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「怒られるまではいろんなことをやってみようかなと(笑)」
1つのメロディを軸に三者三様の個性を打ち出した
トリプルAサイドシングル『コンディション・ファンク』!
LIFE IS GROOVEインタビュー&動画コメント

 ムッシュかまやつ(g&vo)(77歳)、KenKen(b&vo)(30歳)、山岸竜之介(g&vo)(16歳)と、年齢差60歳の3人がジェネレーションを超えて集結し、確かな音楽的スキルとセンスに裏打ちされたファンクロックを奏でるLIFE IS GROOVE。様々な大型野外フェスやイベントなどで話題を集め、昨年には満を持しての初アルバム『Generations』を発表してツアーを成功させた彼らが、早くもの新曲3曲+ライブ音源5曲を含む新作『コンディション・ファンク』と共に、再びビルボードライブ大阪に登場する。三者三様の個性がさらに際立った新作、そして間もなくに迫ったライブについて KenKenと 山岸竜之介に語ってもらった。

 
 
ソロでもバンドでもないこのメンツだからこそ出てきた発想
 
 
――新曲3曲を軸に5曲のライブ音源も収めた新作『コンディション・ファンク』は、昨年のアルバムとはまた違った顔を見せた仕上がりになっていますね。
 
KenKen(b&vo)「昨年にアルバムを出したことで、やっとオレらもLIFE IS GROOVEがどういうバンドで何が出来るのかが理解できてきたところがあったので、今回の作品の方がより実験的というか。前作も実験的なイメージはあったけど、もっとファンクとかに考え方を絞っていたところがあったので。今回の方がもうちょっと幅が広いというか、とっつきやすいかも。前作はこのメンツとファンクということで、10代の若い子たちは受け入れて聴いてくれてる感じだったんだけど、むしろ30歳手前くらいの子たちの方がちょっと構えちゃう感覚があったので。今回のを聴いて、また前のアルバムにも戻ってみてほしいという気持ちもありますね」
 
――竜之介さんにとって、前作は初めての本格的なレコーディング作品ともなったわけですが、改めてアルバムについても聞かせてもらえませんか?
 
竜之介(g&vo)「出来上がったものを全部通して聴いたとき、今まで自分のやってきたことがやっと形になった喜びがあったし、いい意味で自分の想像を超える作品になっていたというか。バンドとして作れたからこそ“ここまで出来たんや!”というのがあったし、今回の新作もそうですね」
 
――やっぱり、KenKenさんとムッシュと一緒にやるのは刺激的ですか?
 
竜之介「もう刺激しかないですね(笑)。一緒に音を出すだけで、僕の全部を受け止めてくれるところがあるし、いつもリハーサルから楽しい、みたいな感じです」
 
KenKen「オレらは常にニュートラルだからね。特別な感じでやってたら、こんなに自然に出来てなかったと思うし、あのアルバム1枚で満足して終わってたかもしれない。でも、自分的にはあのアルバムで可能性がどんどんと広がって、もっといろんなことがやれる気がしたので、今回も1つのメロディで3人が別の曲を作ってみようとなったり。とりあえず、怒られるまではいろんなことをやってみようかなと(笑)」
 
――今回の新曲3曲は、その1つの共通するメロディをそれぞれが曲中に使いながら、三者三様の個性がより強く出たオリジナルに仕上がっているのがユニークですね。
 
KenKen「ソロでもバンドでもないこのメンツだからこそ出てきた発想だと思うし、今回は世代の離れ方がよく出たらおもしろいなというのもテーマとしてありましたね。最近は“年齢なんて関係ない!”って言い過ぎて、実はオレたちが一番気にしているんじゃないかという感じもありますけど(笑)。今回は、自分の曲(『ただソファーにいて』(M-3))が2年半くらい前に出来ていて、それとは別にムッシュのような、新しいフォークソングみたいなものが作れたらいいけど、ムッシュだったらもっとこういうフレーズがいいのかな? とか考えながら『HIGH TIME』(M-1)が出来て。“ヤベぇ、どっちにしよう?”となったんだけど(笑)、どっちも出すにはどうすればいいかと考えたとき、あとはもうちょっと違うテンポ感と空気のデモだけ作って、“あとは竜ちゃんの好きに作って”と渡して出来たのが『茜色の空』(M-2)で。今回はすごく上手くいったなと思います」
 
 
何せムッシュ大先生は、レコーディングの当日まで
どこまで何をしてくれるのか、オレたちにも分からないから(笑)
 
 
――冒頭の『HIGH TIME』は、ムッシュの語りのようなメッセージが、改めてLIFE IS GROOVEの核になる部分を代弁しているナンバーになっています。
 
KenKen「そうですね。“ザ・ライフ・イズ・グルーヴ”という感じで。ただ、何せムッシュ大先生は、レコーディングの当日までどこまで何をしてくれるのか、オレたちにも分からないから(笑)。今回はひたすらムッシュにいろんな言葉を書いてもらって、その中から自分でチョイスして編集して、録音も普通に朗読してもらったのを後からオレが編集してまとめたんですよ。でも、タイム・ストレッチとかはかけてなくて、あの人のスピード感で言ってもらった言葉は勝手にグルーヴするし、こんなにピッタリとハマるのかと鳥肌が立ちながら編集しましたね。もはやあの人はそういうレベルの人だから。自分の『ただソファーにいて』はちょっとデジっぽいところもあるから、LIFE IS GROOVEじゃないかもなと思っていたけど、この前の2曲のおかげでちゃんと成立したので。みんなのおかげでバランスが取れるのが、このバンドのいいところだと改めて思いましたね」
 
――2曲目の『茜色の空』は、竜之介さんのカラーが強く出た曲になっていますね。
 
竜之介「この曲はアルバム合宿に入る5日くらい前に、KenKenとスタジオに入って“ビートはこんな感じで”ってドラムを叩いてもらって、他の2曲でも使ってるメロディを“これをサビにするかAメロにするかは任せるから”という感じでもらいながら、作り始めた曲なんですよ。KenKenの曲自体がアコースティックっぽいところがあったので、僕もそういう音を入れてみようかと思いながら、青空の下でみんなでワーッと歌ってるところを想像しながら作っていった感じですね。共通のメロディは、KenKenの曲ではギターで弾いていて、ムッシュの曲ではバックコーラスに使われているんですけど、僕はそれをサビにして歌詞を付けていったんです」
 
KenKen「だから、3曲とも使い方は1つも被ってないんですよ。曲も全然違うものになったから、気付かない人は全く気付かないと思うけど、何度も聴く内に分かってくると思うし、そこは“遊び”というか、“ユーモア”というか。最近は、音楽でそういう“遊び”が出来てる人も少ないので、そこも楽しんでもらえれば」
 
 
3人とも絶妙な時期にこのバンドが出来てると思うし
みんなの人生が見えるようなライブにできれば
 
 
――そして、昨年のブルーノート東京公演のライブ音源5曲も、実力派メンバーが一丸となったライブのすごさを理屈抜きで証明していて。こちらも聴き応え満点です。
 
KenKen「やっぱりライブバンドだし、これを入れると説明が早いですね。今まではこのメンツでファンクをどうこう言っても、何をしているのか分からないところもあったと思うんですけど、これを聴いてもらえればライブが観たくなるだろうし、アルバムを聴いていない人にも興味を持ってもらえればと思いますね」
 
――そして、6月19日(日)には、新曲を加えつつその熱狂を再びという形で、関西では前回と同じくビルボードライブ大阪でライブが行われます!
 
KenKen「今回は新曲はもちろん、ムッシュの昔の曲をもっと引っ張り出してもいいかもしれないし、やれることはいっぱいありますね。やっぱり普段は2ステージ制ではやらないのでそれもすごく楽しいし、大阪は竜ちゃんの地元でもあるので。彼が10代からそこ(=ビルボードライブ大阪)に立っていたという事実は、もう揺るぎないものになったわけで。今後どんどんと活躍の場を広げていったとき、“10代の竜之介を観てるんだよね”と自慢できる日が、必ず10年以内には来ると思うので、そのためにも目撃しておいてほしい感もありますね。3人とも絶妙な時期にこのバンドが出来てると思うし、みんなの人生が見えるようなライブにできればと思っています」
 
竜之介「ビルボードライブ大阪は、前回のツアーでも“イェ~!”という反応が一番大きくて、全員で楽しもうという感じが一番大きかった気がするので、今回もみんなで楽しめるステージに出来たらいいなと思います。ファンクはジャンルじゃなくて“想い”だと思うので、それがもっと形にできればなと」
 
 
Text by 吉本秀純
 




ぴあ関西版WEB音楽担当:奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「前作『Generations』もまぁぶったまげましたが、今回の『コンディション・ファンク』もキレキレ。“この3人であること”をとことん意識し徹底的に機能させるKenKenの陣頭指揮の元、最高にグルーヴィーで血の通った音楽が、ここには収録されています。そして、毎度のことながら上記に載せ切らないグッとくる言葉が飛び交ったインタビューで、僕が印象に残った名言をここに記しておきます。“今は人前に立つことの敷居が下がった。場数は大事だけど、その場数の質が大事なんだよ”、“好きなことで生きていくということは、好きなことを何回も嫌いになるってことだから。でも、辞められないんだよ”、“1から100は簡単なんだよ。0から1を作る人が一番カッコいい。俺らはそういうバンドになりたい”etc…。いや~信頼できるわ~。紙資料がメモで真っ赤ですよ。毎回これくらいの言霊を放ってくる彼らのライブは、もう言わずとも分かりますよね!?」

(2016年6月16日更新)


Check

Movie Comment

“オレやで(笑)”。KenKen(b&vo)と
山岸竜之介(g&vo)からの動画コメント

Release

新曲3曲にインスト、ライブ音源5曲も
シングルのバリューを越えた濃厚な1枚

Single
『コンディション・ファンク』
【初回限定盤DVD付】
発売中 2000円
TENSAIBAKA RECORDS
LIGCD-002

【通常盤】
発売中 1500円
LIGCD-003

<収録曲>
01. HIGH TIME
02. 茜色の空
03. ただ ソファーにいて
-Live at Blue Note Tokyo-
04. PARTY ON
05. Today's Song
06. Brain Food MaMa
07. ゴロワーズを吸ったことがあるかい
08. Glad to Meet you
-Instrumental-
09. HIGH TIME

<DVD収録内容>
Music Video『Generations』
『コンディション・ファンク』
山岸竜之介編集・オフショット映像
『HIGH TIME MOVIE』

Profile

ライフ・イズ・グルーヴ…写真左より、ムッシュかまやつ(g)、KenKen(vo&b)、山岸竜之介(g)。スーパーベーシストKenKenを中心に、5歳のときにTV番組で天才ロックギタリストとして取り上げられて大きな話題を集めた山岸竜之介、ムッシュかまやつの3人が世代を超えて結成。『SUMMER SONIC』や『RISING SUN ROCK FESTIVAL』など大型野外ロックフェスなどでも強烈なステージを繰り広げながら、’15年には初のアルバム『Generations』を発表。台湾公演も成功させ、真の意味でジャンルや世代を超えたファンクロックを実現させた。今年4月27日には、共通するメロディを各曲に含みながら、三者三様の個性がより強く出た新曲3曲を含む合計9曲入りのトリプルAサイドシングル『コンディション・ファンク』をリリースした。

LIFE IS GROOVE オフィシャルサイト
http://www.lifeisgroove.com/

Live

ツアー大阪編のビルボード公演に加え
夏には野外イベントにも登場!

 
『コンディション・ファンク・ツアー』

【東京公演】
▼6月5日(日)ブルーノート東京

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
▼6月19日(日)16:30/19:30
ビルボードライブ大阪
自由席6900円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※未就学児童及び­高校生同士の入場不可。18歳未満は成人の同伴が必要。

 
【大阪公演】
『夏びらき MUSIC FESTIVAL'16
~10th Anniversary~大阪』
チケット発売中 Pコード294-813
▼7月30日(土)11:00
服部緑地野外音楽堂
自由4500円
[出演]FIRE BALL/LIFE IS GROOVE/
韻シスト/ワンダフルボーイズ/
サ上と中江/住岡梨奈/wacci/
BAGDAD CAFE THE trench town
[司会]KTa☆brasil
SLD Entertainment.Inc■03(6277)5032/
GREENS■06(6882)1224
※雨天決行、荒天中止。13歳以上は有料。12歳以下は保護者同伴に限り無料。出演者の変更・キャンセルに伴う払戻しは不可。【オフィシャルHP】http://www.natsu-biraki.com/

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Column

音楽は、人生は
“長さ”ではなく“濃さ”だ!
ムッシュかまやつ×KenKen×
山岸竜之介が目指す意味のある音楽
年の差60の奇跡のファンクアルバム
を首謀者KenKenが語る
『Generations』インタビュー