3rdアルバム『SUPERMARKET』を昨年10月にリリース 最新デジタルシングル『Kirakira』を携えてワンマンライブを開催! 新感覚配信企画『深夜文学』第三弾『不思議の国のアリス』の朗読、 『OSAKA METROCK2021』にも出演と話題が盛り沢山! 藤原さくらインタビュー&動画コメント
アコースティックな楽曲から、ロックやHIP-HOPまで、これまで以上に間口を広げて多彩に聞かせる3rdアルバム『SUPERMARKET』のリリースから半年余り、4月9日にデジタルシングル『Kirakira』をリリース。同日、Sakura Fujiwara Live 2021 “SUPERMARKET”が東京・中野サンプラザホールにて開催され、ライブ配信も行われた。その追加公演として、4月18日(日)に 福岡・Zepp Fukuokaで、4月19日(月)には大阪・なんばHatchで待望のワンマンライブが開催される。また、音楽活動だけに留まらず、新感覚配信企画『深夜文学』第三弾『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル 著)の朗読にも挑戦! 4月25日(日)から、5月2日(日)、5月9日(日)、5月16日(日)と四夜に渡っての配信が控えている。さらに、5月15日・16日開催の『OSAKA METOROCK2021』にも出演が決定するなど、この春から活発な動きを見せている藤原さくら。今回のインタビューでは、3rdアルバム『SUPERMARKET』について振り返ってもらいつつ、デジタルシングル『Kirakira』の気になる制作秘話、目前に迫る大阪・なんばHatchのライブに向けての見どころや意気込みはもちろん、名作『不思議の国のアリス』を朗読する『深夜文学』のことまでたっぷりと語ってもらった。
HIPHOP色も増えてより多彩に聴かせる
3rdアルバム『SUPERMARKET』
――昨年リリースされたアルバム『SUPERMARKET』では、藤原さんならではの音楽性の豊かさがベースにありつつ、さらに多彩な要素が加わっていて新鮮でした。特に『生活』(M-4)なんかはHIP-HOP色が強いですね。
「そうですね。以前は生音を重視して、それにこだわっていた部分もあったのですが、『SUPERMARKET』の前に出した2ndEP『green』と3rdEP『red』をOvallのmabanuaさんが全曲プロデュースしてくれまして、その経験もあってHIP-HOPのテイストもまた取り入れたいなというのがアルバムの制作の当初からあったんです。『生活』はVaVaさんというHIP-HOPのビートメイカーの方と初めてタッグを組んで作った曲でした。作り方も今までと違っていましたね。VaVaさんがトラックを作ってくれて、その上で自分が作曲をしていくという作り方だったのですごく面白かったです」
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――こういうタイプの曲は今後も増えていきそうですか?
「生音じゃないビートで作る面白さも最近すごく感じているので、そういう曲もまた作ってみたいと思っています。今までは自分でギターの弾き語りをしてデモを作っていたのですが、自分で打ち込みをしたり、こういうサウンドにしたいということを、昔より明確に伝えられるようになってきました。」
――ジャジーでHIP-HOPな雰囲気の『Right and light』(M-7)も大人っぽくてとても印象的な楽曲です。
「大人っぽい曲になればいいなと思って作りました(笑)。今までにないタイプの曲で、全編英詞でラップにも挑戦していますし、歌詞も今までに歌ってこなかったような内容ですね。以前、ハマ・オカモトさん(OKAMOTO’S)に、“さくらちゃんとmabanuaさんに、こういう曲をやってほしい”と言われたことがあって…。ハマさんは、mabanuaさんと制作した2ndEP『green』と3rdEP『red』を聴いてそう言ってくださったんだと思うんですけど、自分でもこういう曲をずっとつくってみたいと思っていたので、今回の『SUPERMARKET』のタイミングで、mabanuaさんに提案しました」
――『Ami』(M-2)はどういった背景から生まれた曲なのですか?
「この曲は2019年にライブハウスツアーというのを初めてして、そのツアーでリリース前からずっと演奏してました。このツアーでは本当にに自分がバンドを作ったような感じで、バンドメンバーたちと一緒に、下北沢のスタジオに毎週集まって一曲一曲を詰めていく、今までにないぐらいかなり長いリハーサルを経験しました。そこで、この『Ami』をどういう音像でやっていこうかという話をしながら一緒にアレンジをしていったんです」
――ちなみに、アルバムタイトルの『SUPERMARKET』の由来は?
「ずっと“MARKET”という文字が可愛いなって思っていたんですけど、ある時、“SUPERMARKET”って頭に浮かんで、すごいおしゃれかもって(笑)。いろんな商品が並ぶスーパーマーケットみたいに、アルバムの中にもいろんなテイストの曲が入っているのでぴったりじゃないかと思ってこのタイトルにしました」
今一番伝えたいメッセージが詰まった
新曲『Kirakira』
――そんなアルバムを経て、今年は4月9日にデジタルシングル『Kirakira』がリリースされました。思わず体が動き出すリズミカルで軽快な曲調ですよね。歌詞も含めて、解放感があって心が解きほぐされるようなナンバーです。
「嬉しいです!そうなればいいなと思って書いた曲なので」
――特に心に残ったのが、“一番大事にされたいわ 誰でもなく自分に”というフレーズです。
「昨年、『SUPERMARKET』の曲を書いていた時期は、コロナ禍ということもあり自然と自分の内側と向き合うような歌詞が多くなりました。今までは仕事柄、沢山の人と接する機会があったけど、1人の時間が多くなった時に、他人にばかり期待するような生き方って健康的ではないなと思ったんです。皆が自分の思うままに動くわけはないし、他者を軸にした生き方だとブレて身がもたないと思うんですよね…。自分が自分のことを一番大事にしてあげることで、心の余裕を持てるし、どんな相手にも広い心で接することができるのではと思いました。」
――最初にそういう楽曲のテーマを考えて作って行ったのですか?
「1年4ヶ月振りのライブ(※4月9日に開催された東京・中野サンプラザホール公演)が決まっていたので、ライブで新しい曲ができたらいいなというところから制作しました。それで、ライブでやるなら、今一番伝えたいことがいいなと思って。生きていく中で大変なことや悲しいことがあるけど、それで終わりじゃなくて、心の持ち方ひとつで変わると思うんです。例え、嫌なことがあったとしても、それで最悪って思うんじゃなくて、ちょっと休めっていうことだったのかなとか。そうやって発想の転換をすれば、見え方が変わるっていうことが、自分の中で伝えたいメッセージとしてありました。こういう時期に少しでも明るい気持ちになってもらえるような、明日頑張ろう!って思ってもらえるような曲になったらいいなぁと思って歌詞を書いていきました」
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アルバム『SUPERMARKET』の伴うツアー開催
豪華にホーンを含む7人編成のバンドで登場!
――そんな『Kirakira』のリリースタイミングで開催された東京・中野サンプラザホールでのライブ(Sakura Fujiwara Live 2021 “SUPERMARKET”)はいかがでしたか?
「久しぶりのライブだったので、ものすごく楽しかったです。有観客でのライブの機会がものすごく減ったし、目の前にお客さんが居るのが当たり前じゃなくなっていたので、ステージに立つまで本当にお客さんが居るのかなって思っていました。実際の観客席を見てすごく感動しました」
――確かに、コロナ禍では会場の空気感も今までとは違いますよね。
「はい。私も緊張してたんですけど、少しずつ歌を歌っていくごとに(お客さんと)近くなっていくような感じがあって、やっぱりみんなライブを求めてたんだなって。お互いそうだったんだなって思いました」
――やっぱり聴いてくれる相手がいるからこそのライブですもんね。
「そうなんですよね。配信ライブもやったんですけど、お客さんがいなかったので、歓声ももちろんないですし…。(有観客ライブでは)拍手がすごく心地よかったです。みなさんすごく暖かくて、マスクをしていても微笑んでくれてるのはわかりました。1月から延期になって、やっと今回できて本当によかったなって思いましたし、やっぱりライブが大好きだと思いましたし、やっていきたい。ライブをやることでいろんな経済効果も生まれるし、いろんな情熱とか、喜びがあって、明日への活力になるものだと思うので。」
――そこに携わっている関係者の方もたくさんいらっしゃいますしね。
「本当にそう思います。いろんな方が今回のライブにも関わってくれているので、一人でステージに立ってるわけではないと実感しました」
――ちなみに、このライブはどんなバンド編成ですか?
「今回はすごく豪華編成です!ホーンがふたり入って7人編成のバンドなので、すごく音が厚くて楽しいライブになっています。」
――『Kirakira』にもホーンが入ってますもんね。
「はい。フリューゲルホルンが入っています。今回のツアーにも参加している佐瀬悠輔さんが吹いてくれているので、このライブでは佐瀬さんの音が生で聴けます。『SUPERMARKET』のライブなのでアルバムの全曲をやるんですけど、ホーンがもともと入ってない曲もライブ用にホーンのアレンジをしたりしてるし、新しい音が入ってかなり楽しめるんじゃないかと思います! 私も、いつもはギターを弾いて歌うことがほとんどなんですけど、ギターを置いて、ハンドマイクで歌う曲もかなりあったりして、新しい挑戦的なライブになりました!」
――大阪では4月19日(月)になんばHatchで開催されます。
「大阪では1年半振りのワンマンライブなので、また成長した藤原さくらを観てもらえると嬉しいですね!」
新感覚配信企画『深夜文学』第三弾
『不思議の国のアリス』の朗読に初挑戦!
――次に、新感覚配信企画『深夜文学』についてお聞きします。これは音楽とはまた異なるジャンルですが、名作『不思議の国のアリス』を朗読されるというとで興味津々です!
「これはすごく良い企画ですね! 眠る前の大人向けの朗読配信です。ナレーションをしたことはあったんですけど、こういう文学作品の朗読は初めてなんですよ」
――藤原さんの声質も少し低めで落ち着いたトーンなので、寝る前に聴くととても心地良いと思います。
「ありがとうございます。『不思議の国のアリス』は絵本で読んだことがあってなんとなく内容は知っていたはずなんですけど、改めてこんなお話だったんだ…と新たな発見が沢山ありました。確かにちょっと大人向けです。子供の頃は絵本を読み聞かせしてもらって眠ることがあると思うんですけど、大人になるとなかなかそういうことがないじゃないですか。最近、自分も朗読アプリを聞きながら寝たりしてたんですけど、それが最高に心地良かったので。これを聴いてくれた人にもそうやって眠りについてもらおうという気持ちで朗読しました」」
――もう収録されているんですね?
「はい、録りました。朝から録り出して、夜遅くまでかかりました。こんなに喋ったことはないっていうぐらい喋りました(笑)。たくさんの登場人物が出てきて、とても面白いお話なので、楽しみながら聴いてもらえるんじゃないかな」
――さらにライブの方では、5月15日(土)、16日(日)に開催される『OSAKA METROCK2021』にも出演されます。
「『METROCK』には初めて出演させていただきます。自分としてはフェスに出れるのがすごく嬉しいですね。開放的なライブができそうで楽しみです。お天気なるといいですね。私、晴れ女なんです!」
――それならきっと晴れそうです! この春からまたいろんな動きがありますね。
「そうですね。今年もいろいろな挑戦をしつつ、楽しみます!新しい楽器にももっと触りたいなと。ピッコロベースを弾きたくて。普通のベースに細い弦を張ることで、1オクターブ上のちょっと可愛い音が出るんですよ。それとドラムもやりたいですね。ドラムのことがよくわかるようになれば、もっと音楽の幅が広がる気がして。2021年は、いろんな意味で成長したいですね。2020年とはぜんぜん違うことができるようになったなって、そう思える1年にしたいと思っています」
Text by エイミー野中
(2021年4月19日更新)
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