2022」出演に加え、ツーマンライブ「Dannie May Presents『Welcome Home!』」が控えています。
 
「『Welcome Home!』は僕らが定期的にやってるイベントなのでファンミーティングに近い感じにとらえててカジュアルに臨みたいなと。クジラ夜の街とOchunismって一緒にやりたいバンドさんとのツーマンなので、その楽しみもあります。さらに今後に関して言うと、僕らには『御蘇 -Gosu-』っていう曲があって、その最後にごにょごにょ言ってるんですよ」
 
――ごにょごにょ?
 
「Dannie Mayを始めた1年目ぐらいの時、タイムカプセル的に『御蘇 -Gosu-』のアウトロ尺に収まるように、3人とも気持ちを声で入れたんです。ミックスダウンで実際には何を言ってるかはわかんないようになってるんですけど、そのタイムカプセルをZeppで開けようって。だから今ライブの展望としてはまずZeppまで行きたいなっていうのがあるんです。前まではまったくZeppでできる余地とか見えなくて、正直リキッド(LIQUIDROOM)やクアトロ(CLUB QUATTRO)でやるとか、それこそ大阪でワンマンができるとか考えてもなかったので、ここまできたらZeppに行きたいなって」
 
――ちなみに、本人以外もごにょごにょで実際何を言っているか知っているんですか?
 
「知らないんですよ(笑)。当時は外見え(周りの反応)とかまったく気にしてなくて、その時のことを(正直に)言ってると思うんですよ。だから今聞いても人によっては、これ何のこと?みたいになるかもしれないし」
 
――マサさん自身は自分の言ったことを……?
 
「……覚えてます。あれもリアルでいいなって(笑)。今だったらZeppに行く!ってなってるから、10月のツーマンもそこにつながるものになればいいなと思います」
 
――Zeppでライブする日もそう遠くないのでは?
 
「どうなんだろう? Zeppってどうやって押さえるんだろう? 全然わかんない(笑)!」
 
――いつになりそうですか? 来年?
 
「来年か~(笑)」
 
――再来年(笑)?
 
「再来年? 目指して……春(笑)?」
 
――1stフルアルバムの発表も含め、今後を楽しみにしています!
 
「計画はいろいろあるので、それに向かっていきます!」

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Text by 服田昌子



(2022年9月21日更新)


Check

Movie

Release

『ぐーぐーぐー』

[Subscription / Download]
https://Dannie.lnk.to/GuGuGu

Profile

ダニーメイ…3人が織りなすボーカルワークに幅広いサウンドエッセンスと映像/デザインなどのアートセンスを加えて現代版のポップスにアップデートし、ポップとマイナーを上手にブレンドした新感覚の極上ボーカルワークバンドDannie May。同じボーカルグループで活動していたVo./Gt.:マサ、 Vo./key.:田中タリラ、過去に別のボーカルグループや映像クリエイターとして活動していたVo.兼クリエイター:Yunoの3人により2019年結成。とにかく歌が好きな3人が集まり、3人独自の歌い分けやコーラスなどのボーカルワークに作詞/作曲、アレンジ、コンセプトの立案とメンバーが役割を分担しながら、ポップスはもちろんロック、ジャズ、ファンクなどあらゆるジャンルをブレンドしバラエティ豊かな音楽を送り出している。初めてのフィジカルCD作品、EP「暴食(読み方:グラトニー)」がタワーレコードの未流通リリース企画「タワクル」で4週連続1位獲得や楽曲「ええじゃないか」のMusic VideoがYouTube視聴回数165万回越え、2022年6月22日には五行思想をテーマに制作されたコンセプトEP「五行」をリリースし、EPを引っ提げたツアーを恵比寿・リキッドルーム、大阪・Music Club JANUSで開催。最新リリースシングル「ぐーぐーぐー」は初のTVドラマタイアップを獲得するなど活動の幅を広げ注目されている。ユニット名のDannie Mayとは、架空の人物としてDannie(外国人男性の名前)とMay(日本人女子の名前)を掛け合わせた造語(架空の人物)とし命名。

Dannie May オフィシャルサイト
https://danniemay.com/


Live

『Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2022』
チケット発売中 Pコード:217-641
▼10月9日(日) 13:30
心斎橋 ライブハウス20ヶ所
SUNDAY PASS-3800円(全会場共通・日曜限定1日券)
[出演]Art title/藍色アポロ/Ivy to Fraudulent Game/I Don’t Like Mondays./愛はズボーン/あすなろ白昼夢/A夏目/AliA/あるくとーーふ/ENFANTS/WITHDOM/ウソツキ/ウルトラ寿司ふぁいやー/um-hum/AIRCRAFT/Apes/A.Lyssa/エルスウェア紀行/大橋ちっぽけ/osage/OTOHA/踊る!ディスコ室町/かずき山盛り/KADOMACHI/カモシタサラ/Kanna/キズナ/気づいたら劇団/kim taehoon/CAT ATE HOTDOGS/GOODWARP/クボタカイ/Klang Ruler/クレナズム/Kroi/goethe/Cody・Lee(李)/Gold&Silver/小林私/Conton Candy/Sidetown/SideChest/咲弥/saji/the cibo/さとうもか/THE TOMBOYS/the paddles/爽/志波太朗/SHIFT_CONTROL/13.3g/しらぬい/シンガーズハイ/須澤紀信/THREE1989/ソウルズ/大東まみ/Dannie May/TAMIW/Chapman/ちゃんゆ胃/Dear Chambers/THIS IS JAPAN/DURAN/天上天下/TENSONG/TRACK15/Nagakumo/中村はく/泣き虫/Nachika/NIKO NIKO TAN TAN/ネオンと無重力/nolala/灰色ロジック/Bye-Bye-Handの方程式/バイリンジボーイ/HUL OVER/HATAKE/82回目の終身刑/BACK LIFT/バニーブルース/ハヤシライフ/Hello Sleepwalkers/HAND DRIP/Bamboo/ヒエポポンシスターズン/ヒグチアイ/Fusee/Viewtrade/ビレッジマンズストア/藤田悠也/Furui Riho/黒子首/pod’z/ポップしなないで/毎晩揺れてスカート/前田琴音/松本千夏/マルシィ/maruship/三上ちさこ/水咲加奈/Ms.PROTEIN/Miyuu/moon drop/Made in Me./Mellow Youth/molly/山合圭吾/ヤングスキニー/由薫/友希/ゆきみ/夜の最前線/リアクション ザ ブッタ/Remay/RIRIKO/ルサンチマン/Rainscope/LEGO BIG MORL/RED in BLUE/LONGMAN/YMB
※6歳以上チケット必要。
※BIGCATの開場時間は、【10/8(土)】13:00、【10/9(日)・10/10(月・祝)】12:30を予定しております。
※3DAYS PASSをご希望の方は、10/8(土)の席種から「3DAYS PASS」をご購入下さい。<お問合せ>FM802 リスナーセンター info@funky802.com
※販売期間中はインターネット販売のみ。1人4枚まで。チケットの発券は10/2(日)朝10:00以降となります。


Dannie May Presents「Welcome Home!」

【東京公演】
チケット発売中 Pコード:223-825
▼10月26日(水) 19:00
渋谷CLUB QUATTRO
全自由-4400円(ドリンク代別途必要)
[ゲスト]クジラ夜の街
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭での受付はなし。1人4枚まで。発券は10/19(水)10:00以降となります。
[問]VINTAGE ROCK■03-3770-6900

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:226-404
▼10月30日(日) 18:00
心斎橋JANUS
全自由-4400円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[ゲスト]Ochunism
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
※新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン、注意事項等をご理解・ご同意の上ご来場下さい。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]JANUS■06-6214-7255

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