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CMで話題沸騰のファンタジックでドリーミーな“あの歌声”
変幻自在のマジカルポップ・マエストロKishi Bashiが贈る
日本メジャーデビューアルバム『Lighght(ライト)』
ジャパンツアー開幕を告げるインタビュー&動画コメント

 ハッと心を掴むヴァイオリンの旋律と柔らかに迫ってくるボーカルを軸にした、マジカルポップな音楽が魅力のシンガーソングライター、Kishi Bashi。昨年には『SUMMER SONIC 2013』『TAICOCLUB '13』といった大型フェスにも出演するなど、ここ日本でもじわじわと注目を集めてきている彼が、日本でのメジャーデビューアルバムとなる『Lighght(ライト)』をリリースした。日本で一躍脚光を浴びるきっかけとなった、水原希子出演のNTT docomo携帯Huawei Ascend、梨花&ローラ出演の花王エッセンシャルダメージケアのCMソング2曲も収録した1枚だ(前者が『Philosophize In It! Chemicalize With It!』、後者がSong For The Sold)。間近に迫ったジャパンツアーに向け、日系アメリカ人ということもあり、日本語で行われたインタビューをどうぞ!

 
 
好きな曲の、鳥肌の立つような雰囲気とかエモーションを
どうやったら自分でも表せるのか
 
 
――今回のアルバム『Lighght』は、どういった環境で制作されましたか? 
 
「去年の7月くらいにジョージア州のアセンズに引っ越して、そのあたりから作り出しました。今回もレコーディングは自分でやって、自宅の部屋…それこそ隣の部屋のキッチンでは妻が料理をしているような環境で録音したので、いい音で録れるようにエンジニアと一緒にセッティングはしっかりして」
 
――環境の変化は、制作にも影響ありましたか?
 
「前作の『151a』(’12)を作るために、10年くらい住んでいたニューヨークを離れ、バージニア州にある実家に家族と一緒に戻ったんですね。『151a』はそこの屋根裏にこもって作った。今回もまた屋根裏で作ったら同じようなものになると思い、やっぱりアーティストとして進化はしていきたいので、環境を変えるために街を変えました」
 
――アセンズは盟友のオブ・モントリオールもベースとしている街ですよね?
 
「小さな大学町ですね。インディーロックが盛んで、スタジオもたくさんあるし、ミュージシャンもたくさん住んでるから、“ちょっと楽器貸してよ”ってすぐ言える(笑)。今回も1人で出来る部分は1人で演奏しましたが、ドラムは自分で叩けないから友達に頼んで叩いてもらったり、他にも何人かには協力してもらいました。バージニア州には音楽的に頼りになる人が周りにいなかったことを考えると、今回はやりやすかったですね」
 
――アルバムタイトルは『Lighght』というスペルになっていますが、“gh”が2つある意味とは?
 
「アラム・サローヤンっていうアメリカの詩人のもので、ミニマリズム・ポエトリーですね。60年代のミニマル・ミュージックとも関わってるんですけど。発音は同じ“ライト”だけど、綴りがちょっと違うだけでインパクトが生まれる。そういう“ポップだけどちょっと変わったもの”というアプローチが、自分の音楽にも近くていいなと思ったので、そこから取りました」
 
――今作を作る上で、テーマとしたものはありますか?
 
「テーマは特になくて、今、僕の思っているクリエイティブなものをそのまま出しました。バンドだと統一感がないって言われる可能性もあるけど、ソロのアーティストだから許されるのかなと思っていて。1人だからプレッシャーもないんですよね。とりあえず自分が満足するアルバムを作って、売れたらよし、売れなかったらまた次のアルバムでって。結局、解散するわけではないので(笑)」
 
――曲はどうやって作りはじめることが多いですか? やはりヴァイオリンから?
 
「いろんな楽器が好きで、音からインスピレーションを受けることが多いですね。ギターやヴァイオリンだけだと満足出来ないというか。だから、周りにたくさん楽器を置いて、ちょろっと弾いて、30分くらいでまた違う楽器に持ち替えていって。たくさんアイデアを出していく中で、それを曲にしていく。好きな曲の、鳥肌の立つような雰囲気とかエモーションを、どうやったら自分でも表せるのかを研究して、そこから作っていくこともあります」
 
 
どれだけボーカルをユニークな楽器のように使えるか
 
 
――リード曲となっている『The Ballad of Mr. Steak』(M-3)は、リスナーを一気に曲世界に引き込んでいくヴァイオリンから入って、メロディアスな歌へと進んでいきますが、その裏ではイーブンキックのビートやEDM直系のベースラインといったダンスミュージックの要素もミックスされています。
 
「スクリレックスやゼッドといったEDMも好きで聴いてるので、自分の中で違和感はないですね。さっきのソロプロジェクトの話と同じで、何でも出来る。でも、そればっかりじゃダメだから、最初にストリングスを無理矢理入れたんです(笑)。そこがあれば“Kishi Bashiだな”って思ってもらえるだろうから」
 
――“何でも出来る”けれど、“Kishi Bashiっぽさ”も意識はしている、と。
 
「そうですね。エレキギターは入れないようにする、というのも意識しています。ドラムに関してもシンバルは極力使わず、その代わりに同じ音域のヴァイオリンやアコギの音を使うようにしていたり」
 
――続く『Carry on Phenomenon』(M-4)も、リズムがしっかりしているのが印象的です。
 
「元々ジャズミュージシャンなので、リズムは大切にしていますね。ニューヨークにいた頃はジュピター・ワンっていうダンスロックバンドを10年くらいしていて、それを辞めてもっとオーケストラルな感じにいこうと思って『151a』を作ったんですけど、やっぱりダンスミュージックも好きだから。いろんなスタイルが並んだので、出来るだけヴァイオリン中心にして、ストーリーを感じられるような曲順に、というのは意識しました」
 
――『Q&A』(M-7)や『In Fantasia』(M-11)では日本語歌詞も使っていますね。
 
「基本的に、日本語を歌詞に使うときは1つの楽器として考えていて。“どういう意味合いで使っているんですか?”と聞かれても、あまり言いたくないというか、聴いた人がインスピレーションを受けたものが答え、というか。いろんな捉え方があるので、それぞれ考えて欲しい。Kishi Bashiは、元々ヴァイオリンとボーカルのみというプロジェクトのつもりだったから、どれだけボーカルをユニークな楽器のように使えるかは、大事にしているんです」
 
――南堀江のレコードショップ / レーベルのFLAKE RECORDSのサポートもあって、大阪とは馴染みも深いですね。大阪についての印象は?
 
「いつ来ても楽しいですね。人もおもしろいし、食べ物もおいしい」
 
――ちなみに好きな食べ物は?(笑)
 
「お好み焼き! 関西は何でもおいしい。父親が三重出身なので、関西には思い入れもあって安心しますね」
 
――6月にはフルバンド編成での来日公演が決定しています。
 
「バンド編成でのライブは去年からやり始めていて。お客さんに毎回違った体験をして欲しい、喜んで欲しい。大阪はいつも盛り上がって、楽しいライブが出来る。お客さんがいきいきしてるんですよね。音楽が好きなんだなって。関西の人たちはオープンで、アメリカ人っぽい。楽しみにしています!」
 
 
Text by 中谷琢弥



(2014年6月24日更新)


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Release

軽やかで瑞々しいドリーミーポップ!
記念すべき日本メジャーデビュー盤

Album
『Lighght』
発売中 2000円(税別)
ビクターエンタテインメント
VICP-65225

<収録曲>
01. Debut - Impromptu
02. Philosophize In It!
Chemicalize With It!
03. The Ballad of Mr. Steak
04. Carry on Phenomenon 04:03
05. Bittersweet Genesis for Him AND Her
06. Impromptu no 1
07. Q&A
08. Once Upon a Lucid Dream
(in Afrikaans)
09. Hahaha Pt. 1
10. Hahaha Pt. 2
11. In Fantasia

~日本ボーナストラック~
12. I'll Grow A Garden
13. I'll See You There
14. Song For The Sold

Profile

キシバシ…’75年生まれ。日本人の両親のもと、シアトルで生まれ育った日系アメリカ人。ヴァイオリンと多様なエフェクトを自在に操るシンガーソングライター、マルチ・インストゥルメンタリスト、ヴァイオリニスト。7歳よりバイオリンを始める。コーネル大学に入学し、電子工学を専攻。その後、バークリー音楽大学にてジャズ・ヴァイオリンを学ぶ。’00年初めジュピター・ワンというバンドを始動させ、リードシンガーとして活動する。その後、プロのヴァイオリニストとしても歌姫レジーナ・スペクターやオブ・モントリオールのツアーサポートでキャリアを積み、その後はソロとしての才能を開花し、全米、ヨーロッパツアーを敢行。’12年、アメリカン・エクスプレス、Sony Experia等、多数のCMソングを手掛け、Microsoft “Windows8” のCMで『Bright Whites』が起用されたところ、ウェブサイトが一時ダウンする程の反響を見せる。同年、アルバム『151a』で日本でもデビュー。その後、’12~’13年にかけて、第二の祖国日本でもNTT docomo携帯電話Huawei Ascend、花王エッセンシャルダメージケアのCMソングを手掛け、その楽曲の圧倒的な世界観に問い合わせが殺到。’13年には『SUMMER SONIC 2013』など大型野外フェスへの出演や、ワンマンライブ等、日本での活動も本格的に始動。同年6月には日本限定のミニアルバム『Philosiphize! Chemicalize!』を、今年4月23日には、日本でのメジャーデビューアルバムとなる『Lighght(ライト)』をリリース。

Kishi Bashi 日本オフィシャルサイト
http://kishibashi.jp/


Live

当日はフルバンド編成で挑む!
東阪で開催されるジャパンツアー

【東京公演】
チケット発売中 Pコード231-664
▼6月25日(水)19:00
CLUB QUATTRO
オールスタンディング5000円
クリエイティブマン プロダクション■03(3499)6669
※未就学児童は入場不可。

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Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード232-906
▼6月27日(金)19:30
CONPASS
オールスタンディング5000円
CONPASS■06(6243)1666

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