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デジタルEP『ハンサムなDANCE』リリースし主催イベントを開催!
独自の自在性をもってクリエイションする
Mega Shinnosukeインタビュー

特定のジャンルをモチーフに楽曲を作っても、何ものにも似ていない内容ができあがってしまう――。だからこそ「どこで曲が流れても埋もれないものになる」と語るのは、大きな期待を集める21歳・Mega Shinnosukeだ。時代性にとらわれず、そしてなにかにも属さない。独自の自在性をもってクリエイションしているMega Shinnosukeだが、一方で、彼はそういったオリジナリティについてどのように考えているのか。7月にリリースされたデジタルEP『ハンサムなDANCE』の話、そして他アーティストに曲を提供する際の「自分のあり方」などについて話を訊いた。

――『ハンサムなDANCE』ですが、どのジャンルにも属していないMega Shinnosukeさんらしい作品だと思いました。
 
「去年、ハタチになってクラブに行くようにもなり、そこで良い面、そうじゃない面の両方を見たんです。『こういう音楽がここではウケる』というか、そこで流れている曲に偏りを感じたんです。『途中から似たような曲ばかりだな』って。逆に、そういうセオリーというものの格好良さもあった。それらの経験を自分なりにパーティーチューン、ダンスミュージックとして再認識しようと思ってEPを作り始めたんです。でも、そもそも手法を勉強せずに作るので、同じようなものはできあがらないんですよね」
 
――見聞きしたものをなぞってはみるけど…ということですね。
 
「たとえば『ヒップホップを作ろう』となっても、ビートやパターンについて勉強をしないから、ディファレンス(相違)があるものが出来るんです。今回もMega Shinnosuke流のパーティーチューンというか、変わったポップさが出ている気がします。それが『自分らしさ』なのかも。ただそういう曲だからこそ、たとえばクラブで流れたとしても埋もれないと思うんです」
 
――たしかにMegaさんの音楽はどの界隈にもフィットするし、でもちょっと違うような、特殊な自在性がありますよね。そういうところを指して、みんな「Mega Shinnosukeは天才だ」と口を揃えるのかもしれません。
 
「ぶっちゃけ、自分でも天才的だとは思うんです(笑)。直感的なところが天才的であるかは分からないけど、ただいろいろ考えたり分析したりしながら動いて、形にできていますから。あと、生まれたときから音楽をやっていたわけではなく、ギターがうまく弾けるわけでもないけど、それでもポッと出てくることができた。一方で、スキルやキャリアは普通の21歳なんです。だから若くないと書けない音楽、若いから出せる表現を意識しています。現代を生きる若者の感覚や、人間らしい一面を歌詞にして、『みんなもそうだろ?』という気持ちで発信しているので。アート性だけでやっていない。『天才』という肩書きが、その『若さ』を上回ってはほしくないなって。『天才だけど奔放だし、もっとファンキーだぞ』って。
 
――今回の収録曲ですが、『未来時代』はじめ時代性みたいなものも重要な気がしました。
 
「今回は特にファンタジーな曲が多いですからね。今って、特別な日が減っている気がするんです。ライブとか、フェスとか。声を出して騒ぐことができないし。その点では、現実の世界がSFっぽくなっている気がする。今回の『ハンサムなDANCE』然り、そういうことを表現したい。でも『未来時代』とか結構、現実的に聴こえると思いますよ。逆に、『大丈夫だよ』『歌で世界を救うから』みたいなメッセージを持つ曲の方が今って非現実的じゃないですか」
 
――『ハンサムなDANCE』には、「どこかに行きたい」という願望が込められたような曲も多いですよね。
 
「それはつまり、より良い未来へ行きたいってことなんです。それを今後、ライブなどで体現していくつもりです」
 
――Megaさんにとってライブはやっぱり特別な表現の場なのでしょうか。
 
「もちろん。もともと『一生、これをやっていく』と思えるほど音楽が好きなわけじゃなかったけど、ライブに出たりして、良い意味で感情的になれたりする。そこで音楽のすごさを感じたんですよね。昔は音楽をひとりで聴いていたから、そんなに好きじゃなかったんです。でもライブとかでみんなと一緒に音楽を聴くようになり、そして音楽を聴いている人を見るようになって、捉え方が変わってきました。今はTwitterやSNSばっかみて現場の様子を伺ってる人とか、情報収拾してる人も多い気がしてて、『百聞は一見に如かず』ではないですけど、1000ツイートを見るよりも、音楽に直接触れた方が良いと思います」
 
――先ほど「現代を生きる若者の感覚や、人間らしい一面を歌詞にして『みんなもそうだろ?』という気持ちで発信している」とおっしゃっていましたが、そういう共感性みたいなものは制作する上でかなり重要視していますか。
 
「共感については肯定的でもあり、否定的でもあります。基本的に現実主義なので。ただ最近は、いろんな人の精神と通いあうようになってきた感覚がちょっとあって。だから、SNSのフォローをゼロにしたんです」
 
――どういうことですか。
 
「まわりからこれ以上、影響を受けない方が良いなって。そもそも僕はこれまで、誰かに共感してもらってきた人生ではありません。それが音楽を通して支持してもらえるようになってきた。とてもありがたいことですが、そこに影響を受けすぎたら自分を見失ってしまう気がしたんです。偶発的に会った人からの影響は受けないようにしようって。そこで少しずつ共感性に対する考え方も変わっていきました。SNSって、『この人はすごい』と思うこともあれば、『俺とは違うな』となることも多いので。どちらも、良くも悪くも影響につながるから」
 
――なるほど。
 
「自分は、リアルなストリートのカルチャーの影響を大事にしたい。たしかにSNSは人との距離が近く、そのなかにあるものに影響を受けて作ることは大事なのかもしれない。でも、だからこそ『自分はどんなことに共感をしてもらいたいか、誰を共感させたいか』をあらためて冷静に考えてたくなった。自分にとってリアルなもの以外から影響され過ぎないようにしたくって。それよりも、毎日触るもの、見るのを大胆に変えていく方が必要だなって」
 
――そういった考え方が、Megaさんのオリジナリティのヒントになっていると思いました。たしかにMegaさんは以前から「音楽を始める時に影響を受けたミュージシャンはいない」と公言もされていますし。
 
「そうですね。もともと自分のまわりには音楽をやっている友だちもいなかったし。だからオリジナリティが自然と出るようになったのかも。だけど最近はいろんな音楽を知るようになって、良い意味で『こういうものも格好良いな』と気づかされることが増えました。僕はファッションも好きなので、そういうものも通して『格好良さ』を目で追っているというか。あと、『この人たちがやっているから格好良く見える』という感覚もありますし」
 
――ほかのアーティストへ楽曲も提供されていますが、その際は、おっしゃっていた「自分らしさ」ってどういう形に変容するのですか。
 
「いや、むしろ自分自身の言葉を反映していますね。僕の曲を歌ってくれる方って友だちの場合が多いから、自分と共通するものを見つけて書いています。自分を抑えることなんてできないんですよね。ただ『こういう曲を作ってもらいたい』というオーダーについては、器用なのでちゃんとできます。そういえば菅田将暉くんに提供した『星を仰ぐ』(2021年)は、それまでバラードとか全然書いたことがなかったけど、自分でも『超良い曲!』と言えるものが作れたんです」
 
――『星を仰ぐ』は本当に素晴らしかったです。
 
「いまでもたまに聴いて『めっちゃ良い』となっています(笑)。菅田くんと『エアリーな感じの歌って良いね』という話になって、やったことがない曲調だったけど、とりあえずいつも通りの気持ちで作ってみようって。僕にとっても、菅田くんにとっても意外性のある曲だったけど、彼は本当に歌が上手くてなんでも歌えるから、『こういう曲も合うんじゃないかな』と思っていました。曲の発表後は再生回数もすごいし、僕の『超良い曲!』という気持ちがリスナーにちゃん届いている感覚があります。あと、それこそ菅田くんは先ほど話した『この人がやっているから格好良く見える』というものを持っていますよね」
 
――理屈じゃない格好良さが流れていますね。
 
「そうそう、『こういうの、絶対良いじゃん』って。そういう格好良さを持つ人たちと一緒にいるのはすごく楽しい。だからといって、何かの一員にはならないようにはしています。たとえばロック、ヒップホップとか、あとアンダーグラウンドやサブカルチャーのような場に集まる若者たちは、常に新鮮さを追い求めているはず。それでもやっぱりそこでは集団意識が生まれてしまう。なぜか、新しいものが割り込んでくることに『ちょっと…』となる。だからこそ僕は、そういう場所にアプローチしていく側でいたい。そして『そのシーンのなかにMega Shinnosukeがいたらおもしろいじゃん』と言われるようなトライをしていきたいんです」
 
――Megaさんは楽曲制作だけではなく、MVなどの映像制作、さらにライブなどの方向性まで自らトータルプロデュースをされていますよね。今後はますます手いっぱいになると思いますが、それでもこのスタイルは貫いていかれますか。
 
「自分でやった方がブレないですよね。こういう思考のときはどういう作品を制作するかとか、それを素直に発信したいんです。そういう部分への美学はありますね。自分でやれば、ブレていてもブレないから。あと、自分のやりたいことを理解してくれる友だちもまわりにたくさんいて、みんなと分担して作れる。同世代なので決して技術に長けているわけではないけど、やる気のあるクリエイターがたくさん出てきているので。ただ、テンションが上がらないことはやりません。逆に僕のことをおもしろがってくれたりして、そこでテンションが上がったら、いろんなことにトライしたい。そういうことに出あえるかどうかは、縁みたいなものですよね」
 
――8月13日には、大阪・味園ユニバースで同作のリリースパーティ『ハンサムなDANCE☆SHOW』が開催されます。
 
「先ほどお話ししたように『より良い未来へ行きたい』という気持ちがあって、大阪・味園ユニバースの主催イベントもそうなのですが、『自分がどういう趣旨のイベントをやるか』を大事にしていきたい。リリースパーティではそういうイメージを形にできればと思っています」
 
 

取材・文:田辺ユウキ



(2022年8月 8日更新)


Check

Release

EP『ハンサムなDANCE』
01. 未来時代
02. 10000回のL.O.V.E. <3
03. SHIBUYA BOY☆★☆★
04. Make You Happy feat. who28

https://Mega-Shinnosuke.lnk.to/Handsome_na_Dance

Live

Mega Shinnosuke
「ハンサムなDANCE☆SHOW」

Pick Up!!

【大阪公演】

▼8月13日(土) 17:30
味園 ユニバース
スタンディング-4500円(ドリンク代別途必要)
[共演]BREIMEN/yonawo
[DJ]SO-SO/DJスパ●ダーマソ/オカモトレイジ
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。政府/自治体のガイドラインに基づき、各会場収容人数の定員で実施致します。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

【東京公演】
▼8月17日(水) 18:45
LIQUIDROOM
スタンディング-4500円(ドリンク代別途必要)
[共演]NEE/SUSHIBOYS
[DJ]SO-SO/DJスパ●ダーマソ/オカモトレイジ
※未就学児童は入場不可。小学生以上はチケット必要。政府/自治体のガイドラインに基づき、各会場収容人数の定員で実施致します。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
■03-5720-9999

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