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祝!活動20周年。メモリアルイヤーのファイナルは
“いろいろ詰まった街”大阪で
この日しか見ることのできない光景を生み出す!
あらかじめ決められた恋人たちへインタビュー

ライブハウス・アメリカ村 CLAPPERとイベンター・夢番地が手掛ける人気イベント『not forget pleasure』。その第7回目が来る12月7日(木)に行われる。しかも今回は『not forget pleasure 7 presents. あらかじめ決められた恋人たちへ 20th Final ワンマンライブ大阪』と題し、“あら恋”こと、あらかじめ決められた恋人たちへの活動20周年を飾るライブシリーズの最終日となる。そこで、これまでも『not forget pleasure』に注目し、主催者や出演者に取材を繰り返してきたぴあ関西版WEBでは、12月7日(木)の主役、あらかじめ決められた恋人たちへのリーダー・池永正二(Track&鍵盤ハーモニカ)にインタビュー。今日までのこと、最新ベスト盤のこと、そしてファイナル公演のことについて聞いた。

――活動20周年おめでとうございます。20年を振り返ってみていかがですか?
 
「まず、続けてこられて良かったと思います」
 
――ターニングポイントを挙げるとすれば?
 
「仕事を辞めたことですね。メジャーデビューもしてないのに、よう踏み切ったなと思います。今やったら考えられません。“若さゆえ”ですね。そしてそこで音楽に対する考え方が変わりました。ボーッとしながらスローペースではありますが(笑)、本気で向き合うようになったというか……自分の強みは何か? 自分にしかできないことは何か? 今までやってきたこと、やっていないこと、やってみたいことなどを考えるようになりましたね。それからお金のことも……。それまでは音楽さえあれば生きていけると思っていたんですが、お金がないと生きていけないんですよね。でも逆に音楽がなければ生きていけないとも思いました。あと、やっぱり一番大切なのは“人”なんだと思う。周りに助けられています。音楽を続けさせてもらっているというか……。大変なことも多いですが、なんだかんだで楽しくやらせてもらっています。感謝です!」
 
――楽しみながらも着実に歩んで来られたんですね。ちなみに20年は長いですが、それでも変わらないと思う点は?
 
「人と違うこと、変わったことをしたいと思うところは変わってません。流行に流されず、流行を拒否し過ぎず、他人や今の時代性を尺度に自分は何をすべきか? (それを考えながら)これからも自分にしかできない場所を作っていきたいですね。でも、なかなかうまいことできません(笑)。だからまだまだこれからです。これまでやってきたことにもう一段、さらにもう一段と積み重ねていきたいですね」
 

 
――さて、4月5日にメモリアルイヤーを記念するベストアルバム『あらかじめ決められた恋人たちへ -20th BEST-』を発表。同作には全11曲が収められていますが選曲はどのように?
 
「これまでの楽曲を聴き直してみて、今のバンドのアレンジでやってみたいと思う曲を選びました。あと、今後の“あら恋”の方向性につなげていきたいと思える曲、という視点でも選びましたね。曲を聴き直すにあたって、それぞれの曲にはその時代時代の思い出が染み付いているので、なかなか恥ずかしかったですね。(当時は)無理してたんやな~と感じました。今も無理してますが……(笑)。でも、昔の曲を今聴いても古く感じなかったので、それはホッとしています」
 
――そんな選ばれし曲たちは、全曲、現7人の編成で再レコーディングされたんですよね。
 
「はい。初期は打ち込みだったので、その頃の曲をバンドで演奏するのは楽しかったですね。メロディはしっかりあるので、あとは個々のプレイヤーの良いところが出るようにアレンジしていきました。ギターレスでのバンド編成時代が長かったので、ギターが入ることによって曲の表情が変わるのもおもしろかったです。大枠だけ決めてスタジオに入ってセッション的に長時間かけて録音して作り込みました。みなさん、すばらしいミュージシャンばかりです」
 

 
――そして、そのすばらしいバンドの音を体感できるライブが12月7日(木)に大阪・アメリカ村 CLAPPERで開催されます。ちなみに関西はホームタウンですよね。忘れられない関西ライブの思い出は?
 
「関西でのライブは、盛り上がり出すととめどなく盛り上がるのでむちゃくちゃ楽しいですね。昔、神戸で工事用の防音シートを窓際に設置しての爆音イベントに出演したのをすごく覚えています。タフやな~と思いました(笑)。関西出身なので、そういう関西独特のタフな精神を忘れないようにしたいと今、改めて思っています」
 
――余談ですが、7月にもCLAPPERで、アコースティックギターとMCから成る2人組・MOROHAとの対バンがありましたね。
 
「はい。言葉のあるMOROHAと言葉のない“あら恋”。違うように見えて根本的に近いものがあるんだと思いました。根本の感情や情景が重要で、アウトプットの仕方は何でもいいんだと思います。やっぱりやりたいことをやりたいようにやってる人はかっこいいです。それを忘れなければ続いていくんだと思います」
 
――それを言うなら“あら恋”さんも、やはりかっこいい! 12月7日(木)の公演も楽しみです。今回はどんな内容になりそうですか?
 
「ロングセットなので、ワンステージを通して映画的な物語感のあるライブにしたいですね。フェスのように盛り上がるライブももちろん楽しいですが、ロングセットでこそ見せられる風景もありますから。またそこが“あら恋”の強みだとも思っています」
 
――では最後に、ぴあ関西版WEBの読者にメッセージを!
 
「やっぱり大阪は30年住んでいた街なので、なんだかいろいろ詰まっていて……良いことも悪いことも、いろいろ。だからと言って感傷に浸るわけではないですが、20周年を地元で締めくくることができてうれしいです。本当に! 12月7日(木)は20周年ラストのロングセット、気合いが入っています。ぜひ観に来てください!」

text by 服田昌子



(2017年12月 1日更新)


Check

Release

『あらかじめ決められた恋人たちへ
 -20th BEST-』
発売中 2600円(税込)
SPACE SHOWER MUSIC

<収録曲>
01. ヤナガ
02. Back
03. 前日
04. Fly feat.吉野寿(from eastern youth)
05. 迷いの灯
06. ラセン
07. ハウル風
08. トカレフ
09. gone feat.曽我部恵一
10. res
11. CALLING

Profile

’17年、活動20周年を迎えた叙情派シネマティック・バンド。DUB~ベース・ミュージックを通過した踊れるバンドサウンドと、鍵盤ハーモニカ&テルミンによるセンチメンタルなメロディを融合した映像的なサウンドが特徴。リーダー・池永正二(鍵盤ハーモニカ&track)のソロとしてスタートし、現在は劔樹人(b)、クリテツ(テルミン&per)、オータケコーハン(g/from LAGITAGIDA etc.)、GOTO(ds/from DALLJUB STEP CLUB etc.)、ベントラーカオル(key/fromクウチュウ戦)、石本聡(DUB P.A.)を加えた7人編成で活動。各メンバーは別バンドでの活動やプロデュース業にも携わる異能集団である。’16年3月、6thアルバム『After dance/Before sunrise』をリリースし、夏には『朝霧JAM』のメインアクトを務めたほか、これまでに『FUJI ROCK FESTIVAL』『ap bank fes』『BAYCAMP』など数多くの野外フェスに登場。“泣きながら踊れる”と称されるダイナミックなパフォーマンスで聴衆を魅了する。’17年は20周年企画としてベスト盤『あらかじめ決められた恋人たちへ -20th BEST-』を4月5日にリリースし、記念ライブイベントも各地で開催。そしてその最終公演『not forget pleasure 7 presents. あらかじめ決められた恋人たちへ 20th Final ワンマンライブ大阪』が、大阪・アメリカ村のライブハウス・CLAPPERで12月7日(木)に行われる。

あらかじめ決められた恋人たちへ
オフィシャルサイト

http://arakajime.main.jp/


Live

『not forget pleasure 7 presents.
あらかじめ決められた恋人たちへ
20th Final ワンマンライブ大阪』

チケット発売中 Pコード:346-117
▼12月7日(木) 19:00
アメリカ村 CLAPPER
オールスタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[ゲスト]King Gnu
※6歳以下は入場不可。
[問]夢番地■06-6341-3525

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