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ホーム > インタビュー&レポート > あの感動が蘇る! 『1-2-3 TOUR 2013 FINAL at 大阪城ホール』 完全収録ライブDVD/Blu-rayリリース記念 過去最大規模となる5ヵ月59ヵ所ツアーの終着地となった THE BAWDIES初の大阪城ホールでのライブを再現レポート!


あの感動が蘇る! 『1-2-3 TOUR 2013 FINAL at 大阪城ホール』
完全収録ライブDVD/Blu-rayリリース記念
過去最大規模となる5ヵ月59ヵ所ツアーの終着地となった
THE BAWDIES初の大阪城ホールでのライブを再現レポート!

 デビューして間もない頃、大阪でのライブの際に、異様に盛り上がったファンを前にメンバーが演奏を楽しみ切れなかったという苦い経験がある。「そのとき大阪のファンは楽しむことの大切さを、ロックンロールというものを教えてくれた」と彼らは言う。そうした意味からもTHE BAWDIESにとって大阪は第二の故郷と自負する場所であり、しっかりとレコーディングに時間を費やし感性と技術を極めた最新アルバム『1-2-3』に伴うツアーのファイナルを大阪城ホールに選んだのも、そうした想いがあったという。その感動のファイナルの模様を完全収録した、DVD/Blu-ray『1-2-3 TOUR 2013 FINAL at 大阪城ホール』のリリースを記念しお届けするこのプレイバックレポート。いや~素晴らしい夜でした、ホント。

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 ステージに目を向けると赤を基調にした巨大なパーティ会場のようなセットが組まれ、センターに『1-2-3』と巨大な電飾が掲げられている。BGMにはロックやR&Bのスタンダードナンバーが流れ、会場はゆっくりと呼吸をするように来場者で膨らみ、定刻には客席はギッシリと埋まる。そして、もはやTHE BAWDIESの一部と言えるテーマ曲、サム&デイヴの『ソウル・マン』がショーの始まりを告げると、その期待度はMAXに! ファンが一斉に声援を送る中、いよいよメンバーが登場し、まずは『DANCE THE NIGHT AWAY』からライブはスタート!! TAXMAN(g)とJIM(g)によるギターリフの応酬、吠えるように歌い、グルーヴをドライブさせるROY(vo&b)、地を這うビートを叩き出すMARCY(ds)。破壊力のあるオープニングに客席は否が応でも盛り上がる。
 
「ロックンロールパーティに必要なものは、ワクワクした気持ち、それだけです! 準備はいいですか!?」
 
 そんなROYのストレートな呼びかけに会場も大歓声! 広々としたステージでスポットライトを浴びるTAXMANが、眩いフラッシュの中でイントロを奏で雪崩れ込むダイナマイトナンバー『LONELY MAN』の衝動的で前のめりなグルーヴが、圧倒的な吸引力で客席を飲み込んでいく。大阪城ホールという大バコを難なく飲み込む余裕と自信が、彼らをより大きく見せているようだ。ROYが眩い笑顔を見せながらパワフルに歌った『ROCK ME BABY』は、ファン層を広げ、THE BAWDIESの世界を進化させた1曲。サビでは大合唱が巻き起こり、会場は一気に完全縦ノリ状態の開放的な空気に包まれる。JIMの小気味よいギターイントロが誘う軽快なロックナンバー『CAN'T STOP GROOVIN’』といい、アルバム『1-2-3』からの楽曲群が1つの世界観を完結させる。
 

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 しばしの沈黙の後、激しいギターに導かれ始まった『JUST BE COOL』では、「Ah…Ah…Ah…」とRoyが煽り歌うサビの部分で客席が再び大盛り上がり! 端正でストイックなTAXMANとアクティブで華やかなJIMの対照的なギターのコンビネーションでも魅せる。ひと息ついたところで、円形スクリーンにメンバーの映像が映し出され、シングル曲『LEMONADE』が始まるやファンは左右に手を振り、ホールにはハッピーな雰囲気が漂う。淡々と楽しそうにカッティングするTAXMANのギターをバックにJIMが情熱的なプレイを見せるなど、ここでも対照的な2人のギタリストが場を盛り上げ、前半の見せ場を作った。
 

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 「ご安心ください、まだまだパーティはこれから!」とROYが伝えると同時にMARCYのドラムが切り込み、THE BAWDIESのソウルフルな魅力を伝える『LISTEN』へ。『I WANT YOUR LOVE AGAIN』では、JIMがドラム台の前に立ちMARCYを煽るなど、ホールでのステージングもよりスケールアップ。そして、「オレもこの辺で1曲歌いたい」と、TAXMAN自ら作詞作曲した甘くスリリングなロックナンバー『TAKE A CHANCE』を披露。縦横無尽に会場を駆け巡る照明の中、低音域を伸びやかに奏でベースに専念するROYも楽しそう。クールな立ち位置でプレイするTAXMANが爆発する瞬間だった。
 

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 「ロックンロールのピュアな魅力を、こんなに真っ直ぐなんですがどうでしょうか!?と伝えたいと思って作ったアルバムです。それをライブで伝えなきゃ意味がないと思って始めたツアーなんです!」と語るROY。さらに、「もう一度、オレらのほっぺたを“おいおい、しっかりしろ!”とはたいてくれたのがソニックスなんです」と、制作の大きなモチベーションとなった60年代のガレージパンクの大御所ソニックスについても触れる。高校時代に“こんなに真っ直ぐで振り切った音が存在したのか”と衝撃を受け、彼らの意志を引き継ぐべく結成したというTHE BAWDIESだけに、昨年ソニックスと共に周ったツアーは一生の宝となっているだろう。
 
「70歳になっても同じことを続けている説得力、何歳になっても初期衝動を感じながら爆発している。原点に戻ってシンプルでぶっ飛んだロックンロールをやらなきゃいけないと思って作ったのがこのアルバム(『1-2-3』)だったので、ソニックスに感謝して彼らの曲を1曲やります!」
 
 こうして始まった、ソニックスのカバー『PSYCHO(サイコ)』では、ソニックス自身が演奏しているんじゃないか!?と思うくらいに原曲のアレンジ、グルーヴに忠実に演奏。それを叶えるTHE BAWDIESにかえって底力を感じる1シーンでもあった。「PSYCHO(サイコ)!」という歌詞が「最高!」と聴こえるのも、錯覚ではない!?(笑)
 

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 ライブも半ばに差し掛かった頃、ROYは丁寧に言葉を選んで語る。
 
「ロックンロールは“考えるよりも、感じろ”と言ってくれていると思います。でも、悲しいことがあったとき、やっぱり考えてしまう。もし考えるのであれば、どうしたら悲しみから逃れられるか?ではなくて、どうしたら一番楽しいかを考えることで、早く笑顔になれるのではないかと。泣くなら上を向いて泣け、と」
 
 そんなROYの言葉に誘われ、スローバラード『SAD SONG』へ。JIMのアルペジオとTAXMANのストロークが優しく入り交じり、オーディエンスも肩を組んで揺れるようにROYの情感たっぷりな歌声に耳を傾ける。JIMが祈るように膝をついてギターを奏でる様もドラマチックだ。続く軽快なロッカバラード『SHA LA LA』で汗だくでハモるJIM、真摯に歌うTAXMAN、優しいメロディとハーモニーの中で会場は1つに。しっとりと聴かせた後は、ハイテンポな『RED ROCKET SHIP』、THE BAWDIES流パーティーチューン『B.P.B』で再びフロアに点火。巨大なホールをスポットが舐め回し、“So get out of the party”と叫んでオーディエンスがジャンプする!
 

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 2月の京都を皮切りに59本ものライブツアーを廻ってきたTHE BAWDIES。ここでROYから「ツアー中はいろいろあったけど根に持っていることがある」と告白が。パンツが破れたTAXMANにROYが予備のパンツを貸したところ、「太い。明日の朝、(自分が)太くならないかな?」と言われたというエピソードには(笑)、会場から笑い声が漏れる。するとROYは「ということで、皆さんの心のお洋服を脱いでもらいますからね」と『I BEG YOU』につなげ、TAXMANが熱狂的なソロを取り、ROYが観客を煽る、最高のロックンロール・ショーを展開。さらには、“Oh,la la la…”と大合唱した『A NEW DAY IS COMIN’』続いて、「串カツ?たこ焼き? ホットドッグめしあがれ!」と炸裂した『HOT DOG』で会場はさらにヒートアップ!

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 ステージがピークを極めた後は、ROYも「ロックンロールの炎を囲んだキャンプファイヤーみたいなもんですから」と語るアンプラグドのパートに。TAXMANがiPhoneの通知音をアコギで奏で沸かせた後は(笑)、MARCYはパーカッション、ROYはタンバリンにスイッチし、フォーキーに『I`M IN LOVE WITH YOU』を披露。4人のコーラスが会場中に響き渡る。そして、『LOVE YOU NEED YOU』では、軽やなパーカッションに合わせて会場から手拍子が巻き起こる。楽しく印象的なハミングといい、歌心と熱いハートで魅せるTHE BAWDIESのロックの1つの形を提示しているかのようだ。MARCYが花道に駆け出し、スティックで観客を煽る様もハッピーな光景だった。 
 

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 暗転の後、スポットライトを浴びたMARCYの轟音轟くダイナミックなドラムソロに観客は大いに湧き上がり、その熱狂は名曲『EMOTION POTION』へとつながる。ここではミラーボールが回り、ド派手なイルミネーションも点灯。続くスライドギターのイントロが印象的な『IT'S TOO LATE』といい、ライブ後半にも関わらずROYのシャウトは相変わらずスリリングで圧倒的。『AH…』ではその盛り上がりも頂点に!
 
 「ロックンロールは言葉で説明しても意味がない、感じてもらわなきゃ意味がないので、踊りたいと思ったら踊ってください。叫びてえなあと思ったら全力でシャウトしてください。飛び跳ねてえなあと思ったら…感じた感情を表に出すこと、これがロックンロールではないでしょうか!?」そんな挑発的なROYのMCの後は、衝動的でファンキーな『YOU GOTTA DANCE』! ベースリフでグルーヴを引きずり回す中、JIMがフリーキーなソロを取れば、TAXMANも飛び跳ねてプレイする。最後にTAXMANはベースアンプの上に仁王立ち、JIMはステージ前方で寝転がってプレイとギター合戦!
 

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 そして、フィナーレはJIMのギターから始まる『SING YOUR SONG』。こうしたシンプルな構成のロックナンバーを、初期衝動を土台に成立させる力量がTHE BAWDIESの真骨頂ではないだろうか。ただ盛り上げるだけではなく、しっかりと伝えようという想いがグルーヴに乗って響き、それをしっかりと受け止めようという観客のマインドも伝わってくる。メンバーと観客が1つになって曲が終わりを迎えると、ROY、TAXMAN、JIM、MARCY、それぞれが「ありがとう!」と挨拶。ひとまずプログラムの23曲を終了させた。
 

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 熱狂的なアンコールの後は、4人がジャケットを脱いで再登場し、アルバムのタイトル曲『1-2-3』を披露。そして、「1日23曲? 59公演で1200~1300曲やったのかな? あと2曲、とりあえずケツ振ろうか?」とJIMが煽り『SHAKE YOUR HIPS』を熱演。大歓声を受け、「ロックンロールは本当に熱くて、あたたかいものだなんだと今日は実感しました」とROYは感謝の気持ちを伝える。そして、「いつだってロックンロールは味方です。いつも背中を押してくれる、そう信じて生きていきます」と宣言。
 
 最後は、いつものように「感情を全部、空にして帰ってもらいます」と『KEEP ON ROCKIN’』! 曲中に「この光景を心に焼き付けませんか?」とコール&レスポンスするものの、1回目はROYからダメ出しが(笑)。
 

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「もっとさらけ出せと教えてくれたのは、あんたら大阪の人たちです。今度は僕らからいわせてもらいます、もっとさらけ出したらいいんじゃないですか?」
 
 これには盛り上がりも最高潮を迎え、そのまま怒涛のエンディングへ! 「また、必ず会いましょう!」とROYが叫び、TAXMANはいいレコードを作って戻ってくると挨拶。最後にライブのシメの恒例となった“ワッショイ”を念願の大阪城ホールで果たし、忘れられない一夜はこうして幕を閉じた。
 
 
Text by 櫻井一哉
Photo by 橋本塁

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(2013年9月30日更新)


Check

Release

初の大阪城ホール公演にして感動の
ファイナルをフルボリュームで収録!

DVD/Blu-ray
『1-2-3 TOUR 2013 FINAL
 at 大阪城ホール』
【初回限定盤】発売中
ビクターエンタテインメント/
Getting Better
(DVD)5980円 VIZL-585
(Blu-ray)6980円 VIXL-113

【通常盤】発売中
(DVD)3990円 VIBL-683
(Blu-ray)4990円 VIXL-114

※初回限定盤特典
(DVD/Blu-ray共通)
・特典映像:The Beginning of 1-2-3 TOUR 2013 at 京都磔磔(約51分)
・106Pフォトブック付属
・特製ブックケース仕様
・メンバー自身による副音声付き

<収録曲>
01. DANCE THE NIGHT AWAY
02. LONELY MAN
03. ROCK ME BABY
04. CAN'T STOP GROOVIN'
05. JUST BE COOL
06. LEMONADE
07. LISTEN
08. I WANT YOUR LOVE AGAIN
09. TAKE A CHANCE
10. PSYCHO
11. SAD SONG
12. SHA LA LA
13. RED ROCKET SHIP
14. B.P.B
15. I BEG YOU
16. A NEW DAY IS COMIN'
17. HOT DOG
18. I'M IN LOVE WITH YOU
19. LOVE YOU NEED YOU
20. EMOTION POTION
21. IT'S TOO LATE
22. YOU GOTTA DANCE
23. SING YOUR SONG
~ENCORE~
24. 1-2-3
25. SHAKE YOUR HIPS
26. KEEP ON ROCKIN'

Live

同世代最強の白人ソウルマンと
ガチンコ2マンライブで東名阪!

 
【東京公演】
一般発売11月2日(土)
Pコード211-381
▼12月15日(日)18:00
STUDIO COAST
1F立見3969円
[共演]イーライ“ペーパーボーイ”リード
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※未就学児童は入場可。
6歳以上はチケット必要。

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【名古屋公演】
一般発売11月2日(土)
Pコード210-666
▼12月17日(火)19:00
クラブダイアモンドホール
前売3969円
[共演]イーライ“ペーパーボーイ”リード
ジェイルハウス■052(936)6041
※6歳以上有料。未就学児童は入場可。

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Pick Up!!

【大阪公演】

一般発売11月2日(土)
Pコード210-601
▼12月18日(水)19:00
なんばHatch
1Fオールスタンディング3969円
2F指定席3969円
[共演]イーライ“ペーパーボーイ”リード
サウンドクリエーター■06(6357)4400
※6歳以上は有料、未就学児童は無料。

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