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今のメンバーと1曲でも多く、1分でも長く音楽を続けたい
結成20周年イヤーに突入したKEMURIが
充実の最新作『RAMPANT』携えいよいよツアー後半戦をスタート!
伊藤ふみお(vo)インタビュー&動画コメント

 日本のスカパンクを牽引する存在として’07年に解散するまで不屈の王者として君臨し、’12年に宮城県で開催された『AIR JAM 2012』への参加をきっかけに、約5年ぶりに復活を果たしたKEMURI。初代ギタリストも復帰した編成で再スタート後、2枚目となるオリジナルアルバム『RAMPANT』を昨年10月にリリースし、全40公演の年をまたいでのロングツアー真っ最中の彼らが、1月24日(土)にはいよいよ大阪・なんばHatchに登場する。最新作と充実のツアーについて、フロントマンの伊藤ふみお(vo)に語ってもらった。

 
 
バンドの再結成と言ってもいろいろな形がありますけれど
普通に現役感のあるバンドとしてやっていくのが一番カッコいいと思うから
 
 
――’13年の復活作『ALL FOR THIS!』から、カバーアルバム『KEMURIFIED』('14)を挟んで今作と、かなりのハイペースですよね。
 
「やっぱりみんなミュージシャンなので、話をするよりも新しい曲を作って録音して、時間を共にしていきたいなという想いもあったんですよね。バンドの再結成と言ってもいろいろな形がありますけれど、僕は普通に現役感のあるバンドとしてやっていくのが一番カッコいいと思うから、大変だけど新曲を作ってやろうよということで」
 
――期間限定で、過去の代表曲をやるだけ、みたいなパターンではなく。
 
「そうですね。それに今はメンバーも変わったし、新しい曲で、また新しいKEMURIを、今までKEMURIのことを応援してきてくれた人たちはもちろん、新しいお客さんにも知ってもらうということを、すごく大事にしたいなと」
 
――『AIR JAM』での復活時のインタビューを読んでも、“再結成するなら、1回だけという形ではしたくない”と、キッパリ仰ってましたよね。
 
「ちょっとカッコいい言い方になっちゃいますけど、それが音楽に対する筋の通し方だったりしますから。それは今までにKEMURIを応援してくてくれた人たちに対する、筋でもあるんだけど」
 
 
スカパンクって一見、激しくて乱暴な音楽と捉えられがちなんだけど
アンサンブルは結構緻密なものなんですよ
 
 
――最新作『RAMPANT』は、“奔放な”という意味合い通り、今までになく軽快な『SUNNY SIDE UP!』(M-1)で幕を開けたかと思えば、逆にハードな高速チューンやダブっぽいインストもありと、かなり多彩な曲調で一気に駆け抜ける全10曲となっています。
 
「“こういうアルバムにしよう”というコンセプト的なものは、今までのKEMURIにも存在したことはなくて。今回もバンドのメンバー1人1人が作ってきた曲を今の雰囲気で録音して、言葉を乗っけていったという感じで。すごくナチュラルな姿勢で作っていけたアルバムですね」
 
――復帰後は、初代ギタリストだった田中“T”幸彦さんが加わっていることが大きいですが、それで変わった面などはありますか?
 
「やっぱり昔の曲をやっていても全然違いますよね。スカパンクって一見、激しくて乱暴な音楽と捉えられがちなんだけど、管楽器3本を含めてステージには7人メンバーがいて、アンサンブルは結構緻密なものなんですよ。それを1つ1つ丁寧に音を紡いでいくという意味では、Tが高速で“スチャスチャスチャ”と弾くスカのカッティングのリズム感があることで、彼が参加していた1stアルバムの頃のグルーヴが戻ってきたなぁというのはありますね。バンドのサウンドが、ライブでやっていても楽しい気持ちになるし、それが今回の『RAMPANT』の曲にも反映されているんじゃないかと思います」
 
――長いキャリアを経た上で、また初期のムードに戻ってきたような爽快さも感じます。
 
「あまり好きな言い方じゃないけど、ひと回りして、螺旋階段を上り続けていくように、こんな景色を昔も見たことがある気がするというか。不思議と似た空気感を感じることはありますね。昔と今では全く状況も違うんですけど」
 
――20年近くの活動を経て、また初期のようなフレッシュな感覚が戻ってくるというのは、決して誰もが出来ることではないでしょうね。
 
「ま、そこは考えて出来ることではないですよね。何も考えていないってわけでもないけど(笑)。でも、不思議な感じですよね。“あ、こんな風になるんだ”って」
 
――作詞作曲のクレジットを見ていても、メンバー全員が曲を持ち寄りながら、お互いの個性をそれぞれに出しているのがよく分かるのも印象的でした。
 
「前作よりも1人1人のカラーが出た作品になっていて、そこがいいんじゃないかなと思いますね。デモの段階ではどうかなと思う曲もあったけど、仕上がってみればみんな満足の出来で。今までの作品と同様に米国のBLASTING ROOM STUDIOで録音出来たことにも感謝しています」
 
 
いろんな場所にまだまだKEMURIを好きでいてくれている人たちがいて
こういうツアーが出来るのはすごく意味があることだと思っています
 
 
――全10曲の中で、仕上がってみて特に印象的だった曲などはありましたか?
 
「カタチになってきて“おー、こんな曲がきたか”と思ったのは、1曲目の『SUNNY SIDE UP!』ですね。歌詞も歌入れする日の朝とギリギリになって書けた曲だったんですけど、録音エンジニアが“今日は朝から機嫌が悪かったけど、この曲を聴いて良くなったよ!”と言ってくれたくらいで(笑)。歌詞の中に“バナナクリームパイを一切れ食べたい気分さ!”っていうようなくだりがあって、特に激しくもないし速くもない曲なんだけど、ライブで演奏していても今までになかった盛り上がりをする曲になって、自分たちでも“こういう風になるんだ”とビックリしていますね」 

――お話を聞いていると、再結成後のKEMURIはまだまだこれから加速していく感じすらします。
 
「’95年に結成して、今年で20周年になっちゃいますからね。そこに向けてまた新しいアルバムを作っていきたいし、今回やっとこういうツアー(全国の小さなライブハウスも廻る全40公演)も出来ているので。5年も空いていたから、どれだけ人が入るかなと思いながら始めたツアーでしたけど、いいツアーが出来ていますよ。ソールドアウトする場所もあれば全然入らないところもあって、岩手の宮古でライブをやったときは60人くらいしかいなかったんだけど、終わった後にメンバー全員が“今日はホントにいいライブだったね!”と言うくらいのライブが出来て。いろんな場所にまだまだKEMURIを好きでいてくれている人たちがいて、こういうツアーが出来るのはすごく意味があることだと思っています」
 
――そして、1月24日(土)のなんばHatch公演は、そんな充実した全国ツアー終盤戦の幕開けになります!
 
「今回のツアーのセットリストは、ほとんどライブでやったことがなかった1stアルバムの曲とか10年ぶり以上にやる曲とかも入っているから、自分たちでもやっていて新鮮で楽しいですね。だから、ツアーの最初の頃はライブの直前まで歌詞カードを読み直したりもしていて(笑)。いい意味での緊張感もありながら、今はすごく楽しい状況でライブをやれています」
 
 
Text by 吉本秀純
 




(2015年1月20日更新)


Check

Movie Comment

自信と確信に満ちた伊藤ふみお(vo)が
新作&ツアーを語る動画コメント!

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Release

より速く、より重く、より強く、
よりハッピーに! 真性スカパンク10曲

Album
『RAMPANT』
【CD+DVD】発売中 3348円(税込)
CTCD-20007/B
【CD】発売中 2268円(税込)
CTCD-20008
ONECIRCLE

<収録曲>
01. SUNNY SIDE UP!
02. shining stars
03. I am proud
04. My Hands
05. ima-sorewo-hikarini-kaete-susume!
06. MADNESS
07. Silent Stone
08. smallest big smile
09. brand new world
10. Ve-Ri-Ha

<DVD収録内容>
01. I am proud -Music Video-
02. ima-sorewo-hikarini-kaete-susume!
-Music Video-
03. Standing in the rain [Live]
04. surfer [Live]
05. Don't Know [Live]
06. PMA (Positive Mental Attitude) [Live]

Profile

ケムリ…写真左より、津田紀昭(b)、コバヤシケン(Sax)、伊藤ふみお(vo)、田中“T”幸彦(g)平谷庄至(ds)。’95年に結成。“P.M.A.(Positive Mental Attitude)”をバンド哲学としながら、日本のスカパンクを代表するトップバンドとして熱い支持を獲得。’03年にツアー中の事故でメンバーが他界するアクシデントも乗り越えながら、90年代後半以降のパンク隆盛に欠かせない存在として活躍を続け、’07年12月に解散。’12年9月には、Hi-STANDARDの呼びかけに応じ宮城県で開催された『AIR JAM 2012』で約5年ぶりに復活。昨年10月8日に、通算10枚目のオリジナルアルバム『RAMPANT』を発表した。

KEMURI オフィシャルサイト
http://kemuri.com/

Live

ツアー後半戦、2015年のライブが
大阪なんばHatchからいよいよ開幕!

Pick Up!!

【大阪公演】

『KEMURI TOUR 2014-2015
「RAMPANT」』
チケット発売中 Pコード238-918
▼1月24日(土)18:00
なんばHatch
1Fスタンディング4000円
2F指定席4500円
[ゲスト]THE CHERRY COKE$
SMASH WEST■06(6535)5569
※小学生以下は保護者同伴に限り無料。但し、2F指定席はお席が必要な場合は有料。

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【静岡公演】
▼1月25日(日)Live House 浜松 窓枠
[ゲスト]THE CHERRY COKE$
【名古屋公演】
▼1月31日(土)ダイアモンドホール
[ゲスト]SKA FREAKS
【金沢公演】
▼2月7日(土)金沢EIGHT HALL
[ゲスト]SKALAPPER
【新潟公演】
▼2月8日(日)NIIGATA LOTS
[ゲスト]SiM
【北海道公演】
▼2月13日(金)ペニーレーン24
[ゲスト]SKA FREAKS
▼2月14日(土)ペニーレーン24
[ゲスト]FREE KICK
【福岡公演】
▼2月21日(土)DRUM LOGOS
【広島公演】
▼2月22日(日)広島クラブクアトロ
【東京公演】
▼2月28日(土)STUDIO COAST
[ゲスト]DALLAX
【仙台公演】
▼3月13日(金)仙台Rensa
[ゲスト]おひつじ座流星群
【福島公演】
▼3月14日(土)Hip Shot Japan
[ゲスト]SNAIL RAMP

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