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「ビタミンボイス」で知られる演歌歌手、三山ひろしに
新曲『お岩木山』やデビュー秘話などをインタビュー!
演歌も魅力も余すところなく語ってもらいました!

次世代の演歌界を担う歌手たちの中でも、その明るい歌声が注目を集め、デビュー曲『人恋酒場』が10万枚の大ヒットを記録するなど、勢いに乗る三山ひろし。近年ではロックバンド・this is not a businessとのコラボレーションやバラエティ番組への積極的な出演、はたまた、けん玉の有段者としてなど、その活躍ぶりは枚挙にいとまがない。今回は、生まれた時から演歌一筋という三山が、新曲や自らのデビュー秘話に加え、若者たちに向けて演歌の魅力をたっぷりと語る!

――聴く人を元気にする「ビタミンボイス」というキャッチコピーで、デビュー以来、快進撃を続ける三山さんですが、そもそも演歌に触れたきっかけはなんだったのでしょうか?

祖母が演歌・流行歌が大好きでカラオケでもよく歌っていまして、その影響で僕も物心ついた頃からそういった曲を聴くようになりました。幼いながら、よっぽど気に入ったらしく、童謡よりも春日八郎さんや三橋美智也さん、美空ひばりさんを聴いて楽しんでいたそうです(笑)。

――歌手になりたいという思いはいつ頃から芽生えましたか?

僕が3歳の時、五木ひろしさんの「ふたりの夜明け」という曲を歌っているのを聴いた祖母が、「この子は普通の3歳児にないものを持っている!」と思い、そこから歌手にしたいと思ったそうです。それ以後、祖母にレッスンしてもらい、地元の大会にも出場。地元・高知で年に1回、カラオケ王者を決めるテレビ番組があったんですけど、それに毎年出場するうちに、いつの間にか「あの演歌ばっかり歌う子」という感じで周囲の人に覚えられていきました。歌手への憧れを持ち始めたのは、その頃からですね。

――同世代の友人で演歌を聴く人はいました?

いや、もう完全に僕だけでした。思春期の頃は、やっぱり女性にモテたかったり、友達に合わそうと思ってJ-POPも聴いたり歌ったりしてみたんですけど、どうもしっくりこなくて…。結局、すぐ演歌に戻りましたね。

――歌手になるために具体的に行動を起こしたのはいつ頃から?

高校を卒業して、一度は歌手なんて絶対に無理と思い、一旦はあきらめたんですけど、祖母が、どうしても僕の夢を叶えさせたいと思い『NHKのど自慢』に応募してくれたんです。そうしたら予選を通過し、本選では、なんと鐘が全部鳴ってその週のチャンピオンに。その翌年に出場したグランドチャンピオン大会では、何の賞ももらえなかったんですけど、会場であるNHKホールのステージに立つことができて、この時に「やっぱり歌手を目指そう!」と決意しました。僕の中で、もうこれが最後のチャンスだと思い、歌手になれなかったら二度と高知には帰らないつもりで、夜行バスに乗り込み上京しました。25歳の時でした。

――そこから、どのようにでデビューのきっかけを掴んだのですか?

上京して、まずは仕事を探さなければと思っていたところ、ちょうどライブレストラン青山というお店がスタッフを募集していると知人に教えてもらい、面接に行ったんです。このお店では名前の通り歌謡ショーをはじめ、さまざまなイベントを開催していたんですけど、募集要項が「歌手を目指している人」ということで、僕にとっては、これ以上理想の職場はないと思い、「明日から働かせてください!」とお願いしました。そのお店を経営されていたのが、後に僕が師事する松前ひろ子師匠だったんです。最初はウェイターとして、その後、松前師匠の所属事務所のスタッフとして雇っていただき、3年間、お店の仕事をしながら松前師匠の付き人や、ご主人で作曲家の中村典正先生のカバン持ちをさせていただきました。ご両人は僕にとっては東京のお父さん、お母さんのような存在。修行時代もご飯を食べさせてくださったり、母が東京に来た際は、「電車で案内というのも味気ないから」とお車を貸してくださったり、本当に親身に接してくださって、だんだん、自分の歌手デビューへの夢よりも、「ご両人に喜んでもらえるような人間にならなくては!」という思いが強くなりましたね。

――お店では、どのような仕事をされていたんですか?

基本はウェイターなんですけど、イベント時には司会もしていたので、料理を運んだら、すぐに懐からマイクを取り出してしゃべるという離れ業も(笑)。月に一度のカラオケ大会では僕がシナリオを考え、進行・音響・照明・司会もほぼ一人で行っていたので大変だったんですけど、楽しかったですよ。何よりも僕、上京した頃は人前でまともに話せなかったのが、この時に司会をしていたおかげで、今では「うるさいよ!」と言われるぐらいトーク力が身につき、本当にここで働かせてもらえて良かったなと思います(笑)。

――その後、日本クラウンのオーディションで準優勝となり、2009年に「人恋酒場」でデビューされますが、念願のデビューを果たされた時の心境はいかがでしたか?

何はともあれ、これで高知に帰ることができるなと思って安心しました。もし挫折しておめおめ帰ったら、僕はともかく親が後ろ指さされるだろうし、それが絶対に嫌だったので歌手になるまで帰りたくなかったんです。デビュー曲のカップリングが「望郷列車」という曲なんですけど、歌詞の内容がまさにそんな状況を描いていて、この曲を聴いたり歌ったりすると、今でも泣けて仕方がないんですよ。

――『人恋酒場』はデビュー曲にして、いきなり10万枚以上を記録する大ヒット曲となりましたが、その要因はどこにあると思いますか?

がむしゃらに一生懸命やってきた結果もあるかもしれませんが、何よりもスタッフや応援してくださる方々の体制がすごく良かったと思います。そして、何よりも中村先生の作ってくださった楽曲の良さ。これに尽きますね。この曲が世間に広く知れ渡ったことで、微々たるものではありますが先生方に恩返しができたのは、僕にとって本当に嬉しい出来事でした。

――今年はデビュー7周年に突入し、ロングヒット中の最新曲『お岩木山』がジャケットとカップリング曲を変え、3度目のリリースとなりました。同じ曲で3回リリースを重ねるのは演歌界でも異例の快挙ですね。

本当にありがたいことです。作詞の千葉幸雄先生はデビュー前から僕のことを見てくださっているのですが、「今回は三山君そのものを描いてみたよ」ということで、女歌が中心だった作品から一転して、力強い男歌をいただきました。「これまで歩んだ道をさらに進み、三山ひろしという山を築いていきなさい」というメッセージと、自分で言うのも気恥ずかしいですが、青森のお岩木山の純粋で素朴なイメージが僕と重なるという思いを込めてくださったと聞き、そんな作品を歌えることが本当に光栄です。僕もありのままの自分で歌っています。

――そんな等身大の1曲の聴きどころは?

これは、もう出だしの「山よ!山よ お岩木山よ」に尽きますね。この曲で最も印象的な部分で、カラオケで歌われる方もここできちんと声を出せば、あとはスカッと歌いきっていただけると思います。





 

――今回のカップリング曲『祝い川』は師匠である松前さんとのデュエット曲ですね。

はい。ステージでご一緒することはたびたびあったんですけど、レコーディングは初めてということで、僕にとって非常に思い出深い1曲となりました。ただ、レコーディング以上に写真撮影が緊張しましてね~。背丈を合わせるために松前師匠が台に乗られたんですけど、お顔が僕から10センチぐらいの近距離にあるんですよ。同じ歌い手とはいえ、やはり師匠と弟子なので今まででこんなに近づくことはなかったし、カメラマンさんから「笑って!」と言われても緊張して、なかなか笑顔が出ませんでした(笑)。

――若手演歌歌手の代表格の一人である三山さんから見て、次世代に演歌をつなぐためには、どのようなことが重要だと思いますか?

まず、演歌を聴く人が少なくなっているという事実。時代の流れが早くなり、それに追いつかなくてはいけないという中、どうしても昔からあるものは、忘れられてしまう傾向にありますよね。でも、時の流れとは裏腹に人の心ってそんなに早く動けないんです。そこでふと立ち止まって、義理人情や人への思いやり、親の大切さなどを歌った演歌を聴いてもらったら、必ず心に染み入るものがあると思うし、だからこそ後世にも残さなくてはいけないと思うんです。それを実感してもらうためには、とにもかくにも生の歌声を聴いていただきたい。コンサートに行くのはちょっと…という方なら、街角のレコード屋さんやショピングセンターなんかで観覧無料のキャンペーンもしていますし、見かけた際には、ぜひ足を止めてみてください。

――昔は、テレビ番組の影響もあってか子供でも演歌を歌っていたように思います。

演歌を歌っている子どもって、他の子より少し大人びているんです。歌詞の意味がわからなくても夫婦や親子の情、人間の弱い部分などを早いうちから歌っていれば自然と心も育つし、早い段階で歌詞に込められた本当の意味にも気付くことができる。それって人生において、すごく大切なことだと思うし、一度、この魅力にはまってしまうと、もう抜けられないですね。

――三山さんご自身も演歌の普及のため、さまざまな活動を展開されていますよね。

今、ステージで披露させていただいているけん玉も、その一つです。もともとはファンクラブのみなさんと楽しめるものをということで練習を始めたのですが、ある時、「けん玉を通して子どもさんに演歌を知ってもらえるのでは?」と思い、継続していたら、いつの間にか三段の資格を取ってしまいました!

――そして、今年の3月には関西では非常に人気の高いテレビ番組『探偵!ナイトスクープ』に出演されました。

依頼者である中学生のお兄ちゃんと小学生の弟さんが僕のファンで、ぜひ一度、会いたいということだったんですけど、あれだけ若い人に僕の歌を聴いてもらえているということが驚きでしたね。お兄ちゃんの方は、日頃からTwitterやブログで僕の応援をしてくれているんですけど、演歌に夢中な彼らを見ていたら自分の子供の頃を思い出しましたね。あと、お兄ちゃんが僕の歌に合わせて入れてくれたイントロナレーションもすごく上手で、気持ちがほっこりしました!

――さて、10月以降、関西でのイベント出演や公演が続々と決定していますが、三山さんのステージの楽しさや、関西への思い入れなどを教えていただけますか?

関西のみなさんにはデビュー当時からかわいがっていただき、そんなご縁もあって、7周年のコンサートツアーも大阪からスタートしました。ディナーショーも定期的に開催させていただいているので関西にはしょっちゅう来ていますし、来るたびに「三山ちゃん、頑張ってるな~。応援してるで!」とエールをいただけるのが本当に嬉しいです。僕のコンサートは難しいことを考えず、とにかく楽しんで帰っていただくということをモットーにしていますので、ぜひ、気軽に遊びに来てください。ステージを通して、「日本といえば演歌! 演歌といえば三山ひろし!」と感じていただけるよう、これからも頑張って歌っていきたいと思います!

(取材・文/伊東孝晃)




(2015年9月24日更新)


Check

Release

Single
「お岩木山」(Type-C)

発売中

CDシングル
CRCN-1891 ¥1,204+税
シングルカセット
CRSN-1891 ¥1,204+税

<収録曲>
1. お岩木山
2. 祝い川
3. お岩木山 (オリジナル・カラオケ)
4. 祝い川 (オリジナル・カラオケ)
5. お岩木山 (一般用カラオケ・1音下げ)
6. 祝い川 (カラオケ・三山ひろし歌入り)
7. 祝い川 (カラオケ・松前ひろ子歌入り)

Profile

三山ひろし
みやまひろし●1980年9月17日生まれ、高知県南国市出身。幼少の頃より歌手を目指し、上京。2015年2月にリリースした新曲『お岩木山』が大ヒット中。8月には師匠である松前ひろ子とのデュエットも収録した《Type-C》もリリースした。また、2015年5月にリリースしたアルバム『歌い継ぐ!昭和の流行歌VI』では、昭和の名曲をカバーしている。近年では“けん玉歌手”としても話題沸騰中。

発売中 Pコード:267-711

▼10月29日(木) 15:00
枚方市市民会館 大ホール
[一般発売]全席指定-6000円
[ゲスト]高橋樺子/美山愛
※未就学児童は入場不可。
[問]デカナル
[TEL]06-6362-7610

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三田歌謡祭

発売中 Pコード:270-573

▼11月19日(木) 14:00/18:00
三田市総合文化センター 大ホール
全席指定-5500円
[出演]三門忠司/松前ひろ子/上杉香緒里/和田青児/市川由紀乃/三山ひろし/塩乃華織
※未就学児童は入場不可。
[問]デカナル[TEL]06-6362-7610

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橿原歌謡祭

発売中 Pコード:270-573

▼11月19日(木) 14:00/18:00
三田市総合文化センター 大ホール
全席指定-5500円
[出演]三門忠司/松前ひろ子/上杉香緒里/和田青児/市川由紀乃/三山ひろし/塩乃華織
※未就学児童は入場不可。
[問]デカナル
[TEL]06-6362-7610

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発売中 Pコード:270-463

▼12月7日(月) 13:00/17:30
京都劇場
S席-6000円 A席-5000円
[共演]大林幸二/五条哲也/劇団紀州
[問]京都中央企画
[TEL]075-251-1788

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発売中 Pコード:272-400

▼12月13日(日) 14:30/18:30
淡路市立しづかホール
[一般発売]全席指定-5500円
[ゲスト]塩乃華織/ヒデオ銀次
※未就学児童は入場不可。
[問]デカナル
[TEL]06-6362-7610

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10月9日(金)10:00~一般発売
Pコード:276-661
▼2016年2月5日(金) 13:30
大津市民会館 大ホール
全席指定-5000円
※未就学児童は入場不可。
[問]デカナル
[TEL]06-6362-7610

『柏原歌謡フェスティバル~山本譲二・市川由紀乃・三山ひろし・蒼彦太 歌の祭典~』
発売中 Pコード:276-014
▼2016年2月6日(土) 13:30/17:30
リビエールホール(柏原市民文化会館) 大ホール
[一般発売]前売指定-6000円
[出演]山本譲二/市川由紀乃/三山ひろし/蒼彦太 [ゲスト]Wヤング
※未就学児童は入場不可。ビデオ・カメラまたは携帯電話での撮影禁止。出演者は変更になる場合がありますので、予めご了承ください。変更・払戻不可。
[問]リビエールホール
[TEL]072-972-6681

10月31日(土)10:00~一般発売
Pコード:273-419
▼2016年3月6日(日) 15:00
コスモスシアター(貝塚市民文化会館)
全席指定-5000円
[共演]有
※未就学児童は入場不可。
[問]コスモスシアターチケットカウンター
[TEL]072-423-2442