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これぞLOW IQ 01!20周年イヤーをにぎやかに飾る
ワクワクするポップの種を詰め込んだライブ感あふれる
新作『TWENTY ONE』について語る
LOW IQ 01インタビュー&動画コメント

LOW IQ 01、祝ソロ活動20周年! そのアニバーサリーにリリースされた2年ぶりの新作『TWENTY ONE』は、ソロ活動で出会ったリスナーも、打ち上げ花火のように90年代の音楽シーンに咲いたSUPER STUPIDで知ったファンももれなくハンズアップ&祝杯を挙げたくなる一枚。ここ数年、アコースティックでもバンドスタイルでも積極的にライブを展開しているLOW IQ 01のムードをそのまま封じ込めた全12曲。作品に寄せた自身のコメントの中でも、「超自信作。ナンバーワンといえる作品ができました」と話しているが、どの曲もライブで鳴った瞬間のフロアの熱気、高揚感を想像するだけでワクワクする。公開されている『Thorn in My Side』のミュージックビデオでは、20周年を祝うミュージシャン仲間や格闘家、俳優など多彩な顔ぶれが登場しLOW IQ 01の幅広い交友の一端を知ることができる。インタビューでは、まずは20周年=TWENTYとならずに『TWENTY ONE』と軽妙にはずす独特のセンスにフォーカス。現在行われているツアー『LOW IQ 01 20th Anniversary“LOW IQ 01 TWENTY ONE LIVE TOUR 2019”』の大阪公演は、まもなく6月8日(土)心斎橋Music Club JANUSにて。

何色にでも変われる。それがLOW IQ 01を貫く芯です
 
 
――20周年おめでとうございます! 20周年ですがタイトルは『TWENTY ONE』で。
 
「『TWENTY』という案もあったし、数字の20だけがバンと出るのもインパクトがあって良いんですけどね。ちょっとイージーかなと思ったのと、僕の名前がLOW IQ 01なのでどこかに“1”を入れたくて(笑)。20周年だけどもうちょっとだけ先を見ていたいのと、来年の21周年の時はちょうど50歳だしオリンピックイヤーでもあるなとか、全然関係ないけどこじつけて(笑)。20周年のお祝いムードを2020年も引っ張ったままやっていこうかなって」
 
――あはは! 以前『美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。』という広告コピーがあったのを今のお話を聞いて思い出しました。『Sunday Morning Sunday』(M-7)のように休日を思いきり満喫しながらも自分の周りに意識を向けてみたり、“なぜ人はいがみ合うんだろう?”というストレートな問いかけが迫る『Peace Balloons』(M-6)。真剣にふざけて、真剣に怒って、真剣な大人の姿ってかっこいいなとアルバムを聴いて思ったんです。
 
「ふざけてますよね。そのふざけていることがある意味、本気なんですけどね。ジョークみたいなことを本気でやるというか、ぎりぎりのラインを楽しみながらやっていて、イメージとしては泣きながら笑ってるみたいな感じ。悲しいだけでは終わらなくて、切なさとかうれし泣きもあったり、前向きだけどただのポジティブじゃないというか。それって紙一重なんですけどね」
 
――その紙一重のさじ加減にこれまでの人生経験が凝縮されているように思います。
 
「というかね、だんだん恥じらいなくユーモアがいえるようになってきたんでしょうね。トシをとると、スーパーの大安売りとかの大争奪戦に嬉々として参加できちゃったりしますよね?(笑)。それに近いような感じで、おじさんも今更カッコつけてもしょうがないしなぁって思う。あ、でもカッコつけるのは男のダンディズムだと思っているのでカッコつけるのは大前提。ただ、見た目とかじゃなく心の中とか内側のカッコよさってあるじゃないですか? 色気とか。そういうのは忘れちゃいけないと思うんですね。でも大売り出しのセールは手を出せますよっていう(笑)」
 
――(笑)。最後の『The Chameleons』(M-12)の“意味のない事にチャレンジして 意味のある事に変えていく”という訳詞の一節はとても心に刺さりました。たとえば“どんなことにもチャレンジしよう”というようなスローガンは世にあふれていますが、この歌詞のような言葉を口にする大人が一人でもたくさんいてくれたら、後に続く人はとても心強く、前向きになれるものをもらえる気がします。
 
「しかも曲はポップでね。さっきの泣きながら笑うってそういうところなんだと思うんですね。曲はすごく笑ってるんだけど、歌ってることは実はちょっと涙が出てるっていう」
 
――歌詞を書く時は、最初は日本語で書かれるんですか?
 
「そうですね。最終的に英語詞を乗せている曲が多いですけど、最初は日本語で書いてます。それをまず歌ってみて、この曲には英語のほうが合っているなと思ったらそのようにして。譜割りとか、言葉数が合うのか、たとえば日本語は長いけど英語は単語一言で終わるとか、英訳してくれている人とのやりとりで一番話すのはそこですね。辞書で調べたりググればポンと出てくるけど、それは目指してないんですよね。映画の翻訳をされている方もそうだと思うんですが、日本でも海外でもその時々の流行りの言葉があるでしょうし、そういう時代の流れにも気を配れたらなと思う。英語圏や海外の人が聴いても意味がわかるものになっていると思います」
 
――『sagashi』(M-8)は日本語詞ですが、これまでの『さきがけ』(『Yes,LOW IQ 01』2014年)や前作『Stories Noticed』(2017年)収録の『tokeru』のようにアルバムの中で存在感を発揮しています。
 
「料理でいうとカタカナの洋食メニューの中にパッと焼き魚が出てきた感じですね。シンプル・イズ・ベストだし、“そろそろこういうのが食べたかったんだよねぇ!”っていうところでそういうものが出てくる(笑)。最近、“日本語詞でもそのままいけるよ”と言われることも多くて、そこは自信を持っていいんだなって思いました」
 
――『Thorn in My Side』(M-3)はライブに行ったら誰もが確実に歌いたくなると思うのですが、それはサビがとてもキャッチーだったり、韻の踏み方も関係ありますよね。たぶん、まったく曲を知らない状態でライブに行っても溶け込めるだろうし楽しめる空気はあるんですが、曲を知っていると一緒に歌えるというさらなるお楽しみがあります(笑)。
 
「そこらへんが、直訳じゃなくなおかつ意味も日本語詞と変わらないようにしてくれて、ちゃんと韻を踏んでくれてる訳者の才能ですよね。自分でもすごいなと思ったのは、ライブで子供が『Snowman』を歌ってくれてたんですよ。それを見たらね、歌のお兄さんじゃなく歌のおじさんになっちゃおうかなって。俺の歌から子供だけが感知できる音とか超音波が出てるのかなって思った(笑)」
 

 
――アハハハ!
 
「そういう親しみやすさみたいなものは自分でも誇りに思えるところですね。歌メロのキャッチーさなんでしょうけど、英語でもすっと口ずさめるものになってるのかなって。でもね、たまにカラオケ行って人の歌を歌うと気持ちいいなぁと思いますね。“エモいなぁ~”って(笑)。THE BLUE HEARTSとかTHE HIGH-LOWS、ゴダイゴやX JAPAN、エレファントカシマシを歌ったりして」
 
――自分がイチさんのプレイリストを作るなら『YOUR COLOR』(2003年)や『Ticket To Nowhere』(2004年)はこの先も常に入ると思うんですね。時間が経っても古くならない、色あせない名曲という表現もありますが、色あせないどころか今聴くと新しく感じます。
 
「そうなんですよね。音楽って、時代時代によって一周回ってくるみたいな言い方もしますよね。たしかに僕は自分でも『YOUR COLOR』や『DISTANCE』(2003年)は自分のもう一つのラインだと公言していて、ああいうソウル、ファンクみたいなのも好きで、ほかのタイプの曲とのバランスがすごくうまくいってるなと思うんですね。今回の新作もかなりイケイケでいきましたけど、自分の音楽の作り方としては、クラッシュの感じに近いのかなと思っていて。クラッシュって年々、アルバムによって変わっていったじゃないですか? 1st、2ndまではパンクで3rdの『ロンドン・コーリング』では一気に80年代に向かう感じになって、それ以降もその時、その時代の音楽をやっていて。さっきの『The Chameleons』には実はそれも含んでいて、自分は何色にでも変われるんですよね。それを、アーティストとしての芯がないととらえる人もいるかもしれないけど、まったく逆で何色にでも変われるのが俺の芯なんですよね。表現したいものは黒や白だけじゃないから」
 
――『ロンドン・コーリング』は1曲ずつ違うジャンルの曲をやっているといっても過言じゃない作品で、それがバンドの姿勢を伝える革新的なアルバムでもありました。イチさんがそれだけいろんな色になれるのはブレないからなのかなと思いますが。
 
「本当にカッコつけた言い方をしちゃうと、LOW IQ 01ブランドであれば何をやっても成立すると思うんですね。それって、ただいろんな要素をミックスするだけじゃなくて、吸収して自分のものにしないとオリジナルにならない。そこらへんはずっとこだわって20年やってきたところですよね」
 
――先ほども挙げた『The Chameleons』の一節に励まされたり、ライブで『Gone』(M-9)を聴いたら大騒ぎするんだろうななど想像しながらツアーを待っています。聴いて楽しいだけではなく、ふと耳に飛び込んできた時に、曲の中にある一行のメッセージに力をもらえる。そういうアルバムなのかなとも思います。
 
「そういう言葉を聞くと、もうちょっと胸を張っていいのかなと思いますね。それが正解なんだろうし、曲がいいと言ってもらえることももちろん嬉しいけど、曲とメッセージとどちらにも説得力がないと。今回はそれがいつも以上にうまくいったのかなと思います。自分で言うのもナンですけど、8枚もアルバムを出していたら曲も似てきちゃったりするじゃないですか? けど、どうして僕が常に新鮮でいられるかというと、アルバムごとに違ったテイストがあるからなんだと思う。ラモーンズみたいにずっと同じスタイルでやり続けるのもかっこいいと思うし、どっちが正解なのかはわからないけど、僕は性格上じっとしていられないので(笑)。“ウチはラーメン一本でやってるからそれ以外は出しません”みたいな覚悟もかっこいいなと思いつつ、俺はあれも作りたいしこれもやってみたいってタイプだから、チャーシュー麺も出すしなんならチャーハンも出したいなと思っちゃう。これからもそういう感じでやっていくと思います」

Text by 梶原有紀子



(2019年6月 3日更新)


Check

Movie Comment

Relese

8th Album『TWENTY ONE』
発売中  2800円(税別)
MASTER OF MUSIC
MOM9

《収録曲》
01. Every Little Thing
02. Go
03. Thorn in My Side
04. Shine
05. Steal Away
06. Peace Balloons
07. Sunday Morning Sunday
08. sagashi
09. Gone
10. I’d Always Thought
11. Life Goes On
12. The Chameleons

Profile

ロウアイキューイチ…10代の頃から数々のバンドでベースやボーカルなどを担当。20歳でアポロスにサックス奏者で参加。その後、曾田茂一(現EL-MALO/FOE)とのアクロバットバンチを経て、’94年にSUPER STUPIDを結成。’99年にSUPER STUPIDが活動休止すると同時に、ソロ活動をスタート。’07年発売のミニアルバム『THAT'S THE WAY IT IS』でメジャーデビュー。ソロ活動10周年イヤーとなる’09年には初の2枚組ライブDVD『SUPER DOUBLE SHOWS at EXCITING PLACES』を皮切りに、ベスト・アルバム『The Very Best of 01』、10周年を記念したシングル『NOT ALONE』をリリースし、10周年記念ライブを開催。’14年4月にはソロ活動15周年記念アルバム『Yes,LOW IQ 01』をリリース。‘15年にBRAHMAN結成20周年を記念して開催されたライブイベント『尽未来際~尽未来祭~』にSUPER STUPIDとしてサプライズ出演。翌’16年に自身のレーベルMASTER OF MUSIC RECORDSを設立しLOW IQ 01&MIGHTY BEAT MAKERSのミニアルバム『THE BOP』リリース。ライブではLOW IQ 01 & MASTER LOW、LOW IQ 01& THE RHYTHM MAKERSをはじめ、FRONTIER BACKYARDのTGMXこと田上修太郎とのアコースティックライブツアーなどさまざまなスタイルでパフォーマンスを行っている。ソロ20周年となる‘19年4月24日に2年ぶりの最新作『TWENTY ONE』をリリース。同作を携え5月17日(金)千葉LOOKを皮切りにツアー『LOW IQ 01 20th Anniversary“LOW IQ 01 TWENTY ONE LIVE TOUR 2019”』を開催中で、大阪公演は6月8日(土)心斎橋Music Club JANUS。

LOW IQ 01 オフィシャルサイト
http://www.lowiq01.jp/


Live

「LOW IQ 01 20th Anniversary “LOW IQ 01 TWENTY ONE LIVE TOUR 2019”」

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:138-263
▼6月8日(土) 17:30
心斎橋JANUS
オールスタンディング-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※3歳未満は入場不可。3歳以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

【愛知公演】
チケット発売中 Pコード:138-622
▼6月9日(日) 17:30
名古屋クラブクアトロ
オールスタンディング-4000円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
※3歳以上有料。3歳未満は入場不可。
[問]ジェイルハウス■052-936-6041

【東京公演】
チケット発売中 Pコード:137-239
▼6月23日(日) 17:30
LIQUIDROOM
オールスタンディング-4000円(ドリンク代別途必要)
※3歳未満は入場不可。3歳以上はチケット必要。
[問]チッタワークス■044-276-8841



『ROKKO SUN MUSIC 2019』
チケット発売中 Pコード:145-726
▼7月6日(土) 12:00
六甲山カンツリーハウス内 特設会場
1DAY(大人)-5500円(中学生以上、カンツリーハウス入園料込み)
1DAY(小学生)-2500円(カンツリーハウス入園料込み)
2DAYS(大人)-10000円(2日間通し券、中学生以上、カンツリーハウス入園料込み)
2DAYS(小学生)-4500円(2日間通し券、カンツリーハウス入園料込み)
[出演]宇宙人(Cosmos People)/ハンバートハンバート/ワンダフルボーイズ/bonobos/LOW IQ 01/ReN/酒井ヒロキ
[DJ]竹内琢也
※雨天決行、荒天中止。小学生以上は有料。未就学児童は保護者同伴に限り無料(但しカンツリーハウスへの入園料は別途必要)。出演者の変更・キャンセルに伴う払戻しは行いません。2日間通し券をご希望の方は、7/6(土)公演から「2DAYS」をご購入下さい。【オフィシャルHP】http://www.rokkosun-music.com
[問]GREENS■06-6882-1224


『SUMMER SONIC 2019 TOKYO』
チケット発売中 Pコード:142-250
▼8月17日(土) 11:00
ZOZO マリンスタジアム&幕張メッセ
1DAYチケット-15000円
プラチナチケット-25000円(1DAYチケット込/特典付)
[出演]RED HOT CHILI PEPPERS/RADWIMPS/BABYMETAL/MAN WITH A MISSION/RANCID/BRING ME THE HORIZON/マキシマム ザ ホルモン/ROBERT GLASPER/CATFISH AND THE BOTTLEMEN/FOALS/10-FEET/BAND-MAID/cero/CHAI/CIRCA WAVES/COIN/THE DAMNED/DEAF HAVANA/Dizzy Sunfist/THE INTERRUPTERS/木村カエラ/THE LEMON TWIGS/LOVEBITES/LOW IQ 01&THE RHYTHM MAKERS/MACHINE GUN KELLY/Official髭男dism/Phum Viphurit/錯乱前戦/サンボマスター/STAMP/suga/es/SUPER BEAVER/SUPERORGANISM/TASH SULTANA/TELEx TELEXs/東京スカパラダイスオーケストラ/TOM WALKER/TOTALFAT/TRI4TH/ヤバイTシャツ屋さん/Yogee New Waves/ZEBRAHEAD
※他に、3DAYチケットあり。3DAYチケットは8/16(金)公演の購入画面にて販売。
※小学生以下は保護者1名につき1名のみ入場可。2名以降は当日KIDS TICKET(\3,500)ご購入で入場可。年齢確認・エリア制限あり。出演者は予定のため変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。大阪公演と出演者が異なる可能性あり。雨天決行。各会場入場制限実施の可能性あり。注意事項はsummersonic.comを確認了承の上、ご来場下さい。公演内容に関する詳細はssinfo@creativeman.co.jpまで。
※プラチナチケットは1人11枚、3DAYチケットは1人7枚まで。


『風とロック芋煮会二〇一九 イモニー村祭り』
チケット発売中 Pコード:780-504
▼9月7日(土)・8日(日)
しらさかの森スポーツ公園
2日通し入場券-14000円
7日入場券-8000円
8日入場券-8000円
芋野球2日間観戦券-3000円(入場券別途必要)
芋野球7日観戦券-1500円(入場券別途必要)
芋野球8日観戦券-1500円(入場券別途必要)
[出演]怒髪天/四星球/打首獄門同好会/MONOEYES/SILENT SIREN/バックドロップシンデレラ/シーチキン兄弟/ホリエアツシ/スガ シカオ/スネオヘアー/LOW IQ 01/日高のり子/柴田淳/日食なつこ/平井理央/亀田誠治/小園竜一/渡辺俊美/高橋まこと/富澤タク/音速ライン/片平里菜/ひとりぼっち秀吉BAND /あばれる君/ダルライザー/箭内道彦/立川談春/他
※開場・開演時間=8:15開場、9:45開演。雨天決行、荒天中止。未就学児童は無料。詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください。出演者変更に伴う払戻し不可。
※チケットは1人4枚まで。
[問]G・I・P■022-222-9999

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