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「予定通りの人生なんてつまらないじゃないですか?(笑)」
NMB48を経てたどり着いた、みるきーの輝ける第二章
つんく♂、いきものがかり水野良樹らも参加した『17%』を語る
渡辺美優紀インタビュー&動画コメント

 ‘16年にNMB48を卒業後、約2年の充電期間を経て、昨年9月に東阪で復活ライブ『1st LIVE TOUR 2018~Milky Landだよね~』を開催。待ち侘びた多くのファンを歓喜させた“みるきー”こと渡辺美優紀が、4月3日に1stソロアルバム『17%』をリリースした。同作は、音楽プロデューサーのつんく♂が作詞・作曲を手掛けたリード曲『夕暮れセンチメンタル』や、いきものがかり水野良樹(g)が作曲、高橋久美子(ex. チャットモンチー)が作詞を担当した『りんご麗し 実りの季節』、自ら作詞に挑戦した『Love story』など全10曲を収録。ソロシンガーとしての本格始動を告げる、彼女のポテンシャルが詰まった1枚に仕上がった。さらには、自身も加入する期間限定ガールズユニットの発足がアナウンスされるなど、その勢いは加速するばかりだ。現在開催中の初の全国ツアー『MIYUKI WATANABE TOUR 2019 "17%"』も、4月28日(日)大阪・オリックス劇場を残すのみ。地元関西でのツアーファイナルを前に、この2年の揺れ動く想いから、アルバム制作の裏エピソード、そして、「自分が得意なこと、好きなこと、そうやってたどり着いたのがやっぱりライブだった」と語った、愛してやまないステージへの情熱までを綴る渡辺美優紀インタビュー。輝けるみるきーの第二章がここに――!

 
 
この2年間があったから、今にたどり着いた気がするんです
 
 
――卒業から2年かけて、ついに1stアルバム『17%』がリリースされましたね。
 
「自分がアルバムを出すことになるなんて、復帰前は想像していなかったので、“まさか”っていう感じです。何だか不思議な感覚だけど、ライブが好きなので、それを続けていくにあたって曲作りをしていたら=アルバム制作につながって。でも、こうして作品を残せることが、すごく嬉しいです」
 
――昨年9月の復帰ライブが全ての始まりだったと思いますけど、ようやく迎えたその日はどんな心境でした?
 


「“お客さんは来てくれるかな?”みたいなドキドキや不安はあったんですけど、幕が開いた瞬間に、ずっと待っていてくださった方々がすごくあたたかい空気で迎えてくださって、すぐに安心して。もう2年前とは言え、あの頃と同じ感覚になったというか、“長い間やってきたことは、そんなにすぐには忘れないもんだな”って思いました(笑)」
 
――芸能活動を休止していた2年間でいろいろなインプットをしたと思いますけど、今となっては自分の人生にとってどういう時間になったと思いますか?
 
「あるべくしてあったという感じで、この2年間があったから、今にたどり着いた気がするんです。もし、休む時間もなく何かを始めていたら、こういう形ではなかったんだろうなと思うので。何だか…運命みたいな感じもします。最初は、やりたいことはあってもそれを叶えられるのかとかいろいろ悩んでいたら、結局、自分が何をしたいのかが分からなくなって…。最終的に、自分が得意なこと、好きなこと、そうやってたどり着いたのがやっぱりライブだったので、2年かけてこの答えにたどり着けてよかったなぁと思います」
 
――カナダへの語学留学や韓国へのダンス留学など、海外での経験はどうでした?
 
「全然知らない土地に1人で行ってみて、自分が今まで見つめていた世界の、自分自身の小ささを知ったというか。“もっと自由でいいんだな”って、人間として成長できた時間にもなりました」
 
――そういう自分になってステージに立つと、2年前とは全然違う感覚じゃないですか?
 
「考え方が変わるというよりは価値観が増えて、いろいろなことをいいなと思えるようになりました。その中で、“自分がやりたいことはこれだ!”という意志を持てたり、自分の芯みたいなものを再確認した上でスタートできたので。ステージに立つ人間として、応援してくださるファンの方にそういうことも伝えていけたらいいなって」
 
――自分はここが変わったな、ここが変わらないなと思うところはどこでしょう?
 
「変わったところは、いろんなことを1回やってみようと思うようになりました。それまでは“私はこうだから”っていうところが結構あって…それはそれでいいとは思うんですけど、誰かが“これも似合うよ”って言ってくれたことに挑戦したいと思えるようになったり、新しい自分を発見したい気持ちになったり。変わらない部分は、応援してくださる皆さんとの“絆”みたいなもの…自分は意外と変わっていないと思います。結局、自分は自分でしかいられないのかなっていうところもありつつ、挑戦したり、戻ったり、みたいな(笑)。ファンのみんなが観たいものとかけ離れ過ぎちゃっても、ちゃんと恩返しできていないことになるのかなと思うので、やりたいこと、挑戦すべきこと、求めてくださっていること、そういうことを考えながらバランスよくやっていこうと思っています」
 
 
人生は何が起きるか分からないなって
 
 
――NMB48卒業時は、“自分を変えたい”みたいなことも言っていたので、その願望が強かったのかもしれませんね。
 
「当時は、総選挙や握手会で本当にファンの方に支えられてばかりで、その恩返しをしたい気持ちがずっとあって。でも、何かにつけて競争があるから=ファンのみんなも競争しなきゃいけない。もっと自由に、楽しく応援してもらいたいというか、素直に笑顔になれるものを受け取ってほしいなと思って。それができるのがやっぱり自分の好きなライブだったり…音楽ってみんな一緒に楽しめるので、それは生涯欠かせないものなのかなと思います」
 
――今の言葉、ファンの方はたまらないと思います。そういう意味ではこの2年間、いつも自分を支えてくれた方たちのことが頭の片隅にあって。そして、今回のアルバムでは、みるきーの原点とも言えるハロー!プロジェクトの総合プロデューサーである、憧れのつんく♂さんが曲を書いてくれることになり。
 
「人生は何が起きるか分からないなって。まさかこんなことが起きるとは想像もしていなかったので、初めは嬉しさというよりも“本当にいいんですか!?”っていう感じでした。(事務所の)社長さんも、サラッと“つんく♂さんに書いてもらうから”みたいに言うんですよ(笑)。だから、“えっ!? 私、めっちゃ好きなんですけど!”みたいな」
 
――つんく♂さんからのコメントがInstagramにも上がっていましたけど、徹底的に振り切った楽曲もきっと演じきって歌ってくれるはずだという、嬉しいコメントまでもらえて。
 


「ありがたいですね、本当に。最初は、『夕暮れセンチメンタル』(M-1)って不思議な曲だなと思ったんですよ。AメロBメロはちょっとクールな感じだけど、サビになるといきなりアイドルっぽくなる。“どんな衣装なんだろう?  どんなヘアメイクなんだろう?”とか、そういうところが初めは想像しづらかったんですけど、聴くたびにどんどん好きになっていって。すごくゴージャスで大人っぽいMVもマカオで撮ったんです。私がファッション誌にずっと出ていたこともあって、そういうのを見てファンになってくれた女の子からは衣装とかメイクに注目されることも多いので、そこは本当に重要なポイントで。音楽とは言え、その辺も含めてのエンタテインメントだと思っています」
 
――そういう意味では、今回のMVを観てドキッとしてもらえたかもしれないですね。
 
「そうですね、何か自分ではちょっと照れる感じですけど(照笑)」
 
――つんく♂さんはもう1曲『好きだし』(M-5)も提供してくれていますが、こちらは募る恋心を描かれた曲で。
 
「『好きだし』は王道のアイドルソングという印象で、ライブでも“超アイドル!”みたいな衣装で披露したんですけど、今だから似合うセクシーさも取り入れたりもして、自分らしさを出せるようにプロデュースしました。曲がめっちゃかわいいからこそ、ステージ上ではそれを衣装込みでやり切ろうと。自分もどんどん大人になっていっているので、かわいいアイドルソングを歌う前は、“よし、やるぞ!”ってステージで気合いを入れなきゃいけない(笑)。等身大ではないのかもしれないけれど、それはそれでやり切る方が観る方にも満足してもらえるのかなと思うので」
 
 
まずは絶対にラブソングが書きたくて
 
 
――それこそ等身大という意味では、『Love story』(M-9)では自ら作詞に挑戦していますね。
 
「作詞をするということはスタッフさんからの提案で、“私も伝えたいことが結構あるし、1回やってみるのもいいかも”と思って。案外すぐにできました。でも、“イメージに合った歌詞を書きなさい”みたいに言われたら、“えぇ〜”ってなる(笑)。まずは絶対にラブソングが書きたくて。聴いているみんなが幸せになる曲にしたいなと思いつつ、人は生まれたらいつか必ず死を迎えるというような、そういう意味での切なさも入れたくて。だからこそ、大切な人との時間を大切にしたい、幸せを噛み締めて生きていきたいっていう前向きな曲なんです。そうしたら、ラブソングだけど広い意味で共感できるのかなって。例えば、子供に対してとか、家族に対してとか…私、哲学とか科学について考えることが好きだから、そういうのが壮大な愛の歌になったのかも(笑)」
 
――『Love story』から、まさか生と死の話になるとは思わなかったです(笑)。自分の言葉を自分で歌うのも、今までとはまたちょっと気持ちが違ったんじゃないですか?
 
「そうなんですよね。やっぱりちょっとした語尾とか言い回しも本当に自分そのものなので。伝えたいことを歌にできていることと、この曲にもし何か感じてもらえたら、それもまたすごく幸せなことだなと思いました。自分で作詞するなんてグループ時代には考えたこともなかったので。でも、文章を書くこととか本を読むこと、考えることが好きだったので、自分が感じていたことや思っていたことを歌詞にできました」
 
――もう1曲、いきものがかりの水野良樹(g)さん作曲、高橋久美子(ex. チャットモンチー)さん作詞の『りんご麗し 実りの季節』(M-2)はまたちょっとテイストが変わります。以前からいきものがかりを聴いていたりはしました?
 
「もちろん! 素敵な曲がたくさんあるので、カラオケでも結構歌ったりします。“どんな曲がいいですか?”って聞いていただいたときに、“『気まぐれロマンティック』(‘08)が好きなので、ああいう盛り上がる曲だったら嬉しいです!”みたいなリクエストをして。そうしたら、本当にその通りかわいくて、心が、テンションが上がる曲になって。英語の歌詞のところもめっちゃかわいいなぁって。あと、『Perfect Girl』(M-8)とかもすごくキャッチーで耳に残る曲だし、ダンスをやっていても楽しいです。『Fly With Your Dream』(M-6)もオシャレで好きなんですよね」
 
 
ライブって、その瞬間を一緒に過ごせる
本当にかけがえのないプライスレスな時間だなって思います
 
 
――今回のアルバムタイトルが『17%』というのは気になりますね。
 
「最初は全然思い付かなくて、今の自分の完成度を%で表すと17%かなってふと(笑)。でも、こういうタイトルにすることで、1~2年後に振り返ったとき、どんな想いだったかがすぐに思い出せるかなと思って」
 
――ツアーでまた改めて、ファンと会える機会が作れるのも嬉しいですよね。
 
「ライブって本当にリアルじゃないですか? 目の前で反応が見えて、その瞬間を一緒に過ごせる、本当にかけがえのないプライスレスな時間だなって思います。ちゃんと自分のスキルを磨いて、カッコいいものにしたいなって」
 
――最後に。今後の活動でやってみたいことはありますか?
 
「みんなが好きになれる、ノリノリアゲアゲソングを作る!(笑) お客さんに楽しんでもらえると、私も楽しいんですよね。あと、先のことを考えて計画するのが苦手なので…予定通りの人生なんてつまらないじゃないですか?(笑)  どんどん新しいことを挑戦して、次は何をするんだろう!? 面白そう!”って思ってもらえたら嬉しいですね」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2019年4月26日更新)


Check

Movie

アルバム&ライブに向けて語ります
みるきーからの動画コメント!

Release

豪華作家陣が引き出すみるきーの魅力
待望の1stソロアルバムがリリース

Album
『17%』
【初回限定盤DVD付】
発売中 4200円(税別)
etichetta(CENTRO)
WPZL-31585

<収録曲>
01. 夕暮れセンチメンタル
02. りんご麗し 実りの季節
03. Milky Land
04. Myself
05. 好きだし
06. Fly With Your Dream
07. Milkyway
08. Perfect Girl
09. Love story
10. あの日の空と、私の未来

<DVD収録内容>
・『1st LIVE TOUR 2018
 ~Milky Landだよね~』
  in Zepp Tokyo 2018.9.19
01. Milky Land
02. WINTER LOVE~私のYeah Yeah~
03. りんご麗し 実りの季節
04. やさしくするよりキスをして
05. アシンメトリー
06. 乙女心キャンディ
07. ジッパー
08. Perfect Girl
09. Myself
10. 夕暮れセンチメンタル
11. あの日の空と、私の未来
12. わるきー
13. Milky Land
・夕暮れセンチメンタル [Music Video]
※本人によるコメンタリーは付きません。

【通常盤】
発売中 2800円(税別)
etichetta(CENTRO)
WPCL-13024

<収録曲>
同上

Profile

わたなべ・みゆき…’93年9月19日生まれ、奈良県出身。通称:みるきー。NMB48第1期オーディションに合格し活動を開始。NMB48のデビューシングル『絶滅黒髪少女』(‘11)でセンターを務める。’12年からAKB48チームBを兼任。’14年にAKB48グループじゃんけん大会で優勝、12月にはシングル『やさしくするよりキスをして』を発売しソロデビューを果たす。’16年8月にNMB48を卒業。’18年9月、東京・大阪で『1st LIVE TOUR 2018~Milky Landだよね~』を開催、約2年ぶりのステージで復帰を果たす。’19年4月3日には、1stソロアルバム『17%』をリリース。同12日より初の全国ツアー『MIYUKI WATANABE TOUR 2019 "17%"』を開催。

渡辺美優紀 オフィシャルサイト
https://milky.world/

Live

みるきー初の全国ツアー
残すファイナルは地元関西で!

 
『MIYUKI WATANABE
 TOUR 2019 "17%"』

【愛知公演】
▼4⽉12⽇(⾦)日本特殊陶業市民会館
ビレッジホール
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼4⽉21⽇(⽇)昭和女子大学 人見記念講堂

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード151-858
▼4月28日(日)17:00
オリックス劇場
指定席(当日引換券)6000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※3歳以上は有料。2歳以下のお子様で座席が不要の場合、保護者1名につきお子様1名のみ膝上鑑賞可能。入場時、来場者の身分証確認を実施する場合がございます。本人確認ができない場合は入場をお断りさせていただきます。全てのお客様の手荷物検査・金属探知による検査を行います。客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合があります。

チケット情報はこちら

 

Recommnd!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはこちら!

「常にファンのことを気遣い、ライブに情熱を寄せる彼女は、紛れもなくプロフェッショナル。普段はバンドマンやシンガーソングライターにインタビューすることが多い僕ですが、楽曲に対して“どんなメイクなんだろう? どんな衣装なんだろう?” と思う発想はミュージシャンには一切ないので、これはまさにアイドルとして歩んできたキャリアならではだなと。待望の初アルバム『17%』の話を聞いていても、思いのほかサクッと作詞を仕上げたり(笑)、哲学や科学が好きだったり、底知れぬポテンシャルを感じます。同時に、まだあどけなさや天然っぽさが共存していて、彼女が男女問わぬファンから愛される理由が、話していてよーく伝わってきました。つんく♂さんとのコラボも引き続き見てみたいな。ユニット活動も含め、ついに動き出したみるきーの今後に注目です!」