1stデジタルシングル『ここで息をして』でメジャーデビュー!
6/26(土)に心斎橋ANIMAでワンマンライブが開催
次世代を担う22歳のシンガーソングライター
eillインタビュー&動画コメント
ブラックミュージックをはじめとした多彩なジャンルを吸収し、R&Bネイティヴ的なセンスの良さと圧倒的な表現力で魅了するシンガーソングライター、eill(エイル)。昨年、2ndミニアルバム『LOVE/LIKE/HATE』からのバラード『片っぽ』が反響を呼び、2021年4月9日にデジタルシングル『ここで息をして』で、ついにメジャーデビューを果たした。15歳から音楽活動を始め、これまでにNEWやテヨン(ex 少女時代)、EXID等に楽曲を提供、SKY-HY、m-flowといった国内外のアーティストの楽曲にフィーチャーされるなど、その確かな実力とポテンシャルの高さで次世代を担うアーティストとして多方面から注目を集める存在だ。6月にはメジャーデビュー後、初となる東名阪のツアーが開催される。そのライブに向けての意気込みはもちろん、ジャジーかつアッパーにパンチの効いた最新曲『ここで息をして』の制作秘話や楽曲作りについて語ってもらい、シンガーソングライターとしての信念や気になる素顔に迫った。
一人の時はすごく悩むこともある
音楽を身に纏うことで強くなれる
――この春メジャーデビューを果たして、心境の変化はありましたか?
「eillとして活動を始めた当初は、どこで音楽をやってもイイやっていう気持ちがすごく強くて。どこで作って出しても、私の作品はeillだと思ってたんです。でもやっぱり、幼い頃から憧れていたメジャーという場所に立つと思うと、これまで通り自分が音楽を作って出すということは変わらなくても、いつもとは違うドキドキみたいなものがずっと心の中にあって(笑)。1stデジタルシングル『ここで息をして』がリリースされるまではすごく緊張してましたが、みなさんの反応も良かったので。この曲をリリースして本当に良かったなって実感しています」
――eillさんはライブの時もとても堂々とパフォーマンスされているし、怖いものはないぐらいの印象だったので、緊張していたというのはちょっと意外です。
「よく言われます。強そう…とか(笑)。でも、意外と一人の時はすごく悩むこともあるんです。でも、音楽を身に纏うことで強くなれて、歌ってる時はすごく自信に満ち溢れている時もあります。それは普段の自分に無いような感覚というか…」
――そうなのですね。ちなみに、メジャーデビュー曲となる『ここで息をして』はどのような想いで制作されたのですか? この曲はアニメ『東京リベンジャーズ』のエンディング曲となっています。
「この物語の中で、主人公の花垣武道くんがタイムスリップしてヒロインのヒナちゃん(橘 日向)を助けにいくんですけど、ヒナちゃんが太陽みたいに明るく真っ直ぐな女の子だなと。こんなに純粋な人って世の中にいるんだろうか?って思ったんです(笑)。私は結構マイナス思考なところがあるので。この子の裏に何があるんだろう?と。その真っ直ぐな笑顔の裏でどういうパワーが生まれて、このヒナちゃんという子になっているんだろうというのを考えながら歌詞を書きました」
――なるほど。歌詞はヒナちゃん目線で書かれているのですね?
「そうですね。今まで一人の登場人物にフォーカスして書いたことがなかったのですが、それが難しかったというより、それと自分の感情とを結びつけて、自分と共存できる部分を探すのが難しかったですね。自分の感情とリンクしていると、より(アニメの)主人公の気持ちがわかることもあるじゃないですか」
――そこまで深く追求しているからこそ、より気持ちを込めて歌えるんですね。リスナーはeillさんの歌声にパワーをもらって、自分もがんばろう!という気持ちになるんじゃないかな。
「ありがとうございます!」
自分自身と闘いながら
芯が強い声を意識しながら作りました
――この曲はジャズのテイストが入っているのも新鮮ですね。
「ジャズもそうですし、この曲ではいろんな音楽の融合が出来て、今までにないジャンル感が作れたかなと。今までは結構ダンスミュージックの打ち込み中心にやってきたんですけど、今回は間奏のセクションにビッグバンドっぽいドラムのリズムが入っているし、ホーンセクションも生で録りました」
――ライブで聴けばより熱さが伝わってきそうです。
「そうですね。一度ライブで披露した時に、すごく楽しかったです!」
――最初からそういうものをイメージして作っていったのですか?
「そういうわけではないんですけど、アニメに戦いのシーンもたくさん出てくるんですよ。なので、とにかく曲調もすごく強いイメージで書いていますが、歌詞は逆に弱さだったり、その中にある芯の強さをみたいなものを歌っています」
――ボーカルに関して意識したことは?
「今回は、バックが生バンドなので、それに負けないボーカルを作るのが結構大変でした。今までは強弱をつけてダイナミクスを表現するというタイプのボーカルワークだったのですが、今回はとにかく声量が必要なんです。それで、とにかく腹から声を出すようにして、その上で今まで通りニュアンスをつけるために自分自身と闘いながら、何度もレコーディングし直して、すごく芯が強い声を意識しながら作りました。今回のレコーディングで生ドラムは結構大変だなぁ~と実感したんですが(笑)。グルーヴ感とか疾走感というようなダイナミクスがあって、人間が手で叩いている感というのはすごく伝わってくるので。それはこのアニメのエンディングにも合ってるなと思いましたし、自分にとっても新たな発見がありました。メジャー一発目のシングルとしては、すごく幕開け感がある曲で良かったなと思います」
――すごくパンチ力がありますね。昨年リリースされた2ndミニアルバム『LOVE/LIKE/HATE』のリード曲となっていた『片っぽ』とはまた全然タイプが違いますね。あの曲もとても印象的なバラードだったので、今回の『ここで息をして』を聴いてまたびっくりさせられました!
「そうですよね(笑)。幼い頃からいろんなジャンルの音楽を聴いてきたので、自分がいろんなジャンルの曲に挑戦するのは全く抵抗がないんです。今、アルバムに向けてちょっとずつ曲作りもしているんですけど。すっごいHIPHOPっぽい曲があったり、ピアノの弾き語りで作っている曲もあったりして、いろんなタイプの曲があるので」
――早くも次のアルバムに向けて曲作りを始めていると!メジャーでは初のフルアルバムになりますね。
「そうですね。一個の作品集として、eillをまた新しい形で見てもらえるものを作れたらイイなと思っています」
デビューの時からずっと曲を書いている
それは自分にとってひとつのこだわり
――シンガーソングライターとして、自ら曲作りをすることにも強いこだわりがあるのですね。
「そうですね。デビューの時からずっと曲を書いているので。それは自分にとってひとつのこだわりとしてやっています。テレビを観たりしてても、頭の片隅には曲のことがあって。何かアイデアが浮かぶとすぐにメモしたりしてます。昨夜もふっとアイデアが降りてきたので、明日は朝早いけど、“やろう!”って思って作業してました。そうやって新曲のデモストックを作っています」
――eillさんはご自分の歌で聴いてくれる人を救いたいという思いがあるようですが。
「そうですね。活動をしていく中でそういう気持ちがどんどん芽生えていきました。最初は歌いたいことなんか特になかったんです。でもいろんな人の前で歌っていくうちに、それが自分の使命のようになって、自分だからできることを見つけていこうと思うようになりました。ファンの方からのお手紙で、私の音楽が光になりました!というような言葉をたくさんいただいていて。曲が書けない時に、その手紙を読み返したりすると、逆に自分の方がパワーをもらったりします」
――ファンの方は同世代の方が多いですか?
「お手紙は同世代とか年下とか、若い女の子からしかもらったことがないですね。熱狂的なファンの方は女の方が多いように思います」
――そんなeillさんが、この先叶えたい夢とは?
「バンドメンバーと、“コーチェラ出ようぜ!”って言ってます。アメリカのフェス(※コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル)なんですけど(笑)。私がめちゃめちゃ好きなブラックピンクという韓国のアイドルグループも出てたんです!」
――凄い! 日本を飛び出しましたね。では、日本国内での目標は?
「ずっと自分で思っていることは、一人でも多く、一人一人の人生を照らしていきたいということなんです。特にどこで歌いたいというのはなくて…。でも、ライブでバンドメンバーと一緒にいろんなステージを見ていく中で、武道館にみんなを連れていきたい!とか、そういう気持ちはちょっとずつ芽生えるようになってきました」
ライブでみんなとの心の距離を縮めたい
原点となる弾き語りも披露できればと
――メジャーデビュー後の初の東名阪ツアーが6月25日からスタートします。
「ライブは4人編成のフルバンドで行います。どんなツアーになるのかまだ具体的には発表できないんですけど、ツアー自体は2年振り2度目です。前回は会場によって空気感がすごく違うなと思って、その空気感に合わせてセトリを当日作り変えたりしてたので。各会場によってどんなライブになるのか、自分でもすごく楽しみです。『ここで息をして』を発売してからの初ライブとなるし、この曲は“酸欠ソング”と言ってもいいぐらい(笑)息をするのが大変なんですが、だんだん自分にも馴染んできてて、ライブでもちゃんと息ができるようになってきたので(笑)。すごく楽しんでもらえるかなと思ってます」
――ちなみに大阪はどんな印象ですか?
「前回はeillのライブを初めて観る人がほとんどだったと思うので、みなさん緊張されていたと思います。この1年で、大阪のリスナーのみなさんがすごく増えました。新しいファンの方とはまだライブでは直接お会いできてないので、みなさんと会えるのがすごく楽しみです。MVで観るeillとライブでは全然印象が違うみたいなので。ライブでみんなとの距離がもう少し縮められたらいいなと思いますし、自分の原点となる弾き語りも生で披露したいと思います。15歳の時から曲を作り始めたんですけど、その時からピアノで曲を作っていたので」
――『片っぽ』は弾き語りで歌っていますね。ハンドマイクで力強く歌ってる印象もありますが…ああいうピアノ弾き語りが原点になるんですね。
「そうですね。それが自分の素に近いというか。ピアノを前にして歌うと、いつも部屋で曲を作ってるような感情になるんですよ。ライブではそういう自分の曲が生まれる瞬間により近い音として聴いてもらえるのかなと思います」
――さっきコーチェラの話題が出てたし、eillさんは洋楽のアーティストからの影響もあるようですが、レディー・ガガなんかもピアノ弾き語りではしっとり歌ったりするし、曲によっていろんなスタイルで歌いますよね。
「そうなんですよ。私はすごくレディー・ガガのライブに憧れていて。ピアノを弾いて歌ったり、そのピアノの上に座って踊り出したりするのがめちゃくちゃカッコいいなと思って(笑)。私もいつか、もうちょっと規模の大きいライブができるようになったら、そんなことしてみたいな(笑)、グランドピアノで!」
――イイですね! では最後にライブに来られる方に向けてメッセージをお願いします!
「2年振りのツアーなので、eillのライブを心待ちにしてくださっている方も、この1年間それぞれ自分のいろんな感情と向き合った瞬間がたくさんあったと思いますが、楽しいことも辛いことも全部ひっくるめて、ライブ会場に持ってきてもらって、一緒にその感情を分かち合えたらと思っております。ぜひeillのTシャツを着て遊びにきてください!」
Text by エイミー野中
(2021年5月11日更新)
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