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5人になって5年目。そして5枚目のニューアルバム!
心躍る楽しさとともに、その先にある未来もつまった
堂々たる傑作について語る
Czecho No Republicインタビュー&動画コメント

Czecho No Republicが現在の5人になって今年で5年目。そのタイミングで5枚目のニューアルバム『旅に出る準備』が届いた。2013年のメジャーデビュー以降は毎年シングルとアルバムをリリースしてきた彼らが、昨年はSKY-HIとの好タッグを聴かせたシングル『タイムトラベリング』をリリースしたのみ。その代わりとは言い切れないけれど、2017年の彼らは、初の大阪城野外音楽堂ワンマン(チケットはソールドアウト!)をはじめ、過去4作のアルバムを振り返り改めて味わう全国ツアー『リリースツアーじゃないツアー』を秋から冬にかけて行うなど、ライブを通じてバンドをより強固にすることに心血を注いできた。その成果ともいえる新作『旅に出る準備』は、胸のすくような爽快感に貫かれた、間違いなくCzecho No Republicの傑作といえるアルバムに。胸の中が空っぽで何かを欲しているけど何が必要なのかわからない。そんな時にも響くメロディー、歌声、音、言葉。このアルバムを携えたツアーの大阪公演は4月20日(金)梅田クラブクアトロ。超ワクワクする旅に出るその前に、ボーカルの武井優心(b&vo)、タカハシマイ(syn&vo)に話を聞いた。

音源としてのテーマというよりは
バンドとしてのテーマがはっきりした2017年でした
 

 
――『旅に出る準備』の制作はいつ頃から始まっていました?
 
武井「去年一年、バンドやライブがどうあるべきなのかということに向き合っていて、“新譜を作ろう”という意識よりは“バンドとして太くなろう”みたいな意識が強くて。とはいえ家にいる時はたまに曲も書いていて。“バンドをもっと良くしたい”という気持ちの中で、特に何かを狙うわけでもなく精神的にはフラットに曲を作っていたんで、その時々の気持ちは日記のように表れてると思う。2017年は、CD作品としては『タイムトラベリング』だけなんで、中には“チェコ、何やってんの?”と思う人もいただろうし地味に感じたかもしれないけど、5人が足並みをそろえて“バンドとしてどうあるべきか”というところで一致団結できた年でした。そういうことはバンドを組んで初めてだったし、それまではなんとなくやってた部分もあったんですよね。だから、音源としてのテーマというよりはバンドとしてのテーマがはっきりした年で、そういうこともあって曲作りもやりやすかったですね」
 
――バンドを良くするために自分達を鍛えていた……と言うとちょっと表現は違いますかね。
 
武井「いや、でもリアルに、鍛えるっていうのに近い感じもありましたよ。ライブのスタッフの方に“このバンドで5年後、10年後にどうしたいかが見えてるの?”って生々しくお叱りを受けた時期があって。その時の感情としては、“自分が作ったことのない曲を作ってみたい”とか、“いろんなジャンルをやってみたい”とかの気持ちでこのバンドをやってきていて、打ち込みを入れてみたり、シンセベースにしてみたり音に対する探求心でやってたところもあって。けど、バンドとしてそっちじゃない方向に目を向け出したというか。それまでは音へのこだわりにいちばん重きを置いていたんですけど、このバンドがいちばんよくなる方法をそれ以外のもので探し出したというか。メンバーが一致団結することが重要というのは、若干僕が自己中心的になりかけていたような気もしていて。自己中心的というか、自分を掘る作業に夢中になっていてバンドとして育てるというより対自分になっていた。それをもっと開けた目線で、“5人で”というところに意識を置き始めて。それが去年でした。だから、音の冒険というよりは、バンドとして成長したいっていうところに意識が向いていましたね」
 
――そうする中で、時には5人がぶつかることもありました?
 
タカハシ「そうですね。武井さんだけじゃなくメンバーひとりひとりの意識が変わって。私たちってきょうだいみたいなところがあって、服とかでも誰かが着ているものを“それいいね”ってなるとバンド内で流行ったりしてみんなに伝染する感じがあって(笑)。だから、誰かひとりの意識が変わったらみんなも変わっていくみたいに、ひとりひとりの意識がすごく良いほうに向かっていって。話し合う機会もすごく増えたし、“何故話し合うことが必要なのか”ということも理解できていて。今までとは考え方も変われた気がするし、武井さんも今まで以上にリーダーらしくなってる気がする。以前から、やる気はあったし熱量もあったけど、数年前よりも今のほうが自然にできている気がしていて。前は、何も言わなくてもまとまっている気がしてた。でもそれじゃ足りなかったってことを実感していて、バンドがよりひとつになるにはこうしなきゃダメだったんだなということをようやく学べた気がします」
 
――アルバムについても具体的に“こういう作品にしよう”という話もしました?
 
武井「原点回帰というワードは好きじゃないんですけど、Czecho No Republicのアイデンティティである、聴いててワクワクするようなハッピー感とかポップさは今一度確立したいなとは思っていて。やっぱり、なれない自分になるよりも、似合うものをやるべきだなって思ったんですよね。ちょっとチープで可愛くて、みたいなのがCzecho No Republicは似合うと思ったし、いろんな音が好きでいろいろやりたいのももちろんなんですけど、自分に合ったものを伸ばすほうが武器になるのかなって。後はシンプルに、ライブに目を向け始めていたので、ライブで表現しやすい曲をやりたいなって。音を足し過ぎないで、5人いれば成り立つような、それでいてわんぱく感のあるもの。いろんな曲はありましたけど、そうやって提示しやすいものを選んでいきましたね」
 
――『LALALA』(M-1)を聴いていてとても核心を突いていると思ったのが、“この長い道を超えていけたら~望んだ景色がなかったとしても 僕ら何か残していくんだろう”のところでした。あの山を登れば何かがあるとか、苦しくても向かった先には何かがあるとかの希望的観測はひとつの目標にもなりますが、行った先に何もなくても良いんだと歌えるのはとても強いことだなって。
 
武井「昔から青春パンクとか聴いてて思ってたのは、前向きな歌詞が多いんですよね。それこそ、“あの山を登れば何かある”みたいなことを歌うものが多かったけど、全然感情移入できなくて(苦笑)。俺としては“登った先に何もなかった。でもそこで何かすりゃあいいじゃん”って歌ってほしかったんですけど、“きっとその先に何かある”って言い切られると、“そりゃあウソでしょ”って思ってて」
 
タカハシ「ネガティブだ(笑)」
 
武井「本当に聴きたい言葉はそれだし、“目指した先に何かがある”なんてそんな大それたことは言えない。けど、何もなかったとしても、でも“何か”は絶対にあるんですよ。俺にしてみたらそのほうが優しい言葉だしリアルな言葉だし、きれいごとじゃない本心なんですよね。だって“きっと何かあるだろう”って言って何もなかったらシャレになんないし、望んだ景色がなかったとしてもやるんだっていう想いですよね。何も保証はないけど、でも辞めないっていう。高校の時に作った歌もそういう感じだったかもしれない。行き着く場所になにもなくてもいい、みたいな(笑)。それがリアルだったんでしょうね。聴く人によってはポジティブともとらえられるでしょうし、でもちょっと醒めてもいるし。ただ、歌詞ではウソつきたくないというか、心境と反対のことは言いたくないんですよね。だからそれも素直な感情ですね」
 
 
こんなにも自分の感情を乗せることができた曲は
今までなかったと思う
 
 
――これまでは音に重きを置いていたと言われていましたが、歌詞や歌の言葉を磨くこともバンドを強くすることには含まれていますか? 
 
武井「歌詞に関して、メンバーにも“良くなった”って言ってもらったりもするんですけど、自分ではずっと同じ感じで書いてきているから“何か変わった?”って感じなんですけどね。ただ、歌詞を見なくても言葉が入ってくるようなものにはしたかったし、歌が真ん中にある作品にしたいなとは思ってました。音がごちゃごちゃあふれて歌が埋もれるよりは、歌がよく聴こえるオケにしたいって。今回『LALALA』と『愛を』(M-4)はagehaspringsの田中隼人さんにサウンドプロデューサーをお願いしたんですけど、歌のディレクションにもこだわりがある方で、すごく勉強になって。“こうやって歌ったほうが感情がこもるし、乗るから”とか歌い方もいろんなアドバイスをもらって」
 
――『愛を』はタカハシさんが歌われていますね。
 
タカハシ「はい。自分の今までの歌い方じゃなくて、“もっとこうしたほうが歌詞が届くよ”とかたくさんアドバイスがあって、そういうことを初めて教わりました。すごく難しかったけど、言われたとおりにやってみたら本当に聴こえ方が違っていて、確かに詞が入ってくるなぁって。なので『愛を』以降にやった歌録りはすごく影響を受けていて、歌い方が変わってたり、ライブでもそういう歌い方を心がけてますね。歌詞の言葉もそうですけど、去年ぐらいからすごく“ライブでお客さんに届けたい”という想いがメンバーの共通認識としてあって、だからその歌い方がハマッてるなって。サウンドに歌が溶け込んでいるような歌も好きなんですけど、今回はちゃんと歌が聴こえて詞が届くものにしたかったし、それができたことが良かったなって」
 
――武井さんの歌詞や言葉に、今までと違うところはありました?
 
タカハシ「内容は同じなのかもしれないけど、勢いが違うっていうのかな。言葉の詰め込み加減とか、こんなにも言葉をガーって畳みかけているところとか。どの曲にもちゃんと武井さんの感情が乗ってる気がする。ちょっとエモいのかな? ちゃんと分析してるわけじゃないんですけど、今までよりも少しだけエモーショナルな部分が入っている気がします」
 

 
――『好奇心』(M-3)は昨年のライブでも聴けましたが、こんなに歌詞が長かったんですね(笑)。
 
タカハシ「アハハ! 確かに言葉が詰まってますね」
 
――“悲しい事言わないでよ ほんのちょっと思い出してよ”のところは、聴き手としても、音楽を聴いて最初にガツンとやられた時の初期衝動を忘れていたらもったいないよと投げかけられているように感じました。
 
武井「まさにその“悲しい事言わないでよ ほんのちょっと思い出してよ”ってところの歌詞が最初にできて、それ以降が思いつかなくて(笑)。けど、その一節が超いいなと思って。でも、何を思い出したいんだろうって考えているうちに、なんかだんだんできていきました。後ろ向きになっちゃう時とかは、思い出すことも大事だと思うんですよね。俺で言えば、初めて機材車に乗ってツアーに行った時はきっとワクワクしてたし、もっとさかのぼれば初めて補助輪なしの自転車乗った時だって楽しかったし。なんかそういう感情というか、好奇心なのかな。メンバーとけんかしちゃってうまくいかない時とかも、そういうことを思い出せばいろんなこと全部を一瞬で許せる気もするというか。そういうデカいテーマが自分の中にあって。一度、“思い出してよ”以降が出始めたら止まらなくて一瞬で歌詞書いたんですよ、風呂の中で(笑)。とんでもなくテンション上がって、“言いたかったことこれだ!”って」
 
――それで歌詞に“!”が多いのかな。
 
タカハシ「(笑)」
 
武井「そうだと思います。こんなに感情を乗せられた曲って今までなかったと思う。言いたいことをいちばんオープンに言えたし、歌詞がずーっと俺のしゃべり言葉みたいなんですよね。“高純度の衝動”とか言ってますもん。後になって、言葉の選び方にすごく“自分”を感じました」
 
――“フワッとジャンプしたらやっぱ飛べた!”とか、まさに会話しているようで、言葉を削って字数を合わせることなども気にしないぐらいの勢いを感じます。
 
武井「自分でも“待ってました”っていう感じで、途中からは半分ニヤけ状態で歌詞を書いてましたね。早くメンバーにこの歌詞を聴かせたいなと思ったし、去年の頭にこの曲ができたことで、クリエイターとして2017年は安心だなって思ってました。この曲があったら、俺ら自由じゃん?って(笑)。だからこそ、ラクな気持ちで曲が書けたし、自由な曲が増えたんだと思う。それをみんなも“良い”って言ってくれたし、5人全員がバンドを良くしたいと思ってた時期だったんで、その中で出てきた俺のメッセージは、俺だけじゃなくメンバーの感情でもあると思うんですよね」
 
タカハシ「いつも5人一緒にいるから、楽しい時も悔しい時もいつも一緒みたいな感じがあって。ライブで対バンの良い演奏を聴いた時は同じように悔しいし、いいライブができた時は楽しく乾杯できるし、いろんな感情をいつも共にしているので、その曲が送られてきた時はすごく自分に響いちゃって。“うわ!”みたいな感じもあったし、“武井さんすごい! ナイスな曲きた!”って思いました。この曲があったらこれから先も頑張れそうだなって」
 
――去年一年間、水面下でCzecho No Republicは殻を破って進んでいたんですね。
 
武井「うん。そうですね」
 
――たとえば、『好奇心』だけでも早く世に出したいという気持ちはなかった?
 
武井「あんまりそういうのはなかったですね。このまま新譜も作らなくていいやって思ったり(笑)。それよりもライブで、お客さんの目の前で演奏したらその場で届くからそっちをやりたいというか。それは極論ですけどね。ただ、“音源を残したい”という今までのモードから、ライブっていう空間作りに意識が向いたことは今までの活動と大きく違うところなんですよね。これまでは音源を作ることに興味があって、ライブは音源の通りにはできないだろうという姿勢がまずあって、何とかちょっとでも音源に近い感じに再現できたらいいなと思ってやっていたけど、それとはもう真逆ですよね。なんだかんだ長い年月、音楽をやってるけど、今までとは違うモードなんだなって感じです」
 
 
チェコを初めて聴くなら、1stよりも今回の新作を聴いてもらいたい
 
 
――ちなみに今回のアルバムの中でいちばん好きな曲を挙げるとしたら?
 
タカハシ「う~~ん、『ザナドゥ』も好きだし、『旅に出る準備』も、まだ曲が完成する前にギターで武井さんがサビの感じを聴かせてくれた時にすごくCzecho No Republicっぽくてかわいくていいなと思ったり。……全部好きなんですよね(笑)。ただ『好奇心』は私の中で特別感がありますね。ライブでやっているとすごく泣きそうになる曲で、エモいんですよね。そればっかり言ってるけど(笑)。この曲はすごいパワーがあると思います。きっと自分の心境と近い部分があるからなんだろうけど、歌ってても気持ちいいんですよね」
 
――武井さんは?
 
武井「俺も『好奇心』は好きなんだよな。ライブでやってると、キーがどんどん変わっていく感じとかも気持ちいいんですよ。『シュガーボーイ』(M-9)も好きで、この曲って最初からリード曲とかじゃなくアルバムの中の1曲という位置づけで作っていて、だからこそ結構好き勝手やれたところもあって。歌詞も好きで、自分で書いたものですけど“溢れるほど君を待っていた”って素敵だなぁって(笑)」
 
――歌詞は日常的に何か書いているんですか?
 
武井「まったく書かないです」
 
――意外です。では、曲を作って歌詞を書く時に自分の中から出てくる?
 
武井「その時というか曲を作っている時に歌詞が出てくることはほとんどなくて、『愛を』はサビに“愛を”って乗せてたんで愛をテーマにした曲にしようと思っていて、『シュガーボーイ』もサビで“シュガーボーイ”って思いついたんでそれにハマるように。他は何にもなかったです。『愛を』は、レコーディングの日程も決まって、サウンドプロデューサーの田中さんと一緒にやることも決まってオケも録音し終わって、明日が歌録りっていう段階でも歌詞が全然できてなくて。“どーすっかなぁ”なんて思ってて」
 
タカハシ「(笑)」
 
武井「スタジオから家まで超遠くて原付で行ってたんですけど、帰り道に原付乗ってたら突然歌詞が思いついて、“あ、ちょっと待った”、“また思いついた”って路肩に15回ぐらい止めて歌詞書きました。その曲がいちばん難産でしたね」
 
――今作は歌詞に名言が多いですよね。『ザナドゥ』の“一度きりの人生なんて言われても ピンと来ない”、“だけど毎秒死に向かってると思うと ちょっと引くよね”のあたりはドキッとしました。その通りだなと。
 
武井「そんなことばっか言ってるんで(笑)」
 
タカハシ「もう、武井さんでしかない歌詞ですよね」
 
武井「“一度きりの人生だから楽しまなくちゃ” とか“がんばろうよ”って歌われると、本っ当にヤな気持ちになるんですよ(笑)。全っ然ピンと来ない。だいたいどんなことだって一度きりだし、そこで頑張れたらねぇ? それをわかりやすく教えてくれっていう気持ちの答えが“毎秒死に向かってる”って表現なんです」
 
――そう言っている人が『LALALA』で“この物語は一度きり”と歌われているところに、強い意志みたいなものを感じます。
 
武井「あ、そこで言ってましたね。矛盾してるわ(笑)」
 
タカハシ「アハハハ!」
 
――矛盾というより、そう思っている武井さんが素直に書いた歌詞に“一度きりだから楽しまなきゃ”とあるのに、妙に説得力を感じます。
 
武井「あくまでも“物語”が一度きりですから(笑)」
 
――『旅に出る準備』は曲名かアルバムタイトルか、どちらが先にあったんですか?
 
武井「曲ですね。メンバーに聴いてもらって、レコーディングが終わってタイトルどうしようとなった時に、この作品をまとめ上げるワードがないなって。何個か案を送ったけど通らなくて、タカハシさんが“『旅に出る準備』がいいんじゃない?”って」
 
タカハシ「今までずっと『NEVERLAND』とか『DREAMS』だったけど、今回は英語のタイトルじゃないなって感じがして」
 
武井「この『旅に出る準備』の歌詞もレコーディングのちょっと前にできて、この時期に奥田民生さんを聴いてたんですけど、なんか民生さんみたいなタイトルだなって。今まで日本語の曲タイトルってやりたかったけどやってなかったんですよね。スピッツの『名前をつけてやる』ってアルバムも好きなんですけど、あれも同名の曲があるし、そういうロックの先輩のやってきたことを真似するというか憧れも含んでる感じがありますね。いわゆるアルバムのリード曲とは別に、タイトルと同じ曲があることが1曲1曲に意味があっていいなとも思ったし、この『旅に出る準備』を作ってる時は推し曲だなんて思ってなくて、ただ異様にチェコっぽいなと思ったんですよね。メンバーのいろんな声が入っていてにぎやかで、八木にナレーションしてもらったり、レコーディング中にアレンジを変えたりみんなのおふざけがレコーディング中に起きて。前はそういうことをよくやってたんですけど、それが久しぶりに出ましたね」
 
――ハッピーエンドの映画の最後のシーンを観るような感動もありました。未来へ思いをはせたり、時には後ろを振り返ったり、アルバム全体が旅でもあり同時にこの音楽を連れてどこまでも行けるような突破力もあって。このアルバムが今出る意味は大きかったですね。
 
武井「そうですね。この5人で5年やってきて、マンネリしてないんですよね。5年って、難しいような気もするんですよ。これまでにいろいろやってきてもいるけど、この先どうしようっていうタイミングでもあって。ただ、ここのタイミングで“始まる”感じが出るバンドって他にいる? いないでしょ? みたいに思うのと、逆にやっと始まるんかいみたいなセルフ突っ込みも入れつつ(笑)。でも、俺の精神性も含めてこれだけの準備期間が必要だったわけなので、やっと始まるなって感じです」
 
タカハシ「今までアルバムを4枚出してきて、そのたびに武井さんや八木さんの音楽に対する探求心とか音楽との向き合い方とかをすごいと感じてて、音楽を愛してるのが伝わるし、そういうことも含めていろんな挑戦もしてきたんですね。そういう4枚があったからこそできたアルバムなんじゃないかなって。重ねるところは重ねて、引くところは引いて、聴かせどころみたいなものをちゃんと理解して考えることもできたと思う。このアルバムは、曲のアレンジとかも含めてマスタリングまで1か月で録ったんですけど、その限られた時間の中でメンバーが互いに手を取り合って“やらなきゃ”って作ったものでもあって。なので、Czecho No Republicを初めて聴く人に“何を最初に聴いたらいいですか?”と聞かれたらこの5枚目を薦めたいです。1stじゃなくて今のCzecho No Republicを聴いてほしいし、いろんな衝動も入った1枚目みたいな気持ちのアルバムになった気がします」
 
――『5人になって5周年!5×5=25 TOUR』の大阪公演は4月20日(金)梅田クラブクアトロ。このアルバムの曲をライブで聴けるのが楽しみです。
 
タカハシ「今すごく脂が乗っているというか、すごく楽しいライブができてるし、楽しいだけじゃないその先の部分も自分たちの中で発見できて、それを届けられている気もする。今、すごく見て欲しいですね。みんなを楽しませたい」
 
武井「2018年は年の初めからライブをやってきていて、いろんな会場でいろんな対バンといろんなお客さんの前でライブをやってきて、バンドがどんどん成長してる感じがあるんですね。そういう良い状態でこのアルバムの曲を従えてツアーができるので、単純に武器が増える楽しみもあるし、今自分たちがやっているライブと合う曲ばかりなんだなって。毎回アルバムを出すたびに楽器が増えたりして、新機材を導入したはいいけど使い方に慣れてない感じのままライブに臨んで……っていうのがイヤだったんだけど、今回は自分達だけでできるし、新曲なんだけど前からやってる感覚でできるんじゃないかな。それを俺達も楽しんでいるし、来てくれるみんなを楽しませます!」

text by 梶原由紀子



(2018年4月 6日更新)


Check

Movie Comment

Release

5thアルバム『旅に出る準備』
発売中 2800円(税別)
COCP-40282

《収録曲》
01. LALALA
02. テレパシー
03. 好奇心
04. 愛を
05. Spring
06. ザナドゥ
07. タイムトラベリング
08. チキンレース
09. シュガーボーイ
10. 静かな海

Profile

チェコノーリパブリック…武井優心(vo&b)、山崎正太郎(ds)、八木類(g)、タカハシマイ(cho&syn)、砂川一黄(g)。武井と山崎が中心となり’10年に結成。同年インディーズより初の音源『erectionary』をタワーレコード限定でリリース。’11年、サポートギターだった八木が正式に加入。6月に初の全国流通となる4曲入りシングル『Casually』、10月に1stアルバム『Maminka』をリリース。全国7か所を回るツアーも盛況で、同作はCDショップ大賞2012にノミネートされる。’13年1月1日にそれまでサポートメンバーとして活動を共にしていた砂川、タカハシが正式メンバーとして加入し現在の5人体制になる。同年10月にメジャーより初のアルバム『NEVERLAND』をリリース。同作を携えた全国ツアーでは各地でチケットがソールドアウト。翌’14年7月に2ndアルバム『MANTLE』発売。以降『Santa Fe』(’15年)、『DREAMS』(’16年)をリリース。シングルもこれまでにメジャーで3作発売している。シングル作品としては1年3か月ぶりとなった今回のSKY-HIとのシングル『タイムトラベリング』(’17年9月発売)は、’15年に発売したシングル『For You』を八木類によるアコースティックアレンジで、またメジャー第1弾アルバム『NEVERLAND』収録の『MUSIC』をTRICERATOPSの和田唱や04 Limited SazabysのGENら12人のゲストボーカリストを迎えた『MUSIC(チェコと12人の仲間たち)』バージョンで収めた3曲入り。’18年3月にメジャー5枚目となるアルバム『旅に出る準備』をリリース。

Czecho No Republic オフィシャルサイト
http://c-n-r.jp/


Live

「5人になって5周年!5×5=25 TOUR
~「旅に出る準備」リリース ワンマン編~」
【愛知公演】

▼4月11日(水)名古屋クラブクアトロ
【宮城公演】
▼4月18日(水)仙台CLUB JUNK BOX

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:109-390
▼4月20日(金) 19:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング-3800円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。
[問]GREENS■06-6882-1224

【福岡公演】
▼4月21日(土)Fukuoka BEAT STATION
【東京公演】
▼4月25日(水)TSUTAYA O-EAST

「5人になって5周年!5×5=25 TOUR
~「旅に出る準備」リリース 2マン編~」
【北海道公演】

▼5月18日(金)KRAPS HALL
【広島公演】
▼5月26日(土)セカンド・クラッチ
【香川公演】
▼5月27日(日)DIME
【新潟公演】
▼6月7日(木)新潟CLUB RIVERST
【静岡公演】
▼6月9日(土)浜松FORCE

「Czecho No Republic presents
ドリームシャワー2018」

5月12日(土)一般発売開始
▼7月8日(日) 14:00
STUDIO COAST
スタンディング-4200円(ドリンク代別途必要)
[共演]有
※6歳以上はチケット必要。5歳以下は入場不可。
[問]キョードー東京■0570-550-799

チケット情報はこちら