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「やることめっちゃあるね、フェスって(笑)」
初の主催フェス『こなそんフェス2016』がいよいよ開幕!
チャットモンチーが地元徳島への想いから
ラインナップとのなれそめを語るスペシャルインタビュー

 昨年、デビュー10周年を迎えたチャットモンチーが、シングル&アルバムのリリースとそのツアー、7年ぶりの日本武道館公演と数々のミッションをクリアしてたどり着いた、アニバーサリーイヤーに掲げた最後の公約、“地元徳島での初の主催フェス”が、いよいよ実現を迎える。そこで、2月27日(土)・28日(日)アスティとくしまにて2日間にわたり行われる、『チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2016~みな、おいでなしてよ!~』に向け奔走中の2人を緊急招集! 地元徳島への想いから、バンドはもちろんお笑いにまで触手を伸ばしたボーダレスな2人らしいラインナップとのなれそめまで…。間近に迫った初フェスについて大いに、そしていつになくざっくばらんに語ってもらったスペシャルインタビュー。

 
 
結構、県と仕事してますからね(笑)
 
 
――’15年の年始に挙げた10周年の公約を1つずつクリアしていって、もう残すところはラストの『チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2016~みな、おいでなしてよ!~』となりましたが。いよいよ日が近付いて現実味を帯びてきた今の気持ちはどうですか?
 
福岡(b)「…焦り(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――まず最初に出る言葉が“焦り”(笑)。
 
福岡「やることめっちゃあるね、フェスって(笑)」
 
――そうか。今までお呼ばれして行くことはあっても、主催してお招きすることは。
 
福岡「そうなんです。やっぱりフェスだけじゃなくて徳島を観光してもらいたい気持ちもあるから、+αで規模も大きくなっちゃうし。でも、フェスを通して徳島に来てもらって楽しんでもらう、徳島を好きになってもらうっていうことは、絶対にしたいことやから。結構、県と仕事してますからね(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 県と仕事するバンドマン(笑)。今まで以上にというか、改めて徳島と東京を行き来することも多い1年やったと思いますけど、何か再認識することはありました?
 
橋本(vo&g)「やっぱり全体的にのびのびしてるなぁ~って思いますけどね。あんまり高い建物がないから空が広い。見通しがよくて道も広いし。自分も徳島に帰るとのびのびするかなぁ。何かつられるというか」
 
福岡「ここから始め甲斐があるなって思いましたね。何かやりたい人もいっぱいいるんですよ。人にパワーがあって、熱量もすごいから、『こなそんフェス』をやるって言うだけで、“何か手伝えることあったら何でも言ってください!”みたいな人がいっぱいいて。そういう熱量を発散できる場所になってもいいなと思うし、ライブとかもちゃんと企画するとお客さんが結構来る土地なんで、開拓し甲斐があると思う。これからすごく変わっていくんじゃないかなぁって思ってます」
 
――人の熱さを改めて感じて、地元にそういう熱くなれるものを持って帰れたのは、すごく嬉しいことですね。
 
福岡「そうですね。それが自分の中ですごいきっかけにもなったし」
 
 
すぐチャットのことをネタにしたりして
チャットのお客さんを盗るんですよ!
 
 
――メンツも様々な方が参加されてますけど、1組ずつ関係性を聞いていきたいなと思うんですけど、まずASIAN KUNG-FU GENERATIONはレーベルの先輩ということで。かつてまだデビューする前にアジカンの武道館公演に行こうと思ったら、台風で観れなかったことがあったというエピソードもあるんですね(笑)。
 
福岡「そうなんですよ。ようやく武道館に着いたときに、お客さんがウワ~って出てきたんですよ(笑)。あの光景は忘れられへんなぁもう」
 
橋本「武道館ってどんな感じやろ?って観に行ったんやけど、観れたのは客層だけです(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
橋本「でも、一応挨拶はしたんです。ライブは観れてない状態で“今度デビューします”みたいな感じで(笑)」
 
福岡「すごい気まずかったよなぁ~あれ。何にも感想言われへん(笑)。レーベルの2年ぐらい先輩なんですけど、もうそのときで武道館だからすごいですよ」
 
――そんな先輩を地元に招けるって、何か不思議な気持ちですね。続いてBase Ball Bearは同期ということで仲もよかったり。続いてるバンドも減っていくし、そういう意味では戦友というか。
 
福岡「本当にそうですね。めっちゃライバルやし、戦友ですね」
 
――レキシはシングルの『SHIKIBU feat. 阿波の踊り子(チャットモンチー)』(‘15)で絡みましたけど、それ以前の接点ってありました?
 
福岡「私がすごくレキシが好きで、池ちゃん(=池田貴史)とも仲良くさせてもらってて。結構早い段階で出て欲しいって言ったら“お~いいよ~”みたいなノリで(笑)。ちゃんとしたオファーをするまで結構時間は掛かったけど、タイミングよく『SHIKIBU』のフィーチャリングもさせてもらって。めっちゃおもしろいですね。この間も一緒に呑んだんですけど、ずーっとソフトドリンクなのにテンション高いっていう(笑)」
 
――酒呑まへんねや! それであんなおもしろい人間が出来るんや(笑)。あと、おもしろいと言えば、四星球ともこんなにちゃんとした付き合いがあるとは知らなかったです。
 
橋本「あっこちゃん(=福岡)は同級生やから」
 
福岡「しかも同じクラスで誕生日も一緒やから。ホンマ最悪なんですよ!っていうぐらい同級生です(笑)」
 
――当時、対バンとかしてました?
 
橋本「めっちゃしてました」
 
福岡「でも、向こうの方が集客が多くて、えっちゃん、めっちゃライバル視しとったもんな」
 
橋本「ものすごい悔しくって。ものすごい嫌で(笑)」
 
福岡「アハハハハ!(笑)」
 
橋本「何しても盛り上がるから。すぐチャットのことをネタにしたりして、チャットのお客さんを盗るんですよ!」
 
(一同爆笑)
 
橋本「でも、どんどん四星球も丸くなって、付き合いやすくなったというか、私も丸くなって(笑)」
 
――みんな若い頃はね、ロックで尖ってたんや(笑)。四星球は貴重な同郷バンドですけど、シアターブルックの(佐藤)タイジさんもそうと知って、意外でした。
 
福岡「めちゃくちゃ徳島ですよ。何なら実家近いもん(笑)」
 
(一同笑)
 
福岡「フェスとかで会うたら、いっつも酔っ払ってる(笑)」
 
橋本「“元気しよった~ん!?”みたいな(笑)」
 
――会うと思いますけど、あの人のエネルギーは本当にすごいですね。そら、この人に着いていこうってなるわと。
 
福岡「なると思います。あの人、本気でレッチリに入ろうとしてましたからね。“次のギターは俺や!”って(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――めっちゃいい大人やん!(笑)
 
橋本「夢あるなぁ(笑)」
 
福岡「何か入れそうやしな、ホンマに(笑)」
 
 
本当は誘いたかったんやけど
めっちゃ売れてるからどうしよう?と思って(笑)
 
 
――MONGOL800は昨年お願いしたら快く、みたいな。
 
福岡「そうなんです。『阿蘇ロックフェスティバル』で会ったときに、ドラムの髙里さんが四国大学っていう徳島の大学出身だったんですよ。そういうのもあってモンパチさんもよく徳島に来てくれてて縁もあるし、来てくれへんかな?ってそーっとお願いしてみたら、“やろ! あとただやるだけやったらアカンから、何か一緒にしような”みたいな感じで言ってくれて、いっぱい教えてくれました。フェスのやり方というか、こういう風にやったら盛り上がるよみたいなことも短い時間でいっぱい教えてくれて。すごくいいお兄さん」
 
――モンパチとチャットは何かが起きそうないい組み合わせですね。
 
福岡「ね。いつもステージに上がるときにカチャーシーを踊ってるじゃないですか。何かそれも阿波踊りとちょっとリンクするし、いいんちゃうかなぁって」
 
――で、先輩も出れば後輩も出るということで、KANA-BOONと。KANA-BOONは『こなそんフェス 2016』が初の徳島公演ということで。KANA-BOONとの接点は何かあるんですか?
 
福岡「レーベルの後輩…ですね(笑)。今すごい勢いがあって、テレビで観ることも多くて。たまたま何かのドキュメントを観たんですよ。そしたら今時珍しくというか、意外にバンドマンシップがあって。その後、たまたま本屋さんで会ったときに世間話したら、鮪(vo&g)くんがめっちゃえぇ子で、そのとき本当は誘いたかったんやけど、めっちゃ売れてるからどうしよう?と思って(笑)。後々事務所にお願いしました(笑)」
 
――Perfumeはもう大の仲良しということで、Perfumeも10周年ということですけど。
 
福岡「そうなんですよ。いっつも“チャットの曲を聴いてる”って言ってくれて…。Perfumeもだいぶ前の段階から“お誘いするかも”って伝えたら“是非出たいです!”って言ってくれて。いろいろ世界にも行ってるから絶対忙しいのに、そんな中で出てもらえてめっちゃ嬉しい」
 
――そして、吉本新喜劇の小藪千豊さんは、“大阪のチャットモンチーメンバー”と言うぐらいの信頼を置いてると。そもそもの最初の接点は何だったんですか?
 
福岡「『コヤブソニック』に呼んでくれたんですよ。最初は3人で出たんですけど、次に呼んでもらったときには2人になってて、小藪さんが“3人の曲も聴きたい人も思うから僕がドラムを叩きます”って」
 
橋本「そのときからずっと“コヤビン”っていう名前で(笑)実際に叩いてくれたりしたから。今回はお笑いの人たちを紹介してくれて、仕切ってくれます」
 
――小藪さんってチャットから見てどんな方ですか?
 
福岡「めっちゃストイックやな。あと、リスペクトがすごいですね。ミュージシャンに対するのもそうやし、すごいって思った人に対して、そのリスペクトをちゃんと形にして返す、みたいな。家でドラムもホンマに練習してて、下の階の人から怒られたらしいですよ(笑)」
 
――じゃあお笑い部門は小藪さんに舵を取ってもらってっていう感じで。
 
福岡「そうですね。ただ、中山女子短期大学は徳島出身のピン芸人なんですけど、13~14年ぐらい前はただのチャットのファンで、高校生の男の子6人ぐらいで毎回ライブを観に来てくれてたんですよ。で、そのとき500円ぐらいで売ってたCDを毎回買ってくれるっていう(笑)。もうあまりにも来てくれるから仲良くなるじゃないですか。そしたら後々“芸人になりました”って言われて“嘘やん!”みたいな(笑)」
 
――そういうしっかりしたつながりが。初期からチャットの魅力に気付いてくれてた頼もしいファンなんですね。
 
福岡「そうなんですよ! ホンマにすごいよな、この子ら」
 
橋本「ライブハウスにお客さんがこの子らだけしかおらんみたいな」
 
(一同爆笑)
 
橋本「でも、めっちゃ盛り上がってる(笑)」
 
福岡「そうそう!(笑) ライブが終わったら“何かよかったっすわ~”とか言ってくれて。泣けるなぁ」
 
――そう考えたら、まさか同じ舞台に立つようになるとはっていう。いやぁ~やっぱ続けてみるもんですね。一連の話を聞いてきて、このフェスのラインナップのケミストリーをバシバシ感じましたね(笑)。最後に当日に向けた意気込みをもらいたいなと!
 
橋本「まだ寒い季節やと思うんですけど、この2日間来てもらったらめっちゃ熱くなって、最後にみんなで阿波踊りもやるから。本当に盛り上がって“ワッショイ!”って感じで終わりたいです。お祭りやと思って来てもらえたらいいなと思います!」
 
福岡「関西と徳島はホンマに近いんで。この機会に徳島に来て“あ、何かええとこやな”って思ってもらえるように頑張りますんで、フェス含め徳島を楽しみに来て欲しいと思います!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2016年2月26日更新)


Check

Movie

チャットモンチーの徳島観光案内と
阿波踊り講座も要チェック!

Release

昨年11月に行われた7年ぶりの
日本武道館公演が早くも映像化!

Blu-ray&DVD
『チャットモンチーのすごい10周年
 in 日本武道館!!!!』
【Blu-ray】発売中 5300円(税別)
キューンミュージック
KSXL-96
【DVD】発売中 4800円(税別)
KSBL-6202
※初回仕様限定盤…型抜きスリーブケース

<収録曲>
01. Opening~ハナノユメ
02. 8cmのピンヒール
03. シャングリラ
04. MC
05. 親知らず
06. 湯気
07. 染まるよ
08. 東京ハチミツオーケストラ
09. 録音MC
10. 変身
11. きらきらひかれ
12. MC
13. ウタタネ
14. MC
15. ときめき
16. 毒の花
17. Last Love Letter
18. 真夜中遊園地
19. こころとあたま
20. 満月に吠えろ
21. MC
22. 風吹けば恋
23. きみがその気なら
~encore~
24. MC
25. 新曲~「消えない星」赤ちゃんver.~
26. ドライブ

Profile

チャットモンチー…写真左より、橋本絵莉子(vo&g)、福岡晃子(b)。橋本を中心に’00年徳島にて結成。’04年に橋本、福岡、高橋久美子(ds)の体制となり、’05年にミニアルバム『chatomonchy has come』でメジャーデビュー。’07年リリースの2ndアルバム『生命力』に続き、’09年リリースの3rdアルバム『告白』は、オリコンチャート初登場2位を記録。現在のロックシーンを代表するバンドへと成長を遂げる。’11年10月より橋本、福岡の2ピース体制となり、楽曲ごとに担当楽器を変えるフリーフォームな形で録音したアルバム『変身』(オリコン初登場2位)をリリース。それに伴う全国ツアーも2人のみで行われ、ファンのみならず、ミュージシャンからも熱い支持を得る。’13年5月、橋本が結婚及び妊娠を発表。’14年8月に、恒岡章(ds・Hi-STANDARD/CUBISMO GRAFICO FIVE)、下村亮介(key&g・the chef cooks me)という男性サポート2名を迎えた4人体制で活動を発表。’15年1月には、世武裕子(p&syn)、北野愛子(ds・DQS/nelca/ex.your gold, my pink)という女性2名を迎えた4人体制での活動も新たに発表。5月13日には、2年7ヵ月ぶりとなる6thアルバム『共鳴』をリリースした。

チャットモンチー オフィシャルサイト
http://www.chatmonchy.com/
 

Live

バンドにお笑いとボーダレスの
初の主催フェスがいよいよ開催へ!

 
『チャットモンチーの
 徳島こなそんそんフェス2016』
チケット発売中 Pコード274-269
▼2月27日(土)・28日(日)13:00
アスティとくしま
全席指定9720円
[2/27(土)出演]チャットモンチー/
吉本新喜劇 小籔千豊/ASIAN KUNG-FU GENERATION/シアターブルック/
Base Ball Bear/レキシ/吉本新喜劇ィズ/白い朝に咲く(オープニングアクト)/
池乃めだか/ダイアン/中山女子短期大学
[2/28(日)出演]チャットモンチー/
吉本新喜劇 小籔千豊/KANA-BOON/
四星球/Perfume/MONGOL800/
THE NINJA(オープニングアクト)/
しずる/千鳥/笑い飯
デューク高松■087(822)2520
※3歳以上はチケット必要。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 

Column

ミニマムだから響き合える
大胆不敵なニュー・スタンダード!
『共鳴』から武道館、徳島フェス…
チャットモンチーが10周年の
4つの公約を語る前回インタビュー


Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「最新アルバム『共鳴』('15)でデビュー10周年にして初めてインタビューする機会を持てたと思いきや、今度は半年で再会です(笑)。初の主催フェス『こなそんフェス』の準備で徳島⇔東京を行き来する際に関西に寄ってくれた2人が、とっても楽しそうにその過程を話してくれた今回のインタビュー。音楽もさることながらやっぱり “人”だよなと再確認させられる出演者たちとのなれそめと、彼女たちと会うたびに感じる空気は、このフェスの成功を物語っていましたよ。絶対楽しいやろな~。行かれる方はもちろん、『こなそんフェス』に興味津々のあなたも、ぜひ2人の屈託のない言葉に耳を傾けてみてください。10年目の初めては、こんなにも瑞々しいのです」