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“ダンス”をテーマにしたバンドの真骨頂
ニューアルバム『DANCE TO THE MUSIC』リリース
Shiggy Jr. 池田智子(vo)、原田茂幸(g&vo)
インタビュー&動画コメント

モータウンサウンド、ブルーアイドソウル、ディスコ、ロックなど、様々な要素をポップに昇華したハイブリッドポップスバンドとして進化し続けるShiggy Jr.。(’17年)レーベル移籍後の2枚、『SHUFFLE!! E.P.』と『KICK UP!! E.P.』を経て、約2年ぶりのニューアルバム『DANCE TO THE MUSIC』を12月5日にリリース。今作は高橋一生が主演のTVドラマ『僕らは奇跡でできている』のオープニング曲として注目された『ピュアなソルジャー』からテンポよく進む展開。カラフルでダンサブル、グルーヴィに統一されつつ、アルバム後半で流れてくる原田茂幸(g&vo)メインボーカルの『you are my girl』、唯一のバラード『looking for you』といった異色ナンバーも聴き逃せない。辛く不機嫌なこともある日常を心躍る日々へと変えていく、このアルバムを手に、2019年は1月19日から全国ツアー『Shiggy Jr. LIVE TOUR 2019 -DANCE TO THE MUSIC-』がスタート。核となるポップネスを強化して、さらに突き抜けていくShiggy Jr.の今のモードを池田智子(vo)、原田茂幸(g&vo)が率直に語ってくれた。

今回は自分たちの根本的な部分
もっともShiggy Jr.らしいものにしようというところから始まった
 
 
――今作『DANCE TO THE MUSIC』はアップテンポなダンスナンバーが続いて気持ちがすごく上がっていきます。
 
原田(g&vo)「前の2作はちょっと変化球的なEPでしたが、今回のアルバムは自分たちの根本的な部分というか、もっともShiggy Jr.らしいものにしようというとこから始まって。頭からShiggy Jr.らしい曲をぽんぽんぽんと聴かせたいなっていうイメージで作っていったんです」
 
池田(vo)「今回は初めて“ダンス”っていうテーマを掲げてそこに向かっていったっていうのが、私たち的には新しくて。いわゆる歌もののダンスミュージックもあればバラードもあるし、ほんと直球なダンスミュージックもあったりして、いろんな面を見せられてるので。今のShiggy Jr.のやりたいことが伝わると思いますし、飽きずにずっと聴いてもらえるかなと思います」
 
――一曲目はTVドラマ『僕らは奇跡でできている』のオープニング曲となった『ピュアなソルジャー』ですね。これは現実と戦う人というか、困難な現状を乗り越えていく人たちへのメッセージソングのようでもあります。
 
 
原田「はい、これは自分たちのスタンスじゃないですけど、自分たちのやりたいことがメッセージになってるかなと思っています」
 
――ドラマの曲ではあるけれども、自分たちの今のモードでもあると?
 
原田「そうですね。今回、ドラマのオープニング曲として、ほんとにはまりが良かったというか。作る前からドラマの雰囲気と、Shiggy Jr.の自分たちの感じがすごく合っていたので。こういうメッセージを含んだ曲が2枚目のアルバムを出すタイミングになってよかったなと思います」
 
――歌詞の中で、“周りの全てが敵に見えてしまったら、思い出すのさ正義も悪もないと”っていうラインがグッときました。
 
原田「実際にあったことを歌詞にしてるわけじゃなかったりするけど、こういうことってよくありませんか? 例えば、同僚でもなんでもいいと思うんですけど、“お前それ全然できてないじゃん”みたいなこと言われたら、“うぜーな、むかつくな”とか思うけど。相手はいじめたくて言ってるわけじゃなかったりするじゃないですか? 僕らもデモとか作って、“コレ、完璧にできた!”とか思って人に聴かせても、“いや、コレ全然だめだよ”みたいな反応が返ってきたりすることもあって。そういうときはやっぱ、“むかつくな”って思うこともあったりするけど。後から考えてみたら、自分達に対してプラスになる指摘だったりもするので。今までこのバンドを6年くらいやってきてそういうこともあったんですよね」
 
――でも、“アイツ、腹立つわ!”と思ったら、ずっとそれを根に持ってしまって、ポジティブに変換できない時もあるんじゃないかと…。
 
原田「(笑)あー、そういう意味では、自分たちもやっぱり大人にはなってきてるんじゃないかなとは思います」
 
――このポジティブな感覚がいいなと思いました。
 
原田「そうですね。これは自分たちがレーベルと事務所が変わったりしたタイミングで、バンドの第2章の始まりの時だったので。多分そういうのもあるんだと思います。人生いろいろあるけど楽しくやっていこうぜ、みたいなメッセージっていうか。当たり前ですけど、自分が思うようにうまくいかないこともあるし、だけど楽しくやろうぜって、常々思ってたりもするので。だからポジティブな歌が多いのかなと思います。あと、(メインボーカルが池田で)自分が歌わないからこういうことになるんだろうなと思うんですよ。たぶん自分がシンガーソングライターだったらほんとにそのまま歌うかもしれない…」
 
――“そのまま歌う”っていうのは?
 
原田「あ、ポジティブな歌じゃなくてもうちょっと内にこもった歌になるんじゃないかなと個人的には思っていて。池田が歌うことを考えるから、前向きな楽しい歌になってるのかなって」
 
――へー、そうなんですね。池田さんはどうですか?
 
池田「これは、バンドとして皆さんに届けたいメッセージっていうのが直球で詰まってる曲で。こういう曲がリード曲になるっていうこともすごく嬉しかったです。レコーディングの時も、ライブに来て下さる皆さんとか、この曲を聴いてくれてる皆さんに対して、1対1でぶつけられるような感覚の曲だなと思ってましたね」
 

 
アルバムの前半と後半では自分の声のアプローチも変わっているので
そのへんも楽しんでほしい
 
 
――アルバム全体で、ココに注目して聴いてほしいということはありますか?
 
池田「アルバムの前半と後半では自分の声のアプローチも変わっていると思うので、そのへんも楽しんでいただけるといいなと思います。『ピュアなソルジャー』は本当に純粋な歌ものっていうかメッセージも強いですし、このアルバムの中ではJポップライクな要素が強い曲だと思うんですけど、『DANCE DANCE DANCE』(M-6)とか『we are the future』(M-7)はもうちょっと自分の声を素材というか、楽器として扱っている感じで、歌う時もそういう意識があったりします」
 
原田「実はちょっとした裏テーマみたいなのがあって。6曲目以降からちょっとだけ時代を感じたり、音楽がもう少し深く聴けるゾーンになってます。みんなに一番聴かれるのは『ピュアなソルジャー』だったりすると思うんですけど、それじゃない曲をむしろ聴いてほしいという思いもちょっとあって。意外と『ピュアなソルジャー』とはタイプが違うものがいっぱい入ってるというか、よりディスコ感やダンス感のあるものが他にもいっぱい入ってるから。中でも一番ディスコ感を感じるのは『シャンパンになりきれない私を』(M-3)だったりするから、それはぜひ聴いてみてほしいなと思います。あと、俺はやっぱり『you are my girl』(M-8)を聴いてもらいたいかな(笑)」
 
――たしかに! 原田さんのメインボーカル曲『you are my girl』にも注目ですね。
 
原田「この曲は、実は随分前からあって、ワンマンライブで一度歌ったことがあるんです。3年ぐらい前かな…」
 
――そんなに前からある曲なんですか? すごく新鮮でした!
 
原田「ありがとうございます(笑)」
 
池田「やっぱり(原田が)自分で作って自分で歌っている曲なので、歌のメッセージもそのまま伝わってくるような強さがある曲ですよね。たぶんライブに来てくださってる方で、この曲が音源になるのを待ってた方も多いと思います」
 
――原田さんメインボーカルの音源を録音したのはこれが初めてなんですか?
 
原田「そうですね。音源として出るのは初めてですね。まぁアルバムごとに1曲くらいあってもいいかなという感じですかね」
 
――『magic of the winter』(M-5)は、寒い冬をカラフルに染めてハッピーな気分にしてくれるウィンターソングって感じですよね。
 
原田「そうですね。これは2年ぐらい前からデモであったもので。リリースタイミングにも合うなと思って今回入れました」
 
――ダンサブルなナンバーが並ぶ中で、意外性あるバラード『looking for you』(M-10)も印象的です。これはいつ頃できた曲ですか?
 
原田「これは割と最近の曲ですが、ライブではすでにやってたりしてて。ライブと音源で結構違いがあるというか、ライブではエアロスミスとかボン・ジョヴィみたいな、80年代後半とか90年代前半っぽいロックバラードのようなアレンジでやったんですよ。今回ちょっとダンスっぽいものにしたいというところで、プロデューサーの釣俊輔さんのアイデアでキラキラ成分を足して、ロックバラードからもう少し今っぽい感じになったかなと(笑)」
 
池田「バラードはいくつかあるんですけど、ここまで“どバラード”みたいなのは意外とないので、新しい挑戦ではあったんですけど。ライブだともっと熱量が高くて、ライブならではの力の入り方があるんですけど、今回の音源はアレンジも少し雰囲気が変わってます。あと、やっぱ歌詞の内容だったり世界観を聴いてる人に想像してもらいたいので、歌っている時にあんまり感情的になりすぎても良くないかなと思って。ちょうどいい温度感を探りながら録りました」
 
――今のShiggy Jr.だからこそ出せる一曲でしょうか?
 
池田「そうだと思います。2、3年前とかはたぶんあんまり歌えなかった曲だと思います」
 
原田「うん、前はやらなかったよね」
 
――1曲目から11曲目まで、このアルバムを聴いている間は日常から離れられるというか、ちょっと体が宙に浮いたようなファンタジックな気分になるような感じがしました。
 
原田「だとしたらすごく嬉しいです! もともと、Shiggy Jr.的にはちょっとドラマっぽいというか、ファンタジーな感じがすごく合っていて。実際にはありえなそうだけど、その物語に入り込めるような曲にしたいなという思いを持って作っているので」
 
――1月19日からは全国ツアー『Shiggy Jr. LIVE TOUR 2019 -DANCE TO THE MUSIC-』がスタートしますね。
 
原田「やっぱり新作はダンスミュージック中心なので、全体で揺れて踊れるライブになったらいいなと思っています。もしかしたら、楽曲のアレンジは音源そのままじゃないかもしれないし、いろんな可能性があるんじゃないかと思っているので楽しみしていてください!」
 
池田「ワンマンではいろんな演出をしたりして、メンバーのソロ回しがあったり、曲の繋ぎにもこだわっています。ワンマンの方がShiggy Jr.のやりたいことや見せたいことが伝えやすいから、イベントでしか見たことがない方にもぜひワンマンを見に来ていただきたいです!」

text by エイミー野中



(2018年12月26日更新)


Check

Movie Comment

Release

Album『DANCE TO THE MUSIC』
発売中

【初回限定盤】(CD+DVD)
3000円(税別)
VIZL-1488

【通常盤】(CD)
2500円(税別)
VICL-65083

《CD収録曲》初回限定・通常共通
01. ピュアなソルジャー
※カンテレ・フジテレビ系 火9ドラマ「僕らは奇跡でできている」オープニング曲
02. TUNE IN!! 
※TOKYO-MX「爆走ロケハンター」エンディングテーマ
03. シャンパンになりきれない私を
04. サングリア
05. magic of the winter
06. DANCE DANCE DANCE
07. we are the future
08. you are my girl
※「PANTENE miracles 投票ラブストーリー」テーマソング
09. どうかしちゃってんだ
10. looking for you
11. 誘惑のパーティー 
※CS放送フジテレビTWOオリジナルドラマ「過ちスクランブル」主題歌

《初回限定盤DVD》
01. ピュアなソルジャー(Music Video)
02. MV メイキング映像

Profile

池田智子(vo)・原田茂幸(g&vo)を中心に結成された後、森夏彦(b)・諸石和馬(ds)が加入し現体制へ。ポップスになりうるすべてのジャンル、取り分けモータウンサウンド・ブルーアイドソウル・ロックミュージックをルーツに、独自のセンスで紡がれるフレーズと歌声がどこまでもキャッチーかつジャンルレスに多幸感を織り成す、4人組ハイブリッドポップスバンド。2015年6月、1stシングル『サマータイムラブ』でメジャーデビュー。2017年11月に、ビクターエンタテインメント移籍第一弾となる『SHUFFLE!! E.P.』をリリース。2018年5月に『KICK UP!! E.P.』を、12月5日には2年ぶりのニューアルバム『DANCE TO THE MUSIC』をリリース。2019年1月19日から全国ツアー『Shiggy Jr. LIVE TOUR 2019 -DANCE TO THE MUSIC-』がスタートする。

Shiggy Jr. オフィシャルサイト
http://www.shiggyjr.com/


Live

『COUNTDOWN JAPAN 18/19』
Sold out!!
▼12月31日(月) 15:00
幕張メッセ 国際展示場 1~11ホール・イベントホール
12/31 1日券-12000円
[出演]新しい学校のリーダーズ/阿部真央/天月-あまつき-/androp/植田真梨恵/嘘とカメレオン/宇宙まお/ウルフルズ/大塚 愛/OKAMOTO’S/Official髭男dism/オメでたい頭でなにより/KANA-BOON/感覚ピエロ/KEYTALK/キュウソネコカミ/空想委員会/グッドモーニングアメリカ/Crystal Lake/ゲスの極み乙女。/go!go!vanillas/ココロオークション/KOTORI/サンボマスター/Shiggy Jr./SHANK/四星球/SUPER BEAVER/鈴木愛理/ストレイテナー/SoulMates(仲井戸麗市+梅津和時+早川岳晴)/DATS/10-FEET/ドラマチックアラスカ/Nulbarich/NICO Touches the Walls/バックドロップシンデレラ/THE BACK HORN/パノラマパナマタウン/the band apart/ヒトリエ/04 Limited Sazabys/BRADIO/POLYSICS/ポルカドットスティングレイ/マカロニえんぴつ/魔法少女になり隊/MINAMI NiNE/MONOEYES/ヤングオオハラ/ユアネス/yonige/夜の本気ダンス/緑黄色社会/locofrank/忘れらんねえよ [DJ]DJ和/DJダイノジ/DJ’TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺ
※18歳未満は保護者同伴または保護者の同意書持参に限り入場可。
※6歳未満は保護者同伴に限り無料。出演者・開場・開演時間は予定のため変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。
※チケットは1券種2枚まで。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
■03-5720-9999


「Shiggy Jr. LIVE TOUR 2019
-DANCE TO THE MUSIC-」

【富山公演】
▼1月19日(土)富山MAIRO

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:135-354
▼1月20日(日) 18:00
梅田クラブクアトロ
スタンディング-3800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【広島公演】
▼1月26日(土)セカンド・クラッチ
【香川公演】
▼1月27日(日)DIME
【宮城公演】
▼2月1日(金)仙台CLUB JUNK BOX
【北海道公演】
▼2月3日(日)COLONY
【愛知公演】
▼2月9日(土)名古屋クラブクアトロ
【福岡公演】
▼2月11日(月・祝)DRUM SON
【東京公演】
▼2月17日(日)EX THEATER ROPPONGI

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