「僕は音楽は本当に目に見えない魔法だと思ってるんです」 『I wanna be 戸渡陽太』リリースツアーがいよいよ開幕! 挫折が生んだ音楽が導いた再生のストーリーを語る 戸渡陽太インタビュー&動画コメント
神様はなぜ、時に全てを諦めたくなるような挫折という名の絶望を人に与えるのだろう。音楽はなぜ、時に誰にも分かってもらえなかった気持ちを言い当てすくい上げるような希望をくれるのだろう。そんな人生のシーソーゲームに翻弄されながら生まれた、まばゆい輝きを放つメジャーデビューアルバム『I wanna be 戸渡陽太』を聴いていると、この男は来るべくしてここに来たとすら思えてくる。深沼元昭、mabanua、高桑圭(Curly Giraffe)、阿部芙蓉美、茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ)、白根賢一(GREAT3) 、渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)といった錚々たる面々が、戸渡陽太という非凡なシンガーソングライターの才能と情熱のもとに集結した同作に伴うリリースツアーが、11月2日(水)大阪LIVE HOUSE Pangeaよりいよいよ開幕する。まっとうな人生をコースアウトした男が、己の音楽で這い上がってきた道筋と、絶景へのスタートラインをここに記すインタビュー。挫折を知っている人間の音楽は、こんなにも儚く、強く、そして美しい。
「振り返れば、親が歌謡曲を結構好きだったりしたのもあってか、森田童子さんとかがすごく好きだったりもして。でも、初めてお小遣いで買ったのは『だんご3兄弟』(’99)のあの縦長の8cmシングル(笑)。ただ、そこから全く関係のないサッカーを始めて、中学からだんだん学校がおもしろくなくなっていくんですけど、そういうときに流行りの音楽を聴いてる時間が唯一楽しかったし、自由になれた気がした。HYさんとかコブクロさんとか、BUMP OF CHICKENさんとか…そういう音楽を聴いてましたね。中学のときはまだサッカーがありましたけど、高校に入って如実にそういうところが出て」
「最初は試聴機がきっかけで、そこからもう手当たり次第でしたね。アイリス・ケネディっていうアイリッシュの女性シンガーがワールドミュージックに触れたきっかけで、“こんなに綺麗な音楽をやれる人がいるんだ”って、ずっと心に残ってて。YouTubeもそのときに台頭し始めてたんで、だからもうルーツを探るというより、いろんなところを掘りまくる蟻の巣みたいな(笑)。あとは、福岡の『LOUNGE SOUNDS』っていう強烈なイベントのBGMですごくいい曲がかかってて、“これ誰ですか?”って聞いたら、スラップ・ハッピーの『カサブランカ・ムーン』(‘74)だったり。さらにデカい出会いは、やっぱりヌスラット・ファテ・アリ・ハーンで、YouTubeの関連動画か何かで知ったと思うんですけど、中でも『Yeh Jo Halka Halka Saroor Hai』っていう曲が好きで。あの音楽を聴くと、他のどの音楽も華奢に聴こえるぐらいすごいんです。それは何でかと考えたんですけど、洋楽も邦楽も、っていうかどこの国も、普通はいろんなアーティストに影響を受けて、それを自分なりにアウトプットするのが主流じゃないですか。ただ、ワールドミュージックには歴史があって、純潔というか血が濃いんですよね。その歴史の背景を勝手に感じたんです(笑)。日本で言うと雅楽とか…『越天楽(えてんらく)』とかすごいですよ(笑)」
Album 『I wanna be 戸渡陽太』 発売中 3024円 JUSTA RECORD CTCR-14910
<収録曲> 01. Beautiful Day 02. Sydney 03. SOS 04. Nobody Cares 05. ギシンアンキ 06. Nora 07. さよならサッドネス 08. 青い人達 09. 木と森 10. すべては風の中に 11. 世界は時々美しい 12. グッデイ
Profile
とわたり・ようた…’92年2月1日生まれ、福岡県出身。高校に入り、曲を作り歌うことに興味を持ち、ギターを弾き始める。ギターを弾き始めてすぐにオリジナル曲を作り、地元福岡のライブハウスのステージに立つようになる。その後、『閃光ライオット』をはじめとする各種オーディションを受け、全国各地のライブハウスでの経験も積みながら、徐々にその演奏スタイルとパフォーマンスを身につけ、注目を集める。’13年、『MINAMI WHEEL』に初出演。’14年、ロッキング・オン主催のコンテスト『RO69JACK』にて入賞。同年11月には初の全国流通盤となるEP『プリズムの起点』を発売。地元FM福岡『Hyper Night Program GOW!!』のマンスリーレギュラー出演を始める。’15年、iTunes『NEW ARTIST スポットライト』に選出。3月にデジタルシングル『世界は時々美しい』、6月には2nd EP『孤独な原色たち』を発売。全国各地の大型フェスやライブサーキットへも出演を果たす。10月からは、名だたるミュージシャンとの一対一の“勝負”をコンセプトにした自主企画『戸渡陽太10番勝負』を開催。そして、’16年6月15日、1stフルアルバム『I wanna be 戸渡陽太』にてメジャーデビュー。枠に収まらない感性の放出で歌を紡ぎ出し、唯一無二な声を武器に独自の世界へと引き込むシンガーソングライター。