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桐谷健太がTHEイナズマ戦隊と共に挑んだ
民放初主演ドラマ『Y・O・U やまびこ音楽同好会』主題歌
『喜びの歌』と音楽への知られざる想いを語った!
裏話満載の撮り下ろしインタビュー&動画コメント

 俳優・桐谷健太が、ロックバンドTHEイナズマ戦隊がタッグを組んで、関西テレビ開局55周年記念ドラマ『Y・O・U やまびこ音楽同好会』(11月30日(土)15:00 OA)の主題歌となるシングル『喜びの歌』をリリースした。このドラマは、売れないロックボーカリスト・河野勇作(桐谷健太)が代理教師として赴任した高校で、退屈な日々を送る生徒たちを輝かせようと高校生バンドを結成し、コンテストに出場することを目指す、という青春ストーリーだ。THEイナズマ戦隊がこのドラマのために書き下ろした『喜びの歌』は、劇中で実際にその高校生バンドも歌う、ドラマのキーポイントとなる1曲。CDでは、人間讃歌のストレートなこの曲を、桐谷が熱量十二分に歌い上げている。“俳優がまたやってる感じか”“どうせ企画ものでしょ”みたいに思ったとしても、触りだけでも聴いてみれば分かる。一度聴いたらすぐ口ずさめるほどの(臆面ないほどの)キャッチーなメロディとロックの衝動と歌い手の気合いが、見事に封じ込められている。奮い立たされる。肯定される。嬉しくなる。ドラマに先駆けて、ナレッジシアターで行われたプレミアムライブ&トークイベントは、同ドラマにも河野率いるバンドのメンバーとして出演しているTHEイナズマ戦隊も全面参加して大盛況。イベント直後の桐谷を直撃した。

桐谷健太からの熱い動画メッセージはコチラ!

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音楽やって、ホンマに世界が広がったし、仲間も増えた
 
 
――ライブ&トークイベント、お疲れ様でした。
 
「音楽やって、ホンマに世界が広がったし、仲間も増えて。いろんな人と音楽の話をするようになったし、音楽好きの役者さんからも“CD聴いたよ”みたいに言われて、一緒にメシ行くようになったり。人付き合いが一気に広がって」
 
――普段はどんな音楽を?
 
「くるりとかTHE BOOM、ハナレグミも好きやし。でもオレ、意外とクラシックを聴くから。クラシックのCDも100枚以上ある」
 
――それは意外!
 
「だって子供の頃、いつもオカンがレコードでモーツァルトと喜多郎かけてたもん。小学校低学年くらいまで、それで眠りについてたから。カノンも大好き。こないだもラジオに出たときにカノンをかけて。なかなかおらんやろ、そんな選曲するヤツ(笑)」
 
――しかもさっきのイベントであのテンションで喋ってた後に、この名前が出てくると(笑)。
 
「人に見てもらうときって、この雰囲気でいくのが一番盛り上がるからそうするし、自分でも楽しい。でも、みんなそこばっかりを切り取って見るけど、オレは穏やかなところも持ってるから(笑)。そらそうやん! 普通に静かにしてることも多い。クラシックは、そういうときによく聴く。あと、最近は高木正勝さんの曲も好き」
 
――おおっ、また意外な名前が出てくる。
 
「そうやねん。高校の同級生で、音楽作ってるヤツもいるし。Polar Mっていう」
 
――ちょっと前に原摩利彦さんとコラボレーション・アルバム(Marihiko Hara & Polar M『Beyond』)を出してた、電子音響~エレクトロニカの? 
 
「そうそう。こないだも家に行って、ノリで、向こうの出す音にオレがアドリブで歌ったりしてた(笑)。同級生でいろいろやってるヤツが多くて。スタイリストしてもらってる岡井(雄介)もそうやし、昨日FM802に出たときのDJの飯室大吾も同級生。みんなそれぞれやってきて、今この歳になってまた絡み出せてる感じがおもしろい」

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ギターを持ったときに、“あ、コイツ音楽好きやな”
っていうのが見えへんと説得力がないなと思った
 
 
――ドラマ『Y・O・U やまびこ音楽同好会』の予告編を見ていると、ギターを弾きながら歌うシーンもあるようですが、今までギターの経験は?
 
「昔ちょっとやったことあったけど、Fのコードも押さえられへんかった。だからやってないのと一緒。6月くらいから練習し始めて、レコーディングは7月後半で。ギターの練習しながらもドラマの撮影もあったから、撮影に集中する中でギターも練習しながらっていう。空手着とか野球のユニフォームと一緒で、着こなしでそいつが出来るかどうか分かる、みたいなのってあるやん? ギターを持ったときに、“あ、コイツ音楽好きやな”っていうのが見えへんと説得力がないなと思ったから、最低限そうなれるくらいまでにはやったつもり」
 
――『喜びの歌』を聴いたとき、気合いや感情がまざまざと込められてるなと思いました。何と言うか純粋に、その本気度に心を掴まれたし、嬉しくなった。どういった想いで歌いましたか?
 
「(レコーディングで歌っているときに)いろんな人の顔が出てきて。友達とか家族とか女の子とか。“女ってすげー”って歌ってる“女”も、人間だけじゃなかったもん。動物のメスもそうやし、花もそう。それも狙ったんじゃなくて歌えたから、終わった後に自分でも、“ええんちゃう?”って。特に、最初の弾き語りの部分は無心でやれてた」
 
――弾き語りの始まりもそうですが、後半の“だいたいの奴の人生は崖っぷちでさ”からラストにかけての盛り上がりの部分も、何度聴いてもグッとくるところで。
 
「畳み掛けていく感じね。そっからクレッシェンドしていくから。ライブでも盛り上がっていくところで」
 
――THEイナズマ戦隊の上中丈弥(vo)さんが書いた歌詞を、完全に自分のものにしているなと。
 
「(したり顔で)ホンマやね、自分で言うのもなんやけど(笑)。してるよね。してもうてる」
 
――このアツさ、暑苦しいくらいでもある真っすぐさを、そのまま出せてしまう、出来てしまうのもすごいなと。さっきのトークショーで“芝居と現実がシンクロしてた”とも言ってましたが、河野勇作の部分も含みながら、桐谷健太が歌っているというか。
 
「台本を読んだ時点で、周りの人からも“ハマり役やな”って言われてたから。脚本家ともいろいろ意見を出し合って…やっぱこの『喜びの歌』自体が、ドラマとしてもすごい重要やったから。でも、歌詞にある“女ってすげー”っていうフレーズは、実は脚本家が考えたもので。これ、どこの取材でも言ってないけど。台本に“「女ってすげー」と歌い出す勇作”っていう一文があって。そこから丈弥さんもインスパイアされて書いていった。“女ってすげー”っていうフレーズだけですごいインパクトやんか」
 
――それに、男はいつも思ってる、実感してることでもあって。
 
「そうそう、男は思ってるし、女の子も言われて嬉しいしね」

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今、世の中がちょっと暗いやん?
だから、『喜びの歌』はたくさんの人に聴いて欲しいなって
 
 
――映画『BECK』ではラップに挑戦し、今回はロックバンドのボーカルで。「CDを出せたのは念願だった」とも話していましたが、念願叶ってどうですか? 
 
「でも、最初にドラマをやってそのCDも出すって聞いたとき、若干“えっ、大丈夫…?”って。“また役者が歌うんか”と思われるのも…。
 
――そう、そこは聞きたかった。自身も音楽好きなら、そこは余計に気になるところだろうし。
 
「そうそう。オレとしては、自分で歌詞を書いて、自分で曲を作ってなら(CDデビューという形も)いいかとも思ってたけど、でもそれってなかなか出来るもんじゃないから。イナ戦さんと会って初めて曲を聴いたときも、いい歌やなとは思ったけど、まだバチッとはきてなくて。自分の中では“どうなっていくんやろ?”って思ってたし、レコーディングも気持ちを高めて行ったというよりは、何も分からんまま行って。でもやるしかないってバーン!って歌ったとき、さっき言ったみたいなイメージが浮かんできて、そこに真っすぐに向かっていけた。スタイリストの岡井もそのときスタジオに見に来ててんけど、最初はオレから見えへんところにおったのに、レコーディング中にパッと見たら、ガラス張りのところに顔半分くらい出して張り付いてて(笑)。歌い終わった後に“何であんときあそこにおってん?”って聞いたら、“めっちゃすごいエネルギーが出てたから、どんな感じで歌ってんねやろって思って覗いてもうた、すまん”って。その言葉を聞いたときに、昔からのツレがそう思ってくれたんやったら、よかったんやろうなって思えた。後日、出来上がったものを聴いたときも、“えっ、コレいいじゃないですか…”って(笑)。今、世の中がちょっと暗いやん? だから、『喜びの歌』はたくさんの人に聴いて欲しいなって。自信を持って言える」
 
――ドラマでは、生徒によって結成されたY・O・U やまびこ音楽同好会が、『喜びの歌』を演奏するという設定で。
 
「(今回のキャストには)普段芝居をやってない子も多くて。楽器は触ったことあるけど芝居は初めて、っていう子らを集めたから、逆におもしろかった。みんなしっかり人の目を見て喋るし、そこで気付かされた部分も多かった。あの子らの演奏をスタジオに見に行ってから、じわじわ撮影が始まって。一応、先生と生徒の距離感は保っておかないとっていうのはあったから、そこはある程度、意識しながらね。だから、本当にドキュメントというか。芝居を超えていった部分もある」
 
――撮影しながら成長して、関係性も出来あがっていって、と。
 
「みんなが“初めて”やったから。オレも(民放ドラマの)主演が初めて、生徒も芝居が初めて、イナ戦さんもドラマに出るのが初めて。そういうものがぶつかってるから、新鮮なものしか出来ひんよね」

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そのとき思ったことが嘘なく透明なまんま出れば
伝わる人には伝わるやろうから
 
 
――“演じる”や“歌う”という行為の中で、見てる人に伝えたいことや感じて欲しいことってありますか?
 
「えーっとね…意外とないかも。それよりも自分が気持ちよくて、楽しくて、ワッと出たものの方が、間違いない感覚がある。その結果として、“うわっ、伝わって欲しいなこれ”って思うというか。“伝えよう”というよりも、そのとき思ったことが嘘なく透明なまんま出れば、伝わる人には伝わるやろうし。結局、伝わらん人には、伝われへんし。多分ね、“伝えないと”って思ってやると、それは伝われへん。壁が一枚ある感じがする。作為的というか」
 
――欲が。
 
「そうそう。狙いとか」
 
――でも無心でもないわけでしょう? 特に芝居のときには。
 
「無心でもない。俯瞰で見てたりもするけど、作為的にはならんように、ライブ感を大事にしたりしてる。軸っていうか核を持ってて(と拳を胸元に当てて)、アドリブがぱっと出るくらい、現場でいくらでも変われる感じになれてれば(それがいい状態)。芝居ってそういうおもしろさと難しさがあるけど、歌の場合は、“桐谷健太”でおったらええから。何も考えんと、思いっ切り出来る。役者はやっぱりどこかで役っていうフィルターがあるけど、音楽はまんまでいけるから。“考えるな、感じろ”というか、ホンマそんな感じで舞台に出るようにしてる」

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自分の言霊とバンドの音霊がすごくいい感じに出た
 
 
――今後も機会があれば歌っていきたいですか?
 
「うん、やりたいね。肩肘張らずに、自分から生まれる感覚で作れて、それを聴いてくれる人がいたらいいなって」
 
――では最後に、CDとドラマの見どころを。
 
「CDは自分の言霊とバンドの音霊がすごくいい感じに出たから、これ聴いて悪い方向には絶対行かへんから。この曲って、無理に明るくなろうぜ、っていう曲でもないやん。“オレらは幸せにならなあかんねん”じゃなくて、“崖っぷちやけど、でもすごいやん”みたいな。“いろいろあるけどありがとう”っていうか」
 
――そこにいるだけで十分だと。
 
「そうそう。そこがすごい好き。ドラマは、完パケをもらったけど、敢えてまだ見てない。(放送日の)11月30日(土)に、こっち(大阪)で見れたらいいなって。でも撮っててものすごい手応えはあったから。期待してください!」
 
 
Text by 中谷琢弥
Photo by 渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)

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(2013年11月29日更新)


Check
11月23日、大阪グランフロントにあるナレッジシアターにて行われたCD発売プレミアムライブ&トークイベントでは、THEイナズマ戦隊のメンバーと共に『Y・O・U やまびこ音楽同好会』のダイジェスト映像やNG集を見ながら、ドラマやレコーディングの数々のエピソードを披露。爆笑トークに現場の空気の良さが伺えます。
そして、河野勇作×THEイナズマ戦隊としてのプレミアムライブも披露。桐谷はまさにシンガー然とした立ち振る舞いで、パワフルなボーカルとパフォーマンスで熱いライブを繰り広げる。
ライブのあまりの盛り上がりに、勢い余って客席へと降り立った桐谷。煽りに煽る姿はまさしくロックスター!?
会場中が拳を突き上げる熱狂ぶりに、1曲1曲プレイし終わるごとに名残惜しんでいた桐谷。最後はハイタッチでオーディエンスを送り出すなど、サービス精神も満点。再演を切に希望!?

Release

河野勇作×THEイナズマ戦隊として
ドラマを彩るアツい楽曲をリリース!

Single
『喜びの歌』
【初回生産限定盤】
発売中 1260円
SMALLER RECORDINGS
SLRL-90012
※金ジャケ・ドラマイメージ映像DL コード付

<収録曲>
01. 喜びの歌
02. 君の旅路に桜が笑う

【通常盤】
発売中 1000円
SLRL-10012

<収録曲>
同上

Profile

きりたに・けんた…’80年2月4日、大阪府生まれ。’02年にドラマ『九龍で会いましょう』で俳優デビュー。’03年に映画『ゲロッパ!』で映画初出演。映画『69 sixty nine』、『パッチギ!』や、ドラマ『タイガー&ドラゴン』でその存在感をアピールし、’07年に映画『GROW-愚郎-』で初主演を果たす。同年の映画『クローズZERO』、’08年のドラマ『ROOKIES』で全国的な人気を博す。’09年には初めての舞台『恋と革命』で主演を務める。その後、主な映画に『ROOKIES-卒業-』、『クローズZEROⅡ』、『ソラニン』、『BECK』、『オカンの嫁入り』、『アウトレイジ ビヨンド』、『黄金を抱いて翔べ』、主なドラマに初主演作『父の花、咲く春~岐阜・長良川幇間物語~』や、『流星の絆』、『JIN-仁-』、『龍馬伝』、『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』、『専業主婦探偵~私はシャドウ』、『Wの悲劇』、『遅咲きのヒマワリ』など話題作に出演。’11年はエランドール賞新人賞ほか各賞を受賞。現在BS-TBS『地球バス紀行』のナレーションを担当。ドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(TBS)に出演。11月30日(土)には主演ドラマ『Y・O・Uやまびこ音楽同好会』(関西テレビ)が放送予定。フォトブック『野良人』、『CHELSEA』も好評発売中。

桐谷健太 オフィシャルサイト
http://hot-road.jp/actors/kiritani/


TV Data




(C)Kansai Telecasting Corporation.
All Rights Reserved.

関西テレビ放送開局55周年記念ドラマ
『Y・O・U やまびこ音楽同好会』

 
Story…売れないロック歌手が友人に頼まれ、代理教師として高校に赴任。こんなワケあり教師が、様々な悩みを抱えた生徒たちと音楽を通じて心を通わせながら軽音楽部のクラブコンテスト『スニーカーエイジ』に出場する事を目指す青春物語!

▼11月30日(土)15:00~
関西テレビにてOA

[出演]
桐谷健太/中村ゆり/菅田将暉/
鈴木亮平/松澤一之/大浦龍宇一/
金山一彦/日野陽仁/
山村紅葉/桂ざこば/他
[脚本]
小林弘利
[音楽]
園田涼/ソノダバンド
[主題歌]
河野勇作(桐谷健太)×THEイナズマ戦隊
『喜びの歌』
[エンディング曲]
河野勇作(桐谷健太)×THEイナズマ戦隊
『君の旅路に桜が笑う』
[演出]
木村弥寿彦
[プロデュース]
木村弥寿彦/佐野拓水
[制作著作]
関西テレビ

『Y.O.U やまびこ音楽同好会』
オフィシャルサイト

http://www.ktv.jp/you/