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ホーム > インタビュー&レポート > 群雄割拠のシーンにジャストな違和感をポップに鳴らす 要注目新人にして正体不明のガールズユニット印象派 謎めいたユニットの成り立ちから1stミニアルバム『Nietzsche』 そして現在に至るまでを紐解く激レアインタビュー!


群雄割拠のシーンにジャストな違和感をポップに鳴らす
要注目新人にして正体不明のガールズユニット印象派
謎めいたユニットの成り立ちから1stミニアルバム『Nietzsche』
そして現在に至るまでを紐解く激レアインタビュー! (1/3)

 ‘11年に『ENDLESS SWIMMER/HIGH VISION』を突如リリース。事前情報なし、ホームページなし、このご時勢に検索をかけてもヒットするのは僅かなトレーラー映像のみという正体不明のガールズユニットは、その音だけで早耳のリスナーをキャッチ。昨年リリースされた『SWAP』で、その募る期待と予感を増幅させた2人は、1stミニアルバム『Nietzsche(ニーチェ)』で、その予感を確信に変えた。人力トランス、アンビエントでエレクトロ、ハードでサイケ、ダウナーでオルタナティヴと、めくるめくアウトプットに心地よく翻弄され続ける全6曲28分は、ポップミュージックの中に潜むひと匙のシニカルさと共に、聴く者に大いなる刺激とワクワクを与えてくれている。そして、11月6日(水)にはANATAKIKOUを作詞に迎えたシングル『MABATAKIしないDOLLのような私』で、さらなる衝撃を我々に提供してくれるであろう印象派のmica(vo)とmiu(vo&g)に、徐々にその全貌を現しつつある謎めいたユニットの成り立ちから、現在に至るまでをインタビュー。アイドルも含め様々なアーティストが乱立する群雄割拠の2013年のシーンにジャストな違和感を鳴らす要注目新人であり、メディア露出もほぼない彼女たちとの貴重なファースト・コンタクト、目撃者はあなただ。

 
 
曲作りの真ん中に声がある
 
 
――取材の際には当然いろいろ下調べするんですけど、ここまで事前情報がない人も珍しいなと(笑)。2人がどんな人なのか、このユニットがどんな成り立ちかも分からずなので、まずは結成のいきさつを聞きたいなと。
 
miu(vo&g)「元々は知り合いと電話してるときに、電話越しにmicaちゃんの曲が聴こえてきて、すごく興味を持ったのが最初のきっかけで。早速どんな人か教えてもらって、こっそりライブを観に行って。そのときは声もかけずにささっと帰ったんですけど(笑)。その内、その人がmicaちゃんをプロデュースしたりするようになって。でも、最初は別に印象派をやろうって始まったわけじゃなくて、micaちゃんの声が好きなので、お家で遊ぶようになって、そこから形になっていった感じです」
 
――micaちゃんからみたmiuちゃんの印象はどういう感じだったんですか?
 
mica(vo)「そのプロデューサーさんが音楽センスを信用してる女の子がいて、その子もmicaのことをいいって言ってたからっていう話をちょくちょく聞いてんです。突飛なエピソードとかをずっと聞いてて、ちょいちょいライブとかで“この子やで”みたいに会うようになって、さっきのところに行き着く感じです」
 
――突飛なエピソードって例えば?
 
mica「普段はぽわんってしてるんですけど、赤ちゃんを見たらお腹が空くとか、怖いこと言い出すんです(笑)。どういう思考回路なんかなって。載せられるのはそれくらいしかない(笑)。あとはいろいろ問題が…(笑)」
 
――実際、micaちゃんは自分の活動も別にありながら、一緒にやってみようと思えたわけですね。
 
mica「実は彼女のバンド時代の曲をカバーしたことがあるんですけど、その原曲を初めて聴かされたとき、私も“これ誰ですか?”って興味を持ったんです。すごい個性的な声じゃないですか。私とは全然違うタイプの。いろんな人とコラボとかセッションしたことはあるんですけど、自分が合わせていくことは出来るけど、私に合わせるってなったときに、いつも気に入らなくて(笑)。それがmiuだと声の混ざり具合もめっちゃいい感じやん!って、テンションが上がって。それで、徐々にこういう感じになっていった感じです」
 
――実際に会ってみたときの、それぞれの第一印象はどうやったんですか? お互い先に噂ばかりを聞いてるわけじゃないですか。
 
mica「miuは多分仕事帰りとかだったと思うんですよ。スーツを着てたと思うんで、普通のキレイなお姉さんやなっていうか、一般のOLさんって感じでした、正直。変わった風には見えないというか」
 
miu「micaちゃんは、私の中で憧れのアーティストだったし、私が人見知りっていうのもあるんですけど、すごくとっつきにくくって(笑)。お酒を飲まないと無愛想というか」
 
mica「それはmiuが人見知りなせいではないと思う。誰もが私にそう言うと思う(笑)」
 
miu「最初は、私とやりたくないんじゃないかなって」
 
mica「それ最近まで思ってたよね?(笑)」
 
miu「最近やっと打ち解けて(笑)。心を開けるようになった」
 
――印象派の方向性ってどうやって定まってきたんですか? それぞれ音楽活動してきた2人が、このプロジェクトでやろうとしたことって?
 
mica「最初から実態を露わにすることは、違った意味でしてなくて。miuは社会人でもあるし、私は他のバンドもやっているので、あんまり知られたくないっていうのが(笑)」
 
――本命いるけど二股で付き合ってるみたいな(笑)。
 
mica「見た目も曲の感じも、普段とは全然違う感じじゃないですか」
 
――いや~違うね、ホンマに。
 
mica「印象派は、私が自分からは絶対やらない表現。こっちは完全にmiuの好みでやってるし、ビックリするくらい私以外のみんながこっちを望んでる(笑)。だから逆によかったです。価値感を分けられるし、印象派でやるような曲も歌えるんやとか、見せ方もしかり、いろいろ勉強にはなってるし、評価を感じられるんで。とは言え、バンドもやってる以上それはそれで複雑なんですけどね(笑)。ただ、miuの詞の世界観とか曲はすごくいいなと思ってるんで。だから私は印象派では曲は書かない」
 
――miuちゃんの世界観を活かすことが、印象派にとってベストだっていうことですね。miuちゃんが元々やってたバンドも、こういう音楽性だったわけじゃない。そうなると、このアウトプットって、元々自分のチャンネルの中にあったんですか?
 
miu「確かに前のバンドとは全然違ってて。でも、私自身そんなに音楽に詳しいわけでもなくて、王道なポップスが好きっていう感じなんで。基本はmicaちゃんの声に合いそうだとか、曲作りの真ん中に声があって。micaちゃんのライブにもよく行って、こういう曲をやりたいなとか思い付いたりして。結構声の影響は大きいと思います」
 
――自分自身の声に関してはどう?
 
miu「私は自分の声が嫌いで、人間くさいというか、歌い手の声じゃないと。バンドをやってるときもすごいコンプレックスだったし、micaちゃんみたいな声になるにはどうしたらいいのかなと。一緒にやったらいいんやと思って、解決しました(笑)」
 
――そんなにまで惚れた声の持ち主やのに、最近まで心開いてくれんかったんや(笑)。
 
mica「フフフ(笑)。お互い音楽面で信頼がすごく厚くて、お互いにないところを補ってて、自信が持てるというか、何も怖いものがないという感じなんですけど、プライベートは…」
 
miu「2人でご飯に行っても、あんまり盛り上がらない(笑)」
 
mica「miuはお酒を飲まないんですよ。私、お酒を飲まないと誰とでもあんまり喋らないんで(笑)」

 


(2013年11月 5日更新)


Check

Release

恐るべき才能と可能性にみなぎる
捨て曲ナシの1stミニアルバム!

Mini Album
『Nietzsche』
発売中 1800円
eninal
PECF-3049

<収録曲>
01. Volcanic Surfer
02. SWAP
03. [Nietzsche's]HEAT BEAT
04. ENDLESS SWIMMER[true]
05. HIGH VISION[versionB]
06. OUT

ANATAKIKOUを作詞に迎えた新曲は
音響系ヒップホップブルース!

Single
『MABATAKIしないDOLLのような私』
11月6日(水)発売
【通常盤】500円
eninal
PECF-10033
※タワーレコード限定発売

<収録曲>
01. MABATAKIしないDOLLのような私
02. MABATAKIしないDOLLのような私
(Track Only)


【MABATAKIしてもお得なセット】2000円
(完全生産限定シリアルナンバー入)
PECF-3074~5
※タワーレコード限定発売
※1stミニアルバム『Nietzsche』を同梱、インタビューなどを掲載したライナーノーツが付属するほか、全100種類の生写真のうちランダムで1枚が封入

Profile

いんしょうは…大阪在住のぼんやり乙女mica(vo、写真左)とmiu(vo&g、同右)による現役OL兼ツインボーカル2人組。’10年結成。タワーレコード限定発売CD『ENDLESS SWIMMER/HIGH VISION』(‘11)『SWAP』(‘12)の2作品をリリースし、みうらじゅんとクチロロ、モーモールルギャバン、ハンサムケンヤ、tricot等と共演。耳の早いリスナーの間で話題を呼ぶ中、’13年6月に待望の1stミニアルバム『Nietzsche』をリリース。ユニット名は、ある時期の絵画のムーブメントの総称からきているが、その呼称が当時としては理解不能な作風の一部のアーティスト達に対する、差別用語、蔑称として使用されていたというエピソードに、2人が感銘を受け自らのグループネームに冠した。

印象派 オフィシャルサイト
http://inshow-ha.com/