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大阪☆春夏秋冬連載『未確認戦隊FIVE STAR』
第31回 YUNA【ワタシカメラ】

MAINA(まいな)、MANA(まな)、EON(えおん)、YUNA(ゆうな)、RUNA(るな)から成る5人組ダンス&ヴォーカルユニット、大阪☆春夏秋冬。メンバーひとりずつが、個性豊かな各コンテンツを週変わりで語りお届けする連載。

第31回は、YUNAの『ワタシカメラ』。カメラマン・渡邉一生さんのもと、フォトグラファーを目指します!

ライブ撮影 ライブハウスVer.
 
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どうも、YUNAです。
 
ワタシカメラ 第7回目になりました。
 
前回は野外でのライブ撮影をお届けしましたが
ライブ撮影といえば・・・ということで今回はライブハウスでの撮影にしてみました!
 
12月5日に行った大阪☆春夏秋冬のライブをナベさんに撮影頂いたので
その時の写真を使い、詳細な数値や設定をがっつり書いてもらっています。
是非参考にしてください~
 
と、その前に私YUNAがセルフライブレポを書きましたので
そちらも読んでもらえたらなと思います!

 

『シンガロングをもう一度』セルフライブレポ

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12月5日、大阪☆春夏秋冬の東名阪リリースツアー『シンガロングをもう一度』を大阪ESAKA MUSEよりスタートさせた。
 
東名阪ツアーは、avexからメジャーデビュー直後2017年の『産声を上げろ!!』以来4年ぶりの開催となり、リリースは2020年7月29日発売のアルバム『BRAVE SOULS』以来となる。
 
待ちに待ったツアーであるが、それ以上に待ち望んでくれていた人がいるならば、心の底からその期待を抱きしめていたい。
 
そしてツアー初日と同日にdigitalリリースされた『シンガロングをもう一度』はメンバーMAINAが作詞作曲しており、ライブハウスというみんなで歌い一つになれる最高の空間を忘れて欲しくないために書いた楽曲である。6月9日、BIGCATでのワンマンライブ『∞ ~INFINITY~』にて初披露し、この半年間のライブで感じたものを生かした再レコーディングとリアレンジを経て、今日完成版がライブに戻ってきたのである。
 
今後もツアーが続くためセットリストや詳細な内容については触れずにおくが、ライブ直後でアドレナリンが溢れている今の状態の言葉を、どうか受け取ってもらいたい。
 
 
yuna31-1.jpg円陣を組みメンバーの顔を見渡す。なんともいつも通りで、安心する。円陣を組むのも何百回目になるかわからないが、言葉が長すぎるせいで少し雑にやりこなすようになってきた気もする、まあ、それすらも愛おしいんだけれど。5人で手を合わせるだけでしっかりと気合が入る、、、はずなのだが、今日は何故か気持ちがふわふわ宙に浮いていた。理由がわからずオンタイムになり、着地することなくそのまま袖へと向かった。
 
SE、客席の姿が見えない状態でステージに足を踏み入れる。拳を上げた瞬間に客席が照らされ、オーディエンスの姿が目に映る。完全に圧倒された。ああ、そうだこれがライブだ。一瞬で我にかえり足を着地させ、猛ダッシュでメンバーに気持ちを追いつかせ、オーディエンスへと全てを放っていく。

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いよいよツアーが始まった。眩しさと同時に肌で感じるのはライブができる幸せと、メンバーと共に足並みを揃えられる幸せ。最近は各々の活動も充実しているが、より大切な存在となっていくのは大阪☆春夏秋冬のライブである事は揺るがないものであり、譲りたくないものである。しかし始まってしまえば、次いで終わりを考えてしまうという不思議な感覚がある。ツアーの場合尚更で、会場によって増えるものも得るものも沢山あるが、1会場終えると同時にカウントダウンが始まっていくその感覚がとても寂しい。誰かのライブを見に行く時、始まる嬉しさと終わってしまう寂しさがあるように。大切な人と過ごす時、会える嬉しさと別れを告げる寂しさがあるように。
 
その感情が5倍に増し今日もライブの生々しさをダイレクトに届けていくのだ。

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yuna31-5.jpgyuna31-6.jpg『シンガロングをもう一度』以外は、新旧を織り交ぜたセットリストになっており、思う存分ツアーを楽しめるよう考えた。もちろん、どの曲にも数えきれないほどの景色と思い出があるわけだが、今日はそれが走馬灯のように蘇ってきた。過去と今を照らし合わせ、このライブ中に起きている一瞬一瞬を見逃さないようにと、いつも以上に多くを目に焼き付けた。何をどうやってもステージからの景色やメンバーの目線を写真に残すことはできない。しかし、ライブに来てくれた人たちが見ているものを少しでも残したいと思い、今回もナベさんに撮影をお願いしたのだ。

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『シンガロングをもう一度』のジャケットもナベさんに撮影していただいたライブ写真なのだが、その写真にしろ上の写真にしろこんなにも無邪気に笑うメンバーの顔を切り取り残してくれるのだ。いつかこんな写真を撮りたい。自分にも撮れるようになるだろうか。
 
来年には結成10年になる。本来はもう少し過去を残しておきたかったけれど、いつかにとっては今が大切な瞬間になるのだから手遅れな事なんてない。この記事を読んでいる未来の自分へ、未来のあなたへも伝えたい。
 
ちなみに上の笑顔写真、追って説明するとEONちゃんは暴走するメンバーへの突っ込みを考えるという負担を背負いこの表情である(笑)ただでさえ長いMCも、地元大阪では更に長期戦に突入する。写真を見ればこの自由さが伝わるだろうか。

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ライブは楽しい。ライブが楽しい。
沢山の原動力がここにあって今日もまた大切な時間に出会えた。感情が溢れるばかりだが、ライブをするたびに思う事がある。大阪☆春夏秋冬に出会ってくれてありがとうと声を大にして伝えたい。気づいた愛おしさと、まだ気づけていない寂しさはきっとこの先も増えていくのだろう。

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強く

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強く

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強く

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強く

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強く

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5人で向かっていく先は、ただ1つ。
 
もう一度声を合わせシンガロングができるようになるまで、どうかこの曲を繋いでいきたい。90分のライブをやり切った。ほら、もう後2公演しかない。しかし、まだ2公演分もこの幸せな感情に出会えると思うと素晴らしい。あなたの思いを真正面から抱きしめに、10日の名古屋へと進んでゆく。

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来ていただいた皆様本当にありがとうございました。
 
12月10日(金) 名古屋RAD HALL
1月5日(水) 東京 O-Crest
 
どうか!お待ちしています!
 
 
 
ライブ撮影時の設定や諸々
 
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YUNAのライブレポに引き続きここからは僕(ナベさん)がライブ撮影中に実際にしている設定やどんな事を意識しながら撮っているのかを書いていきます! どちらかというと初心者向けではないかもしれませんが、ライブ撮影をする様な事があれば少しはお役に立てるかもしれません!
 
お使いのカメラによって同じ結果になるとは限らないので、参考がてらお気軽にご覧ください!
 
今回使用したカメラは
EOS R5 + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II
EOS R5 + EF24-70mm F2.8L IS II
EOS 5D Mark VI + SIGMA Fish Eye 15mm F2.8 
の3台です。
ストロボはCanon 600 EXです。
 
仕上げは全てadobe Lightroomです。
ワンマンやフェスなどで即写真を渡す場合が多いので処理時間のことなど考慮して、RAWではなくJPEGで撮影する事が圧倒的に多いです。(当社比)
個人的にはJPEGの方がライブ感出る気がしてます。撮影は全てマニュアルモードでしています。

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EOS 5D Mark VI + SIGMA Fish Eye 15mm SS1/160 F8 ISO2500
 
まずはこちら、見た事のある方も多いと思いますが本番前の気合い入れの円陣写真です。ライブ中は基本ストロボを使う事はありませんが、ライブ前と終わりの写真を撮る時にはよくストロボを使います。
 
この時脚立に乗ったり、片手でカメラを高く持ち上げて高い位置から撮ることが多いです。全員にピントを合わせたいので割とF値は絞り気味で撮影してます。しゅかしゅんは本当に本番ギリギリに円陣組んでるのでそこからステージまでダッシュを強いられます笑
 
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24mm SS1/640 f2.8 ISO5000
 
この日の1曲目はメンバーがお立ち台に並んで始まったので、お客さんの後ろの方からカメラを掲げて撮影しています。最近のカメラはモニタータッチでピント合わせができるので重宝してます。f値を2.8にしているのはできるだけ手前の皆さんの手をボカシて、写真的に奥行き感や重なりを表現したかったからです。ちなみにこういう場合、皆さんの挙げている手が多ければ多いほどエモみが増しますのでご遠慮なさらず全力で是非!!

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170mm SS 1/250 f5.0 ISO5000
 
後方からの写真が撮れたらステージ前に移動して撮影です。
メインボーカルの写真はどうしても多くなりがちです。でも全員で一つのバンド、一つのグループだと思っているのでステージに乗ってる全員の良い写真撮るまで粘るってのが基本理念です。
 
しゅかしゅんはめっちゃ歌ってめっちゃ踊るのでISO感度高めでシャッタースピード速めにしてます。ISO上げると画像が荒くなったりするので、そこが嫌な場合はご注意ください。背景ぼかした方がソロカットはその被写体が際立つと思うので、f値はだいたいどのライブでも開放に近い数字です。最近のカメラは勝手に目にピント合わせてくれるのでマジで助かってます、以前の自分がどう撮ってたか忘れそう笑
 
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15mm SS1/200 f5.0 ISO4000
 
前ツラでの魚眼レンズ。
これも非常によく見ると思います。魚眼のみならず、前ツラから撮るときはできるだけ下からのアオリにならない様に気をつけてます。アオリ過ぎるとお顔的にイマイチになってる写真が多いです。センターに強い光があったのでそれが丁度vo.MAINAの周りに纏う様に位置どりしてます。

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15mm SS1/160 f3.5 ISO4000
 
さっきと同じ様な写真ですが微妙に数値変わってます。
特に『このときは絶対この数値!』とかはないと思うので気分や勢いで変えてます。笑

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263mm SS1/160 f5.6 ISO6400
 
何も歌ったり踊ってるだけがシャッターチャンスではなくて、ふとした瞬間がカッコ良い場合も多いです。
この写真はさっきと同じステージ前ツラにいますが、かなり横に移動して望遠レンズで撮っています。その方がアオリ過ぎずに写す事ができます。

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31mm SS1/500 f3.5 ISO5000
 
こういう決めの瞬間は積極的に狙いに行きます。
バンドやグループ問わず人数が複数いる場合は全員の表情が良い瞬間を撮る為にひっっったすら連写します。
『あの子はいい顔してるのにあの子が白目だからこの写真NG』ってのは写真チェックの際に聞きたくないフレーズの一つです。笑
目つぶりは時と場合で雰囲気良けりゃOKです。(俺基準)

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15mm SS1/125 f2.8 ISO4000
 
そして客席後方に戻る。
観客の皆さんが盛り上がる時には最後方からのヒキ写真の狙い時です。これは魚眼で撮影してます。他のレンズもそうだけど魚眼レンズはライブハウスからドームクラスまで漏れなく使えるやつです。

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200mm SS1/250 f5.0 ISO8000
 
動きのあるシーンを撮影するときはISO感度を更に上げてシャッタースピードを上げるようにしてます。ブレ写真も格好いいけど、個人的には動いてる髪1本まで止めた上で躍動感を求めたい。

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135mm SS1/160 f5.6 ISO6400
 
表情の話はさっきもしましたが、カメラマンとアーティストとマネージメントが『良い!』と思える表情ならば必ずしも目をばちっと開けている必要はないのかなと。動きの途中の表情や衣装着崩した感じとかもライブの雰囲気をたっぷり感じるし、それを撮りたいと思ってます。MC中のEONは相当おもろいですね。笑
 
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53mm SS1/1250 f3.2 ISO5000
 
こういう、肉眼で見たのとは大きく違う色味に仕上げるものは好みが分かれるとは思いますが個人的には好きです。ライブ写真も含め写真は記録の要素が強いのでできるだけ素材に忠実な方が良いのでしょうが、フィルムの時代からポジフィルムをネガ現像して色味をめちゃ強くしてみたり、高温のお湯を使ってモノクロフィルムを現像してわざと粒子を荒くしたりなどしてたので今のデジタルでもアプリなど使ってできる事を色々試してみるのも楽しいです。

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63mm SS1/250 f3.5 ISO5000
 
いつも楽しそうやし仲良いね。笑
これを書いているのが12月5日夜。
ここから名古屋東京と続くツアーをメンバーもスタッフも勿論お客さんも良い顔続くライブになりますように!

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15mm SS1/100 f10 ISO4000
 
ライブ終わりのショットです。
こちらもストロボ使用。
 
もちろん撮影するバンドやシチュエーションによって色々変えますが、今回使った機材はこの日のESAKA MUSEでも使えるし京セラドームでも使えます。
 
ライブはアーティストと観客の皆さんが主になるものだと思ってるので、できるだけ皆さんの邪魔にならない様に心がけてます。俺たちが真っ黒な服装してるのもその一端です。
 
あと今回写真は省いてしまいましたが、リハーサルにはできる限り参加してます。リハを見るとその日の照明や演出はもちろん、メンバーやスタッフが一番こだわろうとしている部分もわかってくるので、そこをどう撮ったら最良の結果になるだろうと色々考えたり試せたりします。
 
撮影するアーティストとの気持ちの距離感が縮まれば今まで躊躇していたシーンでも撮影できたり、オフショットの表情も変わってくる気がしているので、撮影以外の時間での会話とかも重要だし、技術だけではない人と人との関係性が大事な現場だと思っています。
 
一回では書き切れないくらい色々伝えたい事があるのがライブ撮影だと思ってますので、またこんな回をやるかもしれませんがその際は何卒お付き合いください! 自分で撮るのは勿論好きだけど、人が撮った素敵な写真見るのも大好きなので、皆さんが撮った写真拝見するのを楽しみにしています! そして今回のコラムが少しでもお力になれれば幸いですー! ではまた次回!!あざしたー!

Photo by 渡邊一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)



(2021年12月 8日更新)


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『ワタシカメラ』

YUNA [Cho & Dance]

カメラマン・渡邉一生さんにカメラを学び、フォトグラファーを目指す連載企画。『様々な場面で大切な瞬間を残し、人へ届ける。』をテーマに、理想の写真を現実にしていきます。YUNAと共に写真を学びたい人は必見です!

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大阪☆春夏秋冬 プロフィール

2017年10月avex traxよりメジャーデビュー。MAINA(まいな)、MANA(まな)、EON(えおん)、YUNA(ゆうな)、RUNA(るな)から成る5人組ダンス&ヴォーカルユニット、大阪☆春夏秋冬! テレビ朝日「関ジャム完全燃SHOW」にて『令和のアイドル界で厳選!スゴいヴォーカリスト10人』のひとりに選ばれたメインヴォーカルMAINAの圧巻の歌唱力と、セカンドヴォーカルMANAを中心に絶妙のコーラス&ダンスワークで、ソウルフルなロック・ファンク・ポップス・聴く人を虜にするバラードまで幅広い音楽を、歌とダンスで表現する。CDや配信などの音源データでは満足できない、本物のLIVEアーティスト!!

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