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踊れる、叫べる、歌えるジャズがさらに進化
メジャー3作目にしてTRI4THの名刺的1枚が完成

“踊れるジャズ”をコンセプトに、並外れた演奏力とパワフルなパフォーマンスで日本各地を熱狂させてきたバンド・TRI4TH。2018年に発表したメジャー1stアルバム『ANTHOLOGY』では“踊れるジャズ”に叫べるという要素をプラスし、そして翌年の2ndアルバム『jack-in-the-box』では“踊れる、叫べるジャズ”にさらに歌えるという要素を加えて、着実に一歩ずつ自分たちの表現の幅を広げてきた。“踊れて、叫べて、歌えるジャズ”というトリプルカードを手に入れたことで、ジャズフェスのみならずロックフェスのステージにも立つようになり、新しいリスナーにも自分たちの音楽を広げてきた彼らが約1年3カ月ぶりとなるニューアルバム『Turn On The Light』を発表した。メジャー3枚目のアルバムにして、「TRI4THの名刺と言える作品になった」と胸を張る、バンドのリーダーでありドラムの伊藤隆郎に、前作『jack-in-the-box』を発表してからこれまでについてじっくりと話を聞いた。


この状況下だからこその気づきが、新しい視点につながった
 
 
——最新アルバムの『Turn On The Light』を10月に発表した前後あたりから、どういう日々を過ごされていますか?
 
今は前よりスタジオに集まってリハーサルができるようになりましたし、ライブ活動も少しずつ再開はしています。ですが、こういう状況下なので客席数を半分にしたりなど制限がありつつ、ライブ自体も配信とのハイブリッド形というのがスタンダードになっているという感じですね。
 
——ライブを有観客と配信の両輪でというのはメンバーで模索していった形なんですか?
 
そうですね。最初は状況の全貌が見えない感じだったので、まずは7月に無観客配信ライブをやらせてもらったんです。そこからまだ状況は改善しているとは言えませんが、お客さんを徐々に入れつつ来られない方にも配信で届けるようと。それは僕らだけでアイデアを生み出したというよりは、いろんなライブバンドが知恵を出して模索しているのを参考にしながら、いい部分を自分たちも反映させていった結果かなと思いますね。
 
——そういう風に、2020年は誰しもが変化することをある意味強要される年になったと個人的に思っているんですが、バンドとして、また個人として新しい発見につながったことはありましたか。
 
ライブに関してだと、目の前にお客さんがいて聞いてもらうことがただただ当たり前でした。それが無観客配信ライブを一度やって、その後9月にブルーノート東京にお客さんに入ってもらってライブをした時に、目の前にお客さんがいるっていうことがどれだけありがたいことなのかを再確認しました。
 
——同じ言葉を、たくさんのミュージシャンからも聞きます。
 
はい。でもライブにはさらなるハードルがあって、会場にお客さんを入れることができたとしても歓声をあげることができないですよね。見ていただけるだけで十分だと思う反面、TRI4THのライブで行ってきたコール&レスポンスも、当たり前のものではないんだなと思い知らされました。正直、まだ通常通りのライブをやることは叶っていないですし、今までそれをやってライブが成り立ってきたというのは当たり前のことじゃなかったんだなっていうことをすごく痛感していますね。だからこそライブは自分たちだけで作っていたのではなくて、お客さんが目の前で聞いてくれてレスポンスがあって、それに僕らも感情が揺さぶられてライブがより良くなるというのが大事なことなんだなってすごく再確認しています。
 
——そもそも、 “踊れる、叫べる、歌えるジャズ”っていうTRI4THがバンドとして大切にしてきたことは、コロナの流行によって堂々と掲げにくい形になってしまったような気がするんです…。
 
やっぱりライブをやっていく中で、自分たちの持ち味としてきたものやコンセプトが全てダメですとなって、このままではちょっと難しいよねって思いながらもライブをやりたいという気持ちは前より増して強くなっていきました。メンバーとはお客さんが楽しめないということをどうにか改善しなければということを話していて…。ライブ再開当時はこれがベストかどうかわからないですけども、お客さんが掛け声を発せられない分「ぶちかませ!」って言葉を印刷したクリアファイルを客席に置いておいて、叫ぶ代わりに掲げてもらうっていう試みを行いました。
 
——すごい!アイデアですね。そんな風にTRI4THが大事にしているライブのあり方が覆されたり試行錯誤をしたりが続く中で、アルバムの制作自体はいつ頃から始めていたんですか。
 
もともと昨年の『jack-in-the-box』のツアーの時から少しずつ曲作りは始めていて、ツアー最後の赤坂ブリッツでは今回のアルバムに収録してある曲を1曲「Bring it on」をすでに演奏したりしていました。そのあとレコーディングに入って、今年の夏フェスのシーズンに照準を合わせて6月か7月ぐらいにはリリースしようと思っていたんです。
 
——あぁ、夏フェス…。
 
レコーディングは2月ぐらいから始まっていたんですが、例にもれず中断することになりまして、それがどんどんズレて行く中、結果的に夏フェスもなくなりましたし、アルバムのリリースも10月までずれ込んで予定とは随分変わってしまいましたけど、なんとかリリースまでは辿りつけたかなと。
 
——前回のアルバムのインタビューの時にも前作のツアー中に次作の制作を始めたとおっしゃっていましたが、そのやり方がバンド的にはいいというのが確立されたっていうことですか?
 
メジャーに移籍して自分たちが今まで以上に感じるものや、もっと自分たちが成長しなくちゃいけないという責任感は強くなりました。ツアーやライブを行って行く中で僕らはアウトプットしているんですけど、お客さんのレスポンスから刺激を受けて、もっと盛り上がるために、普段もっと聞いてもらうためにどういうふうなものができるだろうと考えるようになったんですね。やっぱり自分たちが一番インスパイアされるのが、ライブをしている時だったりフェスの現場なので、そういう意味でみんなからアイデアが出るのはツアー中であることが多くなっている感じかなと思いますね。
 
——ちなみに『jack-in-the-box』のツアー時に次のアルバムに反映したいと思えるような気づきはありましたか。
 
ツアーもそうですが、『jack-in-the-box』のリリース後はこれまでで一番ロックフェスに出させてもらった年でした。その中で「踊れるジャズ」を掲げつつもジャズ以外のリスナーに聞いてもらうにはどうしたらいいかとか、よりみんなに踊ってもらうにはどうしたらいいだろうみたいなことを考えてきていたので、よりキャッチーに! みたいなところはどんどん強くなってきて、『Turn On The Light』に反映されたかなと思いますね。
 
——1作目2作目の時も同じように「とにかくたくさんの人に気軽にジャズを聞いて欲しい」とおっしゃっていたのがすごく印象的だったのですが、それを達成しているなと感じることはあります?
 
悩みながら1枚目、2枚目を作ってきところは正直あったんですけど、3枚目でジャズをバックボーンに持ちながらも、いわゆるポップス、ジャズ以外のリスナーの人にも楽しんでもらえる僕らの踊れるジャズを形作れたのかなとは思っています。……でも実際は2枚目で、僕はもっと届いて欲しい! みたいな気持ちがあったと言えばあったんです。
 
——もう少しイケるはず! みたいな感覚ですか。
 
2枚目を出した時点で、まだまだもっとやれることがあるんじゃないかなって思うこともあったというか…。ともすればジャズの難しいと思われるような部分を一旦封印して、よりキャッチーにキャッチーにとこだわって2枚目まではきましたけど、『Turn On The Light』では逆にそういったところで得た自分たちのポピュラリティみたいなものを残しつつ、やっぱりジャズバンドなんだよっていうところを絶妙なバランスでミックスさせて作品にできたのかなあっていうところはありますね。
 
——新しい作品に取り掛かるにあたってその絶妙なバランスを探ったり、見極めたりするのはすごくポイントになったのでは? 
 
1枚目2枚目はメンバー5人のみで演奏をやりきった作品なんですが、メジャーで3枚目となると、僕らのメジャー期としての完成形みたいなものをここで作らないといけないと思っていました。新しいTRI4THの名刺を作りたいなっていうのが、メンバー共通の認識としてあったというか。その中でまだトライしてなかったこととしては、フィーチャリングボーカルを迎えることで、実は結成からそろそろ15年っていう歴史の中でオリジナルの楽曲ではやったことがなかったんです。そんな僕らの歴史を代弁してもらうべく、SANABAGUN.の岩間(俊樹)くんに参加してもらったのは、大きなターニングポイントになったかなと思います。
 
——ゲストボーカルを迎えること自体は、意識してあえてやってこなかった感じですか。
 
僕らはあくまでジャズバンドであり、メジャーになってライブでは僕がアジテートしていく部分が強くなったりライブそのものをパッケージするイメージでアルバムを作ってきたとはいえ、インストゥルメンタルバンドだっていうのが主軸にはあったんです。そういう自分たちのインストゥルメンタルなジャズバンドとしてのアイデンティティをいかに確立するかということにこの十数年重きをおいてきたので、そうなるとボーカリストをというよりは、まずは自分たちの看板を作らなきゃという責任感が強かったのかな。
 
——つまり今回はメンバーの共通認識として、ボーカルを迎えてもいいかなというところまで来た、と。
 
そうですね。それはあると思います。
 
——そこでSANABAGUN.の岩間さん(03「The Light feat岩間俊樹/SANABAGUN.」)に白羽の矢が立った経緯というのは…。
 
チームとしても、メジャーの3枚目は大事な1枚にしたいし、迎えるのはどんな人がいいだろうと模索する中でSANABAGUN.はみんなの中でアイデアとして出て来ました。彼らはHIP HOPのチームとして活躍していますけど、ほかのアーティストとの決定的な違いであり彼らの持ち味はジャズをバックボーンにしていることだと思うんです。それがSANABAGUN.の面白さだし、刺激的な部分ですよね。ジャズに対する情熱や演奏に対するストイックさはとても尊敬できるところがあって、ジャズっていう共通言語で分かり合える気がしたので、そこが今回トライしたかった一番の理由でしたね。
 
——楽曲の完成までっていうのは…。
 
自分たちの演奏のノリの感じや雰囲気みたいなものを重視して2、3曲トラックを作ってみて、作っている最中に岩間くんやSANABAGUN.のメンバーともディスカッションするタイミングがあったのでそういったことを重ねながらトラックも形を変えていきました。それを岩間くんに聞いてもらいつつ、リリックの内容を一緒に詰めていきました。
 
——岩間さんとリリックを作るセッションの中で強烈だったことはありましたか?
 
僕らは来年結成15周年で、SANABAGUN.も結成して長いですし、僕らがジャズをいろんな人に聞いて欲しいと思うのと同じようにいかにHIP HOPを世の中に伝えるかみたいな戦い方も結構一緒なんので、お互いの共通している歴史みたいなものや、岩間くんから見たTRI4THってどんなものなのかみたいなところを詩に書いてもらったらうれしいですってクエストをしたんです。
 
——TRI4THを外から見るようで新鮮な気持ちになれそうですね。
 
そうですね。そういうところから核になるものを岩間くんが書いてくれたんですけど、面白かったのが岩間くんが僕らメンバー5人全員にあなたにとってTRI4THってなんですかとか、自分の最大の武器はなんですか?ということを聞いてくれて。その答えを彼がうまく取り入れて書いてくれたリリックのセクションもあるんです。例えば「静と動、刻み続ける日本刀」っていうのは僕が答えた言葉なんですけど、僕が思う僕のドラムスタイルってなんだ、っていうところで答えたものを岩間くんがフックアップしてくれたんですよね。そのセクションに関してはメンバーそれぞれの質問に対する答えが隠し味として入っています。
 
——2020年、最新のTRI4THを打ち出している歌詞になっていると。
 
はい。特に狙ってはいなかったんですが、「ライブが生きる場所だ」っていうリリックがサビにあるんです。それはコロナ渦に突入する前に書いてもらったんですが、こういうタイミングでこの詩が世の中に出ていくのは運命的なものがあるなっていう気がしますね。
 
——SANABAGAN.の岩間さんとのフィーチャリングも意外性としては十分でしたが、2曲目の「For The Loser」がKEMURI HORNSをフィーチャリングしていることにもすごく驚きました。
 
KEMURIのサポートで最近復帰された増井(朗人)さんとTHE MANでご一緒しつつ、KEMURIともライブをしたご縁があって、今回フィーチャリングさせていただくことになりました。曲としては僕がボーカルをとって完成した曲ではありますけど、より豪華にならないかなと考えていたんです。曲調としてもポジティブな感じなので、ホーンでさらに分厚く豪華になればさらに多くの人に伝わるよねっていうところと、意識はしてたわけではないんですが、メロディーそのものがKEMURI HORNSとやれたら面白いと直感で連想させる感じだったので、お声がけさせていただきました。
 
——フィーチャリングしてみて、KEMURI HORNSの凄さみたいなものは感じましたか?
 
TRI4THは基本的にトランペット、サックスが常にメロディーを吹いているみたいなところがあるんですけど、KEMURIの場合はあくまでもホーンセクションという形なんですよね。歌に対してホーンがどうやってそれを支えていくか、歌い方に対してのホーンの考え方みたいなものがいい意味ですごく差があったんだな、というのは気づいたかなと思います。
 
——ホーンのあり方がそもそも違う。
 
はい。「For The Loser」ではA・Bのサビを構築してしっかり歌うっていうトライは初めてさせてもらいましたけど、「ここは伊藤くんがこう歌ってるから、俺らはこうやって吹いた方がいいよね」っていうことを増井さんが提案してくださったり、セクションのフレーズの切り際、吹き方、みたいなもの…ひとつの歌と一緒にやれるホーンのサウンドをホーンセクション5人で作るっていう考え方はこれまでTRI4THにはなかったんじゃないかな。
 
——そういう新しい試みの切り札的な2曲に対して、これまで通りTRI4THの5人だけで奏でるオリジナル曲はどういう作り方を意識したんですか?
 
メジャーでの過去アルバム2枚は…実感として悩みながらやってきたなという感じなんですね。その中で気づけたのは、「口ずさめる、人に残るメロディ」っていうものを一番自分たちで大切にしなきゃいけないなっていうことだったんです。それをメンバー全員が念頭に置いて、3枚目を完成させるために60曲くらいは準備をしたんです。その中で生き残った楽曲は、曲調に幅はありますがメロディが残る、メロディがいいもを大事にしたなっていうのが共通の認識としてありますね。
 
——そういうキーワードは前作まではなかったことですか。
 
そうですね、どちらかというとロックフェスに対しての挑戦っていう方が意味合いとしては強かったので、ジャズバンドなんだけどロックフェスにおいて自分たちがステージに立った時に負けないパワフルさや勢い、熱量に重きを置いたトライだったと思います。今作は2ndと比べるとゆったりした楽曲だったり、HIP HOPを吸収したっていうのもあるので、楽曲のBPM自体が落ちついていたり、肩の力を抜いて聞いてもらえる感じになったとは思うんです。その中でも熱量をいかに残しつつ、俯瞰で見たときのキャッチーさみたいなものも自分らの中で見つけられたのかなという気はしています。
 
——アルバムの全体の流れとして、曲順にもこだわったと聞きました。
 
1曲目と最後曲を関連づけたいなというのは自分たちの中でのセオリーみたいな感じになりましたね。1曲目の「Move on」と最後の「EXIT」は兄弟みたいな関係性の曲になっているんです。どちから聞き始めてもグルグル回れるような感じのイメージにしたというのと、1枚を通して聞くと、1日の流れや1日の時間軸みたいなものを感じて欲しいなというのがあったりして。朝元気があって昼を経て徐々にスローな曲にしていったり、どんどんリラックスしていってもらって、夜になっていくみたいな感じを曲順からも感じてもらえればうれしいですね。
 

 
みんなの声を集めて、当日完成する「For The Looser」

 
——冒頭で、レコーディングが中断になったともお話しされていましたが、コロナでのレコーディング中断によってアルバムについて考え直したり、曲の方向性が変わったことはなかったですか?
 
自分たちでは中断せざるを得なかったこともポジティブに捉えて、アレンジを詰め切れていないなと思っていた曲も、一旦持ち帰って深く考えることができたということがあったので、逆にすごくよかったなと思っていまして…。10曲目の「Sailing day」は中断している間にどんどんリ・アレンジをしていったんです。
 
——じゃあ、マイナスばかりではなかったんですね。
 
そうですね。レコーディングが中断している期間にアイデアを出し合って、ブラッシュアップしていきました。あれはあれで大事な時間だったんじゃないかな。リモートで打ち合わせしたり、それぞれリモートセッションみたいな形でデータで楽曲のデモを送ってそれに音を乗せてプリプロを進めていくために、宅録の環境…僕は自宅に電子ドラムを導入したりして。ドラムはみんな打ち込みでやっていたんですけど、それを生で叩いて送り返すことはできるようになりました。
 
——図らずもこの期間に成長を促してくれる一面もあったなんて!
 
(笑)。必要最低限でしか外に出ないような生活になっていましたし、そうなるとリハーサルスタジオもやっていなかったし、家の中でなんとかできないかな…って床を防振対策にしたり電子ドラム導入したりっていうのは、この時期じゃないとやらなかったと思うので、プラスになりましたね。
 
——今後も活用していけそうな新しい展望が生まれたりは?
 
今まではスタジオに集まって”せーの”でいろんな曲をセッションしてやってきたのが僕らのルーティンでしたけど、逆に機械的に打ち込みで作ったものを送ってもらって電子ドラムで演奏して返すっていうのは新しいやり方ですよね。次の作品にも導入すれば新しいサウンドが見つかると思うので、それはトライしてみたいなと。
 
——それって海外のアーティストと楽曲を制作することが気軽になることも…。
 
もちろんあると思いますね。実際今年『東京ジャズフェスティバル』がオンラインで開催されて出演オファーをいただいたんですけど、海外のアーテイストとリモートセッションしましたし、これからもそういうチャンスがあるのかなと思うのでポジティブにトライしていきたいなと思います。
 
——さて、12月には『Turn On The Light』のツアーが控えていますが、今ライブでやろうと思っていることや考えていることはありますか?
 
こういう状況下で東京・名古屋・大阪で有観客ライブをさせていただくにあたって、TRI4THらしさを残した何かができないかなと考えたんです。今回アルバムを作った中の楽曲でもKEMURI HORNSとの「For The Looser」は夏フェスをはじめ、今年一番ライブで演奏する予定でした。フェスに向けて気合いを入れて作っていたのはもちろんですが、みんなで盛り上がろう、みんなの声を聞きたいなと思って作った曲というか。その曲はお客さんの声なくして完成はしないなと思っていまして。実は先日HPやtwitterで発表したところですが、事前にみんなの声を録音してもらってそれを集めて合唱にして、ライブ当日はみんなの声と一緒に演奏しようと思っているんです。
 
——すごい! それこそTRI4THのライブだからできることだし、めちゃくちゃ新しいですね!
 
当日会場に来て下さる方もまだ声は出せないですし、もしかしたら会場に来られない人もたくさんいるかもしれない。会場に来られなくてもその人の声と一緒に演奏して、当日の東名阪のライブで「For The Looser」をみんなと完成させたいなと思うし、照明や映像的での演出もうまく盛り込めないかなっていうのも考えたりしているので、これまで以上に視覚でも楽しんでもらえるライブを追求したいなと思っています。
 
——例えばこの期間中に見ていて影響されたライブはありましたか?
 
東京スカパラダイスオーケストラの配信ライブを見たんですが、観客が目の前にいなくてもみんなを楽しませてくれるアティテュードっていうものをすごく感じられたライブだったので、そこから僕らがあの感じをやるんだったらどうするだろうといい刺激になりました。パフォーマンス、構築の仕方、普段のライブで聞けないような曲をメドレーにして演奏したりするコーナーとかも僕としてはすごく興味深かったですし、エンターテインメントとしても音楽以外の部分でのパフォーマンスも含めて見どころ満載だなと勉強させてもらいました。
 
——大阪公演は12月11日(金)ですね。楽しみです。結構ライブで来阪されていると思いますが、大阪に来る楽しみといえばなんでしょうか。
 
たこ焼きのわなかに行くのは楽しみですね! サックスの藤田(淳之介)が粉モン大好きなんですよ。心斎橋で遅くまでライブやって飲みに行くのはタコタコキングなんですけどわなかはライブまでの時間で小腹が空いた人が買いに行く感じです(笑)。や、でも今回梅田クラブクアトロでのワンマンは初めてなのでそれも楽しみですね。単純に会場も大きいですし、大阪で自分たちがやってきたライブハウスのキャパとしても一番大きいんです。不安がないといえば嘘なんですが、貴重なライブを楽しんでやれたらなと思っています。

text by 桃井麻依子



(2020年11月26日更新)


Check

Release

Album『Turn On The Light』
発売中
SME records

【初回生産限定盤】(CD +DVD)
4000円(税込) デジパック仕様

【通常盤】(CD)
3100円(税込)

《収録曲》
01. Move on,
02. For The Loser feat.KEMURI HORNS
03. The Light feat.岩間 俊樹(SANABAGUN.)
04. Bring it on
05. Fiesta(カバー曲:The Pogues「Fiesta」)
06. Moanin‘(カバー曲:Art Blakey and the Jazz Messengers「Moanin’」)
07. Corridor in Blue
08. River Side
09. Fineday
10. Sailing day
11. EXIT

Profile

トライフォース…“踊れるジャズ”をコンセプトに掲げ、国内外を飛び回る日本を代表するライブジャズバンド。ジャズでありながら、ロックバンドに勝る激しいパフォーマンスでオーディエンスを魅了し続けている。パンクロック、スカを取り入れた音楽性が好評を博し、海外では、フランス“Jazz a Vienne”/デンマーク“Copenhagen Jazz Festival 2017”にも出演している。国内の代表的な音楽フェスティバルの一つ“SUMMER SONIC 2019”を含め全国20ヶ所を超えるフェスに出演を果たした。2020年5月23日に開催された、“TOKYO JAZZ +plus LIVE STREAM”では、フランスの女性シンガー'China Moses'との国境を越えたコラボレーションが実現し、10月7日リリースの3rd Full Album『Turn On the Light』では、SANABAGUN.から岩間俊樹氏、日本を代表するスカパンクバンドKEMURIからHORNSを招くなど、TRI4TH史上新たな試みにチャレンジしている。インストゥルメンタルの枠を超え飛躍を続けるTRI4THは、今シーン更に注目度を増しているバンドである。

TRI4TH オフィシャルサイト
https://tri4th.com/


Live

『Turn On The Light Tour』

【大阪公演】
▼12月11日(金) 19:30
梅田 CLUB QUATTRO 
5000円(税込・D別)
[問]GREENS■06-6882-1224

【愛知公演】
▼12月12日(土) 18:00
名古屋 CLUB UPSET
5000円(税込・D別)
[問]JAILHOUSE■052-936-6041/
https://www.jailhouse.jp/

【東京公演】
チケット発売中 Pコード:189-478
▼12月17日(木) 19:30
LIQUIDROOM
全自由-5000円(ドリンク代別途必要)
※チケットは、インターネットでのみ販売。店頭、電話での受付はなし。1人1枚まで。発券は12/10(木)10:00以降となります。
[問]クリエイティブマン プロダクション■03-3499-6669

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