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初のベストアルバムは5年間の集大成であり、前に進むための一歩
片平里菜インタビュー

2018年8月、ついにメジャーデビュー5周年! この大切な節目を迎え、片平里菜は初となるベストアルバム『fragment』を11月14日にリリースした。今作はTHE BACK HORNを迎えた再収録曲『最高の仕打ち』を含む全26曲を収録し、確かな彼女の歩みを感じつつも、2枚のアルバムとしても楽しめる仕上がりだ。そこで、今作のことはもちろん、THE BACK HORNとのレコーディングの思い出などを語ってもらった。彼女らしいちょっと笑える“大阪エピソード”もお楽しみに!

――11月14日、『fragment』をリリース! このベスト盤を出すきっかけは何だったのでしょう?
 
「まずはメジャーデビュー5年という節目でもあるし、今年に入って自分の音楽活動の環境も変えたりしていて、ファンの方も関係者の方も心配してくださっている方がたくさんいらして…。そんな中で5周年っていうお祝いの年にどういう活動をしようかなって思ったとき、ベスト盤の話が出て、これはちゃんと前向きに前に進むためにリリースしたいと思って作りました。5年の集大成ではあるけど、進むための一枚でもありますね」
 
――事務所を離れて独立されたんですよね。
 
「事務所を辞めるということは大きい決断でした。最初はもちろん無名なので、選んでもらって私はこの業界に入ったんですけど、右も左もわからないところから5年間、本当にいろんな経験をさせてもらって。でもこれからは自分で選んで決断を下したいなって思うようになったのが大きいですね。私がすごいことをするわけではなく、これからもいろんな人に助けてもらってって感じなんです」
 
――心機一転ですね。ちなみにヘアスタイルも金髪のショートに。いいですね(笑)!
 
「ありがとうございます(笑)。今まで重ためのロングヘアのイメージだったと思うんですけど、それを切るって結構な覚悟が必要だったんです。でもなんだかこのタイミングで自分の気分として、すごく切りたくなちゃって。(金髪のショートは)濃い顔の方が似合うじゃないですか。だから大丈夫かな?って思ったんですけど…(笑)」
 
――いや、よく似合ってます(笑)! さて、今作はDisc1『darling』とDisc2『honey』の2枚組で全26曲を収録。選曲は自身でされたということですが、その選曲基準は?
 
「最初は対極的なテーマを2つ作って選ぼうかなと思ったんです。でも、そうしてしまうと、バラードばかり、ポップスばかりって偏ってしまうので、そうなるよりは一枚を通していい作品だなって思ってもらえるものにしたいと思ったんです。なので、シングル曲もアルバムの曲もc/w曲も全部ひっくるめたところから選んで、とにかく最高なアルバムを2枚作ろう!って感じで選びました」
 
――『darling』と『honey』、対極ではないにしろ、それぞれどのように曲を振り分けたんですか?
 
「どう振り分けてたかな(笑)? でも、どちらかがすごく良くて、2枚目は余った曲みたいな感じにはしたくなかったですね。2枚でバランスが取れていて、“どっちが好き?”って聞かれたら“わ、迷う~!”みたいな風にしたかったから(笑)、シングルになったような押し曲もまんべんなく、そして自分が聴いてほしい曲もまんべんなくっていう風に収めました」
 
――曲順も年代順ではないですよね。
 
「シングルコレクションみたいに時系列でバーッて並べていくこともできたんですけど、やっぱり私のなかでベストアルバムの解釈は、最高のアルバムだったので、この並びで聴いていい!っていうアルバムにしたかったんです」
 
――今作にはデビュー曲から最新オリジナルアルバム『愛のせい』の曲まで入っていて、それぞれ当時のことが思い出されたと思うのですが?
 
「デビューのきっかけにもなったインディーズの頃の『始まりに』っていう曲も、デビューシングルのリード曲『夏の夜』も、『女の子は泣かない』(2ndシングルのリード曲)も……一つひとつにすべて思い出がありますね。でも、なかでも一曲だけ『最高の仕打ち』は再収録しました」
 
――THE BACK HORNさんを迎えての再収録ですね。この曲は2016年に行ったTHE BACK HORNさんとのツーマンライブで一緒に披露されています。当時、なぜ『最高の仕打ち』を?
 
「今回(再収録に選んだの)と同じ理由なんですけど、アレンジがされてない曲でもあって、なおかつこの曲が持つメッセージ性や精神性が、THE BACK HORNのお兄さんたちにはまるような気がしてお願いしました」
 
――今回、収録はいかがでしたか?
 
「基本的に(菅波)栄純さん(g)がアレンジしてくれて、みんなで演奏したんですけど、演奏以外にボーカルディレクションも栄純さんがしてくださったんです。もともと(2ndアルバム『最高の仕打ち』収録のオリジナル曲の)歌とギターだけの時はもっとたくましいというか、もっと声を張り上げてワーッて必死に歌ってたりしたんですけど、今回、バンドアレンジになった時にはその必要がなくなったというか…。THE BACK HORNさんがまず、そういう要素…男前で骨太で、人間臭い力を存分に持っていらっしゃるので、力強さよりは、今回せっかく兄さん方のなかで唯一女性として立っているし、女性としてのしなやかさとか寛容さとか優しさとか、そっちを出すべきなんじゃないかなって思って。栄純さんも“優しい方がいいかも”ってディレクションをしてくれました。だから地声で張り上げてたところを、ファルセットにしたりとかしましたね」
 
――そんな風にこのベスト盤では、1曲からでも全26曲からでも、片平さんの5年間の進化や変化を感じられますね。
 
「たぶん根っこの部分は変わらないんでしょうけど、出会う人や環境は変わっていくし、影響されるものも変わっていくので、その時々の変化を楽しみながら毎回、曲を作ってますね。もともと型にはまるのが好きじゃない性格なので、固定したイメージがついちゃうと、それを壊したい!ってなるのの繰り返し(笑)。もしかしたら歌う内容は一緒だったとしても、曲調だったりとかは何かしら常に変わっているのかもしれないですね」
 
――だから“2枚の最高の作品”ができたんですね。そして、2月には今作を携えたライブが! 2月10日(日)の大阪公演が「day1 darling」、2月24日(日)の東京公演が「day2 honey」ということですが。
 
「はい。2か所でまったく違う内容です。詳細はまだヒミツ(笑)。気になったら、どっちも来るのがベストですね!」
 
――なるほど(笑)。では最後にこの記事を読んでいる関西のファンにメッセージを!
 
「大阪は、音楽活動していて私の地元(福島県)よりも来てるんじゃないかっていうくらい頻繁に来ている場所ですね。今では全然気負わずに街を歩けます(笑)。それにどこに行っても温かく迎えてもらえますね」
 
――“大阪人”と波長は合いますか(笑)?
 
「合います! ただ……私“ボケ殺し”なんですよ。ボケをボケだと思わずに、キョトンとしちゃったり、どういうこと?って聞いちゃったり(笑)。まともに受け止めちゃってボケた人を困らせるというのをよくやっちゃうので、まだまだ大阪でライブをたくさんやって、もっと大阪の人と仲よくなれるように頑張りたいですね」
 
――“ボケ殺し”なんですね(笑)。でも関西のファンは2月のライブを楽しみにしていると思います!
 
「今回は5年間の集大成となるライブなので、ぜひ『fragment』を聴き込んでもらって、自分のお気に入りの一曲を胸にして、(その曲が)聴けるかな?って楽しみにして遊びに来てもらえたらうれしいです」

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text by 服田昌子



(2018年12月17日更新)


Check

Release

Best Album『fragment』

【完全数量限定生産盤】(2CD+DVD計3枚組)
4500円(税別)
PCCA-04719

【通常盤】(CD2枚組)
3000円(税別)
PCCA-04720

《Disc1『darling』》
01. 女の子は泣かない
02. 誰にだってシンデレラストーリー
03. Oh JANE
04. CROSS ROAD
05. 夏の夜
06. この涙を知らない
07. 愛のせい
08. Love takes time
09. 煙たい
010. Come Back Home
011. amazing sky
012. 最高の仕打ち (New Recording)
013. からっぽ

《Disc2『honey』》
01. HIGH FIVE
02. 誰もが
03. baby
04. ラブソング
05. なまえ
06. 小石は蹴飛ばして
07. Party
08. 異例のひと
09. 結露
10. Hey boy!
11. BAD GIRL
12. 心は
13. 始まりに

《DVD収録内容》
01. 子供時代 (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
02. 異例のひと (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
03. Howling wolf (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
04. この涙を知らない (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
05. 誰にだってシンデレラストーリー (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
06. 夏の夜 (Live at EX THEATER ROPPONGI 2018.05.10)
07. 夏の夜 (Music Clips)
08. Come Back Home (Music Clips)
09. 女の子は泣かない (Music Clips)
10. Oh JANE (Music Clips)
11. HIGH FIVE (Music Clips)
12. amazing sky (Music Clips)
13. 煙たい (Music Clips)
14. 誰にだってシンデレラストーリー (Music Clips)
15. この涙を知らない (Music Clips)
16. Party (Music Clips)
17. 結露 (Music Clips)
18. なまえ (Music Clips)
19. 愛のせい (Music Clips)
20. 異例のひと (Music Clips)

Profile

かたひらりな…福島県福島市出身のシンガーソングライター。「閃光ライオット2011」で約1万組の中から審査員特別賞を受賞し、2013年8月にシングル『夏の夜』でメジャーデビューを果たす。2015年には史上最年少で東京スカパラダイスオーケストラのゲストボーカルに抜擢。また、ギターブランド・エピフォンの公認アーティストとして、日本人女性初の認定を受けるなど多方面から注目を集める。現在までに3枚のオリジナルアルバムを発表。言葉だけでは伝え切れない感情を歌にのせ表現しながらも自然体でニュートラルな楽曲の世界観は、多感な若い世代からはもちろん、幅広い層から共感を得る。ライブパフォーマンスにも磨きを掛け精力的に活動を展開し、2018年、ついにデビュー5周年。同年11月には自身初のベストアルバム『fragment』をリリースし、新たなフェーズに突入した。


Live

【大阪公演】
片平里菜 live 2019
「fragment live darling & honey」
day1 darling

1月12日(土)一般発売 Pコード:136-756
▼2019年2月10日(日) 17:00
なんばHatch
指定席-4320円(ドリンク代別途要)
※3歳以上は有料。
※販売期間中は1人4枚まで。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

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【東京公演】
片平里菜 live 2019
「fragment live darling & honey」
day2 honey

1月12日(土)一般発売 Pコード:137-131
▼2019年2月24日(日) 17:00
Zepp DiverCity(TOKYO)
指定席-4320円(ドリンク代別途必要)
※3歳以上はチケット必要。
※チケットは1人4枚まで。
[問]ソーゴー東京■03-3405-9999

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