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「ここでくたばっていられないという気持ちになれた」
自らの過去も引き連れ鳴らすTHE BACK HORNからの希望のギフト
名演連発の予感漂う新作『アントロギア』ツアー真っただ中に語る!
山田将司(vo)インタビュー

 前作『カルペ・ディエム』(’19)のリリースツアーは山田将司(vo)の喉の不調を受け中止に。その振替公演もコロナ禍により断念するなど、20年を越えるキャリアで過去最大の危機を迎えていたTHE BACK HORNに再び光が差したのは、’20年5月の緊急事態宣言直後。「コロナ禍でお客さんや知り合いにもなかなか会えなくなってしまった気持ちも、自分にポリープができてステージに立てるかどうか分からない気持ちも全部入れた曲」と山田が吐露した『瑠璃色のキャンバス』が、共に生きてきたオーディエンスに、そしてTHE BACK HORNのハートに火をつける。“魂の歌を歌おう 僕らの場所で”と締めくくられた同曲を復活ののろしに掲げ、無観客配信ライブや3本の全国ツアー、『希望を鳴らせ』『ヒガンバナ』『ユートピア』『疾風怒濤』といった怒涛の先行配信を経て、この春にはついに13thアルバム『アントロギア』をリリース。不穏な時代にみずみずしくも自由に音を奏で、サルサやジャズ、カントリーなど多彩なジャンルにも挑戦した意欲作に仕上がった。そんな最新作を引っ提げ、現在は『THE BACK HORN「KYO-MEIワンマンツアー」〜アントロギア〜』を展開中のTHE BACK HORNを代表し山田将司が語ってくれたインタビューでは、何度も“うれしい”という言葉が顔をのぞかせ、積み重ねてきた時間と絆がこのバンドを前進させていることを思い知る。そう、いつだって、そして今こそ、THE BACK HORNの音楽が必要だ――!

 
 
自分たちがどれだけライブに生かされてたのか
改めて気付くきっかけになった
 
 
――『深海魚』(M-3)はトルティーヤを食べているときにインスピレーションが湧いて書いた曲と知ったものの、トルティーヤのビジュアルがパッと目に浮かばなくて思わずググりましたよ(笑)。
 
「アハハ!(笑) 一回、メキシコに旅行に行ったときに覚えて、そこからよく家でも作ってますね。大好きで結構食べてます。食べる料理の国の音楽をかけながら食事するブームが自分の中にあって、それこそトルティーヤを食べてるときにサルサをかけてたんですよ。それを聴きながら、こういう曲調がTHE BACK HORNにもあったらいいなと一人で作り始めた曲が『深海魚』で。アルバムを作ろうと決めた段階でもうできていた曲で、他にも『ネバーエンディングストーリー』(M-6)と『夢路』(M-7)が最初にあって、それ以外の曲をどんどん作っていった感じですね」
 
――そういう意味でもちょっと別のモードというか、より自由な音楽性が制作の初期段階で現れていた感じですね。
 
「確かに。でも、それは無意識というか、“次のアルバムのメッセージはどうしよう?”とかいう話をメンバーとしたとき、テーマを設けず今のご時世で感じたことを素直に…それこそ今回はライブをしながら曲も作っていたので、ライブ中に感じることとか、お客さんが声を出せずに身振りだけでリアクションしてくれたり、不安な状況にも関わらず来てくれてることとか…そこを意識しながらアルバムに向かっていけば、間違ったものは絶対にできないと最初からみんな分かっていたので。それだけ強い核があるなら、バラエティに富んだ曲調にした方がアルバムの仕上がりとしても豊かになるかなとイメージはしてましたね」
 
――前作『カルペ・ディエム』('19)と何が違うと言ったら、やっぱりコロナがあって、さらには山田さんの喉の手術もあって…それを経てのアルバムとなれば、ドラマが生まれないはずがないですね。
 
「やっぱり思いは高まってましたからね。自分の喉のことでもライブができるか不安だったし、そこにコロナが始まって…自分たちがどれだけライブに生かされてたのか、改めて気付くきっかけにもなったし。だから今回は、そんな中でメンバー各々が感じたことをそのまま曲にしていこうと」
 
――当時を振り返って、“人生のどん底だった”と山田さんも言ってましたね。
 
「自分のコンディションでライブを止めたことはそれまでに一度もなかったので、ごめんなさいという気持ちと、単純にもうずっと無理をしてきて、それがたたってついに爆発してしまった=声が出なくなった。でも、それだけのことをやってきたから今があるとも同時に思ったから、手術してからも全部が全部歌い方を変えようと思ってるわけではなく、いいところを探りながら…今でも模索してますね」
 
――他のバンドに話を聞いても、長い間、喉の痛みがあったけど、この期間に休養できたことで治った人もいたり、逆にこのタイミングでいろいろと考えることになった結果、活動休止や解散してしまうバンドもいたり…。その中で、THE BACK HORNは続いたわけですもんね。
 
「続きましたね。さっき話した、ライブでどれだけ生かされてきたかを改めて再認識させてくれたのは、ファンとずっと作り上げてきた時間で、それが俺たち自身も認めさせてくれた。まぁ元々、俺たちはそこまで強い人間ではないので…ライブでのお客さんとの輝かしい瞬間がすごく糧になってたし、だからこそ真っすぐに、ここでくたばっていられないという気持ちになれたのはありますね」
 
――それは年を重ねたからこそ得た感覚と景色で、THE BACK HORNが続いてきたからこその財産ですね。
 
「そうですね。同時に、この期間に感じたことも深みという意味では無駄ではないですよね。そう考えたら絶対に前には進んでるし、歌を歌うときに向き合っていれば自然と出てしまう、自分の過去も全部引き連れて歌いたいと今は思っているので。そこをお客さんもちゃんと受け取り続けてくれてるから、THE BACK HORNにリアリティを感じてくれてるのかなと思って。その信頼は感じますね」
 
――『ユートピア』(M-1)の歌詞には“ヘッドフォンチルドレン”('05)という一節があったり、『希望を鳴らせ』(M-10)には『さらば、あの日』('00)とリンクするフレーズがあったり…そういう部分は歴史があるからこその遊びでもあり、メッセージにもなりますよね。
 
「それも、“昔をちょっと匂わせる言葉を入れようぜ”という打ち合わせも何もメンバーとはしてないんですけど、各々が自然と出してきたフレーズなんですよね」
 
 
声が出せない中でもちゃんとステージを見て、各々の楽しみ方をしてくれてる
もうそれだけで俺たちを信じてくれてる覚悟が伝わってくる
 
 
――メンバーの楽曲制作の配分に関しては前作同様、菅波栄純(g)さんから最初に割り振りがあったとのことですが、なかなか他のバンドでは聞かないシステムだなと。逆にそこまで設計図が見えてるんだなとも思いますし。
 
「まぁ本当に青写真的なものですけど、栄純のそのバランスをみんなもその場ですぐに共有できたので、4人のTHE BACK HORNに対する意識と感覚がより近くなってるんだろうなと感じましたね」
 
――テーマは自由だけど曲数は指定、みたいな。今作において山田さんの担当楽曲が一番多いのも、コロナと喉の局面を越えた後のフロントマンの表現が聴きたいというメンバーからの興味かもしれないですね。
 


「かもしれないですね。コロナ禍になって間もない’20年7月にリリースした『瑠璃色のキャンバス』(M-11)は、コロナ禍でお客さんや知り合いにもなかなか会えなくなってしまった気持ちも、自分にポリープができてステージに立てるかどうか分からない気持ちも全部入れた曲で。まだそのときは今回のアルバムを作る話にはなってなかったけど、コロナ禍にできた曲としては『瑠璃色のキャンバス』が最初だったので、その後に俺がどういう思いでいるのかをメンバーは知りたかったのかもと思いますね」
 
――『瑠璃色のキャンバス』は、“魂の歌を歌おう 僕らの場所で”という最後のフレーズがきっかけとなってできた曲だと。この曲が出た当時、ファンはうれしかったでしょうね。
 
「それこそ3.11の東日本大震災のときも、3.18ぐらいにはもうメンバーと『世界中に花束を』('11)の制作を始めて、3.30には緊急配信して、東北に送るための義援金を募ろうって。『瑠璃色のキャンバス』をリリースして、“あのときと同じような気持ちになりました”とか、 “不安な気持ちを少しでも軽くしてくれる曲を作ってくれてありがとう”みたいに言われたときは、うれしかったですね」
 
――ライブで生きる意味を再確認させてくれているファンに救われ、ファンもTHE BACK HORNに救われる。
 
「本当にそうなんですよね。それこそこのご時世ライブに来てくれて…声が出せない中でもちゃんとステージを見て、各々の楽しみ方をしてくれてる。もうそれだけで俺たちを信じてくれてる覚悟が伝わってくる。そりゃもちろんお客さんでパンパンのライブもいいですけど、事情があって来られない人もまだいっぱいいますから。ただ、顔が見られるのはやっぱりうれしいですよ」
 


――去年、いろんな制限がありながらもライブをやれたことは、今回のアルバムに反映されたと言ってましたね。『希望を鳴らせ』に関しても、あえて声を出して歌いたくなるようなフレーズを盛り込んでいると。
 
「今は声を出せないけど、出せる未来をお互いに思い描いていきたいし、そこを信じていくための曲として、サビでコーラスをするような造りにあえてしましたね」
 
――このサビを本当にみんなで歌えるようになったとき、きっと感動するだろうなと思いました。
 
「ね。その日が早く来てほしいです。正直、そうなったら本当にヤバいでしょうね。楽しみだな」
 
――『希望を鳴らせ』の作詞は栄純さん担当ですが、ぶっ飛んだ内容だけじゃなくて、こういう真摯なメッセージもちゃんと書けるんだなと、改めて(笑)。
 
「フフフフフ(笑)。栄純はこっち方面も素晴らしいですからね。メンバー各々の書くタッチがまた違って、今回は一人一人が今この時代を生き抜くための希望を描いて、その思いとか詞を集めて作ったので、(古代ギリシャ語で)“花を集めること”という意味の『アントロギア』というタイトルになったんですよね。ちなみに『アントロギア』は、“アンソロジー”の語源なんですけど」
 
――花と詞を同等に捉えたのは素敵ですね。
 
「ちょっとロマンチックですよね。『アントロギア』は本当にギフト、贈り物の感覚なんですよね」
 
――毎回、THE BACK HORNのアルバムのタイトルには勉強させられます(笑)。
 
「アハハ!(笑) よく言われますね、ラテン語だったりギリシャ語だったり」
 


――『希望を鳴らせ』以外にも、『疾風怒濤』(M-8)もシンガロングできるし、他にも結構ありますよね。
 
「うんうん、シンガロング系はそうですね。『ウロボロス』(M-9)もありますし」
 
――『ウロボロス』はエレクトロなバックトラックと、ストリングスをチョップしたような使い方も面白いですね。
 
「栄純がストリングスを自分でサンプリングしたものを持ってきたのは初めてだったけど、THE BACK HORNの世界観にすごく合うなと思いました。元々THE BACK HORNにはちょっとイカれた曲とか変態っぽい曲もあるし(笑)、この曲は深さも暗さもどっぷりあるので合うねって」
 
 
何が起こるか分からない将来への不安があると同時に
どんないいことが起きるか分からない気持ちは持っていいはずだから
 
 
――去年、a flood of circleの『GIFT ROCKS』('21)にTHE BACK HORNが『星屑のレコード』を楽曲提供したじゃないですか? そのインタビューでも、“THE BACK HORN自体もやらないようなジャジーな曲をフラッドに振ってきたぞ!”みたいな話を佐々木亮介(vo&g)くんとして(笑)。そうしたら今回の『戯言』(M-4)ではTHE BACK HORN自らそれをやってたから、あれは壮大な布石だったのかと。
 


「『星屑のレコード』は俺の中のブームで作っちゃったんですけど、いいですよね。フラッドにああいう曲調をやってほしかったんですよ。って何様だって話ですけど(笑)。絶対に亮介の色っぽい声と合うなと思って」
 
――そんな『戯言』ではジャジーなテンションコードに、シニカルでキレキレの言葉をブチ込む栄純さん(笑)。
 
「アハハ!(笑) 気持ちいいですよね。あと、トランペットがここまで堂々と入ってるのは初めてですから、ファンの皆さんも新鮮に聴けるんじゃないかな?」
 
――それもあって、今作は『深海魚』から『戯言』の流れが最もインパクトがありましたね。4人がここにきて豊かに音楽で遊べている感じがするし、山田さんも“何をやってもTHE BACK HORNになる安心感”を感じてるみたいで。
 
「それはありますね。あと、自分が感じる、“これはTHE BACK HORNっぽいな”をクリアしたらみんなに聴かせるようにしているので、去年は3本のワンマンツアーで過去の曲たち=自分たちらしさを改めて認識しながら、“じゃあ新しいアルバムを作るならどういう曲を書くのか?”を常に考えてライブができたのは大きかったなと思いますね」
 
――ライブがあるから作品ができて、作品があるからライブができる。
 


「本当に俺たちはそれしかやってきてないですから(笑)。やっぱり、ライブをやると得るものがあるなと思いますよ。お客さんとの関係性もそうだし、3本目にやったツアーがマニアックな曲しかやらない『マニアックヘブンツアー vol.14』だったんですけど、当時のアルバムツアー以来やってなかった曲を覚え直したり歌い直したりすることは、アウトプットというよりもはやインプットなんですよ(笑)。思い出すことも結構多くて、自分たちの曲で改めて勉強するというか。若い頃はもっと無意識で、直感でやってたけど、年を重ねてだんだん考え始めちゃうのはもうしょうがないから、そこで改めて、“もう一回、この感じでやってみようか”となれたのはよかったなと思いますね」
 


――そういう要素も相まってか『アントロギア』は冒頭からライブ感があって。1曲目の『ユートピア』はヘヴィなダンスナンバーというか、栄純さんがROYAL BLOODとかにハマっていたときのムードが反映されたというのも納得の1曲で。歌詞に関しても目線一つで物事の見え方が変わる、コロナ禍を生きるヒントな趣もありますね。
 
「その気持ちが持てたら心は軽くなるし、ちょっとでも生き伸びられるのかなと思いますよね。何が起こるか分からない将来への不安があると同時に、どんないいことが起きるか分からない気持ちは持っていいはずだから」
 


――続く『ヒガンバナ』(M-2)も聴いていてたぎりますね。
 
「これだけ静と動がハッキリした曲は、結成当初とかは結構やってましたけど、だいぶ久々な感じですね。しかも3分以内に収まってるコンパクトさが、殺傷能力の高い感じで」
 
――からの3~4曲目が『深海魚』~『戯言』だったからこそ、今作のジェットコースター感はすごいなと(笑)。
 
「アハハ!(笑) うれしい。聴いていてよりワクワクしてもらえるんじゃないかなという感じが今回はしてますね」
 
――制作初期からあった『ネバーエンディングストーリー』のカントリー風味も新鮮でした。THE BACK HORNではあまり歌わなさそうな世界線と言ったらあれですけど、本当に何気ない男性の生活の一コマみたいな。
 
「本当に久しぶりに同級生と会って、何も起きてないんだけど、この時間をすごく幸せに感じるのはコロナ禍だからこそだったし。そういう仲間がいることへのありがたみを感じたんですよね」
 
――そして、アルバムの最後は『JOY』(M-12)で。今作の成り立ち的にも『瑠璃色のキャンバス』で終わってもいいところを、栄純さんから“それを超える曲を”と言わんばかりに、最後を締めくくる曲の作曲に山田さんが指名され。
 
「本当に仰られた通り、一番ハードルが高かった曲ですね。『瑠璃色のキャンバス』で終われるアルバムでもあるのに、その先を描こうとなったので、最後まで作詞担当のドラムのマツ(=松田晋二)と一緒に悩み続けて…マツも“このアルバムをまとめる言葉、最後を飾るにふさわしい言葉がなかなか見つからない”と。俺も曲調が全然思い浮かばなくて、本当に最後の最後でできた曲というか。『瑠璃色のキャンバス』で見えた夜が明けていくあの景色からのグラデーションを作りたかったし、俺はU2のアルバム『The Joshua Tree』('87)の、『Where the Streets Have No Name(約束の地)』の始まり方が好きで。あのイントロはすごく長いですけど、あれくらい何かが始まるワクワク感が欲しいなと思って。『JOY』はオルガンの音色のフェードインで始まるので」
 
――ベースラインも含めて、淡々と、でも力強い感じはまさにですね。
 
「あと、命を祝福するような讃美歌のテイストも欲しくて、中盤のコーラスワークとかはそれも踏まえて」
 
――『瑠璃色のキャンバス』も大きな愛の詰まった曲ですけど、そこにさらに愛を重ねてきた圧巻のエンディングだと思いました。『瑠璃色のキャンバス』のラスト一行、“魂の歌を歌おう 僕らの場所で”も相当なキラーワードですけど、『JOY』の最後にしてアルバム全体を締めくくる、“長い夜が明けたその時は/きっと会いにゆく”という言葉は…最後にこうやってTHE BACK HORNが約束してくれるのは頼もしい限りで。
 
「このアルバムの締めの言葉として、本当にふさわしいですよね」
 
 
希望の描き方にどれだけリアリティを持たせられるか
 
 
――こういう時代だからこそ、THE BACK HORNみたいなバンドがより必要な気がします。
 
「うれしいですね。それこそ20年ぐらい前はずーっともがいてて、その絶望の中から光を求めるような音楽をやってたんですけど、最後に希望を感じられるような音楽をやろうとメンバーみんなで認識し合った時期があって。ただ正直、希望をリアルに感じさせるのが一番難しいじゃないですか。説得力を持った希望というのが」
 
――“そんなのきれい事でしょ”、“うまくいくわけないよ”じゃなくてね。
 
「だからこそ絶望をちゃんと見つめて、そこから希望を描いたアルバム『THE BACK HORN』('07)も過去に作って…。希望の描き方にどれだけリアリティを持たせられるかは、メンバー全員がずっと意識してきたことだと思うんですよね。その後に東日本大震災もあって、コロナもあって…そのときそのときの気持ちを素直にアルバムに落とし込んできたからこそ、言葉の説得力みたいなものが生み出せてるのかなと」
 
――音楽だけじゃなくて行動というか、THE BACK HORNが続けてきたこと自体がメッセージだとも思うし、メンバーが誰一人も欠けずにここまで来れたのもいいですね。
 
「ですよね。しかも、みんなが詞曲を書いてるのもいいなと思ってますね。この4人が絡み合うからこそTHE BACK HORNが存在するということを、みんなが確認できてるから。それがTHE BACK HORNの強みであり、誇りだなと」
 
――ここまで話を聞いてくると、リリースツアーがまた一段と楽しみになりますね。
 
「今回は本当にライブ映えする曲が集まってるし、またこのキャラの濃い曲たちが、過去の曲たちとどう絡むのか。かなりいいツアーになる予感がしてますね」
 
――そして、来年の4月には結成25周年を迎えます。このツアーの先に生まれてくるものにも期待ですね。
 
「もう未知数ですよ(笑)。でも、このアルバムをしっかり昇華したツアーが終わったとき、自分たちがTHE BACK HORNで何をしたがるのか? それは自分たちにも分からないんで、ちょっとワクワクしてますね。不安な世の中がまだどれだけ続くのかも分からないですけど…音楽は心の栄養を絶対にくれるはずだし、それが何よりの免疫だと思うので。心の免疫を上げにぜひ、THE BACK HORNのライブに遊びに来てください!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2022年5月13日更新)


Check

Release

全員参加の多彩な音と貫くメッセージ
約2年半ぶりとなる13thアルバム!

Album
『アントロギア』
【完全生産限定盤A(Blu-ray付)】
発売中 7150円
SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-2036

【完全生産限定盤B(DVD付)】
発売中 6050円
SPEEDSTAR RECORDS
VIZL-2037

<収録曲>
01. ユートピア
02. ヒガンバナ
03. 深海魚
04. 戯言
05. 桜色の涙
06. ネバーエンディングストーリー
07. 夢路
08. 疾風怒濤
09. ウロボロス
10. 希望を鳴らせ
11. 瑠璃色のキャンバス
12. JOY

<Blu-ray/DVD収録内容>
・LIVE MOVIE
『「KYO-MEIストリングスツアー」
  feat.リヴスコール』
2021.6.11 Zepp Haneda(TOKYO)
01. トロイメライ
02. シリウス
03. ブラックホールバースデイ
04. 超常現象
05. ジョーカー
06. 自由
07. グレイゾーン
08. いつものドアを
09. シュプレヒコールの片隅で
10. 君を隠してあげよう
11. 夢の花
12. 星降る夜のビート
13. コバルトブルー
14. シンフォニア
15. 戦う君よ
16. 世界中に花束を
17. ミュージック
18. ラピスラズリ
19. 刃

・MUSIC VIDEO
瑠璃色のキャンバス
希望を鳴らせ
ヒガンバナ
疾風怒濤
ユートピア

【通常盤】
発売中 3300円
SPEEDSTAR RECORDS
VICL-65669

<収録曲>
同上

Profile

ザ・バック・ホーン…写真左より、岡峰光舟(b)、菅波栄純(g)、山田将司(vo)、松田晋二(ds)。’98年結成。“KYO-MEI”をテーマに、聴く人の心を震わせる音楽を届けていくという意思を掲げ精力的に活動中。’01年、シングル『サニー』でメジャーデビュー。『FUJI ROCK FESTIVAL』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』等でのメインステージ出演をはじめ、近年のロックフェスでは欠かせないライブバンドとしての地位を確立。さらには、スペインや台湾のロックフェスへの参加を皮切りに、10数カ国で作品をリリースするなど海外にも進出。黒沢清監督映画『アカルイミライ』(’03)主題歌『未来』をはじめ、紀里谷和明監督映画『CASSHERN』(’04)挿入歌『レクイエム』、乙一原作『ZOO』(’05)主題歌『奇跡』、アニメ『機動戦士ガンダム00』(’07)主題歌『罠』、水島精二監督映画『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』(’10)主題歌『閉ざされた世界』、熊切和嘉監督とタッグを組み制作した映画『光の音色 -THE BACK HORN Film-』(’14)など、そのオリジナリティ溢れる楽曲の世界観から映像作品やクリエイターとのコラボレーションも多数。’18年には結成20周年を迎え、海外公演や日本武道館公演を含む全21公演からなるアニバーサリーツアーを開催。以降も、’19年には12thアルバム『カルペ・ディエム』を、’20年には作家・住野よるとコラボレーションした小説×音楽の話題作『この気持ちもいつか忘れる』をリリース。’21年3月からはコロナ禍の影響により延期していた全国ツアー『「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム〜今を掴め〜』の振替公演、5月からは9thアルバム『リヴスコール』(’12)を中心に構成した全国ツアー『「KYO-MEIストリングスツアー」feat. リヴスコール』、10月からは2度目のツアー形式となるスペシャルイベント『マニアックヘブンツアー Vol.14』と3本の全国ツアーを開催。同年12月には4年5カ月ぶりとなるニューシングル『希望を鳴らせ』を、そして’22年4月13日には13thアルバム『アントロギア』をリリースした。

THE BACK HORN オフィシャルサイト
https://www.thebackhorn.com/

Live

リリースツアーが絶賛開催中!
関西は大阪と京都に登場

 
『THE BACK HORN
「KYO-MEIワンマンツアー」
〜アントロギア〜』

【神奈川公演】
▼5月4日(水・祝)KT Zepp Yokohama

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中は、インターネット
(PC・スマートフォン)のみで販売。
▼5月15日(日)17:00
Zepp Namba(OSAKA)
全席指定6000円
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※4歳以上は有料(3歳以下は入場不可)。

チケット情報はこちら


【愛知公演】
▼5月20日(金)Zepp Nagoya
【福岡公演】
▼5月22日(日)Zepp Fukuoka
【北海道公演】
▼6月3日(金)Zepp Sapporo
【宮城公演】
▼6月5日(日)SENDAI GIGS
【東京公演】
▼6月10日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)
【福島公演】
▼6月18日(土)Hip Shot Japan
【岩手公演】
▼6月25日(土)club change WAVE
【香川公演】
▼7月8日(金)高松MONSTER
【高知公演】
▼7月10日(日)高知X-pt.

Pick Up!!

【京都公演】

チケット発売中
※販売期間中は、インターネット
(PC・スマートフォン)のみで販売。
▼7月16日(土)18:00
磔磔
全席指定6000円
清水音泉■06(6357)3666
(info@shimizuonsen.com)
※4歳以上は有料(3歳以下は入場不可)。

【広島公演】
▼7月18日(月・祝)広島クラブクアトロ
【茨城公演】
▼7月23日(土)水戸ライトハウス
【石川公演】
▼7月30日(土)金沢EIGHT HALL


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ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「全人類がコロナで人生についていろいろと考えさせられたと思いますけど、THE BACK HORNはさらに助走があったというか、ボーカリストの喉の不調という危機があって。でもやっぱり、このバンドはそんなことでは終わらなかった。何でしょうね、この信頼感は。もう真っすぐ鳴らしてくれるだけで刺さる。ちなみに取材中にも話に出たa flood of circle佐々木くんは、山田さんが着目したフラッドのロマンチストたる部分が、最新作の『伝説の夜を君と』にも生かされたと話してましたよ。今やオーディエンスのみならずミュージシャンにも影響を与えちゃうTHE BACK HORN。さらには、取材終わりに会話を録音していたiPhoneを止めたら、なぜかU2の『Songs of Innocence』(’14)が突如流れ始め、それが山田さんがメキシコ旅行中にちょうどよく聴いていたアルバムだったというミラクルも! 何気に初インタビューでしたが、思い出深い時間となりました。リリースツアーも大いに楽しみ!」