約3年半ぶりのアルバム『回転体』リリース&5年ぶりの全国ツアー
いよいよ本格始動をしたthe chef cooks meに
盟友8ottoのTORA、FLAKE RECORDSのDAWAを交えた
ここだけの話。“大阪対談 冬の陣”、いざ開幕！

　集合時間になり取材場所であるFLAKE RECORDSに集まった3人。各々レコードを試聴したり、近況を話したりといつもと変わらない風景の中で対談はスタート。話はthe chef cooks meの本格始動の話から始まっていく…。

シモリョー(the chef cooks me)｢実は止まっていたわけでもなくて。メジャーにいた頃からメンバーが減って、ほどなくしてFLAKE RECORDSのダワさんと出会ったんですよ。'10年3月くらいだと思うんですけど、メンバー3人で自主で作ったアルバムを流通もしていない状態でFLAKEのみで置いてもらったんです。あとは、ライブとHPのみで。そのときに相当FLAKEで売ってもらいましたが、メンバーは安定せず、次も決まっていないし、本当に活動するのが大変で…。解散しそうになってたんですけど、最後にやりたいことをやろうと、たくさんサポートメンバーを入れてライブをしたんです。それが'11年の2月ですね。そして震災が起きて、何が出来るかと考えて…｣

DAWA(FLAKE RECORDS)｢ウチから7インチ出そうよともなって。何でだった？　ライブが先に決まっていたんやった？｣

シモリョー｢そうかな。で、ゴッチさん(後藤正文 / ASIAN KUNG-FU GENERATION)に聴かせてくれたりして｣

DAWA｢そうそう、よく買いに来るからね。渡しただけなんやけど、後から“いいよね”と感想を聞いて｣

シモリョー｢で、リリースしたいという話も聞いて｣

TORA(8otto)｢今初めて聴いた話だけど、シモリョーが楽しそうになったなって｣

DAWA｢昔は、シモリョー喋らなかったから｣

TORA｢シモリョーは紆余曲折あったよね。最初に会ったときはまだソニーで、メジャーでやっているバンドのイメージだった。俺らもメジャーやったけど当時は、何か似ているなと思ったし。とにかく輝いていた。人がガバっと離れたときもあり、病んだときもあったと思うけど、今は“それを含めてchefです。よろしく”と言えてる感じかな。吹っ切れた感じもするし、エエなって思う｣

シモリョー｢8ottoは怖かった(笑)。必死さもあるバンドだし、俺らのことを嫌いだと思っていた｣

TORA｢バンドマンには、みんな言われる(笑)｣

シモリョー｢マエソン(マエノソノ・マサキ(vo&ds・8otto)さんに“黒いの好きやんな？”と言われたのは覚えている｣

TORA｢(笑)。今回は単純に昔から知っているバンドが良いアルバムを作ったなと心から思う。聴くと泣きそうになるんだよね。どんな風に作ったかは知らなかったけど、嬉しかった｣

…終始笑顔で和やかな雰囲気で進む対談。話は『回転体』の制作について、今作のプロデューサーである後藤正文との話に続いていく。

シモリョー｢ゴッチさんに電話したんですよ、で、呑みに行こうかという話になって。タワーレコードで自分のCDを買って改めて渡したりしたし、いろいろと話をしたら“音源良かったよ。やってもいいよ”と意外とすぐをOKくれて。それが'11年の秋か冬なので、2年くらいかかっているんですけどね。まぁ、ゴッチさんも忙しい人だし、こちらも焦らず曲だけは作っていました｣

DAWA｢こっちもゴッチからは“良かったね”としか聞いていない。まぁ、別に重い気持ちで薦めてるわけやなく、いろいろな人に薦める立場なので｣

TORA｢ウチも渡してよ！(笑)｣

DAWA｢渡してるよ！｣

TORA｢(笑)。俺、単純に聞きたいねんけど、何でゴッチのとこから出したいと思ったの？｣

シモリョー｢いくつか悩んではいたんだけど、バンドの人がやっているレーベルはいいレーベルが多いので｣

TORA｢なるほど。インディーレーベルの夢というか、例えば“レコ大獲るぞ”とか、可能なら夢を見たいよね｣

シモリョー｢誰かにお世話になりたいとは思っていて。でも、メジャーは人が多いだけで、一度事故っているというのもあるし。ゴッチさんのところは、ほど良いインディーズ感があって良かった。'12年にアジカンのフェスからお声が掛かって、FLAKEから出した7インチのA面をリテイクして録りたいと言ってもらえて｣

TORA｢(only in dreamsは)ビジョンがしっかりあるね。臨機応変だし、あのスタンスはいい｣

シモリョー｢レコーディングも特に何も言われなかったし。楽器が多いから入れ過ぎないでとか、そういう客観的な目線で捉えてくれたし、嘘偽りなかったのが良かった。歌を入れる前から手応えはありましたけど｣

DAWA｢予算はかかった？｣

シモリョー｢特に言われなかったですけどまぁまぁかかってます(笑)｣

DAWA｢(笑)。でも今回の作品は別に突然変異とかでもないし、とにかく良い。何が良いかは分からないけれど、感覚的にというか｣

TORA｢レコ屋やのに、感覚的感想!?(笑)｣

DAWA｢(笑)。バンドのやることが100%正しいと思っているから、例え好みじゃなくても、それでいいというか｣

TORA｢うんうん、でも今回は腹を括ってる感じがする｣

シモリョー｢それは正直ありますね。FLAKEに出会って好きな音楽が増えて、やりたいことも明確になったし、やりたくないことはやらないというか。1つ思うのは、ゴッチさんは発言力や影響力がある人で、自分もそういう人になりたいというか。めげないでいこうと思いました｣

TORA｢そうそう、そこを感じたから、腹を括ったなと思った｣

シモリョー｢あと、8ottoみたいにメンバー変わらずオリジナルで走り続けるのは、本当にかっこいいなと思う。でも、毎回ベーシストを変えて作る楽しさとかもいいなと｣

TORA｢いつでも無骨なベースを弾くよ(笑)｣

シモリョー｢そのときは、お願いします！｣

DAWA｢合うかどうかは分からないけどね(笑)｣

（2014年1月15日更新）