インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > H ZETTRIO、neco眠る、toconoma 曲者ぞろいの今大注目のバンドが集結! "関西に音の風を吹かせたい"をテーマに行われた SMASH WEST presents『blowin' in the west』ライブレポート


H ZETTRIO、neco眠る、toconoma
曲者ぞろいの今大注目のバンドが集結!
"関西に音の風を吹かせたい"をテーマに行われた
SMASH WEST presents『blowin' in the west』ライブレポート

“関西に音の風を吹かせたい”。そんな思いを形にしたイベント『blowin’ in the west』の第1回目が、9月23日、梅田クラブクアトロで開催された。記念すべき初回を飾るのは、ユニークかつ“無重力奏法”と形容されるテクニカルなピアノとキレのあるリズムセクションを武器に、独自のアンサンブルを響かせるH ZETTRIO、関西ミュージックシーンを強力に盛り上げる“青春ビザールディスコバンド”neco眠る、そして昨年は朝霧JAMに出演を果たし今年6月に約3年ぶりとなるニューアルバムを発表、今波に乗るtoconomaの3組だ。なかなかライブハウスで一度にお目に掛かれない、この3組の貴重な競演をレポート!

toconoma

blowin-toconoma1.jpgblowin-toconoma2.jpg
「踊れるバンドが目白押しなので、楽しんでいってください!」(Nishikawa(pf))という、今回のイベントを象徴するような一言から『Hello goodbye』でライブをスタート。その流麗なメロディと軽やかなリズム、そして歌うようなギターに乗ってオーディエンスは初っ端から自由に体を揺らし始める。人懐っこさが全開の『Little fish』と続き、雰囲気あるスラップベースにグッとくる『vermelho do sol』ではうっとり。さらに『Ves』や、最新アルバム『NEWTOWN』にも収められた『underwarp』では、不敵さをまとわせたベースラインや挑発的なアンサンブルで、“ゾーン”に入ったような感覚に。このハイな気分は、聴く者だけではなかったようで、MCではNishikawaが「“お呼ばれ形式”を最近やっていなくて、慣れてなくて…(笑)」と前置きしつつ、実は一つMCを飛ばしたことを告白。「これも愛嬌かな?」と、ほっこり気分で笑わせてくれる。しかし再び音を鳴らし出せば、研ぎ澄まされたクールさ。『orbit』の近未来的なキーボードと曲の疾走感にゾクゾク感を煽られる。そしてあっという間にラストの『relive』へ。鳥肌が立つイントロのカッティングギターから、切り裂くようにもふわふわ浮遊するようにも響く鍵盤の音が重なっていき、そのスピードに飲みこまれるようにして心地良くクライマックスに! 気が付けば達成感200%の約40分間となった。ちなみに演奏後も「片付け自分たちでするから、SNSとかしといて(笑)」(Ishibashi(G))と放ち、ひと笑い。音にも通じるチャーミングさで、どこまでもグッドムードにしてくれた。
 


neco眠る

blowin-neco3.jpgblowin-neco4.jpg
『お茶』からゆったりとその輪郭を露わにした彼ら。続けて『KANIMISO』でユーモアもたっぷりの“neco眠る節”を繰り広げ、加速度的に唯一無二の音世界を広げていく。『泥酔してる時』の牧歌的なきらめきとトリッキーさがミックスされた響きはまさに異次元。奇妙な動きで踊る、赤いジャージを着た伊藤コーポレーション(株)(b)の姿も、さらに異空間さを増して脳内トリップ感が半端ない。…かと思えば、『すごく安い肉』では弾むリズムとホイッスルの音色でどこか南国の風味もプラス。彼らの表現のパワーに圧倒される。そして彼らのルーツを感じさせる『SUN CITY'S GIRL』、『車で東京行く時』と続くと、会場の意識は一気にステージに集中。我を忘れて踊る人がいるかと思えば、じっと体を固めて聴き入るも人あり…という光景は、neco眠るのライブならではのものだろう。そしてMCでも「僕らあまりMCないんでね。こないだもうどん屋さんみたいやって言われた…。職人みたいな(笑)」と、独特のゆるさを発揮。しかも制作しているアルバムがレコ発ツアーに間に合わないという驚きの事実も明かしてしまう。しかし、どうやら大阪公演には間に合うとのことで、会場にいる大阪のファンは一安心といったところだ。そして、そこから終盤戦が始まり、おじまさいり(key)がボーカルを取って『猫がニャ~て、犬がワンッ!』でクラップと「Ah~Fu!」のコールを起こし再び会場のテンションが上昇。ついに最後の曲となる『BOY』では、エモーショナルな一面を見せるギターで郷愁を誘う夕暮れのような光景を音で作り上げ、彩り鮮やかな怒涛の全10曲を締めくくった。



H ZETTRIO

blowin-HZETTRIO5.jpgblowin-HZETTRIO6.jpg
登場早々、1曲目の『Next Step』のスピード感でスタートダッシュ! H ZETT M(pf)の遠吠えも響いていきなり最高潮の様相だ。そしてテンションそのままに喜怒哀楽を体現するような『晴天-Hale Sola-』、人気曲『Trio,Trio,Trio!!!』と続き、ポップサイドの感触やH ZETT Mの背面弾きのパフォーマンスでも会場を夢中にさせる。その高まりはメンバーも同様で、MCでは「イベントに出るのは珍しい。うれしいですね! 汗がやばいの~(笑)」(H ZETT M)とコメント。そして、その高揚感を倍増させるように、次は『Neo Japanesque』で『Get Happy!』を挟むメドレーへ。一体となるクラップや左右に振られる手には大型フェスにいるような気分にもなる。が、ここからの後半戦は、ハードボイルドな空気も漂わせる『Passion』や、曲名どおりクレイジーに展開する高速の『PIANO CRAZE』で攻撃。さらに広がりあるメロディのキラーチューン『Beautiful Flight』が鳴り出せば、再びオーディエンスは大きく手を左右に振っての“昇天タイム”。H ZETT Mもジャンプしながらのプレイで沸かす。しかも次はドラマチックなメロディの『Dancing in the mood』。体も心も共鳴し、言葉にならない言葉による大合唱がフロアから聞こえてきそうだ。そんな感動に包まれるなか、いよいよ『DERBY〜栄光の道しるべ~』で別れの時へ。硬軟併せ持つこのナンバーに、ここに来てさらにワクワクさせられパーティ気分も堪能し、全員がその音と共に高く高く上り詰めてライブは終了した。しかし、誰もがこの楽しい時間を簡単に終えさせられるはずもなく“お代わり”決定! 華やかさもノリの良さも十分な『SMILE』で笑顔をあふれさせ、最後はH ZETT Mの「Au!」のシャウトできっちり締めて、ピリオドを打った。
 


3組による気迫のこもったアクトから吹く音楽の強風を感じまくった一夜は、強烈な印象を観客に残したはず。次のイベント開催が今から待ちきれない!

text by 服田昌子
photo by masamune maeda



(2017年10月13日更新)


Check

Live

toconoma

チケット発売中 Pコード:340-869
▼12月2日(土) 18:00
心斎橋JANUS
スタンディング-3800円
(整理番号付、ドリンク代別途要)
※18歳以下は無料。要身分証明書提示。
※販売期間中は1人6枚まで。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569

チケット情報はこちら


neco眠る

チケット発売中 Pコード:342-503
▼11月26日(日) 17:30
味園 ユニバース
全自由-3500円
(整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]スチャダラパー/never young beach
[DJ]川辺ヒロシ
[VJ]鈴木裕之
※販売期間中は1人6枚まで。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569

チケット情報はこちら


H ZETTRIO

チケット発売中 Pコード:338-952
▼11月25日(土) 17:00
新庄文化会館
一般-4000円(指定)
※未就学児童は無料、保護者1名につき1名まで膝上鑑賞可。
[問]新庄文化会館■0745-69-4600

10月28日(土)一般発売 Pコード:344-598
▼12月20日(水) 19:00
梅田クラブクアトロ
前売-5000円(オールスタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は入場不可。
※販売期間中は1人6枚まで。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569

チケット情報はこちら


オフィシャルサイト