「WEBERって、基本的に大変なことばっかりあるんですよ(笑)」 挫折を越えて邁進する次世代のダンスボーカルユニット WEBERが描いた『鮮やかなReason』! ツアー開幕に捧ぐ全員インタビュー&動画コメント
TwitterやFacebookなどのSNSツールを通じ、WEBから発信し広がっていくことをコンセプトとして結成されたダンスボーカルグループ、WEBER。リーダーで、全ての曲の振り付けも担当するJは、過去に所属していたダンスチームで日本はもちろんアジア大会でも優勝する実力を持ち、もう1人のダンサーであるlittle Skeetは、両親共にダンサーという恵まれた環境の中で幼少時よりダンスを始め、ブガルーの創始者であるスキーター・ラビットより“little Skeet”と命名。のびやかな歌声を聴かせる一方で、意外にもモノマネが得意だというTaka.と、ハイトーンのコーラスにも定評のあるHayatoは、茶目っ気のあるキャラクターを活かしライブではMCも担当するなど、4人それぞれに違った色や魅力を持つ彼ら。’13年の結成、そして’15年のデビュー以降、シングルがインディーズチャートで1位に輝くなど着実にその存在が拡散されつつある中で、4月にリリースされた3rdシングル『鮮やかなReason』に続いて、6月15日(水)には待望の1stアルバム『タカラモノ』も発売。間もなく始まるツアーを前に、ぴあ関西版WEBに4人そろって初登場してくれた彼らに、大阪での思い出深いエピソードも交えて話を聞いた。
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言葉だけじゃ伝えられないものを身体で表現する
――最新シングルの『鮮やかなReason』は軽やかな中にも、グッと胸に迫るフレーズが散りばめられていますね。この曲に込めたメッセージと言うと?
Taka. 「“Reason=理由”ですけど、人は誰でもこの世に生まれてきた意味があって、その理由だったり1人1人の個性という部分を、曲の中では“色”という言葉で表現してるんですね。ただ、傷ついたり時には人を傷つけたりして、自分を信じることが出来なくて、自分の色が見えなくなるときもある。そういうときに周りを見てみると、自分の家族がいて、友達がいて、この世界はいろんな色が混ざり合ってる。そういう世界の中で、自分の持つ色を信じてみることや、信じることの強さを教えてくれる曲なのかなって。裏テーマとして、Bメロに“嘘のない世界 あると信じていた”とあるんですけど、それはWEBの世界のことも指していて。ネットの世界にはいい加減な噂話やあることないこと、何でも溢れてるけど、何が真実かは自分が決めることだし、最後の“この世界で抱きしめるから”は現実の世界のことで、インターネットの中じゃなくて、みんなはこの現実の世界に生きてるんだよっていうメッセージを込めてるんです。自分を信じる強さとか生きている意味を見つける旅が人生だと思うし、そこに意味を持って命をムダにしないで、生きることに関していろんなチャレンジをしてみよう――そういう強さを教えてくれる曲ですね」
Hayato 「僕の歌っているパートに“涙なんて脱ぎ捨てて 苦しみなら僕に分けて”という歌詞があるんですけど、人は励まし合いながら生きていくものだと思うし、嬉しいことも共有したいし、ふさぎ込んだときでも“僕らがいるよ”ってメッセージを込めて歌ってる。この部分は特に歌い方も悩みましたし、レコーディングのときも気合が入りましたね。ライブで歌うときもその部分は特に大事にしてるし、“1人1人に向けて歌っているんだ”っていうところを、ちゃんと表現したいですね」
J 「この曲はダンスミュージックでもないし、ヘンな話、ダンスがなくてボーカル2人だけでも成立する曲で。でも、僕らはダンスボーカルグループで、言葉だけじゃ伝えられないものを身体で表現する、それがダンスだと思ってるんですね。ダンスは世界共通語で、例えば日本語が通じない国の人でも、ダンスを通じて気持ちを伝えることが出来るかもしれない。普段は言葉と動きでしっかり伝えられるように振り付けを考えてるんですけど、歌詞の言葉通りに動くことはしたくないんです。小説とか映画でもそうですけど、あまりに単純だとすっと通り過ぎてしまうけど、伏線があるとグッとストーリーに入り込めるじゃないですか? 『鮮やかなReason』には歌詞の中に“重なる”っていう言葉が出てくるんですけど、その重なり方も4人が重なってみたり、1人が重なる動きをしてみたり、それでいて各々が個々で立つことの大切さも表現してる。ライブのステージングも含めて、1曲の中で歌だけじゃなく動きでもメッセージを伝えられるものを作り上げたいと思っています」
そのときに初めて、ステージで泣きました
――’13年の結成からこれまで3年間を振り返ってみて、思い出深いエピソードがあれば教えてください。
Taka. 「WEBERって、基本的に大変なことばっかりあるんですよ(笑)」
J 「去年のツアーの最終日を前にSkeetが骨折して入院したんですけど、あのときミーティングで集まったメンバーの顔は忘れないですね。みんな見事に、“どブルー”でした(笑)」
Hayato 「去年、ツアーのグッズでスゴロクを作って、グループ結成から去年のツアーまでをマス目に書き込んでいったんですけど、“○○があって1マス戻る”とか、“戻る”のマスが多過ぎて(笑)」
Skeet 「なかなかゴールできないんだよね(笑)」
J 「ただ、Skeetが骨折したときも、“ライブをやらない”という選択肢はなくて。極端な話、ダンサーは僕1人だけになるから、フォーメーションも全部変えて1から作り直す勢いで、しかもリハが1日しかなくて…。1人いないだけでこんなにも不安になるもんなんだなって思いましたけど、Taka.とHayatoは歌に集中してもらって、ダンスは“俺がskeetの分も全部やる!”って打ち合わせで言っちゃって(笑)。“Skeetはいないけど、俺たちにやれることをやろう”って一致団結して」
Hayato 「あのときのJさん、めちゃめちゃ踊ってましたよね」
J 「1コーラス目は上手で踊って、2コーラス目で下手に行って、次はセンターで、みたいな(笑)」
Taka. 「そのときに全員でステージに立てなかったから、追加公演という形で去年の9月に大阪でリファイナルをやったんですね。そのときのお客さんのリアクションがとにかくすごくて…そのときに初めて、ステージで泣きました」
Hayato 「みんな、膝から崩れ落ちる勢いで泣いてたよね。“おかえりー!”って言う声がとにかくすごくて」
Taka. 「そういう意味で大阪は思い出深いし、特別な想いがある場所ですね」
CDやYouTubeでも歌は聴けるけど、生で聴くのとでは全然違うし
ダンスの躍動感って生だからこそ伝わるものでもあると思うから
――間もなく始まるツアーは、その大阪からスタートですね。
J 「僕らは’13年の6月に結成したんですけど、毎年6月にツアーをやってるんです。1年目から2年目、2年目から3年目の節目にツアーをやることで、それまでの集大成を見せつつ、これからこういうことにも挑戦していきます、ということを歌とダンスで生の場で伝えられるのがツアーで。歌をじっくりと聴かせる曲もあれば、バキバキのストリートダンスをしっかり見せる場面もあるし、この4人だからこそ見せることのできる世界観を作るのがワンマンでもある。毎回、WEBERのライブは、目で見て、耳で聴いて、それを心で感じてほしいと思ってるんです。楽しい気分も味わってほしいし、それぞれの曲を自分に当てはめて、何かを感じてもらえたらそれも嬉しい。ライブを楽しみに仕事や勉強を目いっぱい頑張ってライブに来てくれて、“明日からまた頑張ろう”って思えるような、観に来てくれる人にとっての節目でもありたい。僕ら自身がさっきも言ったみたいな壁を乗り越えてきてる分、マイナスなことが続いてネガティブな気持ちになってる人たちにも、一歩を踏み出してみることで扉が開いて、そこから新しい風が吹いてくることを実感を持って伝えたいんですね。“僕らみたいな若造も頑張ってるから、一緒に頑張ってみない?”みたいな軽いノリでもあるんですけど(笑)、そうやって僕らのライブが、日々の生活の1つの基盤になれたり、何かをするきっかけになれたらいいなという気持ちは常にあります」
Taka. 「僕としては、WEBERのライブは人間味のあるものにしたいんですね。みんなが“観てる”んじゃなく、みんなと僕たちとでキャッチボールをするような感じで、“楽しいね!”って言ったら“楽しい!”って返ってきて、僕らをずっと近くに感じてもらえる場でありたいですね」
Hayato 「去年のツアーは3都市だったんですけど今年は6都市で、応援してくれてる人たちがいるおかげで少しずつ広がっていけてる。それに感謝しながら、もっといろんなところへ行きたいし、大きな会場にも立ちたいし、メジャーに行きたい気持ちもある。僕らはまだまだスタートラインにも立ってないけど、応援してくれるみんなと一緒にスタートラインに立てるように頑張っていきたいですね」
Skeet 「去年、骨折した僕が言うのも何ですけど(苦笑)、いろんなことを乗り越えてきた分、これから先にどんなことがあっても乗り越えられるんじゃないかと思うし、それが出来たときにまたひと回り大きくなれて、ファンの方とも距離が近づいていけるのかなって。そうやって見てくれている人がいるからWEBERという存在があるわけだし、乗り越えることで、僕らと応援してくれる人たちとの心の重なり合いが出来てくると思うんです。CDやYouTubeでも歌は聴けるけど、イヤホンで聴くのと、大きなスピーカーを通して生で聴くのとでは全然違うし、ダンスの躍動感って生だからこそ伝わるものでもあると思うから、ぜひライブを観に来てほしいと思います。待ってます!」
ライター梶原有紀子さんからのオススメ!
「歌もダンスもイケていて、顔までイイ。ときたら、どこかにアラがないのかしらと探したくなってしまうけれど、今のところWEBERの4人のイマイチなところが見つかっていない。グループの結成から今までを振り返りながら、“僕らのこれまでは、壁や障害ばっかりで(苦笑)”と素直に話すところはめちゃめちゃ人間味に溢れているし、その苦しい時期をバネに未来を切り開いていきたい、と4人それぞれが口々に語る姿はとても好感が持てた。インタビューでSkeetくんが言っていたように、YouTubeでも曲は聴けるしスマホやパソコンの画面でも4人のライブ映像は観られるけど、生のステージを観て体感できるのを楽しみにしています!」
(2016年6月 1日更新)
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