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メンバー、チームでの絆を改めて感じた
繋がりと成長のアルバム『Fantasia』リリース!
NABOWAインタビュー&動画コメント

6月23日、京都を拠点に活動するインストバンド・NABOWAが7作目のフルアルバム『Fantasia』をリリースする。2019年に結成15周年を迎えた彼らは、2019年末まで15周年ツアーを行っていた。しかし年明けからは例に洩れず、新型コロナウイルスの影響でライブ活動が一切ストップ。そんな中でもNABOWAは、自分たちで発信をし続けた。初めての緊急事態宣言が出た4月には、同じく京都のインストバンド・jizueと共に、営業の自粛を余儀なくされている地元/京都・大阪のライブハウスを救済するため、1週間という短期間で、コラボレーションアルバム『Sketch』を制作。また、4月〜5月には3週連続で配信EP『RELUX』『EXCITE』『BRAVE』を配信リリース。約1年を経て、『Fantasia』を完成させた。今作はゲストボーカルにAAAMYYY、そして以前から親交の深いMCの、サッコン(韻シスト)とNAGAN SERVERを迎えつつ、全10曲を収録。コロナ禍でそれぞれが音楽とたっぷり向き合う時間を確保したことで、バンド活動17年間で培った技術や技巧が光り、メンバー自身にさらなる成長をもたらした1枚となった。今回は、コロナ禍での制作方法や、変化した価値観について、メンバー全員に話を聞いた。

“今出来ることを最大限やろう”
 
 
――Twitterを拝見すると、2020年頭にはレコーディングをされていたようですが、今作の制作はいつ頃からスタートしたんですか?
 
景山奏(以下、景山)(Gt.)「かなり昔の話みたいな感じで覚えてないです(笑)」
 
スタッフ「2019年の年末くらいから制作は進んでいましたね」
 
景山「そうかー、やってたかもですね」
 
――では、時間をかけて作っていかれたと。
 
景山「20代の頃は“バンドだけやってりゃいいやー!”みたいな感じで、スタジオで合宿して、1週間ぐらいで一気にバーッと作ってたんですけど、30代半ば〜後半に突入して、皆の生活サイクルもちょっとずつ変わってきて。今はそれぞれ生活があるので、ずっと制作をしていたというよりも、集まれる時に集まって1曲録ったり、アレンジを作ったり。時間を小分けにして作っていくスタイルに変わっていますね」
 
――なるほど。2020年4月にはjizueとのコラボレーションアルバム『Sketch』の制作や、3週間連続で3曲入りEPの『RELUX』『EXCITE』『BRAVE』をリリースされていましたが、コロナでライブ活動が停止した中で、何か出来ることをしようという動機から始まったんですか?
 
景山「そうですね。“今出来ることを最大限やろう”みたいな感じだったと思います。結局それぐらいしか出来ることがないのと、個人的に、バンドでもソロでも、曲作りのスピードがとにかく遅すぎたので、もうちょっと早く曲作りしたいなと。単に時間をかければ良い曲が出来るわけでもないのが、この数年で分かったので。バンド活動の半分以上を占めるライブが出来ないとなると、逆に練習する大チャンスなわけで。“今しかないな”と思って、とりあえず曲をスピーディに作って、フットワーク軽くリリースしてみようという試みでした」
 
川上優(以下、川上)(Dr.)「jizueとの共作の時、皆1週間で1曲ずつ作れたから、NABOWA単体でも4人で音合わせして曲を作ってみようと。3週くらいなら気合いでいけるかなと思ったけど、結果めちゃくちゃ大変でした(笑)」
 
――今まで、そういったペースで作曲したことはあったんですか?
 
川上「ないです」
 
堀川達(以下、堀川)(Ba.)「狙わずして出来た曲はあったと思うんですけど、狙って1週間で決めてやったのは初めてですね。“言ったからには絶対やらなアカン”みたいな感じになってましたけど」
 
景山「普通に考えたら、20年近くバンドに人生費やしてるので、出来へんかったら逆におかしいというか、今まで何やったんや、みたいな。去年はずっとそういう感覚でしたね。人によってスタンスが違うから一概には言えないですけど、僕はそんなふうに思いました。皆それぞれ経験値を積んでるはずやから、やり方次第では絶対出来ます」
 
――さすが、頼もしいです。『RELUX』『EXCITE』『BRAVE』は、タイトル通りの雰囲気の曲が3曲ずつ配信されていました。リリースされた4月〜5月はちょうど緊急事態宣言が出て、世の中が落ち込んでいる時期だったと思いますが、皆をリラックスさせたいとか、元気づけたいという意図はあったりしたんですか?
 
川上「ほんとに今おっしゃられた通り、こういう時だからこそ、家でリラックスして聴いてほしいという想いがあって。曲を作る前に“今週はこういう感じでいこう”と大枠を決めた上で3曲作るというのを3週間やりました」
 
――しかもリモートで。jizueとの共作もリモートだったんですよね?
 
山本啓(以下、山本)(Vn.)「そうですね。初めての経験ではあったんですけど、よく考えたら、データのパスをしあって曲を仕上げていくのは今までも基本的にそうだったので、何とかなるんじゃないかなというのもありましたし、jizueとの共作で、“やっぱり出来たね”という1つの確信に変わったのもあります。でも細かいニュアンスとか、もっとこうして欲しいとか、普段は直接言えば伝わるようなことも、リモートだとなかなか伝わらなかったりするので、その部分はある程度許容して、任せるとこは任せて、しっかり取り決めをして進めていました」
 
――スピード感にもこだわった。
 
山本「そうなんですよ。結果的には思った以上に大変だったんですけど、ライブも全部なくなっちゃったので、こっちから何かしなければ、求められることもないのかもしれないという、精神的な焦りもあったかもしれないですね。“ちょっとヤバいね”みたいなのもあったし」
 
堀川「皆スケジュールが空いて、足並みが揃ったんよね」
 
山本「そうそう」
 

 
ピンチはピンチですけど、本当にチャンス
 
 
――2020年、ご自身の中で変化した価値観はありますか?
 
山本「ありますね。僕は1番大きかったのが、2020年の1年かけて、めちゃくちゃ健康になったんですよ。特に感染症が流行する中で、みんな健康を意識すると思うんですけど、バンドマンとしての生活が、実はめちゃくちゃハードだったってことが、ようやくわかって。ちゃんと朝起きて夜に寝るとか、そういう当たり前のことを半強制的にやらないといけなかったんですけど、身体的な無理をしなくてもやっていく方法があると思えたんです。バンド活動も18年目に突入して、むしろ初期の頃のような無茶はやらない方がいいという、根性論からの脱却がすごくあったような気がします」
 
――音楽の作り方や、音楽に向かうスタンスでの変化はいかがですか?
 
景山「音楽を作る時間が増えたので、めちゃくちゃ楽しいですね。僕、自分でちまちま音楽を作るのがすっごい好きで(笑)。2019年くらいまで毎日忙しすぎて、家でギター持つことが全く出来ていなかったんです。多分ストレスもあったと思いますが、音楽作るような気持ちになれず、YouTube見てそのまま疲れて寝る生活で、“何かすごいしんどいなあ”と思ってたんですけど、今はギターを初めて買った高校生の時みたいに、めちゃくちゃ楽しくて。僕、自分で作る曲がすごい好きで、自分の1番のファンやと思ってるんですけど、とにかく“人生こんな楽しかったっけ”みたいな。ほんまにピュアに音楽だけをやった1年でした。だから精神的にはめちゃくちゃ満たされてます。人生やっぱり好きなことをするのは大事やなと改めて思いました。ピンチはピンチですけど、本当にチャンス。ピンチとチャンスのニアイコールをこんなに感じたのは初めてですね」
 
川上「僕も個人的に、最高にポジティブな年やったんですよ。2019年の3月に、京都市内から少し離れたところに引っ越して、古民家に住み始めて、蔵に防音室を作って、家でいつでもドラムを叩ける環境が整ったんです。それが完成したのがコロナ直前の、2020年2月。そのあと週末のライブが全部なくなって。今までドラムの練習をする時間が取れなくて、僕としてもそれがずっとストレスになっていたので、朝から晩まで練習時間が取れて、1日ドラムの基礎練をして、自分の中ではすごく充実しました。その成果をアウトプットする機会が、来年・再来年は少しずつ増えていくと思うので、すごく楽しみですね」
 
堀川「僕はずっと音楽ばかりやってると発想が止まってしまうなと思ってたんですけど、去年はフリーな時間が増えて、やってみたかったことを結構出来たので、作る曲の感じが変わってきたかなとは思いました」
 
――どういうふうに?
 
堀川「説明するのは難しいんですけど、地に足が着いた曲が好きになってきてるのかなと。ペラい曲作りたくないなって(笑)。作ってる時はそうは思ってないんですが、いつもはノリでバンドに提出したりしてたところを一旦冷静に考えるようになりました。自分の中でしっかり作れてるなと思えるようになってから出したいなぁって。落ち着いて作るっていう精神に変わってきた感じがします」
 
 
 
世の中のネガティブを感じさせないアルバムにしたい
 
 
――『Fantasia』にはテーマはあったんですか?
 
堀川「最初はあったかなあ」
 
山本「最初、曲ごとにテーマとなる色を決めて、意思疎通をしながら作る話になってたんですけど、いつの間にか思い出せなくなってた、という程度のものですね(笑)」
 
――いつも作品を作る時に、色をイメージにされるんですか?
 
山本「特にそういうわけではないんですけど、年を経るごとに、メンバーそれぞれの思想も考え方も違うことがわかり始めたので、その違いを埋めるためにどうしたらいいかということで、共通の目標をわかりやすく設定する方が、話し合いがスムーズにいくよね、と。その1番わかりやすいものが色だったんですね。例えば曲の中のワンフレーズが良いか悪いかを判断するにあたって、“白っぽいかそうじゃないか”という視点で話し合うと、好みや考え方の違いにも折り合いがつきやすいんじゃないかと。ただ2019年の12月から録り始めて、その後3週連続のEPとか挟んだから、最初の志が曖昧になってしまった(笑)」
 
景山「いろいろ吹き飛んじゃったよね」
 
川上「確か、世の中のネガティブを感じさせないアルバムにしたいと皆で話し合ってました。そこはタイトルにも反映させたし。特にAAAMYYYさんの『キラクに (feat. AAAMYYY)』(M-2)は、AAAMYYYさんが曲名をつけてくれたんですけど、まさに僕らが言ってたようなことなので、すごいねって話してましたね」
 

 
――アルバムタイトルは、初期のNABOWAを知ってる人ならピンとくるそうで。
 
山本「“Fantasia”の言葉自体の意味ももちろん素晴らしいんですけど、もう1つ意味合いがあって。昔、bud musicの社長の番下さんがNABOWAを発見してくれて、その頃彼はDJで、自分でイベントを主催していて、そこに出たのがNABOWAの1つの原点でもあるんですけど、そのイベント名が『Fantasia』なんですよ」
 
――なるほど!
 
山本「15年ぐらい前は『Fantasia』によく出してもらって、そこからレコードを作ってみようとか、CDを作ってみようとか、どんどん広がっていったんですよね。僕らいつもタイトルは後付けで、完成したものに対して名前を付けることが多いんですけど、今回もその流れで。“何か良いタイトルない?”っていろんなワードを出した中で、『Fantasia』がすごくしっくりきて。特にこの1年、リモートで会議することも増えましたし、事務所をふくむチームの関係というか、作品を売ってくれる側とのコミュニケーションにもいろんな変化があったので、初心に立ち返って、一丸となって頑張るじゃないですけど、繋がりが感じられるタイトルもいいんじゃないかということで、『Fantasia』になりました」
 
――今のお話、事務所とメンバーさんの絆が深まった印象を受けました。
 
山本「それこそツアー中は、下手したらメンバーとマネージャーは週7日とかで会うんですけど、コロナで会えなくなった時、ぽっかり穴があいた感じがすごくあって。絆が深まったのもそうだし、やっぱり皆が大事やなと思う気持ちもありました。特に僕は、ライブが楽しくてミュージシャンをやってる人間なんで、去年はめちゃめちゃ辛かったんですけど、でも制作をする中で、皆がいろいろやってるのも励みになりましたし、いろんな意味でお世話になっているなと思いました」
 

 
2020年は狙ったところに素早く曲を作れるようになった年
 
 
――サッコンさんとの『passage of time(feat.サッコン & NAGAN SERVER)』(M-4)はずっと前からあった曲だそうで。
 
景山「2019年にはありましたね」
 
山本「2018年ぐらいに話が遡るんですけど、僕はすごく料理が好きで、自分でもよく作るんです。で、麻婆豆腐が得意だというのが、韻シストのドラムのTAROW-ONEさんの耳に入ったみたいなんですよ。ある日、“勝負しろ!”みたいな挑戦状が届いて(笑)。それで、彼らがいつもやっているイベント『NeighborFood』にNABOWAを呼んでいただいて。その中で麻婆豆腐の腕前を白黒ハッキリつけようということで、料理対決もしました(笑)。まあ、返り討ちにしたんですけど」
 
全員「(笑)」
 
――さすが!
 
川上「得意げ(笑)」
 
山本「韻シストとはもともと仲が良いんですけど、おかげでもっと親密になりましたし、めっちゃ打ち解けました。イベントに呼んでもらったりする中で話が盛り上がって曲が出来て、“やっぱりこの曲は良いから録っておこう”ということで、確か2020年の年始にレコーディングしました」
 
――アレンジもその時のライブごとに変化して成長した感じですか?
 
景山「言っても多分3回しかライブやってないので、ライブでやった感触をちょっとブラッシュアップして、もう少し練ってからレコーディングしたと思います」
 
――今作はどの曲も音のまとまりをすごく感じますが、前作で既に4人の音のまとまりで聴かせるところに到達したとか。
 
堀川「前のアルバムは細部までこだわっていて、多分そういう話はしてたと思いますね」
 
川上「世の中でこういう音楽が流行ってるから、こういうものを作ればウケるとか、外的な刺激からではなく、純粋に出てきたものを、自分たちなりに削ぎ落として、シンプルなものを目指して作ったと思います」
 
――今作は、ポップさもあるなと思いました。
 
山本「曲が出揃った時に、マネジメントチームから“アルバムのフックになるような、間口を広げる曲があった方がいいのでは”という意見が出たので、いろんな人に聴いてもらいたいし、じゃあちょっとやってみようぜ、ってことで最後に2曲足したら、一気にポップな面を盛り込めました。おそらくポップと感じておられるのは、最後に作った2曲なんじゃないかなと、今聞いていて思いました」
 
――それは、ちなみにどの曲ですか。
 
山本「『キラクに』と『possibility』(M-1)です」
 

 
――まさにです。その2曲が最後に完成したんですか。
 
山本「そうです。マネジメント側の意見を採用した2曲で。曲の原案は奏くんが出してくれて。すごくポップに仕上がって、アルバム全体の世界観が広がった感じはありますね」
 
――確かにこの2曲がないと、後半はジャジーで渋い印象ですね。AAAMYYYさんの曲はもっと前に決まっていると思っていたので、意外でした。
 
景山「『キラクに』は多分、2〜3日とかで作ったと思います(笑)。2020年はほんまにそういうことのための年やったんちゃうかな。狙ったところに素早く曲を作るみたいな。17年ぐらいこのバンドやってて、狙ったところに全然たどり着けへんのは、良くもあり、フラストレーションでもあったので。」
 
――間口の広い曲を作ろうとなった時に、ゲストボーカルを招こうと?
 
景山「僕、歌モノの方が作るの得意なんです。インストは全然出来ないんですけど、歌モノやったらもうトントン出来るんです(笑)。実はAAAMYYYさんに歌って欲しいなとずっと思ってたんですけど、他のメンバーもマネージメントチームも是非ということだったので声をかけさせていただきました」
 
――ちなみにAAAMYYYさんとの接点は?
 
景山「京都の『ボロフェスタ』というイベントの楽屋でちらっとお会いして。“僕ファンなんです〜”くらいのやりとりはした感じでした」
 
――『キラクに』すごく好きな曲です。2〜3日で出来たとは思えないです。
 
景山「でも言ってみれば、17年かかってるってことなんで(笑)」
 
――確かにそうですよね! 作詞もAAAMYYYさんですか?
 
景山「はい、全部お願いしました。一応自分が仮のガイドメロディーも乗せてお渡ししたんすけど、AAAMYYYさんが、“自分も推しのメロディがあるので、これどうですか?”と提案してくれて、すごく良かったので全部採用させてもらっています」
 
――AAAMYYYさんとの曲作りの相性は良かったですか?
 
景山「めっちゃ良かったと思いますね。ガンガン提案してくれて、全部めちゃくちゃカッコ良かったんです。NABOWAの雰囲気もある程度汲んでくれて、AAAMYYYさんの個性も出てるし、彼女は耳が良いんやろなと思いました」
 
 
 
チームとしてどうするかを、今ままで1番考えたアルバム
 
 
――個人的には『black cumin』(M-8)が印象に残っています。この曲が流れると、パッと意識を引き戻される感じがしていて。少し不穏といいますか……。
 
景山「確かに暗いですね」
 
――夜中のアメリカのミステリーの連続ドラマで流れていそうといいますか。
 
景山「ヤバい(笑)。それめっちゃ良いな(笑)」
 
山本「あ〜でも確かにそうやな〜。確か、曲名の候補の中に『ブラックミラー』があったりしました。曲に出るんですね〜」
 
――10曲の中で印象に残っている曲はありますか?
 
山本「僕は『brown butter』(M-9)が1番印象に残ってます。達くん原案の曲なんですけど、最初“これ弾いてください”って言われた時、“いや無理”ってなったんですよ(笑)。それくらい難しくて。結果的に科学の力を駆使してレコーディングはやったんですけど、そのうちだんだん弾けるようになって。“僕の中でこの運指は絶対ありえへん”みたいなのが結構あるんですけど、そこを新しくインプットされたみたいな。そうなってくると、今まで難しかった曲もいけるやん! みたいなことが起きて。この曲をキッカケに、新たに自分の中にOSをアップデートされました。まだめっちゃ間違えますけど、ライブでやるのも楽しいです。今回のアルバムの中では、自分にない一面を引き出してくれたと思います」
 
――堀川さんはそれを受けていかがですか?
 
堀川「まさにそのとおりで、啓くんの新たなOSを入れてあげたいなと思って」
 
全員「(笑)」
 
川上「上からやな〜(笑)」
 
堀川「(笑)。今まで上物のメロディーが対をなすような、ギターとバイオリンがユニゾンしている曲をあまり作ったことがなくて、それ出来たら面白いんちゃうかなと思って作ってみたんです。自分自身もこういう曲が作れるんやなと発見があった曲ですね。めちゃくちゃ大変で、2人には申し訳なかったなとは思うんですけど」
 
川上「俺もメロディ、鍵盤ハーモニカで吹かされてるからな(笑)」
 
――鍵盤ハーモニカですか?
 
堀川「あまり主張しすぎないぐらいのボリュームになってるので、気づかないかもしれないですけど」
 
山本「激ムズフレーズを2人が頑張ってます。優さん、鍵盤ハーモニカ難しかった?」
 
川上「むずかしいよあれは(笑)。よく考えるよねあんなの」
 
堀川「ちまちま考えながら、すごい時間かけた」
 
山本「譜面も書けへんのに何であんなんが出来るんか、不思議やなと。譜面を書けるのは僕と優君で、主に曲の土台を作ってくる2人(堀川と景山)は、自分でデモを録音してデータで聴かせてくれるんですけど、達くんのフレーズに至っては、どうやって思いついたのかほんまに謎ですね」
 
――景山さんは印象に残ってる曲ありますか?
 
景山「そうですね〜、やっぱり自分の作った曲が大好きなんで、自分の作った曲全部ですね(笑)」
 
――何曲ぐらいですか?
 
景山「覚えてないです(笑)。でも今回はギターソロがカッコ良いんですよね〜。昔と比べたら、プレイが良くなったなと自分で思います。僕より上手い人はいっぱいいるけど、昔よりも細かいニュアンスが表現出来るようになってたり、落ち着いてレコーディングに臨める、心の準備が出来るようになった気がします」
 
――改めて『Fantasia』、どんな1枚になったと思いますか?
 
山本「アルバムってほんまに、“今の僕らこんな感じです”ということを世間に定期的に発表するものだと思ってるんですけど、まさに“今の僕らこんな感じです”というのが、すごく詰まった1枚だと思います。もちろん初期の頃とは違うし、年も重ねてきたし、変わるものもあったけど、リモートになって、画面越しとか、ワンクッション隔たりがある中でコミュニケーションを取ることで、相手のことを想像しながら文章を打ったり、相手が今から何を言おうとしてるのか、想像してやり取りすることが、今回特に僕は多くて。マネージメントチームとの二人三脚感とかもありながら、チームとしてどうするかを、今までで1番考えたアルバムなんじゃないかなと思います」
 
――次なるNABOWAは、どういうものを作っていきたいですか?
 
堀川「自分達が成長してる中で、ずっとカッコ良いものを作っていけたらなと思いますね。そして妥協せず、今まで通り出来たらいいなと思います」
 
――ありがとうございます。夏にはライブがあるということで。
 
山本「無事開催出来るように。健康第一ですね」

Text by ERI KUBOTA



(2021年6月24日更新)


Check

Movie

Release

Album『Fantasia』
2021年6月23日(水)発売 2727円(税別)
DQC-1653

《収録曲》
01. possibility
02. キラクに (feat. AAAMYYY)
03. timmit
04. passage of time (feat.サッコン & NAGAN SERVER)
05. bike rice
06. breakfast
07. bagel bagel
08. black cumin
09. brown butter
10. bitter life

Profile

京都を拠点に活動している4人組インストゥルメンタル・バンド。国内外大型フェスへの出演や、近年は、台湾3都市ツアー、香港ワンマンを行うなどライブアクトとしてアジアでも高い評価を獲得している。2021年6月に2年ぶり7枚目のフルアルバム『Fantasia』をリリース。

オフィシャルサイト
https://www.nabowa.com/


Live

New Album “Fantasia” Release One Man Tour

【愛知公演】
6月26日(土)一般発売 Pコード:196-948
▼7月31日(土) 18:00
TOKUZO
全自由-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況に鑑み、また、政府および各都道府県・自治体から発表されている感染防止措置に関するガイドライン等を考慮した公演となります。公演前に発表する注意事項をご確認の上、ご来場をいただきますよう、お願い申し上げます。
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)でのみ販売。1人4枚まで。
[問]JAILHOUSE■052-936-6041

【東京公演】
6月26日(土)一般発売 Pコード:196-950
▼8月12日(木) 18:00
duo MUSIC EXCHANGE
自由-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況に鑑み、また、政府および各都道府県・自治体から発表されている感染防止措置に関するガイドライン等を考慮した公演となります。公演前に発表する注意事項をご確認の上、ご来場をいただきますよう、お願い申し上げます。開場/開演時間は予定です。変更となる場合があります。
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)でのみ販売。1人4枚まで。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
■03-5720-9999

【京都公演】
6月26日(土)一般発売 Pコード:196-951
▼8月14日(土) 18:00
磔磔
自由-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況に鑑み、また、政府および各都道府県・自治体から発表されている感染防止措置に関するガイドライン等を考慮した公演となります。公演前に発表する注意事項をご確認の上、ご来場をいただきますよう、お願い申し上げます。開場/開演時間は予定です。変更となる場合があります。
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)でのみ販売。1人4枚まで。
[問]夢番地■06-6341-3525

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