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銀杏BOYZとKING BROTHERSがガチンコ対バン! 
熱狂の渦に包まれた『となりのバンドマン』ライブレポート
イベントTシャツのプレゼントも!!

 過去に様々なバンドマンが対バンしてきた企画『となりのバンドマン』。2016年一発目となる今回は、銀杏BOYZとKING BROTHERSという誠に濃いいマッチメイク。熱狂の渦に包まれた一夜をライブレポート!!

 開演前の前説で企画者でもある担当イベンターGREENS・岩井氏からタイトルがテレビ番組の名物企画『隣の晩ごはん』よりインスパイア(!?)を受けたなどを踏まえながら、イベントへの熱い想いが語られる。そして、最後に「トップバッターは銀杏BOYZです!」と紹介されると客席からは歓声というより悲鳴に近い声があげられた。

160123_IMG_3750.jpg  アコギを持って峯田和伸がひとり現れ、「客席を一瞬照らしてください」と照明に指示を出す。「大阪の皆様に一言だけ言わせてください。柄にもなくですが…、ただいま帰りました銀杏BOYZです」と挨拶がされ、客席からは「おかえり~!!」という声が響く。「“おかえり”って言ってもらえて…、まぁ色んな事があってさ…。9年かかってアルバム出して、待たせたかも知れないけど寂しくもないし…、どうせまた逢えると想っていたし…。幸せ者です、俺は…」と改めて感謝が述べられ、昨年のRUSH BALLでも披露された新曲『生きたい』を披露。

160123_IMG_3899.jpg 自分の中の罪の意識を告白しながら、生きたい気持ちを実直に歌う楽曲を観客全員が緊張感に包まれながら、静かに見守る。約10分弾き語ったところで、サポートメンバーの藤原寛(b/AL)、後藤大樹(ds/AL)、山本幹宗(g)の3人が舞台に現れる。峯田が「ベイベー!」と絶叫し、後転するかのように倒れた瞬間、3人の演奏が始まった。ブルージーなうねりを感じる中、峯田は客席に背を向け、まるで3人に何かを支持する指揮者かのように体をくねらせていく。途中、マイクが使えなくなり、ベースのマイクスタンドへ走り、そのマイクで歌うなど全く目を離せないドラマチックな展開に、より観ている側の緊張感は増していく。  

 GOING STEADY時代の『アホンダラ行進曲』、『DON'T TRUST OVER THIRTY』のリアレンジ楽曲である『まだ見ぬ明日に』、『大人全滅』を2曲続けて演奏したところで、また峯田が語り出す。「色んな事があるのは御互い様で、あんたたちに何が起きようと知ったこっちゃない。でも、あんたがいて、俺がいて、ライブハウスでブワーッとひとつになって…、幸せな事です。大寒波が来てる時に集まってくれて、ありがとうございます。友達もいねえ、彼女もいねえ、そんな中から生まれる歌もあって…、ブシュ―っと音を立てて生まれる音楽もあって…。自分の部屋にひとりじゃなくて、いっぱいお客さんがいる中で歌いたいと思います」。そこから峯田の弾き語りで、『光』が声を振り絞るかのように歌われる。そのまま、「雪よ降ってこい! 歌よ降りて来い!」と語り、弾き語りで『新訳 銀河鉄道の夜』も歌われていく。途中、観客も一緒に歌い出し、会場にいる人全ての感情が高まっていっていることが伝わってきた。

160123_IMG_3945.jpg 再びサポートメンバーが現れ、山本の煌めいたギターが鳴り、そこに藤原の気持ち良いベースが寄り添い、『べろちゅー』が歌われる。先ほどまでの弾き語りの雰囲気と違い、一気にキラキラ感に包まれ、峯田もエアギターをするかのように動き回っていく。峯田がエレキギターを持ち、『BABY BABY』へ。問いかけるかのように歌い叫ばれると、観客も一緒にシンガロングして、感情を爆発させる。

160123_IMG_4371.jpg 「毎日逢えるわけじゃないけど、死ななきゃ、また逢えるから。また逢えますように。待ち合わせの時間には、いつも遅くなるかもしれません。でも、あんたたちが来てくれるなら、2時間、3時間…5日…5年…遅れても、なるべくここまで辿り着きますんで」と再び観客へメッセージを贈った後、今回の対バン相手であるKING BROTHERSについても語り出した。「KING BROTHERSは思えば15年前、ここ(心斎橋BIGCAT)で初めて対バンしました。お互いに形は色々と変わったけど、俺たちもあの人たちも、また一緒にやれるのは良かったなと。最後まで楽しんでいってください」。この言葉は銀杏しか、峯田しか知らないお客さんにも充分伝わる想いであり、いかに峯田が同世代のKINGBROTHERSを想っているかが伝わってきた素晴らしいMCであった。

160123_IMG_4112.jpg 「夕焼けの中で歌いたいので、暖色系の照明に変えて下さい」と照明に御願いをして、『ぽあだむ』へ。打ち込みのトラックとバンドサウンドの融合が心地よく、尚いっそうキラキラ感が増していく。ラストナンバーは峯田と藤原だけが互いにマイクを持って残り、激しいノイズのトラックに合わせて、まるでフリースタイルのヒップホップの様に『愛してるってゆってよね』を歌い合う。最後、峯田は深い深いお辞儀をして舞台を去っていった。

160123_IMG_5211.jpg 楽器転換中、場内にネッチョリしたブルースが鳴らされる。照明が暗くなり、ジェイソンのマスクを被ったゾニー(ds)がドラムの椅子に仁王立ちをして、ケイゾウ(g/vo)が「兵庫県西宮市…隣の街からやってきたKING BROTHERSです! ロックの準備はいいですか~!? 死ぬほど踊ってくださいよ~!!」と叫び、アンプの上に立って客席に背を向け、ギターをかき鳴らす。すると客席サイドの関係者口からマーヤ(g)がゴムボートを客席に投げ込み、その上に乗っかるように観客の上に飛ぶ。ゴムボートとマーヤが別々に客の上に乗って、舞台に運ばれるシュールな光景の中、ケイゾウは『Big Boss』で「ちくしょーつまんねー」と歌い叫びまくる。そのまま「マッハクラブ! 最速のナンバー!!」と『マッハクラブ』へ雪崩れ込む。ケイゾウとマーヤは叫び合い、まるで火を吹くかのようにゾニーのドラムは叩きまくられる。一気に自分たちの空気に変えようというスタートダッシュの凄さに観客は最初から大興奮している。  

160123_IMG_5665.jpg 『隣の晩ごはん』を彷彿させる巨大しゃもじをマーヤが持ち、「ロックンロール」と名付けられた蜜柑が客席へ放り投げられていく。カオスの中、マーヤは「ロックンロールは飛び込みます!」と宣言して、客席へダイブ。観客に足首を持って支えられ、まるで観客の上に立つようにして歩く。会場の隅から隅までを移動する。まるでノールールであるが、観客はマーヤを必死に支え、舞台へと戻す。「峯田、グチャグチャうるさいわ! 銀杏BOYZグチャグチャうるさいわ! やるんやろ!? また、やろうや!! 復活おめでとー!! ロックンロールは、そんなに甘くないで!!」と銀杏を、峯田を挑発しながらも、自らを鼓舞していっているようにも感じられた。ケイゾウも「銀杏BOYZ~!!」と叫び、『KILL YOUR IDOL』へ。物騒なタイトルだが、まるで祝福のファンファーレかのように楽しく観客を躍らせる。

160123_IMG_5391.jpg  「俺とマーヤが98年に作ったナンバー!」と叫び、『魂を売りとばせ』へ。ケイゾウは両手を使い、観客を煽りながら、「世界中色んなロックンロールがあるけれど、色んな踊り方で踊りまくって! あんたと俺たちだけの踊りで! ロックンロールはダンスミュージックなんだよ! 別に説教を垂れに来たんじゃない、あんたと一緒になるために来たんだぜ! ブルースを手に入れよう!」と伝える。峯田和伸という最強に手強い盟友との再会を喜び、いつも以上のエネルギーが放出されている。興奮し過ぎて野次を思わず飛ばしてしまった観客にも一切ひるまず、「何か文句あんのか、お前! 死ぬほど踊れ!!」と音楽でやり返す。『×××××』で観客のボルテージを上げまくり、『☆☆☆☆』では客席中央に全ての楽器やマイクスタンドを置き、そこで演奏する荒技へ。メンバーと観客が同じ目線で一体化する中、ラストナンバー『ルル』へと駆け抜けていこうとする。途中、ケイゾウのギターのシールドが抜け、音が出なくなるが、それでもケイゾウはギターをかき鳴らす手を全く止めようとしない。マーヤは、またもや観客の上に飛び乗り、レコードの様に自分をグルグルと観客の上を回すように指示する。「お前の家のとなりに峯田君や西宮の大統領であるケイゾウが住んでないとは言い切れない!!」と叫びまくり、最後は「ニ・シ・ノ・ミ・ヤ~!!!!!」をマーヤと観客がコール&レスポンス! 圧倒的な破壊力と爆発力を見せつけて、演奏を終えた。

160123_IMG_6059.jpg アンコールでは引き続き客席に登場し、ケイゾウが「峯田君も言ってたけど、俺たちが逢ったのは15年前。峯田君が前にやってたGOING STEADYの時。ロックンロールやってる奴は辞めないから! 駄目な奴だけ辞めていくから! だから、ロックンロールでいて下さい!!」と強い強いメッセージを放つ。ケイゾウのギターから聞き覚えのある銀杏BOYZ『あいどんわなだい』のリフが鳴り響き、マーヤが「峯田カモン!!」と呼び込む。舞台に現れた峯田はすぐに客席に飛び込み、観客の上で転がりながら、ただただ歌い叫ぶ…。最後、ケイゾウが叫んだ「明日から全員バンドマンになって下さい!」という言葉が堪らなく胸に突き刺さった。

 とんでもない土曜日の夜が終わった…、会場全員が呆然とする中、The Velvet Undergroundの1967年のナンバー 『Sunday Morning』がSEとして優しく鳴りだす。明日から、また新しい日々が始まる…、そして生きていれば必ず銀杏とKING BROTHERSに逢える…そんな感慨深さに浸りながら、凄すぎる夜は終わっていった。
 

text by 鈴木淳史
phot by 村井香




(2016年2月12日更新)


Check

Set List

銀杏BOYZ

01.生きたい
02.まだ見ぬ明日に
03.大人全滅
04.光
05.新訳 銀河鉄道の夜
06.べろちゅー
07.BABY BABY
08.ぽあだむ
09.愛してるってゆってよね

KING BROTHERS

01.BIG BOSS
02.マッハクラブ
03.KILL YOUR IDOL
04.魂を売り飛ばせ!!
05.XXXXX
06.☆☆☆☆
07.ルル

【EN】
あいどんわなだい

Live

銀杏BOYZ

『こんがりおんがく祭』

2月20日(土)一般発売 Pコード286-366
▼5月7日(土) 11:30
大阪城音楽堂
全席自由4500円
[出演]
銀杏BOYZ/スチャダラパー/二階堂和美/
トクマルシューゴ/赤犬/neco眠る/
オシリペンペンズ/DODDODOバンド/他
※雨天決行、荒天中止。
※中学生以下は保護者同伴に限り無料
SMASH WEST■06(6535)5569

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KING BROTHERS

【岡山公演】
忘れらんねえよ主催『ツレ伝ツアー2016』
▼3月5日(土)18:30
岡山IMAGE


【東京公演】
『KING BROTHERS 2016
SHELTER ONE MAN LIVE!!』

チケット発売中 Pコード287-318
▼3月18日(金) 19:30
SHELTER
オールスタンディング3500円
SHELTER■03(3466)7430


【京都公演】
THEロック大臣ズ企画『BOYS WONDER!vol.1』
▼3月26日(土)18:00
二条nano

【長野公演】
LIVE HOUSE J Presents『MIDNIGHT RAMBLER』
▼4/1(金)18:30
LIVE HOUSE J

【東京公演】
『WildSideTokyo 7th Anniversary ロックンロール発、西宮経由、地獄行GIG』
▼4/4(月)19:00
WildSideTokyo

【大阪公演】
空きっ腹に酒 "わがまま放題 対バンツアー"
▼4/19(火)19:00
JANUS


【大阪公演】
『KILL YOUR IDOL VOL.1』

チケット発売中 Pコード289-856
▼4月29日(金・祝) 18:30
LIVE SQUARE 2nd LINE
前売3000円
TOWER RECORDS 梅田NU茶屋町店■06(6373)2951

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銀杏BOYZ オフィシャルサイト
http://www.hatsukoi.biz/

KING BROTHERS オフィシャルサイト
http://www.kingbrothers.jp/


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