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直感と言う名の胸騒ぎを信じて――
Monday満ちるやEGO-WRAPPIN’の森雅樹を招いた最新作
『ジルデコ6 ~Just a Hunch~』引っ提げツアー中!
JiLL-Decoy associationインタビュー&動画コメント

 ジャズ~ポップス~ロックetcを独自にミックスしたサウンドで、幅広い音楽ファンを魅了し続けてきた“ジルデコ”ことJiLL-Decoy association。通算6枚目となるアルバム『ジルデコ6~Just a Hunch~』では、敬愛するMonday満ちるやEGO-WRAPPIN’の森雅樹(g)とのコラボ曲から、彼ららしい音楽志向がストレートに表れた新境地まで。ダンサブルなジャジー路線から美しいニューソウル調や初のスカチューンまでと、ポップな前作『ジルデコ5』(‘13)とは好対照な12曲となっている。自分たちが今鳴らしたいサウンドに溢れた新作について、リリースツアーも残すは東名阪となった今、chihiRo(vo)に語ってもらった。

 
 
せっかく6枚目のアルバムだから
“第六感”とかをテーマに曲が作れたら面白そうだなと
 
 
――ポップス的なタッチだった前作と比べると、今回はより“らしさ”を強めた作風になりましたね。
 
「そうですね。前作は“ジルデコがJ-POPをやったらどんな風になるだろう?”と作ったアルバムで、歌詞の面でも“30代の女のリアル”みたいなものをテーマにすごく赤裸々に書いたんですけど、ジルデコってアルバムを1枚出すと“次はああいうのを作りたい”という気持ちが反動として出てきて、前作とは正反対のものを作りたくなるのが一種のエネルギーになっているところがあって。なので、今回はテーマ設定などもせずに、自分たちが作りたいものを作ろうと、あまり制約もなく好きにやらせてもらったアルバムになりましたね」
 
――“Just a Hunch”という副題通りに、直感的に出てくるものに素直にというか。
 
「制作の最後の方にもう1曲となったとき、せっかく6枚目だから“第六感”とかをテーマに曲が作れたら面白そうだなと思って。でも、“シックス・センス”というと映画の影響でちょっと怖いイメージがあったんですけど、第六感という言葉を調べると、自分の生活の身近にある“何かイイな”と思ったこととか、“直感”とかという意味だったので、それは今回のアルバムの全ての曲に言えることだったので“Just a Hunch”というサブタイトルを付けたんですよ」
 
――自分たちがやりたい音楽を、ストレートに形にしていったアルバムなんですね。
 
「12年もやっていると、作り方みたいなものもだんだんと凝り固まってきてしまうところもあるんですけど、今回はそういうのも一旦置いておいて、最初の頃のようにすごく不器用な作り方をした感じがありますね。ただ、今までは自分たちのやりたいことをすると=すごくマニアックだという言われ方をしていたので、今回もそう言われるかなと思っていたんですけど、リリースしてみれば“踊りたくなる”とか“ハッピーだね”という感想を多くいただけて、すごくホッとしました。リリースする前にはある意味で自己満足的な作品になってしまったんじゃないかという不安もあったんですけれど、そういった反応がもらえてからは自分自身の聴こえ方も変わってきて。いいアルバムが作れたと思っています」
 
――曲によってすごくシンプルな音数のものもあって、3人のパーソナリティーがよく伝わってくる作品になっているようにも感じました。
 
「レコーディングもみんなで“せーの”で録った曲が多かったですし、テイクも3~4本取ってもグッとくる最初の方のテイクを選ぶことが多かったですね」
 
 
“流行りに捕われないで自分の言葉で表現しないと
その音楽は未来に残っていかないんじゃない?”
 
 
――その一方で、アルバムの冒頭とラストを飾る2曲のゲストの人選もジルデコの“やりたいことをやった”感が強く反映されていて。『Freedom Express』(M-1)のMonday満ちるさんは、まさに直系の大先輩と呼べる存在ですが。
 



「2~3年前にMondayさんと一緒にライブをやる機会があって、私たちは3人とも死ぬほど聴いてきたのですごくビックリしたんですけど(笑)。ちょうど今回のアルバムを制作している時期にもう一度ライブを一緒にやってくださることになったので頼んでみたら、“いいよ!”とNYから返事が来て。歌詞は“流行りに捕われないで自分の言葉で表現しないと、その音楽は未来に残っていかないんじゃない?”ということを、お互いにそれぞれの言葉で表現している内容になっていますね」
 
――レコーディングの現場では、Mondayさんからその場で次々とアイデアが出てきて曲がどんどんと膨らんでいったという話を聞きました。
 
「そうなんですよ。コーラスをどうするか?となったとき、私が“ノープランです”と答えたら、“分かった! じゃあどんどんと入れていくから録っていって”と、その場でコーラスを次々と重ねていって。それがもう見事にMonday節炸裂なんですよ。10トラックとかも平気で重ねて、なるほど、こうやってあのMONDO GROSSOの曲とかも出来ていたのかと勉強になりました」
 
――そして、『光のこどもたち』(M-12)には、アレンジとギターでEGO-WRAPPIN’の森くんが参加していて。ちょっと意外な組み合わせとも思いましたけど。
 
「ジルデコでスカをやるということ自体が初めてだったんですけど、楽しかったですね。私たちだけでは絶対に出来ないサウンドになったし、森さんもお会いしてみればソフトな方だったんですが、音楽に対してすごく真面目に追求していらっしゃる姿勢に感銘を受けました」
 
――パット・メセニーの楽曲に日本語詞を乗せてカバーした『so may it secretly begin』(M-9)も聴きどころですが、chihiRoさん自身は今回のアルバムで特に印象深かった曲を挙げるとどれになりますか?
 
「『drawing』(M-4)は、今回のアルバムでは最もジルデコらしさが出た曲になったと思っていますね。と言うのも、他の2人と違って私が曲を作ると、音楽理論が分からず感性だけで考えた曲が生まれるんです。この曲は前回のアルバムの制作時に作ったんですけれど、そのときにはヘン過ぎて全然(選曲に)通らなくて。でも、私の中ではすごくいいメロディが鳴っていたから“もう1回聴いてみて”と2人にお願いしてみたら、リーダーのtowada(ds)が“コレ、変過ぎて逆にやってみたくなってきた”と言い始めて、kubota(g)がアレンジしてみたらすごくいい曲になって。転調に転調を繰り返している曲なんですけど、コードをいじってもらったおかげでキレイに収まって、私たちの原点に返ったような形で完成した曲ですね」
 
――そんなジルデコらしさがより深化した形で結実したアルバムを引っ提げて、2月11日(水・祝)には大阪・心斎橋JANUSにてワンマンライブも控えています。
 
「2月のライブはホーン隊も入った編成で行います。私たちを知ってもらうのには、ホントにライブが一番手っ取り早いので。曲を聴いてクールなイメージを持たれている方は、それが一気に覆ると思います(笑)。CDよりも熱い部分を見てもらえればと」
 
 
Text by 吉本秀純



(2015年2月10日更新)


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Movie Comment

み、見とれてしまいます…
chihiRo(vo)からの動画コメント!

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Release

音楽的衝動に従った充実の6thアルバム
&瑞々しくも真骨頂のライブ盤も発売!

Album
『ジルデコ6 ~Just a Hunch~』
発売中 2900円(税別)
ビクターエンタテインメント
VICL-64237

<収録曲>
01. Freedom Express
02. 6th HUNCH
03. INSTinct 1
04. drawing
05. 月光
06. 伝わっちゃう
07. INSTinct 2
08. ジオメトリックな恋人
09. so may it secretly begin
10. 波跡
11. 大目にみてね
12. 光の子どもたち


Live Album
『In Concert』
発売中 2300円(税別)
ビクターエンタテインメント
VICL-64260

<収録曲>
01. 月光
02. ドレスを着る前に
03. drawing
04. メッセージ
05. Following (JDs)
06. GARDEN
07. 光の子どもたち
08. [Medley] JiLL’s bomb~
シングルマザー A GO GO!!~too much!
~ハッピーハッピー!アンハッピー?!
09. 上質サボタージュ
10. like ameba

Profile

ジルデコイ・アソシエーション…写真左より、kubota(g)、chihiRo(vo)、towada(ds)。米国でジャズを学んで帰国したtowadaとkubotaが、chihiRoを迎え’02年に結成。コンスタントにアルバムを発表しながらライブバンドとして活動の場を全国に広げ、’12年には国内最大のジャズフェスティバルである『東京ジャズ』に出演。’13年にリリースした5thアルバム『ジルデコ5』は、『第55回 日本レコード大賞』の“優秀アルバム賞”を受賞。’14年10月22日に最新作となる6thアルバム『ジルデコ6~Just a Hunch~』をリリースした。

JiLL-Decoy association
オフィシャルサイト

http://www.jilldecoy.com/


Live

ホーン隊と共に豪華フルバンドで贈る
ツアーのクライマックス東名阪公演!

Pick Up!!

【大阪公演】

『ジルデコ6 ~Just a Hunch~
 ツアー in 大阪』
チケット発売中 Pコード257-019
▼2月11日(水・祝)17:00
心斎橋JANUS
指定席(当日引換券)-5500円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※3歳以下は入場不可。公演当日、開場時間より当日券販売所にて座席指定券と引換え致します。お席は連番でご用意可能です。お渡しするお席は先着順ではございません。予めご了承ください。

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【名古屋公演】
『ジルデコ6 ~Just a Hunch~
 ツアー in 名古屋』
チケット発売中 Pコード246-042
▼2月13日(金)19:00
JAMMIN’
全自由5500円
ジェイルハウス■052(936)6041
※3歳以下は入場不可。

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【東京公演】
『ジルデコ6 ~Just a Hunch~
 ツアー・ファイナル in 東京』
チケット発売中 Pコード245-396
〈-WINTER-〉
▼2月28日(土)19:00
〈-SPRING-〉
▼3月1日(日)17:00
日本橋三井ホール
全席指定6500円
キョードー東京■0570(550)799
※3歳以下は入場不可。

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