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ホーム > インタビュー&レポート > 2年の葛藤と成長、レーベル移籍の意図から、東京⇔京都、 まさかのレコーディング秘話にツアー珍道中まで(笑) 名盤2ndアルバム『HUE CIRCLE』にまつわる全てのエトセトラと YeYeの現在を総括する裏話満載インタビュー!


2年の葛藤と成長、レーベル移籍の意図から、東京⇔京都、
まさかのレコーディング秘話にツアー珍道中まで(笑)
名盤2ndアルバム『HUE CIRCLE』にまつわる全てのエトセトラと
YeYeの現在を総括する裏話満載インタビュー! (2/3)

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多分ファイナルをKYOTO MUSEでやるときは
めちゃくちゃやりやすいんやろうなって(笑)
 
 
――他にも道中には何かあった?
 
「じゅんじゅんさんが今回アルバムの核となるトラックを作ってくれてたのもあって、場所によっては2人編成で廻ることもあって。じゅんじゅんさんは一人っ子で、私は4人兄弟の末っ子で、結構マイペースでゆるいんですよ(笑)。でも、とりあえずは私がYeYeを代表して頑張って仕切って、しっかり遅刻とかもしないようにしてたんですけど、この間徳島に行くときに京都駅からバスに乗らないといけないのに、バスが出発する3分前に駅に着く電車に乗っちゃって(笑)。じゅんじゅんさんに“もう1人来るから”ってバス引き止めといてもらおうと思ったら、じゅんじゅんさんも間違って違う乗り口にいて、それに気付いたのも3分前とかで(笑)。遅れたら次はもう本番20分前に着くバスしかない(笑)。これはもう今回のツアーで一番ヤバイぞってなってたんですけど、とりあえず間に合いまして…それはだいぶ焦りましたね」
 
――物販のスーツケースを引きずってね(笑)。
 
「そうなんですよ! 荷物もあるから。しかも紅葉シーズンで人がめっちゃいて、進もうにも進まへんし、電車を降りた瞬間から心の中で“1、2、3…”って数えて(笑)。でも全然進まへんし、あ~! って(笑)」
 
――俺も深夜バスで東京から大阪に帰るときに、割とギリギリに東京駅着いたことがあって。“集合場所に着くのがギリギリになりそうなんですけど…”ってバス会社の人に電話しても、“頑張って。定時には出発しますんで”って言われて(笑)。“そうなん!? この緊急連絡先って励ましてくれるためにあるん!?”って(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) あと、ライブハウスじゃないからこその会場の良さはあるんですけど、音響面ではやっぱりちょっと難しくて、小型のPAセットを現地に送って組み立ててやることもあったりして。まる~い黒くてデカい卵みたいな形なんですけど、スピーカーも2発LRであって、PAセットも5チャンネルくらいあって」
 
――でも5チャンネルしかないんや。聞き流しそうになったけど(笑)。
 
「アハハハハ!(笑) そういう面でも、どんな環境でも歌える力がついてきて。多分ファイナルをKYOTO MUSEでやるときは、めちゃくちゃやりやすいんやろうなって(笑)。最後の最後に最高のライブが出来たらいいなと」
 
 
本当に初めてレコーディングが楽しいと思いました(笑)
 
 
――あと、前作からレーベルも金沢のRallyeへと移籍しましたけど、そういう意味での変化は何かありました? Rallyeと一緒にやろうと思ったきっかけは?
 
「まず、心斎橋のJANUSで、Chocolat&Akitoさんとカーネーションの前座みたいな感じで出させてもらって。元々その2組がすごい好きやったし、(Chocolat&Akitoの)片寄さんが次の日に京都のSOLE CAFÉでソロライブがあって、もしよかったらおいでって呼んでくれはって、そこで今のレーベルの近越さんに出会って。いろいろ話してみたら、レーベルが違うとこんなに違うの!?っていうくらい、近越さんのやり方が結構独自の路線で、お互いが幸せになるようなやり方で。しかも、Rallyeに入ってから知ったんですけど、元々自分がめちゃくちゃ好きで聴いてた海外のアーティストのイッツ・ア・ミュージカルとか、ザ・ホワイテスト・ボーイ・アライブもRallyeにいるのを知って。アーティストがやりたいことをまずやって、レーベルがいかに広めるかのアイデアを出す。話を聞いていけばいくほど結局、前のレーベルよりRallyeの方が自分に近かったというか、自分の音楽的な成長もそうやし、理想の環境に近付けるんじゃないかって」
 
――東京の純音楽レーベルで利益を出さなきゃいけなかったらまた方針も変わるでしょうけど、まずセレクトショップがあって、その店に置きたい音楽という視点もあるRallyeだからこそフィットしたかもしれないね。しかもそれが金沢という地方であることで、良くも悪くもノイズが入らないというか。あと、今回のアルバムで求めていたのが“奥行き”みたいなことも他誌で話してたけど、それを読む前に、音を聴いて最初に思った印象がまさにそれで。
 
「本当ですか! 嬉しい」
 
――この音像ってめっちゃ独特よね。
 
「元々セルフプロデュースで1stを作ったときは、とりあえず音源を流通に乗せてデビューをすることが第一目的で。今となっては演奏も全部1人でやったのがいい売り出し方でありキーポイントにもなりましたけど、当時はよく分からないまま、とりあえず全部やってみたというか(笑)。ただ、楽器がある程度出来るからと言って=アレンジが出来るわけではないし、音楽は聴いてきたけどそこに関しては全然勉強不足というか。バンドメンバーの3人はミュージシャンとしてもすごく先輩なので、3人のアレンジの仕方とかも目の当たりに勉強して、それを踏まえた上での『パレード』(M-1)だったり『あるある言いたい』(M-7)だったり。そこからヒントを得たもので、前よりもしっかりした奥行きがあるアレンジを自分でやってみようと思って出来たのが『HUE CIRCLE』ですね」
 
――1人で作る面白さも楽しみも辛さもあるけど、みんなで作るのはどうでした?
 
「本当に初めてレコーディングが楽しいと思いました(笑)。前は途中まで東京で録って、そこで震災があって、残りは奈良の法隆寺のスタジオだったんですけど、生まれて初めてのレコーディングで、さらに全部自分でやって、しかも泊まりもホテルとかじゃ全然なかったし、いろんなところを転々とさせられて(笑)」
 
――今日は誰々の家に泊まらせてもらうとか(笑)。
 
「楽器も持って歩かなあかんし、長時間地下にこもってすごいストレスが溜まってて。エンジニアさんの音作り的にも、きっちり作り込む人やったんですよ。とりあえず言われるがままに全部やった感じで、レコーディングってこういうもんなんや、こんなに大変なんやって。でも今回は、自分が信頼して音を作って欲しいと思うWATER WATER CAMELの(田辺)玄(g)さんに頼めて、さらに京都でレコーディングが出来て、全員が全員誰も気を使わなくていいメンバーだけやったので、何のストレスもかからないし、とにかく楽しくて」
 
――そう考えると、音楽は人が作るものやから、誰とやるかってすごい大事やね。
 
「すごい大事。前作のエンジニアさんは当時のレーベルのスタッフやったんですけど、どっちがいい悪いとかじゃなくて、今回の玄さんは、間違えてるテイクも“いいじゃんこれ!”みたいに言う人(笑)。でも、後で聴いてみたらホンマにそれがよかったり、音の捉え方が自分のイメージとすごくフィットしていて。前作で1曲だけ全然ミックスがうまくいかなかった『言う』っていう曲があったんですけど、それも玄さんに相談したからこそ完成した部分があって。バンドメンバーも全員玄さんと知り合いで仲がいい感じやったので、余計に生々しい音が録れたというか」
 
――WATER WATER CAMELはどういう繋がりやったの?
 
「元々中学校から聴いていてすごい好きな風博士さんとツイッターで繋がって。風さんのレコーディングに参加することになって、そこに別のギター録りか何かで来てたのが玄さんで、それでWATER WATER CAMELの存在を知って。そしたらドラムのリッキーさんがすごい仲がよかったりと全員繋がってて、その内みんな仲良くなって」
 
――顔が見える、縁が見る人とやるのは楽しいし、いいもの出来るよね。
 
「ホンマそうですね。1stのときは、自分の音の音圧が高いとか低いとか、きっちりしてるとか、何にも分かってなかったんですけど、改めて聴き比べると、やる人が違うだけでこんなにも音が変わってくるんやなって」
 
 
どれだけストレスフリーでやれるかが大事
 
 
――今回のレコーディングは京都のきんせ旅館で録ったということやけど、ここで録ろうと思ったのは何かあった?
 
「関西で録りたかったんですけど、場所がスタジオとかは嫌やったんですよ。トラウマじゃないですけど(笑)」
 
――あの密室感が(笑)。
 
「そう(笑)。密室感が絶対嫌やと思ってて、リッキーさんがどこかの倉庫とかいろいろ案を出してくれてたんですけど結構時間がなくて…そしたら“きんせ旅館いいんちゃう?”って話になって。きんせ旅館では結構ライブイベントもしてて、私も3回くらいライブさせてもらったこともあって、店長さんと顔見知りということもあったので、お願いしたら“いいよ”って言ってくれて」
 
――そこの録り音がよくて、とかの評判じゃなかったんやね。
 
「きんせでのレコーディングはYeYeが初めてで、普通に考えたらレコーディングには向いてなくて。でも玄さんは、機材を全部持ってどこでも行けますっていう出張レコーディングが出来る人で、さらに場所の“鳴り”を活かすような録り方をするので。2曲目の『おいで』っていう曲の間奏の…(笑)」
 
――あの音像スゴいよね。さっき言った“奥行き”って、取材の資料のまさにこの曲のページにメモってるもん(笑)。さっきの人の話にも近いけど、その場所だからこそ生まれるものというかね。
 
「本当にそうですね。音を録るには向いてない環境かもしれないですけど、それ以上にどれだけストレスフリーでやれるかが大事なのを前回ですごい感じたから。そういう意味でも、きんせ旅館はすごく落ち着く場所で、その場所があったからこそいいテイクが録れたっていう」

 


(2014年1月10日更新)


Check

Release

ワクワクするような音楽の魔法の連続
才気溢れる2年ぶりの2ndアルバム!

Album
『HUE CIRCLE』
発売中 2500円
Rallye Label
RYECD-190

<収録曲>
01. パレード
02. おいで
03. Do We We a
04. 明日は来ないか
05. TAO
06. プログレ
07. あるある言いたい
08. ハイ、ディア、ペネロピ
09. fangjia
10. Miserable

Profile

ィエィエ…’89年生まれ。滋賀出身、京都在住。’11年に発売されたデビューアルバム『朝を開けだして、夜をとじるまで』は作詞作曲はもちろん、全ての楽器の演奏までをセルフプロデュースで行い、オープニングを飾る『morning』がα-STATIONをはじめ、ラジオ関西、鹿児島フレンズFM、FM徳島、FM三重の各局パワープレイに選出され各方面から高い評価を獲得。さらに、翌年のCDショップ大賞では同作がニューブラッド賞を受賞。その後、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)のソロ曲『Lost』をはじめ、古川本舗、永野亮などといったアーティストの楽曲にもゲストボーカルで参加。また、キューピー『アヲハタ ジャム』、ららぽーと、日本郵政、任天堂3DSソフト『ファンタジーライフ』など数々のCMへの出演や楽曲提供を行うなど、その活動の幅を広げている。

YeYe オフィシャルサイト
http://yeye.me/


Live

ツアーファイナルを飾る地元京都
ワンマンはスペシャルバンドで!

『YeYe 『HUE CIRCLE』全国ツアー
 京都公演 ツアーファイナル』
チケット発売中 Pコード213-295
▼1月12日(日)18:00
KYOTO MUSE
前売2500円
[メンバー]
YeYe(vo&g)
浜田淳(b・Lainy J Groove)
妹尾立樹(g・Sistertail/LLama)
田中成道(key・TANAKA OF THE YEAR!)
[ファイナルスペシャルメンバー]
竹内良太(tp・LLama)
日下部裕一(crn・LLama)
えつこ(cho・こっきり/カルパッチョス)
よっちゃん
(cho・シライリゾートオーケストラ)
ゆいこ(cho・シライリゾートオーケストラ)
KYOTO MUSE■075(223)0389
※特典付。

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