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小曽根真率いる最強ビッグバンドが祝・結成10周年!
音楽が導いた縁と奇跡のセッションを刻んだ新作『ROAD』を携え
アニバーサリーツアーがいよいよ大阪からスタートへ!!
小曽根真 featuring No Name Horsesインタビュー

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音楽っていうものは
自分の中にあるものがどんなに隠したって出てくるんですよね
 
 
 「気が付けばもう10周年なんですよね」。世界的ジャズピアニスト小曽根真が頬を緩ませそう語るのは、ジャズシンガー伊藤君子のレコーディングをきっかけに、日本のトップミュージシャンによって’04年に結成されたスーパービッグバンド、No Name Horses。当初はレコーディングのみのはずだったこの奇跡のセッションも、「バンドの音が良過ぎて、どうしてももう一度音を出したかった」という小曽根のひらめきと情熱をスタートに走り始め、今年で結成10周年を迎えた。
 
「音楽っていうものは、自分の中にあるものがどんなに隠したって出てくるんですよね。そういう意味では、音楽とは関係ないイシューも、どんなに面倒くさいことも、ファミリーだったら全て向き合おうよと」
 
 実力者揃いのこのバンドを動かしているのは、類まれなショーマンシップとプロフェッショナルの意識だけではない。「生まれるべくして生まれたステディなバンド」と自負する、これぞ“バンド”のケミストリーが、この大所帯を10年歩ませてきたのだろう。
 
「『ラ・フォル・ジュルネ(・オ・ジャポン 2014)』のためにNo Name Horsesで集まって、久しぶりにリハで“バーン!”と音を出した瞬間に、“なんやこのバンド…”って思ったぐらい、音楽性の高さと技術はもちろん、一体感があって。それだけ自分の音楽性をさらけ出せる、“全てをここで出していいんだ!”っていう信頼がやっぱりあるんでしょうね。オールスターバンドを連れてきてよくあるのが、いいミュージシャンほど譲り合うんです。本気を出せない。どこかでぶつかるのが怖いから。だけど、何をしてもこのバンドは大丈夫っていう安心感がみんなの中にあるんじゃないかな。あまりにも素晴らしくて、その日の夜に“このバンドにいられるのはホントに幸せで、みんなの音を聴いてたら背筋が伸びる”ってメールを送ったら、誰も返事けーへん(笑)。はい、これがオチです(笑)」
 



バンドの歴史を音にしたのが『ROAD』なのかなって
 
 
 そんな小曽根真 featuring No Name Horsesが、8月20日には結成10周年記念アルバム『ROAD』をリリース。同作は、総勢15名のメンバーが代わる代わる主役を張っていくドラマティックなオリジナル組曲『ビッグ・バンド交響詩“ROAD”』(M-1)、そして、かのジョージ・ガーシュウィンの名曲『ラプソディ・イン・ブルー』(M-2)のビッグバンド・バージョンを初録音。これまでのツアーでも絶賛を浴びてきた楽曲をコンパイルした、アニバーサリーにふさわしいアイテムとなっている。
 
「ここ10年クラシックをやってきたことで、僕のアプローチもやっぱり変わってきたと思うんです。僕の中で『ROAD』は交響詩のような感覚なんで、『Big Band Symphonic Poem “ROAD”』っていうね。そういう意味では、この10年僕のやってきたことが、バンドの歴史を音にしたのがこの曲なのかなって。だから今回は、ジャズのCDなのに2曲しか入ってない。『ROAD』が36分あるんです。僕のやってるラジオ番組が25分やから、自分の番組でもかけられへん(笑)」
 
 制作時からホールコンサートホールをイメージし、照明技師と打ち合わせながら作られたという『ROAD』に対し、「そうやって大風呂敷を広げてもうたもんやから、5~6分で終わる曲にはならないよね?(笑)」と笑う小曽根。続く『ラプソディ・イン・ブルー』も30分というそんな大作2曲を、「どちらもワンテイク、全員同時で一発録り」という鬼気迫るレコーディングを完遂したのが今作なのだ。

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音を出した瞬間に全部吹き飛んでしまうぐらい
幸せなエネルギーに満ち溢れたステージに出来たら
 
 
 そして、いよいよ9月5日(金)の大阪・フェスティバルホールを皮切りに、全国11都市12公演の全国ツアー『小曽根真 featuring No Name Horses 結成10周年記念ツアー“Road”』がスタートする。
 
「熱意をもったスタッフ、照明、音響、調律、全てにおいて超一流のメンバーがNo Name  Horsesのツアーに参加してくれて、今のNo Name Horsesを作った。そのおかげで僕らは、ホントにありえないほどカンファタブル=ストレスフリーなツアーを、音楽のことだけを考えてツアーをすればいいところまでやってこれて、こんな幸せなことはないんです。今年の10周年ツアーは、僕らの感謝の気持ちをどうやって皆さんに戻していくか、感じてもらえるか。音を出した瞬間に全部吹き飛んでしまうぐらい、幸せなエネルギーに満ち溢れたステージに出来たらなって」
 
 小曽根自身、意外にも「(ジャズミュージシャンとしては)フェスティバルホールは初」というのもスペシャルだが、大阪公演のみのゲストとなる盟友マイク・スターン(g)とは、「前半でギターをフィーチャーした曲を2~3曲、カルテットでもやりたいなと」構想を語ってくれた。そして、タイトル曲の『ROAD』はもちろんだが、「拍手の量によって(笑)」アンコールでは『ラプソディ・イン・ブルー』の披露も!? 以前、BLUE NOTE TOKYOにて巻き起こったアンコールに、「絶対に終電間に合わへんから、途中で帰ってもいいよ」と披露した前科アリだけに(笑)、こちらも期待が高まる。ビッグバンドのド迫力と美しい音色に心揺さぶられる情熱の一夜に、ぜひ足を運んで欲しい!
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2014年9月 4日更新)


Check

Movie Comment

ツアー&大阪公演に向けて解説!
小曽根真からの動画コメントはコチラ

Release

自身の組曲とガーシュウィンの名曲
全2曲67分、驚異の一発録音!

Album
『ROAD』
発売中 3000円(税別)
Verve/ユニバーサル
UCCJ-2118
※高音質SHM-CD仕様。

<収録曲>
01. ビッグ・バンド交響詩“ROAD”
 Ⅰ. Birth of a Band
 Ⅱ. A Miracle Fades Away
 Ⅲ. Embracement
 Ⅳ. Doubts
 Ⅴ. Endless Battle
 Ⅵ. “ROAD” to Freedom
02. ラプソディ・イン・ブルー

Profile

小曽根真

おぞね・まこと…’83年バークリー音楽院ジャズ作・編曲科を首席で卒業。同年米CBSと日本人初のレコード専属契約を結びアルバム『OZONE』で全世界デビュー。’03年にはゲイリー・バートンとのデュオアルバム『VIRTUOSI』がグラミー賞ノミネート。ソロピアノ、トリオ、自ら率いるビッグバンドNo Name Horses、舞台音楽、作曲など、多方面で活躍中。近年はクラシックにも取り組み国内外の主要オーケストラと共演。’14年2月にはニューヨーク・フィルハーモニックのアジアツアーにおいて、初の日本人ジャズピアニストとしてソリストに抜擢され成功を収めた。平成25年度文部科学大臣賞を受賞。国立音楽大学教授。


小曽根真 featuring
No Name Horses

おぞね・まこと・フィーチャリング・ノー・ネーム・ホーセス…’04年に結成。小曽根真が率いる総勢15名のビッグバンド。メンバーはいずれも日本を代表するミュージシャンで、自身のバンドでリーダーを務めるなど大活躍している。これまでに3枚のスタジオアルバムと1枚のライブアルバムをリリース。これまでに国内ツアーの他、アメリカ(世界最大のジャズ・コンベンション『IAJE(国際ジャズ教育協会)』)、フランス(ラロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭)、スコットランド(エジンバラ・ジャズフェスティバル)、ウィーン、シンガポールにて演奏。また、’13年7月上旬には、東北支援キャラバンツアーを行い被災地に演奏を届けた。

【メンバー】
小曽根真(p)/エリック宮城(tp、fl)/
木幡光邦(tp、fl)/奥村晶(tp、fl)/
岡崎好朗(tp、fl)/中川英二郎(tb)/
片岡雄三(tb)/山城純子(B-tb)/
近藤和彦(As、Ss、fl)/池田篤(As、fl)/
三木俊雄(Ts)/岡崎正典(Ts、cl)/
岩持芳宏(Bs、cl)/中村健吾(b)/
高橋信之介(ds)
 

小曽根真 オフィシャルサイト
http://www.makotoozone.com/


Live

マイク・スターン(g)をゲストに迎えた
大阪より結成10周年ツアーがスタート

Pick Up!!

【大阪公演】

『小曽根真 featuring No Name Horses
 結成10周年記念ツアー“Road”』
チケット発売中
▼9月5日(金)19:00
フェスティバルホール
S席8500円 A席6000円 BOX10000円
[ゲスト]マイク・スターン
ブリーゼチケットセンター■06(6341)8888
※未就学児童は入場不可。

【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼9月7日(日)東京国際フォーラム ホールA
※『第13回東京JAZZ』出演
【北海道公演】
▼9月9日(火)ニトリ文化ホール
【山形公演】
▼9月11日(木)山形テルサ テルサホール
【埼玉公演】
▼9月13日(土)
熊谷文化創造館(さくらめいと) 太陽のホール
【滋賀公演】
▼9月14日(日)
ひこね市文化プラザ グランドホール
【三重公演】
▼9月15日(月・祝)三重県文化会館 大ホール
【福岡公演】
▼9月16日(火)
アクロス福岡 福岡シンフォニーホール
【長野公演】
▼9月19日(金)ホクト文化ホール 大ホール
【神奈川公演】
▼9月20日(土)よこすか芸術劇場
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼9月25日(木)
大田区民ホール・アプリコ 大ホール
【石川公演】
▼9月26日(金)
石川県立音楽堂 コンサートホール

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