インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > “クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル” メアリー・J. ブライジの7年ぶりの来日ツアーがスタート! 名曲満載×圧巻の初日、大阪なんばHatch公演をレポート


“クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”
メアリー・J. ブライジの7年ぶりの来日ツアーがスタート!
名曲満載×圧巻の初日、大阪なんばHatch公演をレポート

 ‘92年にアルバム『ホワッツ・ザ・411?』で衝撃的なデビューを飾り、“クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”の称号を不動のものとしながら、90年代以降のR&Bシーンの頂点に立ち続けてきたメアリー・J. ブライジ。通算13枚目となるアルバム『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』の発売を4月28日(金)に控えてという絶好のタイミングで実現した今回の6年ぶりとなる来日ツアーは、新曲や近年のヒット曲はもちろんのこと、彼女が90年代に放ったR&Bクラシック的な名曲の数々も惜しみなく連発し、新旧のファンを熱く満足させる濃密なセットに。その初日となった4月17日の大阪なんばHatch公演は、余計なギミックや過度なショーアップなどに頼ることなく、シンプルにして強靭な“歌の力”のみによって聴く者全てを圧倒する、女帝ならではの渾身のステージとなった。

maryjbligereport_pink.jpg

 なんばHatchの幕がゆっくりと開き、重厚にして壮大なイントロとともにステージ中央に3人の女性コーラスを擁したバンドが姿を現すとダンサブルなビートに切り替わり、カニエ・ウエストをフィーチャーしたことでも話題を集める最新シングル『ラヴ・ユアセルフ』から、ライブは高らかにスタート。序盤はテンポアップしながらのメドレー形式で楽曲を連打し、ムードも高まったところで、ブレイクビーツ的なサウンドにスイッチ。重厚なコーラスも映える『ラヴ・イズ・オール・ウィ・ニード』などの90年代の代表曲を繰り出すと、ソウル色の強いバッキングを伴いながら客席にシンガロングを求め、彼女の2枚目のシングルとして大ヒットした名曲『リアル・ラヴ』へ。続いても、90年代前半のキャリア初期のナンバーを披露し、久々となった日本のオーディエンスとの一体感を高めていく。
 
 序盤はほぼ曲間ナシのアレンジで新旧ナンバーのメガミックス的な展開で一気に駆け抜けると、中盤は曲の後半にラップも交える『イナフ・クライン』から、次の曲に連なるトークを挟みつつ、ストーリー性豊かに’97年発表のアルバムのタイトル曲『シェア・マイ・ワールド』、人生において浮き沈みはあっても、自分らしくあり続ける大切さを自身の経験と重ねて語った後に、『テイク・ミー・アズ・アイ・アム』などを披露。25年にわたってブレない姿勢を貫きながら、トレンドの移り変わりが激しいR&Bシーンで第一線に立ち続けてきた彼女ならではの説得力とエモーショナルな歌声で、“生き様”が反映された各曲が持つメッセージも真摯に伝えてくれた。
 

maryjbligereport_chorus.jpg

 そして、パワフルなプレイで彼女のバックを支えるバンドメンバーたちの巧みなソロ回しを挟み、一転して、ジャジーなギターリフから70年代レアグルーヴの定番として親しまれたロイ・エアーズの名曲『エヴリバディ・ラヴズ・ザ・サンシャイン』がムーディーに奏でられると、メアリーが黒で統一した衣装に着替えて再登場。その名曲をサンプリングしたトラックとともに大ヒットした初期の代表曲にして、’94年発表の2ndアルバムのタイトル曲でもある『マイ・ライフ』に続いて、同アルバムに収録されたオールドソウル的な曲調で彼女の歌の巧さが際立ったローズ・ロイスの名カバー『アイム・ゴーイング・ダウン』で、オーディエンスをディープに圧倒する。

maryjbligereport_soulred.jpg 終盤は、アーバンなシンセから最新アルバム収録の『ユー+ミー(ラヴ・レッスン)』、そして、昨年新作から先行リリースされ、ベース・ミュージック以降な最新のビートも取り入れ健在ぶりを示した『シック・オブ・イット』と、新境地をイチ早く披露。ピアノ伴奏に激情を爆発させ歌い上げるナンバーなどを挟んでさらにテンションを高めると、“人生はハードだけど、美しいときもある”と彼女らしいMCで語りかけ、オーディエンスに拳を突き上げさせ高揚感と一体感を強めたところで、『ノー・モア・ドラマ』を。曲の終盤にはステージ上で倒れ込むまでに歌い上げ、凄まじいボーカル・パフォーマンスで頂点に登り詰めると、クライマックスは嵐の後に覗いた晴れ間のように、ゴスペル的なコーラスも伴いながらのデビュー作収録の名曲『スウィート・シング』、そしてファンクな『ファミリー・アフェアー』で締めくくった。

maryjbligereport_singblue.jpg まさしく彼女の激動の人生そのものを濃縮したかのようなステージは、改めて“クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”健在を示す圧倒的なものだった。
 
 
 なお、来日ツアーは4月19日(水)・20日(木)STUDIO COASTでの東京公演へと続く。この機会にぜひチェックを。
 
 
Text by 吉本秀純

maryjbligereport_hiki.jpg



(2017年4月19日更新)


Check

Release

5000万枚以上のセールスを誇る女王の
豪華客演を招いた13作目がリリースへ

Album
『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』
4月28日(金)発売
2700円
ユニバーサル
UICC-10029

<収録曲>
01. ラヴ・ユアセルフ feat. カニエ・ウェスト
02. シック・オブ・イット
03. セット・ミー・フリー
04. イッツ・ミー
05. グロウ・アップ feat. クエイヴォ、
DJキャレド&ミッシー・エリオット
06. ユー+ミー(ラヴ・レッスン)
07. インディストラクタブル
08. サンキュー
09. サヴァイヴァー
10. ファインド・ザ・ラヴ
11. スマイル feat. プリンス・チャールズ
12. テリング・ザ・トゥルース
feat. ケイトラナダ
13. ストレングス・オブ・ア・ウーマン
14. ハロー・ファーザー

Live

名曲群と最高のパフォーマンスで圧倒
東阪3公演のみ、7年ぶりの来日ツアー

 
『Mary J. Blige Japan Tour 2017』

【大阪公演】
▼4月17日(月)なんばHatch


【東京公演】
チケット発売中 Pコード321-743
▼4月19日(水)・20日(木)19:00
STUDIO COAST
1Fスタンディング9000円
H.I.P.■03(3475)9999
※6歳以上はチケット必要。
6歳未満は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら