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世界中が待ち望んだニューアルバム『No New World』
8年ぶりに届いた充実の新作について語る
MASS OF THE FERMENTING DREGS
宮本菜津子(vo&b)インタビュー&動画コメント

MASS OF THE FERMENTING DREGS(以下マスドレ)が8年ぶりのニューアルバム『No New World』をリリースした。約3年間の活動停止期間が明け2015年にバンドが再始動して以来、活発にライブを行いながらシングル『スローモーションリプレイ』やフロントの宮本菜津子(vo&b)のソロアルバム『なまみ』をリリース。そのどれもがいつまでも後を引くような作品であっただけに、“早くフルアルバムを!”という声が国内はもちろん海外からも寄せられたという。その声の主たちにも、この新作がもう届いているはず。マスドレをずっと知っている人も初めて出会う人も、同じように開いた扉の奥へと引き入れてくれるオープニングの『New Order』(M-1)。今作も含めこれまでジャケットを手掛けてきた、宮本にとって友人でもあるマンガ家、こざき亜衣の作品と同名の『あさひなぐ』(M-2)も、小倉直也(g)がメインボーカルをとる『HuHuHu』(M-6)も胸のすくような爽快さにあふれている。そして、まっすぐに心臓を打ち抜く言葉でとても静かに世界にNOを突き付けるタイトル曲の『No New World』(M-5)。今回のインタビューでは、10代の多感な時期に宮本自身が惹かれ大きな影響を受けた音楽や、宮本自身の音楽が生まれる場所についても語ってくれた。そのすべてがアルバム『No New World』へと続く道になっている。


歌詞の中でこんなにストレートにものを言ったのは、今回が初めて
 
 
――『ゼロコンマ、色とりどりの世界』より8年ぶりのニューアルバム発売おめでとうございます! 最初にアルバムの音を頂いたとき、『No New World』というタイトルがまずカッコよくて。ピンと背筋が伸びる感じもありながら、作品にはとても豊かな音楽が詰まっていました。
 
「ありがとうございます。“8年ぶり”という響きは自分でもびっくりなんですけど、8年も経っている気がしないというのが実は一番大きくて。バンドの活動停止中もソロ活動をしていたり止まってはいなかったので、“そんなに経ってたんや”って。でも、これまでを振り返ってみてもアルバムは3枚しか出してへんし、1stの『MASS OF THE FERMENTING DREGS』も、それまで何年も何年もライブをしてきた中で出来た6曲を記録したものだったんですね。なので、作品を作るスパンとしては違和感がないのかも。今回のタイトルは、タイトルチューンのラスト4行が出来たときに“あ、これや”と閃いたワードで。自分の中では「これしかない!」とえらい腑に落ちたのですが、そこまでのプロセスをうまく説明できないだけに、メンバーはどう思うかなぁという不安もありつつ」
 
――反応はいかがでした?
 
「“いいと思うよ”って」
 
――まず“NO”とあるのが、否定しているととらえる見方もあるのかもしれません。ただこの曲はとても静かでドリーミーで心地がよくて、それでいて歌詞の言葉は最初から最後までとても辛辣です。“君の歌はゴミのようだ”と歌詞にありますが、薄っぺらいストーリーを掲げた中身のないものに対してNOを突き付けるだけじゃなく宣戦布告しているようにも感じます。
 
「もともと今作は“アルバムを作ろう”と号令をかけて録音を始めたわけではなく、再始動後、ライブをどんどん重ねていく中で、“記録したいね”という純粋な動機から作り始めた作品で。昔からそうなんですけど、曲を作ったらそれで完成じゃなくて、人前で演奏しないことにはその曲の居場所がわからないというか、それをちゃんと掴めてから録音がしたいと思って、今回は、一度に全部録ることはせず掴めた順に録音していって。『No New World』に関しては、7曲を録音し終わったときに、“このままだと、ただの寄せ集めになってしまうな”という良くない違和感があって…自分の中で、今現在の自分の空気というか、本当に“今”というものを閉じ込めないと作品にならないなって。今現在の空気というか、それを形にしないことには、世に出せないなと思って。それで出来たのが『No New World』だったんですね」
 
――なるほど。
 
「活動停止している間、音楽シーンとあまり接点がない状態で音楽をやっていたからか、再始動してからいろいろ感じることがあって。今、自分の中にあるグツグツしたものを曲にして収めておきたい、そう思って出来た曲ですね。“これぐらい言わんと”、“歌にしないと”と思って書いたところはあります。なので、それを宣戦布告のようだと言っていただけるのは嬉しいですね」
 
――“君の歌は ふざけている ゴミのようだ 吐き気がする”。この歌を歌わずにはいられなかったんですね。
 
「そうですね。再始動後は、わりとストレートにものを言っていると思うんですけど、その中でもこれだけストレートにものを言ったことはなかったように思います。これはバンドの意志というより、個人的なことではあるので“大丈夫かな”という心配はありました。でもメンバーも賛同してくれたので、無事にマスドレとして出せました。何でしょうね? やらずにはいられなかったみたいな感じ。それが一番しっくりくる言葉かもしれない。出さずにはいられなかった」
 
――バンドを取り巻く状況の一端なのかもしれないし、もっと大きな世界を見て導き出された思いかもしれませんが。
 
「うんうん」
 
――昨年9月に大阪で初の昼ワンマンが開催されましたが、その時も『あさひなぐ』(M-2)や『だったらいいのにな』(M-3)も聴けました。さっき曲の居場所の話をされましたが、どれも完成している曲ではあるけれどライブでやることで曲に生命が吹き込まれていくんでしょうか。
 
「そうですね。スタジオでいい感じでやれていても、人前でやると全然感触が違うことってあって。自分たちだけでは完成しないというか、聴いてもらってなんぼというか。それでやっと出来るという感覚はバンドをやり始めてからずっとあったし、曲を書いて人前でやってという順序でやっていって、やっと報われる。その繰り返しですね。巨大なコミュニケーションというか。今までは作品として出してからツアーで演奏するというやり方をしていた時期もあったけど、今回のアルバムに関してはタイトル曲以外は全部演奏しているし、ライブに来てくれている人からしたらなじみの曲になっているものもあるかもしれない。そういう人からすると、“いつになったら出んねん”ぐらいの感じかも。自分でも“まだアルバム出てへんねや”みたいな感じだったから(笑)」
 
――タイトル曲がない時点で“寄せ集めみたい”といわれたのは、そういうことなんでしょうね。タイトル曲以外はどれも以前から自分の中にあった曲達で、そういうこれまであった曲の中に今の一撃といえるタイトル曲を加えた、と。
 
「まさにそうですね。これまで出してきたアルバムの中でも、必ず1曲は今まで出来ていなかったことをクリアしたものを入れるようにしているんですね。聴く人には分からないかもしれないけど、曲のアプローチの仕方とか、今まで言えなかったことが言えたとか、何でもいいから次への半歩をやっておかないと次につないで行けない気がしていて。それが今回はタイトルチューンですね」
 
――YouTubeにファンの方から寄せられた質問に答える企画の模様がアップされていますが、国内外問わず“アルバムはいつ出ますか?”という質問が多かったですね。アメリカやカナダ、シンガポールからも“次のライブは?”という声がたくさんありました。
 
「嬉しかったです。日本ももちろんですけど、海外でも待ってくれているんだなって」
 
――前回のインタビューで、作品のリリースがあってもなくても好きなバンドのライブはいつでも観たいという話になりましたが、今回のアルバムを聴いていて作品をリリースする意味みたいなものを感じました。今作があったことで、前作の『ゼロコンマ、色とりどりの世界』が持っていた良さを今作との対比も含めて感じたし、今とはまた違ったあの頃のマスドレの良さもはっきりと感じて。アーティストにとってそのときどきの自分たちを作品で残したり刻んでいくことはとても大事なことなんだな、と。
 
「嬉しいです。今回のアルバムも、これまでのアルバムも本当に“そのとき”そのものなんですよね。そのときの私であり、そのときのマスドレというバンドで。今回のアルバムで言うと、『Sugar』(M-7)とか特にそうなんですけど、この年齢にならないと書けなかった曲やと思っていて。いわゆる大人と呼ばれる人たちには、もれなく聴いていただきたいですし、若い世代の人たちにどういう形で届くのか、とても興味深い1曲です。なんにせよ、昔は昔、今は今、どっちにもそのときにしか出来ないことがあるし、そのときならではの良さも楽しみ方もある。今回のアルバムは確実に今やから出来ることなので、そういう印象を持ってもらえるのはひとつ成功ですね」
 
――以前のマスドレは直線的なカッコよさが強かったように思うんですが、今作を聴いて思ったのはグッとどこまでもまっすぐに道が伸びるような直線的な強さよりも、鋭さがありながらも緩やかに蛇行しながら進んでいくしなやかさがあるような気がして。そこに人間味みたいなものが重なって、奥行きを感じます。矛盾があったりうまくいかないこともありながら進んでいく日常は必ずしもまっすぐじゃなくて、そういう毎日を伴走してくれる音でもあるのかなと。
 
「それを曲から感じ取ってもらえただなんて…非常に嬉しいです! 以前は本当に自分の考えとか美学に反するものが許せないところがあって。ただまっすぐに、こうと決めたらそれしかありえないと思っていたし、今もそういう考え方がなくなったわけではないんですけど、誰だって間違えるし無駄なこともするし、矛盾もある。今回のアルバムの曲は、それを“ま、ええんちゃう?”、“いいやん、別に”と思えるようになってから記録したものなんですね。」
 
――なるほど。
 
「たいていのことは受け入れられるようになって。昔やったら許せんかったこと、大体は自分に対してのことなんですけど、間違えたりちょっとでも自分の中でカッコ悪いなと思うことをしてしまったりすると、それをずっと引きずったりして。でも今は、自分に対しても人に対しても、“間違えることもあるけど、しょうがないやんな”と、ドンと構えられるようになって。それはおそらくライブにも出ているだろうし、歌にも出ていると思うんですね。なので、それが作品を通じて伝わってるんやなぁって。カッコいいと思うものや、いいなと思うものは割とありますし、でも、そのバンドや歌い手さん自身の歴史とか、その人が歩いてきた道や見てきたものをおすそ分けしてもらってるような感覚にさせてもらえるものって滅多に出会えないなと思っていて。これは、音楽だけじゃなく絵にもお芝居にも言えることだと思うんですけど…こう、代わりがきかないものというか。例えば、メンバー構成/機材/曲調を真似してみたって、1ミリも近付けない、誰も真似ができないことをしているバンドっていて。マスドレの音楽が、さっき言われたみたいに自分の歩いてきている道を一緒に歩んでいける音楽という感覚を持ってもらえるのはめちゃめちゃ光栄なことで。聴いてくれる人はもちろん自由に聴いてもらいたいけれど、できればそういうものになれたら、作り手として報われるなあと思います 」
 

 
スマッシング・パンプキンズにも宇多田ヒカルにも、
絶対に拭えない孤独があるのを感じる
 
 
――宮本さんはhideさんに大きな影響を受けたとよく話されていますが、宮本さん自身を作ってきた音楽というか、一番強く影響を受けたものというと90年代の音楽になりますか?
 
「そうですね。90年代後半から2000年の最初の頃に中高生だったこともあって、その頃が一番音楽を聴いていたし、その頃に聴いていたサウンドとかバンドにはかなり影響を受けているとは思います」
 
――特に好きだったバンドを挙げるとしたら?
 
「hideさんが好きだと公言していた、そこから派生して知った洋楽をよく聴いていたので、マリリン・マンソンとかナイン・インチ・ネイルズ、KORNとか。同じ頃に聴いていたスマッシング・パンプキンズにはすごく影響を受けていると思います。ラウドな音楽ばかり聴いていた中で、スマパンはめちゃめちゃポップなんだけどへヴィで、異色だった印象があります。スマパン、ホール、……ニルヴァーナよりもフー・ファイターズをよく聴いてました。結局ポップなものが好きだったんでしょうね。フーファイのほうがスコーンッて爽快で、でも物悲しい感じもあって。ちなみに、『あさひなぐ』のサウンドのイメージはもともとフーファイで、“フーファイの感じやねん。バーンていく感じの!”って2人にも伝えていて。“分かりにくいわ”って(笑)」
 
――マスドレを聴いていると、ニルヴァーナよりフー・ファイターズが好きというのは分かる気がします。何となく、フーファイには“青春”な印象があります。
 
「わかります! いつまでも青いし、いつ聴いてもエバーグリーンな感じがあって。夏とか、あったかくなるとフーファイを聴き始める。ホールも、女性がロックバンドをやっていいんだと思わせてくれた存在でした。そうやって洋楽にわっと飛び込んで行けたのもhideさんがいたからですね」
 
――hideさんの表現は多角的でしたね。ジャケットのデザインも刺激的でしたし、洋楽邦楽の垣根がなくて入り口は常にオープンで、カッコいいものにたくさん出会えた気がします。
 
「そう。“hideさんのどういうところに影響を受けましたか?”と聞かれることが多いんですけど、音楽という枠に収まりきらない、“とにかくカッコいい人”というか、ファッションも、やっている音楽も含めてそうやったし、hideちゃんが“いいよ”と言っているものはだいたいどれもカッコいいみたいな。そういう感覚でhideさんを見ていた気がしますね」
 
――スマッシング・パンプキンズの音楽にある絶対に消えない孤独感みたいなものは、宮本さんの作る曲にも潜んでいる気がします。ここまで話を伺って、改めて腑に落ちる気がしました。
 
「結局、自分が夢中になるものって、絶対的な孤独感があるものばかりな気がします。あからさまにそれを表現している人は好きじゃないんですけど…それが滲み出ているものというか。わたし、宇多田ヒカルさんが大好きなんですけど、彼女にも拭えない孤独感があると思っていて。どの曲を聴いてもそこに孤独が見えて、でもそれがただの吐露にはなっていなくて。おそろしいなと思いますし、この感触は自分にとって「この人は信用できる」と思える重要な点で。ポーズなんかじゃなくて、きっと、作らんとどうしようもなかったんやろうなって。今まで自分が聴いてきたものと、自分が作っているものに拭えないそういうものがあるということは、大きなキーワードなのかもしれないですね」
 
――その孤独感って、幸せを味わったらそれがなくなるというものでもないんでしょうね。宮本さんの中にある孤独感が、宮本さんに音楽を作らせている?
 
「そうなんだと思います。前にもお話したかもしれないけど、自分が何で曲を書いているのかが自分でもまだよく分かっていないんですね。“こういう作品を作りたいから曲を書いている”とかじゃなく、書かざるを得なくなるというか。最近、小袋成彬さんのアルバムをよく聴くんですけど、もともとは宇多田さんのアルバムに彼が参加していることで知ったんですけど。“この人は何者なんやろう?”ってインタビューとかもガーッと探して読んでいくうちに、小袋さんが自分の創作に対して言っていることにめちゃくちゃシンパシーを感じて。小袋さんのアルバム『分離派の夏』に彼の友人が語るモノローグが2曲あるんですけど、1曲目の『042616@London』では、芸術についてのお話をされていて。作家は、“作品という形に置き換えることでケリをつけているんじゃないか”という。今もよく聴くんですけど、小袋さんの曲にもすごく孤独を感じるんですよ」
 
――分かります。夕飯を作っているときに小袋さんの曲がラジオから流れてきて“あぁ、今じゃない時間に聴きたい”と思ったことがあります(笑)。
 
「(笑)わかる気がします。みんなと聴きたいんじゃなくて、ひとりで聴きたいんですよね。最初に聴いたときは、あまりにもパーソナルすぎて正直、不快に感じるぐらいだったんですよ。でも、聴いているうちにだんだん自分も自分と対峙し始めるというか。その居心地の良さに気付いてからは、本当によく聴くようになって。自分にはない視点から世界を見ているような、でも、前から知っているような不思議な感覚になるんですよね」
 
――宮本さんの中にあるものを外に出すのに、音楽という形が一番適していた?
 
「そうなんだと思います。ロックバンド、マスドレというバンドでベースボーカルをするということが、自分の何かを表現することにおいてベストな形だった。この形に、一発で運よく巡り合えたことは、本当にラッキーなことだと思います。バンドの結成、解散を繰り返しながらベストな形を作り上げていく人もいますし、でも、私ははじめて組んだオリジナルバンドが、自分の中にある何かを表現するのに最良の形だった。作品を作って人前に出すということがどういうことなのか、やっと少しずつ分かってきたというか、言葉にするのは難しいけど体感的には分かってきていて。今回の作品も、自分の人生の流れの中で今というタイミングなのも含めて必然的な感じがするし、だんだん掴めてきている感じなのかもしれない。この謎については、いつか分かればいいなって」
 
――曲を作る理由が分かっても分からなくても、音楽になって出て行くでしょうし、それが続く限りバンドは続いていくんでしょうね。
 
「そうですね。曲が出来なくなったらそのときが“もう終わりやで”ということなんでしょうけど、まだ今の時点で世に出してへん曲もあるから、それを出し切るまではやめられないですね。そう言っている間に新しい曲もたまっていくやろうし。誰だったか、“聴いてくれた人に、この曲は私のことを歌ってくれていると思ってもらえたら大成功”だと言っていた人がいて。結果的に、それぐらいまでグッと寄れたら最高ですよね。作品を世に出した時点で私たちのものではないし、どんどんその人の曲になっていってくれたらいいなと思います。そうなることによって自分以外の誰かのためになれたらいいなって。それは、結果、自分にかえってくることだとも思うので。」
 
――次作は8年待たなくても聴けるかもしれないですね。
 
「そうですね。今作を出したことで自分の中でひと区切りついたところもあって、この先は1曲ずつとかでも曲が出来たらポンポン出していくのもいいかなと。やっぱり伝えたいんですよね。作品を作り上げることへのこだわりは持っていたいけど変なこだわりでタイムラグが起きるのはいやだし、自分もSpotifyで洋楽をよく聴くんですけど、海外のアーティストもシングルをポンポン出しているし、1曲単位でも聴いてもらえますよね。だから、“これは今出さなあかん!”というものが出来たらどんどん出していきたい。そのほうが今の自分らを伝えられる可能性も大きいなって」
 
――宮本さんは音楽という形で自分の中にあるものを出していて、それを聴くことでこちらも自分の中にあるものを出すことが出来るんですよね。それはライブに行ったときに思いました。それまで自分の中に渦を巻いているものがグワーッと解き放たれる感じがあって。
 
「我々も、ステージに立って演奏することで自分の中の風通しを良くすることが出来ているように思います。それは、3人でスタジオに入って音を出しているだけじゃ出来ないことで、やはり、お客さんがいてこそ生まれることで。ただの憂さ晴らしではなく、互いの存在を確かめ合うような感触があるように思います。」
 
――6月にあったアルバム先行販売ワンマンに続いて、『No New World』を携えたツアーが8月12日(日)、宮本さんの地元である神戸のHELLUVA LOUNGEを皮切りに始まります。関西は他に、9月22日(土)十三ファンダンゴもありますね。
 
「神戸のHELLUVA LOUNGEはマスドレがガールズバンドだった頃からお世話になっているライブハウスで。今回、どうしても初日はここでやりたいとお願いをして、満を持してのワンマンです。ぜひたくさんの人に来て頂きたいです。ファンダンゴはbedとCARDとの3マンなのでこちらもお楽しみに。ツアーを通してどこまでアルバム『No New World』を広げられるか、みなさん、是非ライブハウスにいらしてください。お待ちしています!」

text by 梶原由紀子



(2018年7月20日更新)


Check

Movie Comment

Release

4th Album『No New World』
発売中 2300円(税別)
FLAKES-192
FLAKE SOUNDS

《収録曲》
01. New Order
02. あさひなぐ
03. だったらいいのにな
04. YAH YAH YAH
05. No New World
06. HuHuHu
07. Sugar
08. スローモーションリプレイ

Profile

マス・オブ・ザ・ファーメンティング・ドレッグス…写真左より、小倉直也(g&vo)、宮本菜津子(vo&b)、吉野功(ds&cho)。’02年に神戸で結成。地元神戸と大阪を中心にライブ活動を行い、’06年より東京でもライブを開始。’07年にニューヨークで、フレーミング・リップスやナンバーガールの『SAPPUKEI』を手掛けたデイヴ・フリッドマンのプロデュースにより2曲をレコーディング。同年夏にFUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO GOステージに出演。秋にドラマーが脱退し、BACK DROP BOMBの有松益男らがサポートメンバーとしてライブでドラムを担当。’08年1月に1stアルバム『MASS OF THE FERMENTEING DREGS』をリリース。同作のリリースツアーより、WORDの吉野功がサポートメンバーとしてドラムを担当。9月に東京で初の自主企画イベント『視界をクリアに』開始。翌’09年2月に2ndアルバム『ワールドイズユアーズ』発売。’10年2月に1stシングル『ひきずるビート/まで』をリリースし、同年8月に初のフルアルバム『ゼロコンマ、色とりどりの世界』を発売。台湾、カナダなど海外公演を開催。’11年よりQomolangma Tomatoの小倉直也(g)をサポートメンバーとして迎え、各地のフェスやライブイベントに多数出演、同年末に吉野が脱退を表明し、’12年9月にバンドの活動停止を発表。宮本菜津子はソロ活動をスタート。’15年12月に下北沢GARAGEで再始動後初のライブ。翌’16年にはカナダのバンド、CANCERSのジャパンツアーに参加し、他にもLEO今井との2マンやDr.DOWNER、快速東京、CARDなど多彩な顔触れとライブで共演。’17年3月1日にMASS OF THE FERMENTING DREGSと宮本菜津子のソロ名義によるスプリットという形の7インチアナログ盤『スローモーションリプレイ』をFLAKE RECORDSより発売。同月、AIMING FOR ENRIKEのジャパンツアーに参加。5月に宮本が初のソロ作『なまみ』リリース。同年3月、6月、9月、12月の4回にわたって下北沢GARAGEで日曜の正午開場、13時開演の昼ワンマン『デイドリームなんかじゃない』を開催し全公演ソールドアウト(9月には心斎橋pangeaでも昼ワンマンを開催)。’18年7月4日に8年ぶりのフルアルバム『No New World』をリリース。6月に東京、大阪で行ったアルバム先行販売ライブに続き、8月12日(日)神戸HELLUVA LOUNGEよりリリースツアーが開催。

MASS OF THE FERMENTING DREGS
オフィシャルサイト

http://www.motfd.com


Live

Pick Up!!

【大阪公演】

「ニトロデイ」
チケット発売中 Pコード:119-001
▼8月10日(金) 19:00
LIVE HOUSE Pangea
オールスタンディング-2300円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]ナードマグネット/MASS OF THE FERMENTING DREGS
[問]LIVE HOUSE Pangea
■06-4708-0061

【東京公演】
「つしまみれ」
チケット発売中 Pコード:118-620
▼9月7日(金) 18:30
UNIT
スタンディング-3500円(ドリンク代別途必要)
[共演]キノコホテル/MASS OF THE FERMENTING DREGS/寶船/EGO FUNCTION ERROR/WE Are the Asteroid/KIDS N CATS/他
※3歳以上はチケット必要。
[問]ディスクガレージ■050-5533-0888


MASS OF THE FERMENTING DREGS 4th Album「No New World」Release Tour

【大阪公演】
▼6月23日(土)大阪難波BEARS
【東京公演】
▼6月24日(日)下北沢Shelter

Pick Up!!

【兵庫公演】

▼8月12日(日) 19:00
神戸HELLUVA LOUNGE
前売-2800円(整理番号付、ドリンク代別途要)

【島根公演】
▼8月26日(日)出雲APOLLO
【愛知公演】
▼9月8日(土)名古屋ハックフィン
【神奈川公演】
▼9月9日(日)横浜関内B.B.STREET
【北海道公演】
▼9月16日(日)札幌スピリチュアルラウンジ

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:117-513
▼9月22日(土) 19:00
Fandango
前売-2800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]bed/CARD
[問]Fandango■06-6308-1621

【香川公演】
▼9月24日(月・祝)高松toonice
【静岡公演】
▼9月29日(土)磐田FMステージ
【東京公演】
▼9月30日(日)新代田FEVER

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