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2020年の終わりに大きな一歩を踏み出した
関西発の3ピースバンド・bud&harbor
結成から今までを振り返る、フルメンバーインタビュー

下田仁(Gt&Vo)、鈴木悠平(Ba)、金崎由名来(Dr)による3ピースバンド・bud&harbor(バド&ハーバー)。2018年に結成され、京都・大阪を中心に活動を続けてきた彼ら。ソウルや、ファンク、R&Bなど、ずっと好きで聴き込んで来た音楽の要素を体内にたっぷりと取り込み、3人ならではの洗練されたアンサンブルで奏でるスタイリッシュでノスタルジックなサウンドが魅力だ。昨年バンド結成後初となる音源『SIRANUI EP』をリリースし、さぁ活動を加速させようという矢先に始まってしまったコロナウイルスの流行…。そんな時期を経てこの冬、配信限定シングル「local」のリリースへとたどり着いた。ぴあ関西版WEB初登場となる彼ら3人に、バンド結成話から2021年に控えているツーマンライブの話まで、今のbud&harborについて語ってもらった。

一番ストレートに言うと、「レッチリ好きが集まった」バンド

 
――冬が来て、また世の中が不安定な状況になりましたが、最近はみなさんどのように過ごされていたんですか?
 
鈴木:僕はもともとアウトドアが好きだったんですけど、メンバーを巻き込んで行こうかなということで、ドラムの(金崎)由名来とキャンプをしてますね。家でキャンプ動画を流していたら、二日酔いの由名来が突然「ええなぁ」って言ったんです。あ、今なら巻き込めるかもと。誘って見たら僕よりハマって、キャンプ始めてからは性格まで丸くなったみたいな顔になり始めましたよね。
 
――見た目にわかるってよっぽどですよ!
 
鈴木:僕は18歳ぐらいから彼を見てるんで、「お、顔変わった!」っていうことにも気づきます。
 
金崎:自然に触れると、なんか変わりますよね。
 
――今まではアウトドアには興味なかった?
 
金崎:幼少期は憧れがあって、両親にハンモックを買ってもらったけど使わずでした。昔を思い出してあるべき姿になろうとしています。
 
鈴木:スピリチュアルやなぁ。
 
――ここにきてアウトドアにハマった要因っていうのは…。
 
金崎:火ですね。火を見て、喋る。喋る内容は居酒屋と変わらないんですけど、ただ場所が外になっただけって感じですね。
 
鈴木:「何もしないことをしに行っている」という。
 
――アウトドアに関しては下田さんは興味外ですか?
 
下田:興味ないこともないけど、たまに連れていってもらうぐらいですね。行ったら行ったで楽しいんですけど、なんせ行くまでが腰重いタイプですねぇ。
 
――アウトドアに興じたり、ライブも注意をしながら再開したりされていると思いますが、今日はぴあ関西版WEBに初登場ということで、バンド結成の経緯からお話いただこうかと思うんですけど…。資料読んだり調べたりしても、みなさんの詳細なプロフィールがなくてですね。
 
全員:確かに! 
 
――どこの資料を読んでもちょっとふわふわしてる感じなんですよ。
 
下田:や、実は話をしてもふわふわっとなるというか…。
 
鈴木:だいぶ飲んだ夜中2時ぐらいの時に喋る内容なんですよ。酔ってる奴が「へ〜」って言うぐらいの。
 
――自分たち的には「そんなに広がらん話やぞ」っていう認識なんですか?
 
鈴木:んー、「レッチリ好きな友達が集まった」っていうのが一番簡単な説明なんです。
 
全員:そうそうそうそう!
 
鈴木:本当に一番簡単に言うと、ですけどね。
 
――でも誰かが一番最初に「バンドやろうぜ」って言わないとバンドって始まらないじゃないですか。男女は「お付き合いしてください」っていう言葉がなくてもお付き合い始まったりしますけど、バンドはねぇ?
 
全員:わはははは!
 
金崎:なし崩し的な展開ね!
 
鈴木:僕らそんな感じだったかもね。このバンドをなし崩し的に始めた本人はドラムの由名来なんですけど。
 
金崎:そうですね。バンドを新しくやりたいなあって思って、まずもともと友達だったベースのおっさん(鈴木)を誘って。ギターどうする? ってなった時に、とりあえずレッチリのジョン・フルシアンテみたいな奴がいいよなあって話をしてたんですよ。あれ? そう言えば身近にジョン・フルシアンテめっちゃ好きな奴おったなっていうことを思い出したんです。でもそいつの連絡先を知らなくて。探してみたら自分のTwitterのフォロワーにいたんですよ。それがジョン(下田)です。
 
鈴木:由名来とは高校時代から友達で。僕の友達に「地元にバンドやってるやついるで」って大まかな情報を言われて、そいつらがレッチリのコピーをするライブが京都であるって聞いて観に行ったら、ドラム叩いてたのが由名来ですね。
 
――初めましては高校生でレッチリつながりってなんかエモいなぁ。
 
鈴木:そうですね。で、ジョンは僕の幼稚園の時からの友達と大学が一緒だったんです。僕Twitterとかでもレッチリのことをつぶやいてたら、その幼稚園の時からの友達が「俺の友達でめっちゃレッチリ好きな奴おるで」って教えてくれてTwitterでつながったんです。その後大学に遊びに行ったら、ジョンが現れて「あ、Twitterの?」ってなったんですよ。
 
――出会いがイマドキですよね。
 
鈴木:そうですね。その時2回ぐらいしか会っていなくて、そこからさっきの由名来の話につながるんですけど、レッチリ好きなギター弾けるやつおったな!って。ダメ元でジョンに連絡を取ってみたら、大阪にいることがわかって、じゃあ一回スタジオ入ってみようかと。そこで初めてギターの音を聴いてっていう感じでしたね。
 
――ギターの音を聴かずにいきなりスタジオ入るって、よくある話ですか?
 
全員:ないと思います!
 
金崎:っていうかジョン・フルシアンテ好きだったら大丈夫でしょうみたいな。
 
鈴木:そこの信頼度はある。
 
――初スタジオでジョン・フルシアンテは感じました?
 
金崎:(笑)。でもひとりで曲作ってためてるってジョンが言ったんですよ。それ歌とかどうしてんの? って聞いたら、自分で歌入れてデモ音源作ったりしてると。それ、めっちゃ話早いやんって思って。
 
――“とりあえずバンドをやるためのカード”揃いましたね。
 
金崎:そうそう。歌も歌えるんならバンドになるぞと。オリジナル曲も聴かせてもらって、その場で聴きながらセッションしてみたりして。1時間ぐらいで切り上げて飲みに行こ!って飲みに行って、そのまま…。
 
――「バンドやろう」と。
 
金崎:それは一言も言わずに、「次いつスタジオ入る?」って。
 
――えー!それやっぱり「付き合おう」って言わない恋人関係と一緒ですよね。
 
鈴木:僕は由名来にバーでちょっと口説かれましたけどね。僕もその時ちょっと音楽やってない期間だったけど、やっぱり音楽やりたいなと思いながらスタジオに入って、そのままバーまで行ったんです。そしたら由名来が飲みながら小さい声で「どお? やる?」って。
 
――「付き合おう」って言葉はないけど、誘われてはいますねぇ。
 
鈴木:でしょ?
 
金崎:みんなの生活の負担にならないようにって、全然最初はスタジオも月1回2時間ぐらいでちょっと曲作ってみたりとか、それが数ヶ月ぐらい続いて。
 
――そこでバンドの方向性を探って作っていく作業というか。
 
金崎:そうですね。それでも「バンドやる?」とか明確な言葉はなくて。しばらくして「バンド名決める?」って言いました。先に同棲する家決めちゃおうみたいな。
 
鈴木:何も言わんと、急にお揃いのマグカップみたいな展開やな。
 
――下田さん的にそれはアリだった?
 
下田:そうですね。僕ずっと音楽活動をやっていなくて、ひたすら家で曲がたまっていくみたいな感じだったんですよ。僕もちょうど都合がよかった感じでした。
 
鈴木:軽いカップルやな(笑)。
 
――それぞれバンド結成する前の音楽経歴っていうのは?
 
金崎:僕は大阪や神戸でシンガーさんのサポートとか、あと一応インストバンドも正規メンバーで。シンガーさんのサポートでおっさんと一緒になることとかが結構ありました。
 
鈴木:そうですね。各々ベースとドラムで動いてました。
 
下田:僕は大学のサークルでレッチリのコピーバンドやってたぐらいです。
 
――正式な音楽活動は…
 
下田:今回が初めてです。
 
――意外ですね。さっきお話聞いていた「バンド名決めよう」からの展開っていうのは?
 
金崎:それも結構適当です。「&」とかどう?って。語感と字面で。あとは英語ちゃう?と。そういうので適当にbudとharborをはめてみて語呂がよかったから決定!って。テキトー!
 
――バンド名、レーベル名(bud music)と何か関係はあるんですか?
 
下田:それは本当にたまたまなんですよ!
 
鈴木:それこそ所属前に出た京都のイベントで「bud music」って見て、レーベル? 俺らと被ってる!って。
 
下田:逆に僕らが被ってたんですけど。
 
――まさかそのレーベルに所属することになるとは!
 
鈴木:実はそんなん言うてたイベントの日に声かけてもらったんですよ。そこからちょっとの間気にしてましたもん。僕らやましい関係とかじゃないんで!って。
 
――バンド作って、バンド名とか方向性とか曲作りしてとフワーッと始まっていった。
 
金崎:そうですね。あと最初はやるならAOR的なことを3ピースでやりたいっていうのを言ってました。
 
下田:あ、言ってたかも。
 
金崎:それは結構今も軸としてはあります。プランを決めて動き始めたわけではなくて、曲が4曲できたし、もうちょっと練習する? ライブする?みたいな。行き当たりばったりというか。で、ライブしよう! ってライブハウスを探したらトントン拍子で決まって。
 
――それはいつぐらいのことですか?
 
金崎:2018年の7月です。結成して割とすぐですね。自分たち的にはジョンが書いてくれる曲はめっちゃいいと思ってるけど、それをいきなりお金かけてレコーディングするのはリスクがあったんで、1回ライブをしていろんな人の反応を見たいっていうのもあったんです。それで出させてもらったのが、大阪のSocore Factoryでした。
 
――どうでした?その日の反応は。
 
金崎:スタッフさんにも対バンの人たちにも「めっちゃいいやん」って言ってもらったんです。でも、ライブハウスの人が言うことってほんまなんかな…っていうのがちょっとあっったんですよ。
 
下田:あぁ、あったな。
 
金崎:始めてのライブだし、ちょっと優しく「またおいでよ」って言ってくれてんのかなって。でもその後もコンスタントにライブに誘ってもらって初ライブから2カ月で3本のライブをしたりしてたんです。呼ばれることで、本当に良かったって思ってもらえてるんやっていう実感が湧くようになりました。
 
鈴木:話だけ聞くとだいぶ上々なバンドですよね(笑)。
 
金崎:武道館目指すとかメジャーデビューを目指すとかそういう目標もあえて作らずにというか、もうちょっとご飯食べる、寝る、みたいなそういう生活の一部みたいな音楽が、一番全員の負担にならないというか楽しくできるっていうのが一番最初にあったんで、やりたいことをやりたいペースでっていう感じで動いてたんかな?
 
――誰かのペースではなく、自分たちがちょうどいいペースで。
 
金崎:そういうゆるく長くやりたいねって感じで。いろんなアーティストに長く続けて欲しいっていうのがbud musicの方針でもあって、「なんかわかります!」っていう話にもなりましたしね。
 

 
コロナ期間を経て、自分たちにはセッションの方が向いているとわかった

 
――結成1年半で音源が1枚っていうのは、ペースの早い遅いは測りにくいかなとも思うんですが、何か狙いはあるんですか?
 
金崎:もともと自主でやっていた時は、誰かに言われるまで音源は作らんとこうっていう感じだったんです。周りに「名刺がわりの音源作った方がいいぞ」って言われるまで、急いで作る必要もないかなと思っていて。
 
鈴木:ただ割と早かったです。夏ぐらいにバンドを始めて秋ぐらいには「そろそろ音源とかあったほうがいいよ」って言われていました。
 
金崎:じゃあ年明けぐらいにはって言って、2019年の2月に自分たちでレコーディングしました。そしたらその次の日のライブでbud musicの社長と出会って、「音源ないの?」って言われたんですよ。それがね〜あるんですわ〜って。そこからいろいろお話ししてレーベルに所属することにもなって、結局自主で録った音源は録り直しをしようってことになりました。
 
下田:自主の音源は幻になっちゃいました。
 
金崎:その自主で作ったものの中から2曲、+新しく2曲を作って『SIRANUI  EP』を出させてもらったっていう感じですね。
 
――「名刺がわりの1枚」ってよく言いますが、アーティストによってはアルバム3枚目でようやくその1枚が出来上がったり、10枚目に到達するまで出来上がらなかったりすると思うんです。でも正直一番インパクトがある名刺はやっぱり1枚目だよなと個人的に思っているんですが、1枚目の『SHIRANUI EP』が出た時の周りの反応とか、リスナーの反応って覚えていますか?
 
鈴木:この曲を聴いたらいいホルモンが出るような気がするっていうのはちょいちょい言われますね。
 
――へー! 脳内ホルモン的な?
 
鈴木:聴いている間、気持ちいいホルモンが出てるみたいなつぶやきを何件か見ました。
 
――それは狙い通り?
 
鈴木:いやいやいやいや! それができるならそういう仕事してますよ!
 
金崎:どういう仕事や!
 
――手応えとしてはどうでした? 渇望されていた1枚目なわけで。
 
金崎:ライブハウス関係者とか、今まで観に来てくれていたお客さんに喜んでもらえたのはもちろん嬉しかったんですけど、bud musicから出させてもらって、ラジオで流していただいたりライブに出演させていただいたりした結果、意外と僕らと同世代というよりかは30代より上の世代の方に好んで聞いてもらっているような手応えはありました。
 
――それってバンドを始めた時のAORっていうキーワードが効いているのでは?
 
下田:うん、効いてる気がしますね。
 
鈴木:そうですね。AORとかブラックミュージックとか。あと懐かしいって言われますね。
 
下田:「懐かしい」っていう言葉はよく聞くな。
 
――その懐かしい感っていうのはバンドとしてと狙っているところではありますか?
 
下田:狙ってる感覚はないですね。ずっと聴いて来ている音楽、今も聴いている音楽にインスパイアされて作っているので、僕には懐かしいっていう感覚はないんです。
 
――出したEPの評判も上々で、手応えを感じている間にコロナを含む新しい世界が来てしまったと思うんです。コロナ流行による自粛やセッションできないとかいろいろあったと思うんですが、制作方法や気持ちに変化って起こりましたか。
 
金崎:ひとつ変化としてあったのは、リモートで曲作ろうよっていうので1曲作ったんですね。普段は僕らジョンの弾き語りとかのデモを一度聴いて、スタジオに入ってセッションしながら作り上げるっていうのが基本的な作り方なんです。こんな状況になったのでリモートで曲作りをしてみましたけど、やっぱりセッションの方が楽だなって気づきはありました。
 
――それは手間という意味で?
 
金崎:そうですね。僕らにとっては。
 
鈴木:まぁ、いつもの作り方とは完全に別もんでした。ドラムは打ち込みながらやってもらわないとダメなんで、ドラマーに委ねるしかないみたいな部分は大きかったですね。
 
下田:当然ラグもありますしね。いつもは新曲ができると、先に曲を送っておいてあとは各々考えてスタジオで合わせましょっていうやり方なんです。せーので合わせた時の驚き…そんなベース弾いてくれるんやとかそんなドラムなんや! っていう、ある種の大喜利的な感じって言うんですかね?
 
鈴木:そうそう。
 
下田:瞬間的な喜びや驚きがなかったんで寂しいなとは思ったんですけど、でも逆に音源として完成したものを聴くと、それはそれでじっくり聴けて、こんなことしてるんやとか「このフレーズおっさんぽいな」とかそういう楽しみ方はできました。
 
――リモート制作としての発見もあったけど、「自分たちにはセッションの方が向いているぞ」という発見もあったと。
 
金崎:はい。僕もどちらかというとざっくりイメージだけをしてスタジオに行って、実際に叩いてみてそこを使うか使わないか考えたり、肉付けしてみたり逆に削いでいったりとかするので、あまりじっくりと考えてやるのが慣れていなくて。
 
下田:そういう発見をしつつ、自粛期間が明け始めてやっとスタジオに入れるぐらいになったので、バンドで合わせてみたいな感じじゃなかった?
 
鈴木:そうやな。
 
下田:セッションで曲を作り上げる出発点に到達する時間が今までより長かったですね。僕がデモ音源を送ってから、バンドで音合わせるまで何往復もやりとりしました。
 
――今回配信限定リリースした「local」は曲の方向性や歌詞の世界など、こういう感じで行こうみたいなイメージはあったんですか?
 
下田:この曲を作ったのが、おっさんがすごくお世話になってるカフェの新店舗オープン用にテーマソングとして作って欲しいっていう依頼があったのが始まりだったんです。
 
鈴木:オーナーが「こんなつながりもなんかの縁やから、これを機に曲を作ってくれへんかなぁ」って。
 
――何ていうカフェですか?
 
鈴木:京都の立命館大学の近くにできたBRASSっていうカフェです。もともと北野白梅町下がったところにあるpiuっていうカフェがあるんですけど、そこのオーナーが新店を出すからテーマソングをっていう依頼で。でも僕、正直曲を作る能力がないので、その場でジョンに電話して、オーナーがこう言ってんねんけどどお?って言ったら「やりたいやりたい!」って。
 
下田:即答でやりたいって言いました(笑)。
 
鈴木:じゃあぜひってことで、カフェに合うような、ちょっとその場所に居たくなる感じでジョンが書き下ろしてくれました。
 
――そういう曲だったんですね! そこまでの流れを聞くと、歌詞のひとつひとつから見えてくるものがりますね。
 
下田:ふふふ。そうですよね。歌詞にたくさん込めてます。
 
金崎:実際BRASSのグランドオープン前にお店を見学させてもらってから本格的に曲を作り出しましたね。
 
――最近テレビや新聞、雑誌などでも「ローカル」っていう言葉は多用されていて、それぞれの使われ方によっても捉えかたがたくさんある気がしているんです。bud&harbor的な「local」っていうのは…?
 
下田:そもそも僕が歌詞を書くんですけど、実は僕タイトルを決められなくて。
 
――それはなぜ?
 
下田:タイトルをつけることでダサくなる気がするというか…。あと名前が上手に決められないっていうそれだけなんですけど、バンド結成当初から由名来とおっさんにLINEで歌詞を送って、タイトル決めてくださいっていう感じで決めてもらうのが定番になっています。
 
――今回の曲に関してはどなたが?
 
鈴木:今回は僕です。結構悩んだんですけど、タイトルってあとから決めたら、この歌詞に物語ができてしまうんですよ。タイトルをつけることで物語が成立する。例えば歌詞にふたりっていう単語が出てきているとして、僕がタイトルをつけることによって「このふたりってどういう関係性なんだろう?」っていうのもできてしまうわけですよ。
 
下田:なるほどね。
 
鈴木:ずっと悩んでいました。そんな時にきっかけがあったんです。僕が高校の時スケボーをしてたんですけど、スケボーをしていたら仲間がどんどんできていくんですけど、それこそローカルスケーターっていって、地元のスケーターでいっぱい友達ができていくんです。タイトルで悩んでいた頃、夜中にコンビニに行った時に、昔一緒に滑ってた子に偶然会って。そいつと夜中に4時間ぐらい喋っとったんですよ。帰ってからもなんかめっちゃ居心地よかったなあって思って思いが消えなくて、ローカルスケーター。ローカル、ローカル。あ、「local」ってええなって。
 
――あぁ、居心地の良さという意味で、カフェに通じるものもありますよね。そのタイトルを提示されて、おふたりは納得って感じでしたか?
 
下田:超納得でしたね。
 
金崎:うん、いいんじゃない? って。
 
――あ、もしかしてこのジャケット写真はそのカフェなんですか?
 
鈴木:そうですそうです!
 
――バンド名とレーベル名がつながってるから、このジャケット写真はここ(bud musicの事務所)かと思ってたけど、今日来た時にあれ? 違うなとは思ってました。
 
下田:あははは!そうですよね。
 
鈴木:違うっすねー。BRASSでございます。ぜひ行ってみてください。
 
――ちなみに今回配信シングルっていう形をとった意図とかありますか? そろそろアルバムへのステップっていうこともあり得ると思うんですけど…。
 
下田:コロナ期間で活動がほぼストップするわけじゃないですか。何か動いているところがないと、このバンドが活動しているのかどうかもわからないしってことで、曲はあるし1曲リリースしようと。
 
金崎:っていうのもありつつ、11月末にlivehouse nanoでやったライブが今年の3月に開催するはずだった『SIRANUI EP』のリリースパーティーの振り替えだったんです。EPのリリースが2019年の9月だったので1年以上経ってるし、そのライブ前のタイミングで新しいのを1曲出すことに意味があるかなって。
 
――その「local」のリリースを経て2021年の1月には梅田Shangri-Laで、んoonとのツーマンライブも発表になっています。
 
下田:自分たちの企画でゲストとしてバンドに来てもらうのは初めてですね。呼ばれてとかコロナの影響で図らずもツーマンライブとかはやってきましたけど、自分たち企画のツーマンは初めてです。
 
――この自粛期間、いろんなミュージシャンのいろんな形でのライブを見られたと思うんですけど、何か活かせそうなことはありますか?
 
金崎:Shangri-Laでやっていた韻シストBANDとNABOWAのライブは観ましたね。配信もしてましたけど、僕らの時もあのカメラの台数きてくれるんですかね?
 
スタッフ:あそこまでは…(笑)。
 
下田:ふたりは現場で観てたんですけど、僕は行けなくてチケット買って配信で観ましたね。画質むちゃキレイでした。当日肌はキレイにしていかないといけないなあと(笑)。
 
――肌もそうですけど、配信だとミュージシャンの手元がしっかり見えたりするのは、普段見られないので楽しみではありますけどね。
 
下田:そうですよね。でも画質キレイだと、でっかいテレビとかで観られたら結構恥ずかしいよね。
 
鈴木:恥かしいねえ。
 
下田:やっぱり身だしなみは気をつけないとと思ってます(笑)!

Text by 桃井麻依子



(2020年12月24日更新)


Check

Release

配信限定シングル「local」
発売中
https://linkco.re/z2QqUtFh
bud music, inc.

Profile

2018年に結成された、下田 仁(Gt&Vo)、鈴木悠平(Ba)、金崎由名来(Dr)による3ピースバンド。AORをテーマに、ソウルやファンクをオルタナティブロックの感覚で放出したようなシンプルかつクールなサウンドが話題を呼んでいる。2019年9月、結成1年半を経てレコーディング・マスタリングエンジニアにトクマルシューゴやLOSTAGEなどの仕事でも知られる岩谷啓士郎を迎えて初音源となる『SIRANUI EP』を制作。表題曲の「SIRANUI」や、「トーン」をはじめとしたライブ定番曲等4曲を収録。コロナ禍の中でも「いつまでも世界は..」、「YATSUSUGI MUSIC VILLAGE」、「CRAFTROCK ONLINE CIRCUIT OSAKA」などの大型イベントに出演。感染拡大で延期となっていた「SIRANUI EP」リリースパティーの京都公演を即完させた。
2020年11月にはデジタルシングル「local」をリリース。

https://www.instagram.com/budandharbor/

https://twitter.com/budandharbor


Live

bud&harbor new year one man live 2021【有観客+生配信】
▼2021年1月23日(土) 18:00
Shangri-La
自由-2800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※サブスクLIVEでの生配信もあり
https://www.subsclive.jp/
[問]Shangri-La■06-6343-8601

チケット情報はこちら

お知らせ

1月23日(土)に開催を予定しておりました、bud&harbor new year live 2021「bud&harbor x んoon」に関しまして新型コロナウイルス感染拡大による社会状況を鑑みまして、んoonの出演をキャンセルとさせていただくことになりました。楽しみにしてくださった皆様におかれましてはご迷惑をお掛けしてしまい、心からお詫び申し上げます。

本公演はbud&harborのワンマンライブに内容を変更して開催致します。公演の詳細は上記をご確認ください。現在お持ちのチケットは、本ワンマン公演でそのままご使用いただけますので、引き続き来場をご希望の方は大切に保管いただきますようお願いいたします。

すでにチケットをご購入いただいたお客様で払い戻しをご希望の方は、下記【チケット払い戻しのご案内】をご確認いただき、払い戻し期間内にお手続きをお願いいたします。

【チケット払い戻しのご案内】
《払い戻し期間》
1月21日(木)10:00〜2月4日(木)23:59
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ぴあ:http://t.pia.jp/guide/refund.jsp
ローソン:https://l-tike.com/oc/lt/haraimodoshi/
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