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『Winter’s Tale ~冬物語~』『冬がはじまるよ』にバカラックetc
鈴木雅之、CKB横山剣、高野寛、渡辺満里奈らを迎え
野宮真貴が冬の渋谷系を歌う!
『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』インタビュー&動画コメント

 5年前から渋谷系とそのルーツとなった名曲を取り上げるライブとアルバム制作を継続し、10月18日には渋谷系シリーズの第5弾となるアルバム『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』をリリースした野宮真貴。今回は冬にまつわる新旧の渋谷系スタンダードにスポットを当て、鈴木雅之、クレイジーケンバンドの横山剣、高野寛、渡辺満里奈といった親交の深い面々をデュエット相手に迎えながら多彩なナンバーを取り上げている。11月2日(木)ビルボードライブ大阪でのライブを目前に控える彼女に、制作のいきさつや新刊の書籍『おしゃれはほどほどいい』、彼女のプロデュースによりJ!NSから発表された『美人をつくる、リーディンググラス。』などについても語ってもらった。

 
 
渋谷系のアーティストって夏のことを歌っている曲が多いんで
冬の名曲を考えてみると意外となくて(笑)
 
 
――『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』は、冬の渋谷系スタンダードにスポットを当てた1枚ということで。
 
「今年5月に『野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。〜Wonderful Summer〜』という夏のアルバムを出したんですけど、毎年恒例になっているビルボードのライブは11月だったし、去年までに出していたアルバムも少し秋冬っぽい感じになっていたんで、季節というテーマで今年は2枚のアルバムを出すことになったんです。けど、渋谷系のアーティストって夏のことを歌っている曲が多いんで、“ヴァカンス渋谷系”はそんなに選曲にも悩まなかったんだけど、今回に“ホリデイ渋谷系”ということで冬の名曲を考えてみると意外となくて(笑)。選曲はいろいろと悩みました」
 
――確かに、ファッション的にもボーダーとか、渋谷系は夏のイメージが強いですよね。そんな中、冬の渋谷系ソングということで、まずド真ん中と言えるのはやはり2曲目の高野寛&田島貴男による『Winter’s Tale~冬物語~』(‘92)でしょうか。
 


「この曲は、ピチカート・ファイヴの2代目ボーカリストだった田島貴男くんが、オリジナル・ラヴに専念して大きくブレイクするちょっと前くらいの時期の曲なんですよ。彼が作曲をして高野寛くんが作詞をしてサッポロビールのCMソングになった曲で、今回はご本人の高野くんとデュエットをしているんですけど、偶然にも2代目ボーカルの田島くんのパートを3代目の私が歌うという形になりましたね(笑)。後から気付いたんですけど」
 
――今回の選曲の起点になったのも、やはりこの曲だったんでしょうか?
 
「いや、一番最初から決まっていたのは、バート・バカラックによるクリスマスソング『ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル』(M-3)ですね。この曲が私はホントに好きで、絶対にやりたいと思っていました。で、他をどうしようかと考えているときに、今回のアルバムにもプロデュースで関わっている坂口修さんが小西(康陽)くんのDJの現場に遊びに行って、“なかなか渋谷系の冬の曲がなくて”という話をしたら、小西くんが提案してくれたのが『雪やコンコ』(M-1)で。というのも、この曲は大瀧詠一さんも、細野(晴臣)さんもカバーしているんですよね。今回は大瀧さんのインストアレンジの完コピに歌を乗せました」
 
――冒頭の『雪やコンコ』は意外に思いましたが、クレジットを見て納得しました。
 
「あともう1曲も小西くんのアイデアで、小西くんが冬になると必ずDJでかけるのがマッキー(=槇原敬之)の『冬がはじまるよ』(M-6)で。他では『おもて寒いよね(Baby,It’s Cold Outside)』(M-4)はいろいろな方がカバーしているスタンダードナンバーですけど、吾妻光良&The Swinging Boppersが日本語詞を付けたバージョンがユーモアがあって楽しい感じなので、これは絶対に横山剣さんとデュエットしたいと思ってお願いしたり。いしだあゆみさんの『ウィンター・コンサート』(M-5)もティン・パン・アレイがバックをやっているということで、ちょっと歌謡曲っぽいですけど私は好きなので取り上げてみました」
 
――今回のレコーディング中に、野宮さんが個人的に印象深かった点などは?
 


「『雪やコンコ』、大瀧さんによるフィル・スペクター流の分厚いアレンジ(=ウォール・オブ・サウンド)を再現するために、4人が同時にギターなどを合わせて録ったりしていて。こうやってあの音を作るのかと、見ていて面白かったですね。歌では今回は、『冬がはじまるよ』でデュエットしている鈴木雅之さんが私よりちょっと年上で、剣さんが同い年で、高野くんがちょっと年下でと、世代の違う3人の男性とデュエットできたのが楽しかったです。あとは、妹のような存在の渡辺満里奈さんにも、『ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル』で参加してもらえて」
 
――後半の6曲もボーナストラックと銘記しながらも、野宮さんがボーカルをとったバージョンのFrancfrancのクリスマスソングに、昨年の『サントラ渋谷系を歌う。』でのライブ録音による3曲+MC、そして渋谷区基本構想の歌『夢みる渋谷 YOU MAKE SHIBUYA 盆踊りヴァージョン』(M-12)と、LPレコードのB面並みの豪華さです。
 
「最後の『夢みる渋谷』は、この“野宮真貴、渋谷系を歌う。”を5年ほど続けてきたおかげか、渋谷区長から直々に渋谷区基本構想の歌を歌ってほしいと言われて(笑)、せっかくならちゃんと渋谷系の曲にしたいなということで、カジ(ヒデキ)くんに作曲をお願いしてできた曲で。オリジナルバージョンはCDにはなっていないんですけど、区のホームページで聴けます」
 



ライブで歌おうと思ったら、また冬の曲を新たに思い付いて
いい夜になりそうです
 
 
――そして、11月2日(木)にビルボードライブ大阪で行われる公演は、今回のアルバムの収録曲を中心に、さらに渋谷系の冬のスタンダードを掘り下げたセットになるかと思いますが。
 
「アルバムに入っている曲はもちろんやりますし、選曲に関しては練りに練りました。ライブで歌おうと思ったら、また冬の曲を新たに思い付いて。いい夜になりそうです。いつも皆さんに楽しみにしてもらっているピチカート曲のメドレーも、探してみたら冬の曲やレアな曲も結構見付かったので、そちらも楽しみにしてもらえれば」
 
――さらに、野宮さんの書き下ろしによる書籍の方も、昨年の『赤い口紅があればいい』に続いてその第2弾的な内容の『おしゃれはほどほどいい』(幻冬舎)が刊行されています。
 
「前回の『赤い口紅があればいい』がすごく好評で、その後に何度かジェーン・スーさんと一緒にトークショーもやったんですけど、“オシャレをしたいんだけど、どうしたらオシャレになれるのか分からない”ということで悩んでいる人が多いのに気が付いて。今回の『おしゃれはほどほどでいい』は、より具体的にイラストなども交えながら、洋服のことだったり、メイクのことだったり、気持ちのことだったりと、オシャレをするための基本を書きました。オシャレって楽しいもので、そんなに考え込んですることではないし、ポイントさえ押さえていればちょっとしたテクニックでオシャレに見えるので。そんなに悩まなくていいですよという提案を書いています」
 
――野宮さんのプロデュースでJ!NSから発表されたリーディンググラスも、老眼鏡というイメージを覆す魅力的なデザインのものばかりで、本の内容ともリンクしますね。
 
「本でも書いていることなんですけど、年齢を重ねていくことをネガティヴに捉えるんじゃなくて。私も50代になろうかというときに小さい文字が見えにくくなって、それは=老化現象だからショックを受けたんですけど、そこでヤセ我慢をして眉間にシワができるよりは、さっさと素敵な老眼鏡を買って使った方がいいと思って。で、実際に買いに行ったんですけどなかなか自分が気に入るオシャレなモノがなくて、ヴィンテージのフレームのレンズを替えて使ったりしていたんだけど、今回はJ!NSさんとご縁があって自分が提案したものを作れることになって(※『美人をつくる、リーディンググラス。』)。昨年のオーガニックで安全な赤い口紅もそうでしたけど、自分が欲しいモノを作るというか。ですから、本を買ってリーディンググラスで読んで、オシャレになってアルバムを聴いてから、ビルボードライブに来ていただければ(笑)」
 
 
Text by 吉本秀純
 




ライター吉本秀純さんからのオススメ!
 
「前回の5月のライブでは、レコーディングでは許諾が間に合わなかったために英語のままで歌われたロビン・ワードの名曲『ワンダフル・サマー』が、小西康陽さんによる日本語訳詞バージョンで披露され、それがとりわけ素晴らしかった! 今回のアルバムでも野宮さんのフェイバリットのバカラック曲は小西さんによる日本語詞で歌われており、そちらも聴きものです。『12月24日』などの様々な名曲が思い浮かぶ、冬にちなんだピチカート・メドレーの選曲も楽しみ!」

(2017年10月31日更新)


Check

Movie Comment

新譜に本に眼鏡にライブに
野宮真貴からの動画コメント!

Release

豪華ゲストと名曲カバー!
シリーズ第5弾は冬の渋谷系

Album
『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』
発売中 2800円
ユニバーサル ミュージック
UICZ-4406

<収録曲>
01. 雪やコンコ [feat.Smooth Ace]
02. Winter's Tale ~冬物語~
03. ザ・ベル・ザット・クドゥント・
  ジングル
04. おもて寒いよね
05. ウィンター・コンサート
06. 冬がはじまるよ
[Bonus Track]
07. Fun Fun Christmas
  -Maki Nomiya's Tiny Magic de Paris
08. MC
09. 哀しみのアダージョ(彼と彼女のソネット)
10. Melody Fair
11. ラブ・スコール
12. 夢みる渋谷 YOU MAKE SHIBUYA
  (盆踊りヴァージョン)
  [feat.カジヒデキ & 長谷部健 渋谷区長]

Profile

のみや・まき…ピチカート・ファイヴの3代目ボーカリストとして、90年代に一世を風靡した渋谷系ムーブメントのアイコン的存在として国内外で活躍。ソロとなって以降もコンスタントにアルバムを発表しながら’16年にはデビュー35周年を迎え、音楽活動に加えてファッションやヘルス&ビューティー関連のプロデュース、エッセイストなどでも多方面で活躍を続けている。10月18日には渋谷系シリーズの第5弾となるアルバム『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』をリリースした。

野宮真貴 オフィシャルサイト
http://www.missmakinomiya.com/

Live

リリースツアー東阪福に加え
関西ではコヤソニにも出演!

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
▼11月2日(木)18:30/21:30
ビルボードライブ大阪
自由席8500円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※本チケットに整理番号はございません。ご希望の方は発券後、お問合せ先まで要連絡。当日は整理番号順でお席へご案内しておりますが、整理番号をお持ちでないお客様は開場時間の30分後のご案内となります。カジュアルエリアの取り扱いなし。未就学児童及び高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。

 
【大阪公演】
『KOYABU SONIC 2017』
チケット発売中 Pコード332-994
▼11月5日(日)11:00
インテックス大阪 5号館・2号館
1日券[大人]8500円
1日券[子供]2000円
[出演]AFRA/倉たけし/キュウソネコカミ/クリープハイプ/THE SESELAGEES/SCANDAL/ちゃんみな/TOKYO No.1 SOUL SET/野宮真貴/八公太郎/Perfume/藤井隆とt-girls/水谷千重子/吉本新喜劇ィズ/池乃めだか/今別府直之/桂三度/ガリットチュウ・福島/ずん/黒沢かずこ/すっちー/椿鬼奴/博多華丸・大吉/爆乳三姉妹/ハリセンボン/守谷日和/ロバート/矢野・兵動/吉田裕/笑い飯/他
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※雨天決行・荒天中止。未就学児童は入場無料。子供料金は小学生が対象となります。出演者変更に伴う払戻しは致しません。当日は入場制限実施の可能性がございます。

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【福岡公演】
チケット発売中 Pコード342-446
▼11月4日(土)19:00
Gate's7
全席自由6500円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード342-408
▼11月10日(金)19:00/21:30
   11日(土)16:30/19:30
ビルボードライブ東京
自由席8500円
ビルボードライブ東京■03(3405)1133
※未就学児童入店不可。18歳未満・高校生は成人の同伴にて入店可。チケット購入後、手元にチケットを用意の上、問合せ先まで要連絡(入場整理番号決定)。

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Column1

CKB横山剣、クレモンティーヌ、
鈴木雅之ら粋なオトナたちも参加!
映画製作50周年×デビュー35周年
にライブ盤との豪華2枚組で贈る
『男と女 ~野宮真貴、フレンチ
 渋谷系を歌う。~』を語る

Column2

ぼくらが旅に出る理由
東京は夜の七時etc…
“野宮真貴《渋谷系》スタンダード
化計画”が今年も発動! 実況録音盤
『野宮真貴、渋谷系を歌う。』と
東阪ビルボードライブ公演を語る

Column3

デビュー30周年イヤーを彩る
セルフカバー集『30』!
ピチカート・ファイヴ最後のツアー
以来の大阪での本格的なライブを
行う野宮真貴にインタビュー