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強烈ロックアルバム『I’M FREE』を手にした
初の全県ツアーもいよいよ折り返し地点に
a flood of circle VS THE NOVEMBERS
灼熱の記憶が蘇る京都磔磔ライブレポートが到着!

 ロックンロールの躍動感、バンドのグルーヴという名のケミストリー、そして痛快にして真摯なメッセージ…キャリア最高傑作と言える12発の音の弾丸を装てんしたロックアルバム『I’M FREE』を引っ提げ、現在は7ヵ月にも及ぶ過去最大にして初の全県ツアー『AFOCの47都道府県制覇! ないものを爆破しにいくツアー』にて、各地で咆哮を上げるa flood of circle。1月19日の赤坂BLITZまでのツアー前半戦は、“迷わず行けよ編”と称し全国津々浦々にて対バン相手と死闘を繰り広げてきたが、その関西公演の一角を成した京都磔磔のお相手に指名されたのは、エッジィでノイジーな轟音オルタナティヴサウンド、何げない生活に潜む狂気を白日の下へと引き曝すシニカルな詞世界、作品ごとにその世界観をためらうことなく更新するクリエイティビティで、シーンには波紋を、聴く者には新たな刺激と気付きを与えてくれるTHE NOVEMBERS! 間髪入れず再開されたツアー後半戦“行けばわかるさ編”の景気づけに、極寒の京都にて生まれた灼熱の一夜の記録、ぜひご一読のほどを。

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 真紅の照明を浴びながら、のっけからディープエンドなボトムラインとオリエンタルでサイケなギター、叫びにも似たボーカリゼーションが空を描く『STAY AWAY』で、瞬時にオーディエンスを掌握したのは、THE NOVEMBERS。カオスなフィードバックノイズにまみれながら、小林(vo&g)が高々と指を天に差し向ければ、それははじまりの合図。『永遠の複製』のワンコードで高揚を促すベースライン上を舞う、小林の神々しい歌声がいつしかずぶずぶと脳内を浸食。じわじわと身体に回っていく猛毒のように、THE NOVEMBERSの音楽が、いつの間にかオーディエンスを天国へと連れて行こうとするようだ。

 

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 一転、ワイルドで獰猛な轟音鳴り響く『dogma』、重くきらめくビートで徹底的に攻め立てる『Wire(Fahrenheit 154)』では、巨大なサウンドウォールでオーディエンスを圧倒! まるでの鐘の音のように響き合うギターが異空間へと誘う『彼岸で散る青』といい、様々なサウンドスケープと一貫して貫かれる美意識を、まざまざと見せ付ける。
 

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 ぶっ通しで5曲披露した後、磔磔は再びフィードバックノイズに包まれる。その合間から「a flood of circleとは割と古い知り合いなんですけど、いつ会ってもまっすぐな佐々木(vo&g)くんの目とか、立ち振る舞いにいつも刺激を受けるので。今日は呼んでもらって嬉しい」と語る小林。そして、ケンゴマツモト(g)が鍵盤にスイッチし贈ったラストの『再生の朝』は、ロックンロールの湧き上がる衝動を、時に美しい賛美歌のように、時に凶暴な音の洪水のように聴かせる、まさにTHE NOVEMBERSにしか成し得ないサウンドを会場中に放出。鳴り続けるギターのリフレインと確固たる世界観を残して、4人はステージを後にした。
 

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 ブラックサバスの『アイアンマン』のSEを爆音で浴びながら登場する真打を、大歓声で迎えるオーディエンス。その口火を切ったのは、It’s a flood of circleな『ロックンロールバンド』! 「帰ってきたぜ京都! 楽しむ準備出来てますか? ロックンロールする準備は出来てますか!?」と披露した『God Speed You Baby』といい、全県ツアーという長い旅路の真っ只中にいるこのバンドワゴンは、ステージに懸ける消えない炎と共に、『フェルディナングリフォンサーカス』の鬼気迫るビートにすら余裕を感じさせるステージングで、オーディエンスをロールさせる。

 

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 続いては、佐々木がハンドマイクで煽り倒すツェッペリンの『胸いっぱいの愛を』からブラックサバスの『アイアンマン』のリレーと、歴史ある磔磔で偉大なる先達に敬意を払うカバーもオツなもの。佐々木も思わずオフマイクで「いいね」とつぶやくグッドヴァイブの中、「久々に帰ってきました磔磔! ここに来る前に8歳の男の子に写真を撮ってくれって言われて、ちょっと嬉しかったです(笑)。磔磔は伝説の小屋で、ここに来てるのは間違いなくロックンローラーですから。その京都のロックンローラーたちに、この曲を捧げます!」と『I’M FREE』を披露するや、たまらずオーディエンスも跳ねる跳ねる! ドラマチックなビートで転がす『Diamond Rocks』といい、会場の熱気は一心不乱に沸点へと向かっていく。

 

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「THE NOVEMBERSとはすごく付き合いが古くて、多分2008年とかかな? 修学旅行で枕を投げあった仲というか…ボロボロのホテルでね(笑)。昔はよく対バンしてたんだけど、それぞれが独自の道を歩んできて。こうやって止まらずに転がり続けてまた会えたのを、観に来てくれてありがとう。それを言葉じゃなくてライブで魅せていくから。後半戦もぶっ飛ばしていくんでヨロシク!」
 

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 「かかってこいよ京都!」と開戦を告げる咆哮と共に突入した『Beautiful Monkeys』、「京都はロックンロールシティだよね!?」と煽った『シーガル』といい、オーディエンスの情熱の炎に薪をくべるようにぶち込まれる佐々木の言葉の数々が、会場をよりアツくさせていく。続いて「ここからはダンスの時間ですよ。まだみんな元気残ってるよね? 踊れるか京都~!」と、アガるしか術はないワイルドビートでまくし立てる『Dancing Zombiez』に、沸き立つオーディエンス。そして、メンバーが向き合いかき鳴らしたのは、ライブ鉄板『プシケ』! 
 

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「2013年12月4日京都磔磔、『形ないものを爆破しにいくツアー』にお集まりの皆さんに、俺の大事なメンバーを紹介します! ドラム、渡邊一丘。ベース、HISAYO。ギター、曽根巧。ボーカル、佐々木亮介です」

 
 いや~毎度観て思いますが、このメンバー紹介は“発明”です(笑)。ブレイクで怒涛の流れになだれ込むサマは、毎回シビれるぜa flood of circle!
 

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「今日は8歳が見てるからね(笑)。ロックンロールとライブハウスは楽しいって、ちゃんと見てもらおうよ。過去に付き合いがあるってだけで、今日対バンに呼んでるんじゃなくて。初めて対バンした渋谷のO-WESTで会ったときにCDをもらって、1曲目を再生したときにブッ飛ばされて、たまんなくなっちゃって。お互いどんどん尖った方に、別々の道を転がってきて。こうやってまた会えたのは、バンドマン冥利に尽きるというか。そういう気持ちを込めて、次の曲をやります。『月面のプール』」

 
 佐々木のMCでバックリと開かれたオーディエンスのハートに、アコースティックギターの響きと、全てを背負って歩いてきたバンドマンの1つの1つの言葉が染み渡っていく…。

afocreport_yorimc.jpg 「今日はどうもありがとう。京都に帰ってきて本当によかった。二度あることは三度あるということで、またTHE NOVEMBERSを連れてきたいと思います!」というMCには、思わず歓声が上がる。
 
 「あと1曲歌ってくれますか? いや、あと1曲踊ってくれますか!?」と、ラストは『理由なき反抗(The Rebel Age)』でシメ。“シャララララ”の大合唱と共に磔磔に付き上がった何本もの拳が、この日の充実ぶりを物語っていたと言えるだろう。
 

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 そしてアンコールでは、ご当地ならではというリラックスした流れで、「京都の生んだ偉大なギタリストです。口癖はアホボケカスですけど(笑)」と、京都出身のサポートギタリスト、曽根巧をご紹介。そして、「せっかくなんでここからはアンコールではなく、“打ち上げ”でいきたいと思います(笑)。姉さんのために書きました!」と、HISAYO(b)に捧げた『Beer! Beer! Beer!』へ。さらには、「今日はどうもありがとう! 最後まで飛べますか? 高く飛べますか!?」と、大盛り上がりの中なだれ込んだ『見るまえに跳べ』で、クラップ巻き起こる祝祭のフィナーレへ! a flood of circle、THE NOVEMBERS、そしてオーディエンス…ロックンロールが繋いだ絆が生んだ真冬の熱帯夜が、こうして見事に幕を閉じた。
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by おはな

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(2014年1月31日更新)


Check

Set List

独自の道を歩んできた2組が
再び出会った決戦の京都!

『Tour I'M FREE “AFOCの47都道府県制覇!
 形ないものを爆破しにいくツアー/
 迷わず行けよ編”』
12月4日(水) at 京都磔磔

THE NOVEMBERS
01. STAY AWAY
02. 永遠の複製
03. dogma
04. Wire(Fahrenheit 154)
05. 彼岸で散る青
06. 再生の朝

a flood of circle
01. ロックンロールバンド
02. God Speed You Baby
03. フェルディナングリフォンサーカス
04. 胸いっぱいの愛を~アイアンマン(カバー)
05. I'M FREE
06. Diamond Rocks
07. Beautiful Monkeys
08. シーガル
09. Dancing Zombiez
10. プシケ
11. 月面のプール
12. 理由なき反抗(The Rebel Age)
-ENCORE-
13. Beer! Beer! Beer!
14. 見るまえに跳べ

Official Site

THE NOVEMBERS オフィシャルサイト
http://the-novembers.com/

a flood of circle オフィシャルサイト
http://www.afloodofcircle.com/

Release

1/19赤坂BLITZEでも披露された
両A面シングルのリリースが決定!

Single
『KIDS/アカネ』
4月9日(水)発売
Imperial Records
【初回限定盤DVD付】
2160円 TECI-335

【通常盤】
1080円 TECI-336

<収録曲>
1. KIDS
2. アカネ
3. タイトル未定

<DVD収録内容>
47都道府県ツアー前半戦
ツアードキュメント映像/他
収録時間:60分以上予定

全てのベクトルがフルドライブする
痛快ロックンロールアルバム!

Album
『I'M FREE』
発売中 2800円
Imperial Records
TECI-1371
※“着せ替えフリー”ジャケット仕様

<収録曲>
01. I'M FREE
02. Dancing Zombiez
03. ロックンロールバンド
04. All The Young Rock'N'Rollers
05. The Future Is Mine
06. オーロラソング
07. Blues Never Die(ブルースは二度死ぬ)
08. God Speed You Baby
09. Diamond Rocks
10. 月面のプール -Naked ver.-
11. Beer! Beer! Beer!
12. 理由なき反抗(The Rebel Age)
-Never Mind The Bollocks ver.-

Live

全県ツアーはまだまだ続く!
後半戦はワンマンツアーで全国へ

『Tour I'M FREE “AFOCの47都道府県制覇!
 形ないものを爆破しにいくツアー/
 行けばわかるさ編”』

【山口公演】
チケット発売中 Pコード213-770
▼2月1日(土)19:00
Rock Country
オールスタンディング3150円
夢番地広島■082(249)3571
※6歳未満は入場不可。

【山梨公演】
チケット発売中 Pコード213-519
▼2月2日(日)18:00
Hangar Hall
オールスタンディング3150円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999

【佐賀/長崎/鹿児島公演】
チケット発売中 Pコード212-147
▼2月8日(土)19:00
佐賀・Rock Ride
▼2月9日(日)18:00
長崎BODYⅡSOUL
▼2月11日(火・祝)18:00
鹿児島TIMELESS
オールスタンディング3150円
BEA■092(712)4221

【秋田公演】
Thank you, Sold Out!!
▼2月15日(土)18:00
Live space 四階
オールスタンディング3150円
ノースロードミュージック秋田■018(833)7100

【茨城公演】
チケット発売中 Pコード213-519
▼2月23日(日)18:00
水戸ライトハウス
オールスタンディング3150円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999

【岡山公演】
チケット発売中 Pコード213-769
▼2月27日(木)19:00
岡山ペパーランド
オールスタンディング3150円
夢番地岡山■086(231)3531
※6歳未満は入場不可。

【福岡/大分公演】
チケット発売中 Pコード212-148
▼3月1日(土)19:00
Fukuoka BEAT STATION
▼3月2日(日)18:00
大分club SPOT
オールスタンディング3150円
BEA■092(712)4221

【高松公演】
チケット発売中 Pコード212-676
▼3月8日(土)19:00
DIME
スタンディング3150円
デューク高松■087(822)2520

【高知公演】
チケット発売中 Pコード212-677
▼3月9日(日)18:00
高知X-pt.
スタンディング3150円
デューク高知■088(822)4488

【富山公演】
チケット発売中 Pコード214-415
▼3月13日(木)19:00
村門lazyloft
スタンディング3150円
キョードー北陸チケットセンター■025(245)5100
※未就学児童は入場不可。

【新潟/長野公演】
チケット発売中 Pコード214-415
▼3月15日(土)19:00
GOLDEN PIGS RED STAGE
▼3月16日(日)18:00
長野ライブハウスJ
スタンディング3150円
キョードー北陸チケットセンター■025(245)5100
※未就学児童は入場不可。

【札幌公演】
チケット発売中 Pコード203-785
▼3月23日(日)18:00
cube garden
オールスタンディング3150円
WESS■011(614)9999

【仙台公演】
チケット発売中 Pコード205-262
▼3月20日(木)19:00
仙台CLUB JUNK BOX
オールスタンディング3150円
ノースロードミュージック仙台■022(256)1000

【岩手公演】
チケット発売中 Pコード205-264
▼3月21日(金・祝)19:00
club change
オールスタンディング3150円
ノースロードミュージック仙台■022(256)1000

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Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード213-488
▼3月29日(土)19:00
BIGCAT
オールスタンディング3150円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、
未就学児童は入場不可。

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【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード212-121
▼3月30日(日)18:00
ボトムライン
前売3150円
ジェイルハウス■052(936)6041

【東京公演】
チケット発売中 Pコード213-521
▼4月12日(土)18:00
日比谷野外大音楽堂
指定席3500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※雨天決行。

【沖縄公演】
チケット発売中 Pコード213-607
▼4月19日(土)19:00
output
オールスタンディング3150円
ピーエムエージェンシー■098(898)1331
※未就学児童は入場不可。

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