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「作ることは生きること」
『one man live “KATARIBE”』ツアー真っただ中!
試行錯誤を礎に突き進むクリエイティブモンスターの
底知れぬ才能と創作の核心に迫る、Vaundyインタビュー

 ’19年秋、『東京フラッシュ』とともに何の前ぶれもなく突如シーンに現れたVaundy。“現役大学生、20歳。作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト”とはプロフィールにある一節だが、その底知れぬ才能は、途切れることなくリリースされ続ける楽曲群を耳に、そして目にすれば、自ずと認めざるを得ない説得力と期待感に満ちている。’21年もメロウでディープな『融解sink』、Aimerとのコラボレーションが話題となった『地球儀 with Vaundy』、テレビCM曲としても大量オンエア中の『しわあわせ』と立て続けに世をにぎわせ、心地良き不協和音や世に蔓延する違和感を極上のポップソングに忍ばせて投下する確信犯にして超新星が、創作の源流から独自の視野、彼が人生を捧げる“物作り”への情熱を大いに語るインタビュー。現在は『one man live “KATARIBE”』ツアーの真っただ中、さらには『GREENROOM FESTIVAL’21』、『京都大作戦2021』、『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 20>21』、『FUJI ROCK FESTIVAL ’21』等多くのフェス出演も控える。これだけ多くの情報と音楽が溢れた今でも、未知なるワクワク=Vaundyと巡り会えたなら、あなたは幸福なリスナーなのかもしれない――。

 
 
試行錯誤が僕のデフォルト設定
 
 
――まずは今年初の大阪でのライブ出演となった3月末の『THE BONDS 2021』はどうでした?
 
「かなり燃えましたね(笑)。お客さんの熱を本当に直で感じた、すごく良いライブでした。(共演の)Rin音くんと緑黄色社会の全員でちゃんと盛り上げられたなぁと思って」
 
――僕が初めてVaundyのライブを見たのがそれこそ昨年、大阪城ホールで行われた『THE BONDS 2020』で。
 
「去年はもう、だいぶ緊張しましたから! 大阪城ホールも初めてだったし」
 
――しかもあの日が初のバンド編成でのライブだったみたいですけど、作曲能力とかクリエイティブな部分はある意味、元々持ってるポテンシャルが大きいとも思えるんですけど、ライブは絶対に場数=経験が必要で。だから新人で、初のバンド編成となるとそこまで良いはずがないと思ってたんです(笑)。それなのに大阪では頂点とも言える大舞台=城ホールで、まるで物怖じしないステージを見て本当にビックリしたというか。
 
「ありがとうございます! 人前で歌うこと自体はやってきたんですけど、それでもやっぱり緊張はするもので。さらにあのときはバンドを背負ってやるのが初めてで、手と足がずっと震えてました(笑)」
 
――3月のライブのMCでも、「最初の2曲ぐらいは緊張で震えちゃうから、動き回ってごまかさなきゃ」みたいなことを言ってましたもんね(笑)。
 
「アドレナリンを出してないともたないので大変でした(笑)。今は良い意味で余裕を持ってできるようになったんですけど、去年1年間のライブはずっと手と足が震えてたし、『Vaundy 2nd one man live “strobo”』では緊張し過ぎて、最初の2曲の記憶がないですから(笑)。ただ、毎回全力は出してるので、だんだん良くはなってると思いますね」
 
――音源は良いけどライブはイマイチ、みたいなことがあっても、それはそれで得意分野の違いと勝負の仕方だと思うんですけど、“Vaundyはどっちも良いんだ、ズルい!”と思いましたよ。
 
「アハハハハ!(笑) それはマジでうれしいです。僕もライブは場数だと思ってるし、最近はだんだん本数も増えてきたので、またこれから作り込んでいかなきゃなと思うんですけど。まぁ今のところは、歌をしっかり届ける練習をしなきゃいけないなという気持ちでいますね」
 
――そういうライブでの嗅覚とか反射神経、物事の飲み込みの早さ、インタビューの言葉の端々からも感じる達観に、Vaundyは人生のヒントを掴むコツを知ってる人だなと思ってたんですよ。それには自覚があったりします?
 
「正直ありますね。別に器用ではないと思うんですけど、効率良く取り入れるのは上手なんじゃないかな? 僕の物作りの歴史の最初の頃は、自分でオモチャを作ってたんですよ。小学校4年生ぐらいまでゲームを持ってなかったので、(ニンテンドー)DSとかも自分で作ってたんです、ダンボールで(笑)。それ以外にも、剣とか盾とか鎧も作って、しかも“紙テープ? フザけんじゃねぇ! ガムテープじゃなきゃダメなんだ”とか(笑)、“雑誌はこの紙が良い”とか素材にもこだわって。広告のチラシを丸めて硬い棒を作ることにかけては、多分地元で一番うまかったと思う(笑)」
 
――アハハ!(笑) そういう創意工夫=Vaundyのデフォルト設定になっていくわけですね。
 
「そう、試行錯誤が僕のデフォルト設定。分からないことをインターネットで調べるのもそうですし、例えば音楽を作るにしても行き詰まったら、絵を描くときはこういうときにどうしてるかを考えたり、逆もまた然りで。それが新しい筆を買うことかもしれないし、インクを変えることかもしれないし、“この絵の具を使ってたからできなかったんだ”ということも全然あるし。ただ、思考しながら試行錯誤するとそれはそれで行き詰まるので、無意識のうちにやれるようになるのが一番良い形だと思ってますね」
 
 
才能で済ませないように何で良いのか/悪いのかをちゃんと考える
 
 
――そんな中で、いろんな物作りから主軸に音楽を選んだわけじゃないですか。それが自分にとって勝算があるからなのか、一番好きだからなのか、なぜ音楽だったんですか?
 
「歌は小さい頃から歌ってきて、“うまいね”と言われることの一つだったんです。歌は耳と喉が出来上がってないと…特に喉=筋肉なので鍛えなきゃいけないし、食べるものとか話し方、家族とどんな会話をしてたのか、普段から英語をしゃべってるのかとか、そういうことまで影響してくるので。それがある意味、“才能”だと思ってるんです」
 
――環境=才能だと。
 
「そうなんです。ありがたいことに僕は“才能があるね”と言ってもらえることが多いんですけど、生まれたときから歌がうまいわけがないし、良い声だったわけでもないんです。何なら声変わりした自覚もなくて。だから、食べるものだったりそういう些細なことの積み重ねで今があるのを僕は分かってるので、才能で済ませないように何で良いのか/悪いのかを自分でちゃんと考えるようにはしてますね」
 
――その若さでどうしてそこまで思慮深くいられるのでしょう?
 
「多分、こういう取材で話を聞いてもらったり、お風呂で独り言を言ったりして、思考をまとめてるんですよね。普通は自分で自分のことを簡単には理解できないと思うんですけど、僕は家で一人でいる時間も多かったし、イヤでも自分のことを考えなきゃいけなかったから、常に自問自答して、“あ、そういうことか”と納得する。そしてまた、こうやって話を聞いてもらうことによって、僕が説明するじゃないですか。それで、“あ、そうだったんだ”と整理される。最近はそういうことの繰り返しですね。だから、音楽を選んでなくてもこうはなってただろうなという気が」
 
――ヤバい、今もエサを与えてる、クリエイティブモンスターに(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) もうどんなものでもどんどん吸い取るんで」
 
――ライブの良さと楽曲の完成度、数々の発言から、なぜこの人は生きる術をすでに知っているのかが気になってたんですけど、すごく合点がいきました。
 
「ありがとうございます! 自分にもし才能があったとしてそれに甘んじちゃいけないし、だから僕は“できない”と言ってる人を見ると、“できないじゃなくてやってないだけ”とよく言うんですけど」
 
――そうやって自分をコトコト煮詰めてきて、去年は一つ花が開いたというか多くの人に知ってもらう機会があって。今までの人生でも強烈な1年だったんじゃないですか?
 
「あんまり実感はしてないんですけど、まだまだこんなもんじゃないし、これで満足してはいけないなと。もっと目に見える形で、僕が音楽を作ってる価値をちゃんと普遍的にしていかなきゃいけない。例えば、米津(玄師)さんはそういうことをやっていらっしゃると思うんですけど、僕もいつかそこを超えられるようになりたいと思ってるので。世界に行ってそれを実現したい」
 
――世界でナンバーワンになると常々言ってますもんね。その原動力は何なんでしょう?
 
「これ以外、やることがないのかもしれない(笑)。僕は小さなやりたいことを積み重ねて常に具現化していってるだけなので、“あなたの最終目標は何ですか?”と聞かれたときに、“世界かな?”ぐらいしか言うことがないんですよ。ビジョンは何となく見えてるけど、明確に計画を立てるとイヤになってやらなくなっちゃうので」
 
――俯瞰の目線と研究する努力とともに、目標に囚われ過ぎない距離感も抜群ですね。
 
「ご飯を食べるにも寝るにも音楽を作るにも絵を描くにも、何をしても全てはバランスとリズムだと思ってるので。音楽が面倒くせぇと思ったら絵を描くとか(笑)、ここはクソみたいな音だからこっちはカッコ良い音にしようとか、バランスとリズムに自分を投影していく。でも、僕の人生はムダな時間というか、制作以外の何もやっていない時間がほとんどなんですよ。1日中寝てるし、制作なんて週に5時間あればよく頑張りましたという感じだし(笑)。大学に行きながら、やりたいことをやりながら、でも、勉強がしたくないから曲を作る、みたいな(笑)」
 
 
見れば分かるものより、感じて分かるものを提供したい
 
 
――激動の’20年に1stアルバム『strobo』で一区切りを付けて、それ以降はデジタルシングル『世界の秘密』('20)、『融解sink』('21)、『しわあわせ』(’21)と続く流れですが、とは言え、最近書いた曲ばかりというわけではなく。
 


「例えば、『融解sink』は『life hack』('20)と同時期に作った曲で、何なら『strobo』に入ってもおかしくなかったんですけど、ちゃんとブラッシュアップして、MVもそれに伴ったものにして。だから、タイミングが今年になっただけという話かな。今年の前半ぐらいまでは、去年一昨年に作った曲の残骸が出ると思います(笑)。今作ってる曲を早く届けたい気持ちもあるんですけど、僕はそれぞれにちゃんとMVも作りたいし、今伸びる音楽には絶対にMVがあるので、それを大前提として制作しなきゃいけないから、どのタイミングでどう出すかは常に考えてますね」
 
――Vaundyの楽曲と映像表現は切っても切れないものですもんね。
 


「僕はリップシンクもあんまり入れないでほしいとまで思ってるんですけど、それはなぜかと言うと、映像作品にたまたま僕の曲がBGMとして使われてるぐらいの感じで十分伝わると思ってるんです。MVをちゃんと“作品”にしたいので毎回テーマを決めて、監督にストーリーを作ってもらって、どう見せたら良いのかを一緒に考えてます。あと、何をするにしても僕にないものを持ってる人と作っていくのが良いなと思ってますね」
 
――デザインも含めて作り込めるVaundyだからこそ、人に委ねたときにどうなるか。最近はフィーチャリングも活発になってきましたけど、昨年のNulbarichとの『ASH feat. Vaundy』('20)に続き、今年はAimerとの『地球儀 with Vaundy』(’21)が発表されて。また毛色の違う組み合わせで刺激的ですね。
 


「最初はAimerさんが一人で歌ってもカッコ良い曲にしようと思って作ってたんですけど、僕にも一緒に歌ってほしいと言っていただいて、“もちろんです!”と(笑)。僕はAimerさんが本当に大好きで小学生の頃から聴いてたし、シンガーとして彼女の右に出る者はなかなかいないと思いますね。もうレベルが違う。“これをやってみてください”と言ったことに対しても100%以上で返してくれる人で、本当に楽しかったです。また絶対にやりたい」
 
――そんな最高のシンガーを自分色に染めるというか、新たな世界観に導けるのは面白いですね。
 
「僕もそれを提供したいというか、僕と一緒にやるなら新しいことをやってほしいし、自分をぶっ壊すつもりで向き合ってほしい(笑)。それには僕がリスペクトできる人じゃなきゃいけないし、リスペクトもしてもらわなきゃいけないんだろうなと。Aimerさんも『地球儀 with Vaundy』を気に入ってくれたみたいで、憧れの人と一緒にできたのは僕の中ではすごく大きかったですね」
 
――女性ボーカルとの相性という意味で言うと、『融解sink』に参加しているLeiaさんとはどういうつながりで?
 
「僕は音楽塾ヴォイスというところに通ってるんですけどそこの生徒でもあって、実は『life hack』のデモでも仮歌を歌ってもらってたんですよ。今回も最初はそのつもりで頼んだら、どう考えてもこの人の声が一番合ってるなと思っちゃって。『life hack』では最終的にさとうもかさんに歌ってもらいましたけど、『融解sink』は溶けるようなエアリーな声の人が良いなと思って、そのままLeiaさんにお願いしました。僕の独特のグルーヴを保ちながら歌える人って本当に少ないんですよ。レコーディングは大変だったと思うんですけど、良いものができたなと思ってます」
 
――『世界の秘密』のジャケットもそうですけど、パッと見て分かる誰かじゃなく、Vaundyがいち早く新たな才能をピックしていく感じも良いですね。
 


「見れば分かるものより、感じて分かるものを僕は提供したいので。『世界の秘密』のジャケットの写真も、“あ、こんなもんか”という顔をしてほしいと伝えて僕が自分で撮ったんですけど、あの人は『世界の秘密』をもう知ってるんですよ。僕にとっては完璧なアートで、誰に何を言われようとあれ以上の答えはないと、無理やりあのジャケットにしました(笑)。それは今でも間違ってなかったなと思います」
 
――VaundyのYouTubeのコメント欄を見ると、どの曲でもみんながいろいろと考察してますね。
 
「僕の歌詞は想像の余地を与えるためにわざとハッキリ伝えないようにしてて、それが分かりにくいこともあるかもしれないですけど、僕は常にメロディの翻訳をしてるつもりなんです。それが現実的であろうと非現実的であろうと想像する楽しさ、楽曲を聴いて考えることを、みんなには体験してほしいなと思ってます」
 
――今通ってる大学を卒業した後、もうそのまま先生になれそう(笑)。あと、言葉とメロディを同時進行で歌いながら作っていくためか言葉がフィットしてるというか、メロディとの親和性が最初から高いのかもしれないですね。
 
「歌詞を作り終わった頃には=音源が完成している状態なので、もしかしたらそうなのかもしれないですね」
 
 
自分で自分が何を作るのか楽しみ
 
 
――あと、今年の成人の日に結果、YouTube生配信にはなりましたけど『studio mini live “HATSUGAの芽”』をやったじゃないですか。Twitterでも“中学生の時から成人式にライブをやることは決めていました”と書いてましたけど、そんなに早い段階から自分のライブストーリーが見えていたのもすごいなと。
 
「音楽をやってる自分を小学生の頃から想像してて、夢短冊みたいなものには“人が憧れるシンガーになりたい”とか書いてて。ちなみにその前は“声優シンガーになりたい”かな? 今でも声優はやってみたいなと思うんですけど、その頃からアニメとか漫画とか、非日常を感じられるものが大好きだったんですよ。20歳って一つの区切りじゃないですか。そのときに“じゃあライブをしよう。もう成人式には行きません、どうせつまんないし”って(笑)」
 
――コロナの影響はあったにせよ、それを実現させて。Vaundyの楽曲自体もそうですけど、ドリーミーなだけじゃなくちゃんと現実も踏まえた感覚がありますね。
 
「良い作品を作るのが僕の仕事で、現実的な部分をかなえてくれてるのが周りのスタッフの方だと僕は思ってて。そのバランスでやれてるから、僕は常にフレッシュな頭でいろんなことを想像して、しかもそれを俯瞰で考えて、“それって多分無理だよ”と思われることも、“前にこれをやって失敗してる人いるから”と言われても、“いや、僕ならできます。今までの人たちがポンコツだったから実現できなかっただけです”と言える人にならなきゃいけない(笑)。今の時代ってめちゃくちゃ多様化してるし、細分化されてるじゃないですか。みんなの好きなことも枝分かれして、どんどん細かくなってる。結局、SNSと言ってもどこも営利企業なので、樹木の根のようにイエスかノーかで分かれていって、当事者にとって不都合なことは表示されないようになっていくから、僕は今の時代において、“え!? これ有名なのに”という言葉はナンセンスだと思ってて」
 
――それはあなたのタイムラインでの話ですよと。
 
「本当にそういうものだと思ってます。だからこそ僕は、本当の意味で有名になりたい。どこかの塔のてっぺんにいるんじゃなくて、全部の塔のてっぺんから見てもまだ上にいるような人にならなきゃいけないと思ってますね」
 
――それは相当大変な作業ですけど、夢はデカいですね。
 
「いろんなところに同じような高さの塔があって、ちょっと有名になってきたなと思ってる人たちだって実は、“あれ? 俺ってたいしたことなくない?”みたいな。そこに気付けるか気付けないかは本当に生き方次第というか、SNSだけを見てたら自分に都合の良いことしか表示されないんだから、僕が“Vaundy”と調べて、“Vaundyって良いよね”と出てくるのは当たり前なんです。だから僕はそれに対してありがとうの気持ちと同時に、“俺はまだ全然ダメだな”と思いながら音楽を作ってます。アラを探すのは誰にでもできるんですよ。みんなが良いと言ってても自分は別に良いと思わないなら、何でみんなが良いと思うのかを考える。みんなが良いと言ってなくても自分は良いと思うなら、何でみんなは良くないと思うのかを考える。そこを考える人と考えない人では変わってくるのかなと。僕はちゃんと考える人でありたいなと思ってます」
 
――今日の一連の話を聞いてたら、Vaundyがこれからどんなものを作るのか楽しみになりますね。
 
「僕も自分で自分が何を作るのか楽しみです。服とかも作りたいし、音楽以外のいろんなことにも取り組んでいけたらなと思ってます。逆に言えば、物作りしかできないんですよ。勉強もしてきたわけじゃないし、頭も良くないし、できることは実は人より少なかったりする。それが多く見えるのは、僕がいろんなものを1つ=“作ること”と捉えてるからで。“マルチですね”とよく言われますけど、僕にとってはシンプルなんです」
 
――Vaundyにとっては、作ること=生きることですね。
 
「そうですね、まさに。作ることは生きること、です」
 
 
自分を主人公にするために物作りをしてる
 
 
――今後のライブは『one man live “KATARIBE”』をはじめ、『京都大作戦2021』『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 20>21』『FUJI ROCK FESTIVAL ’21』等の出演も控えていて。多くの人と出会えたら良いですね。
 
「本当に。(コロナ禍で)キャパを半分にしなきゃいけないとかいろいろあって、会える人はまだ少ないかもしれないですけど、まぁこれから何十年とやっていく予定ではあるので。Vaundyは絶対に毎年成長していく育成型のシンガーソングライターなので、いずれ“え? 『東京フラッシュ』(’19)なんてもう聴いてられないから!”とか言われるようになるかもしれないし(笑)。それぐらいどんどん進化していくから、前の方が良かったとか言ってる人は置いていっちゃいます。僕はそういうスピードで音楽をやっていこうと思ってるので」
 
――頼もしい限りですね。次にまたいつかインタビューする頃にはいろんな人との会話から言葉を吸収してパワーアップしたVaundyから、めちゃくちゃ刺激をもらいそうです(笑)。
 
「いやいや(照笑)。それぐらいになれるよう頑張っていきます!」
 
――最後に一つ気になったのが、“自分を好きになる為に音楽作ってるんだから/俺の曲聞いてる人が、聞いてる自分が好きになるのは当たり前でしょ/ついでに俺も好きになってくれればいいよ”とTwitterでつぶやいてたのがすごく印象的で。これって真理かなと思ったんですけど。
 
「確かに、自分を好きになるために音楽を作ってますね。毎回音楽を作るたびに、歌詞を書くたびに、自分のことを考えるんですよ。例えばディープな社会問題を前に、“自分だったらどう解決するかな?”とか、“でも実はどうでも良いんじゃねぇの?”とか、自分の解釈を提供して作ることによって、“自分はちゃんと考えられてるんだな”と思えて、自分が好きになれるような気がしてます。あと、音楽を仕事にできてるだけでやっぱり自信が持てるし、基本は褒められたい人なので(笑)。僕は自分のことを信じてはいるんですけど、常に好きではないので」
 
――それを好きにさせてくれるのが音楽だったり、みんなの声だったり。
 
「そう! 物作りの中で、“俺ってこんなことができるんだ”と自分の可能性を見い出せる。例えば、“東京フラッシュ/君の目が〜♪”ってヘッドフォンで聴きながら歩いて、それを誰かが見てるだけで自分が撮られてる気分になれるし、その曲を聴きながら歩いたら自分が主人公に聴こえるというか」
 
――きっとそうやってVaundyの音楽を聴きながら歩いてるリスナーがいるはずですよ。
 
「それで正解です。僕がそう感じてるんだから、その曲を聴いてる人たちがそう感じないわけがないんですよ。あのときの言葉はだいぶ前のツイートだと思うんですけど、今は“自分を好きになるために音楽を作ってる”じゃなくて、“自分を主人公にするために物作りをしてる”というのが正しい答えかもしれないですね」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2021年6月 9日更新)


Check

Release

大阪医専CM曲やAimerとのコラボなど
'21年も立て続けに新曲をリリース!

Digital Single
『benefits』 New!
6月12日(土)0:00発売

<収録曲>
01. benefits

Digital Single
『しわあわせ』
発売中

<収録曲>
01. しわあわせ

Digital Single
『地球儀 with Vaundy』
発売中

<収録曲>
01. 地球儀 with Vaundy

Digital Single
『融解sink』
発売中

<収録曲>
01. 融解sink

Digital Single
『世界の秘密』
発売中

<収録曲>
01. 世界の秘密

Profile

バウンディ…現役大学生、21歳。作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。’19年春頃からYouTubeに楽曲を投稿し始め活動を開始(現在YouTube、サブスクリプショントータル6億回再生突破)。『東京フラッシュ』(’19)『不可幸力』(’19)など、耳に残るメロディに幅広いジャンルの楽曲を発表すると瞬く間にSNSで話題に。’20年5月には、世界的ポップスターLAUV(ラウヴ)サイドからオファーを受けグローバルリミックスアルバムに参加、『Modern Loneliness(Vaundy Remix)』をリリース。同月には1stアルバム『strobo』をリリース。FODドラマ『東京ラブストーリー』主題歌『灯火』、テレビ東京 ドラマ25『捨ててよ、安達さん。』オープニングテーマ『Bye by me』、Spotify Premium全国地上波テレビCM『Spotify Town』編CMソング『不可幸力』を含む全11曲を収録。また8月には世界的なカルチャーサイトNownessピックアップ作品として、『不可幸力 / Fukakouryoku (Global Dance Video)』が全世界配信、国内外での活動も積極的に行っている。初のワンマンライブ『1st one man live “大人間前夜”』のチケットは瞬く間にソールドアウト(同30日に無観客ライブ配信を実施)。10月にはZepp Hanedaにて、『2nd one man live “strobo”』を有観客ライブとして開催。同時に生配信も行い、高い歌唱力とパフォーマンスで大好評を博す。11月には初のLPとなる『strobo+』をリリース。12月には約半年ぶりとなる新曲『世界の秘密』をリリース。’21年1月には成人の日を祝して、初のYouTube生配信『studio mini live “HATSUGAの芽”』を実施。以降も2月に『融解sink』、4月に『しわあわせ』、6月12日(土)に『benefits』をリリース。耳を捉え一聴で癖になる天性の声と、破格の才能を感じさせるジャンルに囚われない幅広い楽曲センスで、 ティーンを中心にファンダムを急速に拡大中。

Vaundy オフィシャルサイト
https://vaundy.jp/


Live

ただ今ワンマンツアー開催中!
夏には『ジャイガ』出演で再び大阪へ

 
『one man live “KATARIBE”』

【東京公演】
▼5月15日(土)Zepp Tokyo


【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼6月12日(土)Zepp Haneda(Tokyo)

動画配信チケット発売中
※チケットは、インターネットでのみ販売。
 店頭、電話での受付はなし。
▼6月12日(土)18:00~19日(土)23:59
PIA LIVE STREAM
視聴券3500円
LIVEWIREサポートセンター■livewire@linkst.jp
※この公演はオンライン動画配信でのみご覧いただけます。配信時間は予定のため変更の可能性あり。公演日当日の問合せ対応は該当公演(土日祝含む)の終演後1時間程度で終了とさせていただきます。

チケット情報はこちら

 

Pick Up!!

【大阪振替公演】

※チケットは、インターネットでのみ販売。
 店頭、電話での受付はなし。
▼6月26日(土)18:00
Zepp Namba
全席指定6900円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※6歳以上はチケット必要。5歳以下は入場不可。この公演は5/22(土)の振替公演です。チケットはそのまま有効。

チケット情報はこちら


 
【大阪公演】
『OSAKA GIGANTIC
 MUSIC FESTIVAL 20>21』
一般発売6月26日(土)
▼7月31日(土)/8月1日(日)11:00
大阪・舞洲スポーツアイランド 特設会場
1日券8800円 小学生4000円
2日券16000円 小学生8000円
[7/31(土)出演]瑛人/coldrain/サイダーガール/NOISEMAKER/PassCode/MY FIRST STORY/向井太一/Mega Shinnosuke/優里/reGretGirl/他
[8/1(日)出演]ORANGE RANGE/Creepy Nuts/Survive Said The Prophet/the engy/Dizzy Sunfist/tricot/Nothing's Carved In Stone/NAMBA69/KNOCK OUT MONKEY/Vaundy/他
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※雨天決行・荒天中止。小学生以上チケット必要、未就学児入場無料、小学生以下の入場は保護者同伴のみ入場可能。出演アーティストは都合によりキャンセル・変更となる場合があります。その際チケット代金の払い戻しは行いません。予めご了承ください。


Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「インタビューを終えたとき、こんなに興奮したのはいつぶりだろう? そんなことを思うぐらい刺激的だったVaundyの初取材。彼がただ者ではないことはその表現を摂取すれば一発で分かりますが、会話もエネルギーと気付きの連鎖で、話しながら自分が覚醒していくかのよう(笑)。この文章を読んでくれた人にとっても、そうなってくれたらとってもうれしい。彼の音楽が素晴らしいのにはちゃんと理由があるということを、イヤというほど思い知らされます。すっげーわ。ワクワクした~! 例えば普遍を歌えばどんな時代にもハマるように、圧倒的なものを前にするとジェネレーションギャップなんて起きないんだな…そんなことを再確認させてくれたVaundy。会話の中で自らを“育成型のシンガーソングライター”なんて言ってましたが、彼の音楽を追うことで自分も成長できるような、“育成型リスナー”すら多く生み出すようなこの男。これからてっぺんに向かうところを、みんなで見届けましょ!」