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特異なシチュエーションで四季折々に鳴らす、ここにしかない音楽
空中ループ渾身のライブシリーズ『LOOP ECHO』始動!
時間と共に目の前に広がる景色が劇的に姿を変えた
ドラマチックな“冬編 -夕日と海と弦楽四重奏-”をレポート

 京都発の音響ギターポップバンド・空中ループが、’14年を通して開催する自主企画イベント『空中ループ 4Seasons Concert 2014 [LOOP ECHO]』。春夏秋冬に沿って行われ、さらには当日だけの会場限定盤として、毎回テーマにちなんだ新録曲をリリースするというこの渾身のライブシリーズの舞台となるのは、バンドの主戦場となるライブハウスではない。それは時に“夕日と海の見えるクラシックホール”であり、時に“プラネタリウム”であり、時に“老舗キャバレー跡”であり、時に“石炭倉庫を改装した小劇場”、である。思えば2年前の’12年、彼らは1曲24分を超える大作『その光-for a long time-』と、同タイトルの映画作品を発表。バンドとしての表現活動に留まらない果敢かつクリエイティブなトライアルで、オーディエンスに幸福な衝撃と感動体験を与えてくれた。そんな彼らが自身の新章に向け課した1年にわたるストーリーの出発点『LOOP ECHO 冬編 -夕日と海と弦楽四重奏-』は、普段はクラシックコンサート等で使用される大阪・南港サンセットホールに弦楽カルテットを迎えて行われた。時間の経過と共に目の前に広がる景色が劇的に姿を変えた、ドラマチックなライブをレポート!

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 舞台は、大阪・南港ATC内の10Fにある、南港サンセットホール。ガラス張りの白い鉄骨に支えられたその三角形のホールには対照的な赤いイスが並べられ、何層にも折り重なる神秘的な声をまとうSEを背に徐々に埋まっていく客席からは、その開演を今か今かと待ち侘びる期待がひしひしと伝わってくる。程なくして、空中ループの4人にSpring Strings Quartetを加えた8人編成でメンバーが登場し、『LOOP ECHO』仕様のドレッシーな佇まいで披露された『カゲロウ』から、この日のライブはスタート。ライブハウスとは違う独特の広がりと鳴り=ECHOのある会場に、演奏が始まるや否や陽が差すという、まるで演出のような一幕も花を添える。続く『16night』といい、“四季ごとに、特別な空間で奏でられる音楽”という『LOOP ECHO』のコンセプトがいきなり活きた南港サンセットホールならではの光景に、彼らが何をもってこの会場を選び、なぜ幾分早めの時間帯にライブをスタートさせたのかが、しっかりと伝わってくる。

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「ようこそお越しくださいました、これから1年にわたって繰り広げられる空中ループ渾身のライブコンサートシリーズ『LOOP ECHO』が始まりました。まずは今日を目いっぱい楽しんでいってください!」
 
 『LOOP ECHO』開幕を告げるMCの後は、「ちょっと久しぶりの曲をやります」と、ストリングスの儚い調べが誘う『may』、一転、ストリングスの静と動のダイナミズムと、空中ループの楽曲の持つドラマ性が美しき融合を果たした『on the planet』と続く。そして、一旦Spring Strings Quartetは退出し、メンバー4人のみのセットへ。

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 松井も「晴れましたね~」とここ数日の悪天候が嘘のような快晴に、ホッとした様子。MCでは、去年の秋からお寺の一角にプライベートスタジオを構えた話に触れ、そこで生まれたという新曲『冬の曇った空の下で』を披露。タイトルがもたらす空気感が滲み出た切なきナンバーに、会場も自ずと引き込まれていく。そして、「南港サンセットホール、楽しんでいただけてますでしょうか?」とギターを置いた松井の、オーディエンスとの入念なコーラス練習に続いて(笑)、ハンドマイクで『言葉だけ』を。会場全体を包み込む“ラララ”のコールは、夕暮れに差し掛かったホールをピースフルな空気で満たしていく。『ステレオ』でも会場の後方までマイク片手に動き回る松井。親子連れで訪れたお客さんにバラを手渡す“王子”な一幕も微笑ましい(笑)。観客からの惜しみないコーラスに、思わず松井も感謝の言葉を述べる。

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 ここで再びSpring Strings Quartetを呼び込み、「今日この時間と、この景色を届けたくて、みんなにここに来てもらいました。テーマ曲でもあるこの曲を聴いてください」と披露した『夕刻ループ』。“松井が見せたかったのはこれだったのか!”と実感させられる、今まさに沈みゆく夕陽の中で奏でられる、ここにしかない音楽。続く『ラストシーン』、MCを挟んでの『BIRTHDAY』『ハローグッバイ』も、陽が落ちつつある時間帯と空間を逆利用し、スロー~ミッドな楽曲群をLEDライトで様々に彩った光景がドラマを増幅させる。一転、アップテンポな『image』では、心踊る高揚感をスイングさせる、ストリングスとバンドサウンドの融合が心地いい。

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「そもそもバンドを始めたのが中3の15歳で、初めてのライブが体育館で、いろんな人を巻き込んでやって…。自分たちがおもしろいと思う場所をもっと自由に選んで、音を出すことがやりたかった。だからこそ、『LOOP ECHO』は当たり前じゃないコンサートになっているのを感じるし、今までの人生とこれからの人生を、全て懸けて臨んでます。平坦な道のりではないと思いますけど、これから起こること全てが自分たちのためになると思って、『LOOP ECHO』をやっていきたいと思ってます」

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 そして、『LOOP ECHO 冬編 -夕日と海と弦楽四重奏-』を締め括るのは、24分を超える大作『その光-for a long time-』。陽は完全に落ち、暗闇を映す窓ガラスの向こうには高層ビルやマンション、はたまた工業地帯であり高速道路…それぞれの生活を営む光が、そこはかとなく灯る。そんな中、ゆっくりとゆっくりと、丁寧に時間と音を紡いでいくこの楽曲は、南港サンセットホールというシチュエーションも相まって、即効性が求められるシーンに乱立するフェス向けアップチューンとはまるで逆のべクトルで、音楽は人を虜に出来ることをまざまざと証明していくかのようだった。

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 アンコールでは、大きな拍手で送り出された4人が再び登場。松井のドレスコードも解除でラフ&リラックスした空気の中、メンバーのみで『夢の続きを』を。最後は再びSpring Strings Quartetを呼び込み、ライブに携わってくれた多くの人に感謝を述べ、『小さな光』を披露。ガラスの向こうにある幾つもの小さな光を背に歌う様は、この日のエンディングにふさわしい光景だったと言えるだろう。
 
 なお、次回の『LOOP ECHO 春編-星空を巡る音-』は4月19日(土)大阪・守口プラネタリウムMOVE21にて開催。2億5千万もの星空をバックに歌う空中ループに、乞うご期待!
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by ハブ(夜色きかんしゃ)

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(2014年4月14日更新)


Check

Set List

夕方スタートの意図が徐々に明らかに
日の入りを緻密に計算した演出に脱帽

『LOOP ECHO 冬編
 -夕日と海と弦楽四重奏-』
2月9日(日) at 南港サンセットホール

01. カゲロウ
02. 16night
03. may
04. on the planet
05. 冬の曇った空の下で
06. 言葉だけ
07. ステレオ
08. 夕刻ループ
09. ラストシーン
10. BIRTHDAY
11. ハローグッバイ
12. image
13. その光-for a long time-

ENCORE
14. 夢の続きを
15. 小さな光

Release

『LOOP ECHO』の会場だけで
リリースされるシリーズ第1弾!

Single
『夕刻ループ』
【会場限定盤】
発売中 1000円
※4月19日(土)守口・ムーブ21 プラネタリウムで行われる『LOOP ECHO 春編 -星空を巡る音-』にて再販決定!

<収録曲>
01. 夕刻ループ(2014ver.)
02. 今夜、瞬く銀河まで(Live)
03. いますぐここに(Live)

あの感動が蘇る! 冬編のライブ盤が
次回春編の会場にて緊急リリースへ

Live Album
『空中ループ 4Seasons Consert 2014
 LOOP ECHO 冬編 -夕日と海と弦楽四重奏-
 Live at. 南港サンセットホール』
【会場限定盤】
4月19日(土)発売
2000円

<収録曲>
01. カゲロウ
02. may
03. on the planet
04. 夕刻ループ
05. ラストシーン
06. BIRTHDAY
07. 小さな光
08. その光-for a long time-

Profile

くうちゅうループ…写真左より、松井省悟(vo&g)、さとうかおり(ds)、森勇太(b)、和田直樹(g)。京都発信、音響ギターポップバンド。のびやかで心地よいメロディ、独自の浮遊感と躍動するリズム、儚くも確かに心を灯す詞。それらが絶妙に重なり合う唯一無二の音世界。これまでのリリースCDは、タワレコ新宿店、京都店、梅田マルビル店において、発売日にはインディーズチャート1位を獲得。’12年には、24分を超える長編大作『その光-for a long time-』と、同タイトルの映画作品を発表。ハンブルグ映画祭で上映される等、話題を呼ぶ。’13年、配信限定シングル『BIRTHDAY』をリリース。配信限定にも関わらずFM802『OSAKAN HOT100』にチャートイン。“この国(日本)を変える、音楽の一端を担う”という大きな目的に向かって、小さな日常を邁進している。

空中ループ オフィシャルサイト
http://www.kuuchuuloop.net/

『LOOP ECHO』 特設サイト
http://kuuchuuloop.wix.com/loopecho

Live

『LOOP ECHO 冬編
 -夕日と海と弦楽四重奏-』

▼2月9日(日)16:30
南港サンセットホール
自由席3000円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は無料
(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。
但し、お席が必要な場合は有料。

※公演は終了しました。


次回の舞台はなんとプラネタリウム!
何かが起きる!? 春編が間もなく

Next Live!!

『LOOP ECHO 春編
 -星空を巡る音-』

チケット発売中 Pコード224-637
▼4月19日(土)17:00
守口・ムーブ21 プラネタリウム
自由席3000円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は無料
(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。
但し、お席が必要な場合は有料。

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『LOOP ECHO 夏フェス編
 -LOOP ECHO FES.-』

▼7月13日(日)
難波・味園 ユニバース


『LOOP ECHO 秋編』
▼11月22日(土)
弁天町・世界館