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「世界を旅しながら音楽を作っていく」をコンセプトに
制作された6thアルバム『Touch The World』
さかいゆうインタビュー&動画コメント

昨年10月にデビュー10周年を迎えたシンガーソングライター、さかいゆう。22歳で単身LAに渡り、独学でピアノを習得し、ジャズやソウル、ロックといった洋楽からJ-POPまで幅広い音楽性を昇華したタイムレスな魅力溢れるポップスを生み出してきた。2018年から世界中で楽曲制作・レコーディングを行う旅がスタート。前作『Yu Are Something』で訪れたLA、NYからさらに拡大してロンドン、ブラジルにまで及んだワールドワイドなレコーディングの奇跡が詰まった6thアルバム『Touch The World』を今年3月4日にリリース。“コロナショック”からの不穏な空気を浄化する圧倒的な歌声と生命力ある音楽がポジティブな気持ちを取り戻させてくれる。このアルバムが完成するまでの経緯や制作姿勢から死生観まで、さかいゆうが飄々と語ってくれた。

自分がやりたいことを全部ぶちこむ!そういう音楽のほうが好きなんです

 
――前作『Yu Are Something』はNYとLAで、今作はさらにワールドワイドにロンドンやブラジルでもレコーディングが行われ、参加ミュージシャンにも世界的な名プレイヤーが名を連ねていますね。
 
「たまたまです(笑)。とはいえ、すごく貴重な体験ではありました。自分が聴いてきた音楽を作っていた人と一緒にレコーディングしたわけですから。自分の憧れのミュージシャンとステージに一緒に立ったり、音楽を一緒に作ったりすることがずっと僕の夢だったので」
 
――さかいさんは打ち込みより、生身のミュージシャンと一緒に演奏することを大切されているのですね。
 
「そのほうが好きなんです。ミュージシャンのプレイって一緒にリアルタイムで同じ絵を描いてるようなものだから。それは打ち込みじゃないスリリングさがあって。それも一個のライフワークというか、楽しみのひとつなので。僕はジャズやソウルやブルースが好きだけど、ポップスも好きだから、そこが混ざった時にすごくクリエイティブなものができるなと。だから、今回の『Touch The World』ができたんです。ブラジルのサンバとか、ニューヨークのジャズのフィーリングとか、ちょっとアシッドジャズっぽいロンドンの曲とか、ジャズともポップスとも違うようなサウンドとか…。あんまり今っぽい曲はないかな…(笑)。これを聴いた後に、日本と世界のヒットチャートを聴くと時代感がわかんなくなってきますけどね…」
 
――さかいさんの歌は時代を超えたところに存在しているようでもあり、流行り廃りに関係なく残っていくタイムレスなパワーを感じます。
 
「僕の心の師匠は山下達郎ですからね。同時代の音楽にうといわけじゃないと思うし、最近の音楽も聴いているんですけど、(今の音楽は)大きいスピーカーで聴きたい音楽が少ないなあって思ったりしますね。携帯(スマホ)で聴いて、いい曲だなって思うんですけど、どれも肌触りが一緒なので、ヒットメイキングの仕方が確立してきたのかなと。それはクリエイティブじゃないなあって思うんです。僕はもう撒き散らしたいですね。自分がやりたいことを全部ぶちこむ!そういう音楽のほうが好きなんです。それでいいと思ってるから、そのスタイルは変わらないし、それしかできないから。自分が感動するものだけを作る。人間は自分の魂の自由さを選ぶ権利があると思うので。それはけっこうはっきりしています」
 
――さかいさんはそういう姿勢を貫いてきたんですね。
 
「貫くっていうほどかっこよくなくて。それしかできないというか。こうしろ!って強制されたらすぐやめると思います。音楽はずっと作っていくんですけど、整体師でもやりながら音楽をやってるでしょうね(笑)」
 

 

 
音楽だと日常会話よりもっとライフコミュニケーションできますよ
 
 
――ところで、実際にどのような構想から今作の制作に至ったのですか?
 
「『Yu Are Something』のレコーディングが終わったあと、こうやって海外で録音するというやり方は、“さかいゆうに合ってるよね”っていう話になって。“さかいが旅をしながら音楽を作っていく”というコンセプトが面白いんじゃないかなと思って動き始めたんです。一緒にレコーディングするミュージシャンをブッキングするために、まずは自分の音源を送って、僕もメールでやりとりしました」
 
――実際に、さかいさん自身がメールをされると、先方にも熱意が伝わるでしょうね?
 
「そうですね。それで、この人とやるならどんな曲にしようかとイメージしながら曲作りしたり、元々ある曲を録ったりしていって、今回12曲をレコーディングしました」
 
――ちなみに、今作に収録された楽曲はどのぐらいの期間でレコーディングされたのですか?
 
「レコーディングツアーは全行程で二ヶ月半ぐらいですかね。リズム録りの翌日に歌録りをして、すぐにミックスしてっていう感じで、ちょっと慌ただしい時もありましたけど。それなりに楽しかったです。いろんな嬉しい奇跡が重なって。例えば、ブラジルで『想い出オブリガード』(M-8)をレコーディングしたときに、リオからMax Vianaっていう素晴らしいギタリストがきてくれたり、『孤独の天才』(M-5)でTerrace Martin(LAの鬼才サックス奏者)が参加してくれたり、あと、『She’s Gettin’ Married』(M-3)でBluey(Incogniteのリーダー)とStuart Zender(Jamiroquaiの設立メンバーでベーシスト)とやれたのも、考えてみればすごいことだと思います」
 

 
――今回レコーディングを共にしたミュージシャンは初めての人ばかりですか?
 
「ほとんどが初めましてですね。Blueyは二回目ですけど」
 
――すごいですね、初めてお会いする方々とそんな短時間でできるなんて。
 
「それがレコーディングってものですね。音楽だと日常会話よりもっとライフコミュニケーションできますよ。無駄口叩かなくていいので、よっぽどいい会話できるんです」
 
――今回、世界各国でレコーディングして、文化的なことや制作手法が一番違うなと感じた場所は?
 
「全部違うなと思うんですけど、なかでもサンパウロはかなり違いましたね。南半球だし、時間がゆっくりと流れてて。みんなすごいナイスガイでめっちゃ人懐っこくて。楽しむことにすごく一生懸命ですよね。楽しんで生きるために仕事してる。日本人の場合は仕事の中に神が宿ってるっていう意識になっていると思うんだけど…。そんないろんなことを音楽を通して感じちゃいました。その緩さも厳しさもこのアルバムには詰めたつもりです」
 
――一曲一曲に込められている多彩な音楽的要素や歌詞から感じとれる思いが深淵で、このアルバムを耳にすれば、たとえ何かしていても、手を止めてしばし聴き入ってしまうと思います。
 
「ありがとうございます! そんなに聴きやすいアルバムを作ったとは思ってないんで(笑)、ずっしりくるなあ…という感じですね。いつもBGMを作るつもりで作ってないんで。ま、BGMで流してもらってもいいんですけど。基本的に自分が自分の曲を聴くときは、その音楽を聴くためだけの時間を作って聴きたい音楽を作るんです。今回もマスタリングが終わった後に、行きつけのバーでずっと聴いていました。そこのヴィンテージのスピーカーと相性がとても良いんです。録音されている音がすごく良いから、アナログ盤(6月20日にリリース)でも聴いてほしいですね」
 
――今作の歌詞を読んで、このアルバムの各楽曲に浸っているとスピリチュアルなものを感じます。そもそもソウルミュージックというもの自体がそういう性質のものかもしれないですけど。特にラストの『グッナイ・グッバイ』(M-12)を聴いていて、故人となったミュージシャンへのレクイエムなのかなと思ったのですが…。
 
「初めてその曲のことを聞かれました。でもその逆ですね、亡くなった悲しみというよりは生の喜びを書いたつもりです。死ぬことと生きることって表裏一体で、同じだと思うので。別だと思わせてるのはいろんな幻想とか思い込みなのかなって。だって、生まれてきただけですごいなって思いますね。でも、死んだ時にもっとハッピーだったらどうする?とも思っちゃうんだけど。今、僕らが考えてる言葉って、生まれた後に教え込まれたことじゃないですか。生まれる前の意識体があったとしたら、そっちのほうが幸せで、死んだらその前に戻れてめっちゃ気持ちいいかもしれないですよ(笑)」
 
――そんなことを考えながらこの曲を作っていたのですか?
 
「そう、にやにやしながら(笑)。生きているといろんなことで悩んだり、仕事も好きなことならいいけど、そんなに好きじゃないことを好きだと思い込みながらしてることもあるじゃないですか。好きなことの中に嫌なこともあるし。だとしたら逆に、今が修行だと思います。だから、そういうことがまったくない世界が死んだあとに続くと思ったら…、笑けてきますけどね(笑)。かといって、今、目の前で死のうとする人がいれば、俺は全力で止めますけどね」

text by エイミー野中



(2020年4月17日更新)


Check

Movie

Release

6th Album『Touch The World』
発売中

【初回限定盤】(SHM-CD+DVD)
4620円(税込)
POCS-23903

【通常盤】(CD)
3300円(税込)
POCS-23003

《CD収録内容》
01. Hey Gaia
02. Getting To Love You
03. She's Gettin' Married
04. 21番目のGrace
05. 孤独の天才 (So What)feat. Terrace Martin
06. 裸足の妖精
07. 鬼灯 feat. Nicholas Payton
08. 想い出オブリガード
09. リベルダーデのかたすみで
10. Dreaming of You
11. Soul Rain
12. グッナイ・グッバイ

《初回限定盤 特典DVD収録内容》
・“SAKAIのJYU”@日比谷野外大音楽堂(2019年10月13日) LIVE映像 ※約66分収録
・海外レコーディング ドキュメント映像 ※約27分収録
・MUSIC VIDEO「21番目のGrace」「Getting To Love You」「Dreaming of You」「Journey」

Profile

高知県出身。高校卒業後、18歳の時に突如音楽に目覚め、20歳で上京。22歳の時、単身でLAに渡り独学でピアノを始める。唯一無二の歌声とSOUL・R&B・JAZZ・ゴスペル・ROCKなど幅広い音楽的バックグラウンドをポップスへと昇華させる、オリジナリティ溢れるサウンドが魅力の男性シンガーソングライター。2009年10月7日にシングル『ストーリー』でメジャーデビュー。同楽曲が全国FMラジオ43局でパワープレイを獲得し、前人未到の新記録となる。更に、AMラジオ局やCS音楽専門チャンネルでもパワープレイを獲得し一躍話題に。2019年1月、LA・NY・東京でレコーディングを重ね、自身の“ROOTS”を詰め込んだオリジナルアルバム『Yu Are Something』をリリース。前作EP『Fight & Kiss』に続き2作連続でiTunes R&Bチャートにて1位を獲得。 同年10月13日、デビュー10周年を記念し、東京・日比谷野外大音楽堂にて開催した、自身プロデュースの初の野外イベント「さかいゆう10th Anniversary Special Live “SAKAIのJYU”」を大盛況に終えた。2018年から世界中で楽曲制作・レコーディングを行う旅をスタート、John Scofield(Gt), Ray Parker Jr.(Gt), Bluey from Incognito(Gt), Stewart Zender(Bs ex.Jamiroquai), Terrace Martin(Sax), Nicholas Payton(TP),Renato Neto(Key)など世界的なプレイヤーとレコーディングを行っている。2020年3月4日に6thアルバム『Touch The World』をリリース、iTunes R&Bチャート連続1位記録を更新中。

さかいゆう オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/


Live

さかいゆう DUO TOUR“Touch The World & More”

【広島公演】
▼6月27日(土)広島Yise
【岡山公演】
▼6月28日(日)岡山MO:GLA
【京都公演】
▼6月30日(火)磔磔
【福岡公演】
▼7月5日(日)Gate’s7
【新潟公演】
▼7月10日(金)Gioia Mia
【高知公演】
▼7月12日(日)キャラバンサライ
【北海道公演】
▼7月16日(木)mole
【愛知公演】
▼7月22日(水)名古屋クラブクアトロ
【宮城公演】
▼7月25日(土)誰も知らない劇場
【東京公演】※追加公演決定!!
▼8月4日(火)SHIBUYA CLUB QUATTRO

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