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“ティーンの意識を変えないとヤバイ”
セカンドフルアルバム『GOLD』リリース
Age Factory・清水エイスケ(vo&g)インタビュー&動画コメント

奈良発のAge Factoryが、10月10日にセカンドフルアルバム『GOLD』をリリース。2016年リリースのファーストアルバム『LOVE』から、ミニアルバム『RIVER』を経て生み出された今作は、激情的なエネルギーの爆発力や鋭さといったバンドの持つ武器に磨きがかかりまくってるだけでなく、よりピュアなメッセージや熱が誠実に込められていた。「ぴあ関西版WEB」には『LOVE』のインタビュー以来の登場ということで、今回のインタビューでは清水エイスケ(vo&g)に2年前の当時から現在までの意識の変化を辿りつつ、今作についてはもちろん、今、何に怒り、何を憂いているのか、あるいは音楽とファッションとの関わりなど、思うことをとにかくなんでも話してもらった。現在はリリースツアーを敢行中で、ファイナルのワンマンライブ(関西では12月8日(土) @大阪 umeda TRAD)を控えている。このインタビューを通して、そしてライブを通して、時代を変えようと戦い続けている彼らの現在地を知ってほしい。1年後には、とんでもないところまで突き進んでいるはずなので。

さまざまなアイディアを吸収した1年
より伝えるために意識が変わった瞬間とは
 
 
――ミニアルバム『RIVER』のリリースから約1年。これまでとはまた違う動きがバンドにあったりして慌ただしかったのではないかなと思うのですが、振り返ってみていかがですか? 例えば、大型フェスへの出演が増えたりしたことで、感じたこととか。
 
「俺らが知らなかった、日本の現状を知れたのはよかったですね。それまでは1000人以下のキャパシティでいろいろなアーティストと対バンすることはありましたけど、フェスみたいな場所で俺ら以外のステージを観ることなんてほとんどなかったので。『日本の最前線はこんな風になっていて、こういう人たちが残ってるねや』って」
 
――先輩バンドとの対バンも増えましたよね。
 
「SiMとかCrossfaithとツアーを一緒に回り始めたのは、バンドにとってデカかったですね。他にも10-FEETのTAKUMAさんとか、BRAHMANのTOSHI-LOWさんとか、マキシマム ザ ホルモンの(マキシマムザ)亮くんとか、フェスでも圧倒的に盛り上げてる人たちに気に入ってもらって、学べたことがあるので。これまで一緒にライブすることがなかった界隈の人達やったり、ジャンルとか考え方の違う人と何かするのは、すごくいいことやなと思いました。その人たちの突出したところを学んだから、自分のグラフもその部分が伸びたというか。俺ら別に鎖国してきたバンドでもないので、これまで通りといえばそうなんですけど、この1年は特にいろいろな意識とかアイディアを取り入れながらやってこれたかなと思います」
 
――フェスの話でいうと、バンドを始めたきっかけが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ROCK IN JAPAN FES 2007」でのライブ映像を見て、その景色を見てみたいと思ったからだと以前に仰ってましたよね。実際にフェスのステージに立ってみてどうでした?
 
「時代もステージの大きさも違いますけど、アジカンがあそこでライブしてた時って、“メインストリームのど真ん中にいる”って感覚でやってたと思うんですよね。そういう意味では今も、『それに早くなりたいな』って思ってます。メインストリームの中で鳴らす感じは全然違うやろから、そう思うと羨ましいなって」
 
――“俺らが真ん中や!”って感覚、Age Factoryも最初から持ってここまで来てたとは思うんですけど、バンドも聴き手もより強く感じ始めて共通意識として持ち始めたのが、個人的には『RIVER』がリリースされたあたりかなと。それが、『GOLD』でより確固たるものに。それは、エイスケさんのツイートなんかでも「我々に日本人よ、賛同せよ。」とまで言い切るようになってたり。前作まではそこまではっきり言ってはなかったなと。
 
「そうですね。最近、一個の文化とか思想だったりを伝えるには、日本人の気質的にも誇張しすぎたぐらいじゃないと伝わらないんじゃないかなって思うようになったんです。思った以上に恥ずかしさを超えてやらんと全然伝わらへん。逆に言えば、これまでの方が、大人やったかもしれないですね。今はそれじゃ伝わりにくいと分かったから、自分の中で恥ずかしいゾーンに入ってたことも思い切ってやる。結果的に、自分たちのやりたいことも伝わりやすいし」
 
――それって、いつぐらいに気づいたんでしょうか?
 
「いつっていうより、今まで4枚ぐらい出してきてあった反応とかを総合してですね。あるいは、ライブの中で、そういったたぐいの発言をした時にはみんな反応してくれたりとか。分かりやすいぐらいの言動した方が、新しいアルバムも自分たちの今の立ち位置とかスタンスも広がるかなと思って」
 
――2月に京都MUSEでtricotとツーマンされてた『MY WAR 2018【京都編】』のことなんですけど。未発表の新曲として『WORLD IS MINE』が披露されて、それを聴いた時に僕はカミナリに打たれたような衝撃を受けて。会場の空気も爆発したみたいな盛り上がりになっていたのを覚えています。なので、個人的にはあのツアーあたりから、より顕著にバンドのスタンスを伝えていくことをバンドとして意識されてたのかなと。
 
「確かにあの辺から分かりやすくなったかもしれないですね。その後に、『WORLD IS MINE』のミュージックビデオで、なにに対しても媚びたくないって俺らの意思主張を出したり。“ここまでできるか?”って危なさとかふり幅を見せてやろうと思ったんですよね。そもそも『WORLD IS MINE』ってタイトルが、もろですもんね。そういうのをあのタイミングで出したからこそ、レスポンスとか変わってきたと思いますね。なので、今回のアルバムにもそういうテンション感が入ってますし、いい意味でバンドのスタンスとかイメージは広がったんじゃないかなと」
 
 
 
石ころみたいなものが金に生まれ変わる
ありえへん発想をテーマにしたアルバム『GOLD』
 
 
――アルバムタイトルの『GOLD』と同名の楽曲はどちらが先に?
 
「そもそもは“GOLD”ってワードをテーマとして使いたかったんですよ。金色の煌びやかさとか豪華さの話じゃなくて、石ころみたいなのが金に生まれ変わるありえへん発想をテーマにしたかった。一等賞のイメージだけじゃなく、言葉自体にいろいろなイメージのあるいいワードやなと思ったので。なのでこの言葉とテーマがあって、アルバムがスタートしたので、1曲目に『GOLD』を」
 

 
――煌びやかな金メダル的イメージが先行する言葉ですけど、曲を聴いてもジャケット見てもそうじゃないですもんね。どちらかというと、血なまぐさいアルバムになってるというか。映画でいうと『ブラッド・ダイヤモンド』みたいな、ただただ煌びやかなものなんてなくって、その裏には危うさとか血の滲むような陰の部分がある感じ。
 
「はいはい。そういうキモさとか危うさみたいなのが、自然と生まれて入ってるのは俺らの武器みたいなところかもしれないですね。いろいろなこと考えてても、結局は俺らの中から生まれてくるので、その特性は消えへん気がしますね」
 
――これまでの作品と共通している、前半のぶっ飛ばしていくテンションから、次第に温かい楽曲へ続く構成がいいなと。ライブもそうなってると思うんですけど、これはどういう意識で?
 
「温かい曲を書くのは、きっと日本人やからなんですよね。根底に、歌謡曲とか演歌がおそらくあるんです。『歌謡曲と演歌ってどういう違いがあるの?』ってレベルでしかない俺からしても、ああいう音楽がやっぱりホームミュージックなんやなと。だからゆっくりな曲とかはエッセンスとして欲しくなりますし、いぶし銀みたいな感じを自分の中で作り出しちゃってるんやと思いますね」
 
――勢いある前半の『GOLD』とか『WORLD IS MINE』は、『RIVER』のリリースを経てライブを回ったりフェスに出演したりした中で感じたことや衝動、怒りとかが凝縮されている気がして。一方で、温かみある後半は、曲調に反していかついですけど『My green friend』とか、あと『TONBO』とかは特に生まれてから今までのパーソナリティが反映されてますよね。
 
「たしかに、今まで自分たちが持ってた武器みたいな部分を太くした曲と、今までずっと自分の中にあったものを伸ばした曲になってますね。完全に新しい要素が増えたなって曲もあるから、そういう曲は自分たちにとっては広がりやなって思ってるし。そういうところはガンガン出していきたいなと」
 
――『My green friend』はこれまでにない感じがしたり。個人的には『Million』が強烈でした。
 
「その曲、久々に凝ったんですよ。上下の動きがある感じで、旋律とかも綺麗やけど激情系でって、今までずっと書きたいなと思ってた曲で。たぶん、Age Factoryの一番の根底にある曲やと思います。俺が唯一持ってるオリジナリティな気がしますね」
 

 

 
このままでは日本、終わる
ティーンの意識を変えたい
 
 
――Age Factoryにしかできない音楽を。エイスケさんにしか書けない曲を。
 
「誰かがしてることをするなんて意味ないから、もちろん同じようなことをしたくないという気持ちはめちゃくちゃありますよね。ただ誰かがしてきたことの上にしか土壌は存在しないわけやから、そこは考えながらやらないといけない。それでも根本にあるのは誰もいないところでやり続けたいというのがある。今の時代やと誰もやったことないことってほぼ不可能やから、“誰もがやってきたことを独自にブレンドしてやる”か、“誰もいないところでやるか”のどっちかやと思う。その上で、みんなと違うことがしたいですね」
 
――ルーツとかじゃないですけど、何かしらには影響を受けてきたわけですもんね。
 
「ずっと文化に対して興味を持ってきただけに、影響もされてますね。自分たちが好きなものは圧倒的に好きですけど、それだけじゃなくまんべんなく興味がある」
 
――「鎖国してるバンドじゃない」と仰ってたのもそうですよね。いろんな文化にアンテナを張って、周りを見た上で独自の音楽を。
 
「タイラー・ザ・クリエイターの入ってるチームとかもそうですけど、モデルとかVJっていうクリエイター集団があつまってライブをするとか、GEZANの新しいアルバム『Silence Will Speak』がよくて『BODY ODD』でめっちゃラッパーが参加してるやつもそうやと思うんですけど、これからはそういう形になっていくんやろなと。今の良いものをとり入れて、ブレンドして誰もやったことない形を目指し続けてクリエイティブな仕事をするっていうのは当然の結果。そういう意味でも、それをしてるやつらがフェスのメインをはらないと、日本、終わる」
 
――というと。
 
「日本独自のことができなくなった瞬間に、他のアメリカとかヨーロッパのゴミ文化みたいになってしまうと思うんですよね。だから、海外進出とか言ってるバンドは頭がおかしい。ただの留学希望者みたいな感じですよね。逆にいうと、英語を学びたいという気持ちが俺は全く分からへんから、それはそれで正しいと思うんですけどね。ただ、俺たちのやりたいこととは違うってだけです。日本でとことんやった結果、勝手に海外に広がるぐらい独自で高めていくジャパニーズバンドにならないと日本でやる意味がないと思ってるんで。海外志向の人らって、あんなんただの写し絵でしかないから。俺からしたら、ただのビートルズのコピバンやんって。それじゃあ俺らより下の世代になんの影響も起こせないと思うんですよ。俺は日本でいろいろな文化を取り入れながら、日本独自のバンドとして、日本でちゃんとアルバムを売って、向こうでも広がるという形が自分たちには一番適してると思ってます」
 
――日本独自のバンドとして、ど真ん中を狙うと。
 
「というより、アンダーグラウンドとかオーバーグラウンドっていう感覚が、表裏一体やということに気付いたというか……。それって意識の違いに誰かが隔たりを立ててるだけで、実際には何かひとつの要素でバーンって入れ替わるもんなんじゃないかなと。そうすると、アンダーグラウンドとかオーバーグラウンドって感覚は、ホンマは存在せえへんねやなって。その二つの近さに気付いてからは、発想ひとつでぜんぜん違う風に捉えさせることができるんやなと思いましたね。ただ逆に言うと、その中で間違った風に偏ったりし出すのも違う。もちろんどちらかに偏ってるからこその良さもあるけど、俺はそういうタイプじゃなくて両方のバランスを取りながら、真ん中に近いところでやり続けたい。そのためにもまずは、今のバンドを勝ちきっていきたいですね。そういう意味では、俺らも紅白歌合戦とか出たいとマジで思ってますから。俺ら出たら結構、オモロイと思うんですけどね」
 
――お茶の間がひっくり返りそう。
 
「紅白に出たいのは、ティーンの意識がめっちゃ高くなると思うからなんですよね。そこが一番重要。危うい感じで誰かが突かないと、次の世代が何かを生み出す時にあんまり影響しなくなってしまう。緩い時代より、文化的に尖ってたり、気持ち悪い方が俺はオモロイと思うので」
 
――こんなやばいバンドがいて、こんな音楽もあるんだと知らせるというか。その次の世代を意識し始めたのって最近ですか?
 
「俺個人の意識というか、世界的にそうなってきてるんちゃいますかね。大麻の合法化の話題とか昔やったらありえへんかったやろうし、音楽で言えばヒップホップの流行もそう。一番最初に起こったパンク精神みたいなのも一周してきてて、さらにパワーアップしたバージョンのその精神がこれからど真ん中になるんじゃないかなって思うんですよ。だからこそ、誇張しすぎなぐらいが伝わりやすいっていう考え方になってきてる。その方法というのは尖ってたり気持ち悪さであって、今はそれが広がることとか影響受けること許される時代なんやと思いますね。それは、みんなが求め出してるとも言える。だからこそSNSなんかでも、そういう人たちがピックアップされてきてる今は時代がバンって変わり始めた時な気がしますね」
 
――そういう時代の転換期だからこそ、日本からAge Factoryが何かを提示すると。それを受け取ったティーンが、これからどんなものを生み出していくかも考えてる。
 
「それにはカッコいいかどうかより、こいつらのテーマがなんで広まってるのかを考えさせるぐらいの影響力がないと発展していかないと思うんですよね。俺らは、海外のアーティストに感化されることが多かったからこそ、それぐらいの影響あるアーティストを日本にも存在させんと結構やばいなと。そんな人ら、おらんと思うんですよ。ティーンがファッションとかで影響される日本の文化とリンクしたバンドって、クリープハイプとかMy Hair is Bad、Suchmosとか出てきていますけど、それでも少ないじゃないですか。それが、もっといろんな種類の人が出てきて、いろんなものがフィーチャーされてきたら絶対にオモロイと思うんです」
 
――なるほど。
 
「一番いいなと思うのは、音楽のアーティストを好きになって、服に興味ない人がファッションに興味を持ち始めたりすること。文化的に二つの世界が広がるってことですから。ファッションが好きな人が、フェスを観に行って音楽を好きになるとか。横に繋がってる文化の多さを知って、そのひとつひとつのことからいっぱい学んで、それが繋がったタイミングで新しいものが生まれたりすると思うので。天才的な人達が生まれる気がする。バンドとか関係なく、全文化の人が日本でもっとオリジナリティ持って頑張らないとあかんのちゃうかなって思いますね。その文化を繋げる一つの要素が、Age Factoryやったらええなって思ってます」
 
――Age Factoryってアートワークとかグッズのファッション性もいいなと思ってたんですけど、そういう意識が反映されてたのですかね。特にこの人のファッションとか、そういう繋げていくという意味で気になる人、影響受けた人を具体的にあげるとするなら?
 
「例えばサンダーキャット。音源を好きになって、フィーチャリングしてるアーティストが誰やろうって調べたら、マック・ミラーというラッパーで、その人の死がニュースになってる。じゃあ、そのマック・ミラーがいた界隈のヒップホップの人らってどんな人なんやろうとかって、このつながりは、一人のアーティトを好きになってから全く知らん人のところまで飛んで行ってるじゃないですか。これが、僕が興味のないけどドラムの増子くんが好きなバスケットボールのことを調べだしたりしたり。調べてみたら、ファッションにも繋がっていったと。これってすごいことやなと思うし、俺にはそうやって知ったことがあったから。そういう風に興味ない人も興味出るぐらいの入り口の多さは、どんな文化においてもオモロイかなと。映画とかスポーツ、ファッション、音楽は特に繋がりやすいからこそ興味が出やすいと思います。やっぱり、自分の好きなアーティストの好きなアーティストを知りたいってすごく自然ですしね。そうしていかなあかんなと思うんですよ」
 
――そうやって掘り下げて繋がっていくことを、今もごく自然にされてるわけですよね。
 
「そうですね。例えば俺やったら、FLAKE RECORDSのDAWAさんのツイートをみて新譜情報を知るとかもそう。ああいう人たちがどの時代もいてないといけないと思うし、その分野にちゃんと詳しい人が最前に行かないとあかんのちゃうかなと。最近、カニエ・ウェストがトランプ(米大統領)と会って好きと言ったみたいなニュースがありましたよね? あれぐらいの規模感の存在が日本にいないと終わる。それが本当はトランプじゃなくって、もっと超イケてるヒップホップの人とかでいいと思うし、そうやってピックアップできる存在がもっと生まれてこなあかんなと。今の日本はちっちゃいままで終わってしまってる感じありますよね」
 
――そういうスケール感を持たないといけない、という危惧。
 
「ある種、eastern youthもbloodthirsty butchersもそこにおった気がするんです。あれぐらいの純度の高さで何かの音楽を続けられるのっていうのも、すげーなと思う。そう考えると、“純度の高さ”もすげー気になる」
 
――純度を保ったまま、ティーンに影響を与えられるような存在に。そういう存在が現れにくいということは、今の日本のシーンにはその土壌がないわけで。ということは、時代を変える気概でいるエイジにとっては、常に逆風に向かっていく感じだったのかなと。
 
「逆風やと思ってましたね。恵まれてないとすら思ってたから。なぜ恵まれてないかが分からないからこそ抗ってきた」
 
――とはいえ、決してネガティブにとらえてるわけじゃない。
 
「そうですね。反発の摩擦によってオモロイもんって生まれて来ると思ってるので。なので、自分たちにとってはよかったなと。逆に、今は追い風になり始めた時にどうやってその摩擦熱を生み出すかが、その人の才能だったりセンスなんかなと考えてて。認められ始めてきた時こそ、そいつがどんだけオモロイもんを出すかやし、それが人間力なんやろなと」
 
――そういう時にこそ、純度が大事になってくる。
 
「カート・コバーンは死んでしまったし、超ピュアな奴ほどオーバードーズでいなくなってる気がするんですけどね。自分を見失わないためにも、周りに影響されへんためにも、芯の強さを今の時点で築いとかなあかんなと思いますね。やっぱりガンガン追い風になってから、いいアーティストっていないと思うんですよ。そこまでいっちゃったら、ひとつの意見を聞き始めたりして、もともとのオリジナリティの良さがなくなってくるから。どんだけ追い風になったとしても曲げないって発言力あるものを、今のうちからやりまくっとくべきやと最近思います。そうやって今から選別しまくって、超ピュアなものにしていく。なので今はいろんな思想の中から限定していって、将来的にピュアなものになりたいなっていう時期なのかな」
 
――純度の話で、よりアルバムの根底だったりテーマが腑に落ちました。
 
「最初から、その意識で作ってたんで。このアルバム。だから反応としては、いいんかどうか分からへんなぁ。たぶん来年の今ぐらいになってようやく分かるかなって気がします。自分の中では、リリースしてから1年後がその作品の結果がでるスパンやと思ってるので。1年後ぐらいに例えばメジャーに行ってたなら、それはいい意味で進めてたということやろうし。こういうアルバムを出した時は、1年後が重要かなって」
 
――ちょうど『LOVE』、『RIVER』、そして今作も1年後に出してますもんね。
 
「誰が考えても悪くない流れですよね。だからこそ、俺らも自信がついてる。あとはもう、ただただいいものを作りたいなって。今はサブスク時代やとしても、一番強いのは結局口コミやと思いますし。例えばバナーとか、媒体広告を打ったとしても結局、自分が信頼してる音楽好きな人達がこれええでって言った一言には勝てないなと思って。だからこそ、いいものを出して後は信じるしかないかなと」
 
――今作で掴んだもの、見えたものがあるわけですね。
 
「見えたものもありますけど、次がどうなるんか全く想像できない。次、俺はどこに向かうんだろうって。ただ、どっかに向かうということは決定していて、それがどっちなのかは自分でもまだよく分からないですね。とりあえずは、ライブをしてみた反応とかを見て、自分が出したものが正しかったのかがそこで初めて分かる気がしてますね。いずれにせよ、高水準のものを出していく流れを止めないようにはしたいなと。俺らは勢いが落ちた瞬間、その時点でもう無理かなと思ってて。一回でも落ちてしまったら無理。角度が同じで少しずつでも、そのまま上がり続けてないといけない。そのためにはバランス感覚も大事で、日本でバンドやってるからにはいろいろなバンドと繋がって話も聞きたいですね。同世代とか下の世代は一緒にライブしなくても繋がれる時代やと思うので、これからも特に上の世代のアーティストとは自分からアプローチかけてやりたいなと思ってたり」
 
――ツアーを経て、ファイナルのワンマン公演があり。これからの1年でAge Factoryが何を掴んだのか、その結果となる次作も楽しみにしています。
 
「ライブに関しては、今回のアルバムがティーンを変えていきたかったというのもあるので、特にティーンに来て欲しいですね。俺らより上の世代の人達は、自分のアンテナを持ってるから、いいものを出せばライブを観てくれると信じてるから。俺もそうやけど、ティーンの時は何も分からんからこそ、なんとか知らせたいですね。何も考えずに自分たちの好きなものだけを吸収してる、一番、感受性がビンビンの時期に何か感じてほしいですね。俺らが高1の時にLOSTAGEとかが地元にはおったけど、Age Factoryみたいなバンドがおってもよかったなと思うから。まだ知らない人に、今回のアルバムとツアーライブで教えてあげたいなと思います。もちろん俺ら自身もアンテナビンビンにして、アルバムの結果が見えるまでの1年間、エンジン高めまくって活動していこう思います!」

text by 大西健斗



(2018年12月 3日更新)


Check

Movie Comment

Release

Age Factory渾身の2ndフルアルバム

『GOLD』
発売中 2222円(税別)
PECF-3212
SPACE SHOWER MUSIC

《収録曲》
01. GOLD
02. See you in my dream
03. WORLD IS MINE
04. HUNGRY/猿
05. 白昼夢
06. Moony
07. million
08. My green friend
09. kicks night
10. TONBO

Profile

ボーカル&ギターの清水エイスケ、ベースの西口直人、ドラムの増子央人からなるロックバンド。2010年の結成以来、奈良を拠点に活動中。全国で年間100本以上のライブを遂行。2014年12月、初の全国流通盤となるミニアルバム『手を振る』をリリース。その後、MINAMI WHEEL、スペースシャワー列伝、SANUKIROCK FES等、若手の登竜門とも言える名だたるイベントにも多数出演を果たす。2015年9月にセカンドミニアルバム『NOHARA』を、2016年10月には、ファーストフルアルバム『LOVE』をリリースした。去年の夏には、サードアルバム『RIVER』をリリース。京都大作戦のほかVIVA(ビバ) LA(ラ) ROCK(ロック) FESTIVAL(フェスティバル)、SWEET(スィート) LOVE(ラブ) SHOWER(シャワー)など大型フェスにも多数出演し話題を集める。そして、先月、セカンドフルアルバム『GOLD』をリリース。フジテレビ系「Love music」で紹介され注目を浴びた他、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文や10-FEETのTAKUMAら名だたるアーティストがアルバムを絶賛し話題に。

Age Factory オフィシャルサイト
http://www.agefactory.biz/


Live

「GOLD TOUR FINAL ONEMAN」

【東京公演】
▼12月1日(土)WWW X

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:126-946
▼12月8日(土) 19:00
umeda TRAD(前umeda AKASO)
スタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
[問]サウンドクリエーター
■06-6357-4400

PELICAN FANCLUB/Age Factory/パノラマパナマタウン
〈振替公演〉
チケット発売中 Pコード:129-451
▼12月11日(火) 19:00
池下CLUB UPSET
オールスタンディング-2500円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
※本公演は9/4(火)の振替公演です。お手持ちのチケットは有効。小学生以上有料。未就学児童無料。
[問]ジェイルハウス■052-936-6041

Pick Up!!

【大阪公演】

12月11日(火)一般発売
Pコード:136-629
▼2019年1月19日(土) 17:30
CONPASS
オールスタンディング-2500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]NOT WONK
※未就学児童は入場不可。
※発売初日は12:00より受付。
[問]サウンドクリエーター
■06-6357-4400

Age Factory/NOT WONK
12月11日(火)一般発売 Pコード:136-817
▼2019年1月20日(日) 17:30
TSUTAYA O-nest
オールスタンディング-2500円(ドリンク代別途必要)
※未就学児童は入場不可。
※発売初日は、昼12:00より発売。チケットは1人4枚まで。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
■03-5720-9999

チケット情報はこちら