ラップ、ダンス、ファッションetcまでを守備範囲に
HIP HOPシーンに新風を送り込むラッパー
SHUNのメジャーデビュー・ミニアルバム『DA NOVΛ』!
若き注目新人に迫るインタビュー&動画コメント
小学校の頃に始めたダンスをきっかけにHIP HOPに目覚め、リリックはもちろんトラックメイキングも手がける新世代のラッパー、SHUN。ファッションにも力を入れ、ライブではラップだけでなく本格的なダンスパフォーマンスでも魅了する。地元大阪で活動していたインディーズの頃から清水翔太の作品にフィーチャーされ、ツアーにも参加するなど、その実力は早くから注目されてきた。昨年、加藤ミリヤの『今夜はブギーバック feat.清水翔太&SHUN』に参加し、さらに知名度をアップ。そして、今年7月に1stミニアルバム『DA NOVΛ』で満を持してメジャーデビューしたばかり。痛快なビッグマウスで「オレを見ろよ!」と宣言し、HIP HOPサイドからJ-POPシーンに新風を送りこむSHUNの素顔と野望に迫る。
若きラッパーSHUNからの動画コメントはコチラ!
――そもそもダンスをきっかけにラップに出会ったそうで。
「小学校ぐらいからダンスを通していろんなジャンルを通過する中でHIP HOPに魅力を感じて、そこからスゴく好きになっていきましたね。当時はけっこうメジャーシーンでもラップグループが流行っていたので」
――ちょうど10年ぐらい前にKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEなんかがメジャーに進出してきて、日本のHIP HOPグループに勢いがあった頃ですよね。その頃、SHUNさんはまだ小学生だったんですね。
「ハイ。ラッパーになりたいとか意識する前にただただ流行っていたので、友達とよく歌ったりしてましたね」
――そもそもSHUNさんはどういうラッパーに憧れてスタートしたんですか?
「きっかけになったのはUS全般のHIP HOPアーティストなんですよ。ラップだけじゃなくてファッションから曲作りまで、マルチになんでもやりこなしているのがスゴく好きなんです。影響を受けたラッパーが、自分でトラックを作ったり、服のブランドを立ち上げたりしていて。僕は最初ラッパーの見た目から入ってカッコイイなと思ったし、そこはHIP HOPの1つの要素だと思っているんです。HIP HOPのフィルターを通して出来ることを全部やっていけば、もっともっといろんな人に知ってもらえる機会があると思うので。ラップだけじゃなくて、ダンスもファッションも、出来ることは全部やっていきたいなと思います」
――今作のジャケット写真もスーツスタイルでカッコよくキメてますね。
「ラッパーっぽくないかもしれないけど、あえてスタイリッシュにしてみたくて。今までに服のブランドのモデルをやらせてもらったこともあるんですけど、そういうところもちゃんとやれば、もっとHIP HOPのイメージも変わるかなと思ってるんです。HIP HOPってスゴくカッコイイ“文化”だと思うので。日本のラッパーももっともっとスター性があってもいいんじゃないかと思うし、そういう部分でも自分を表現出来るものだと思う。もちろん、音源やラップをしっかりやった上でですけど、やれることは全部やっていきたいなと思っています」
こうやってラップやっていて自分の言葉を伝えられる立場だからこそ
同世代代表じゃないですけど、リアルな気持ちも常に残していきたい
――メジャーからのリリースとなる1stミニアルバム『DA NOVΛ』はどのようなことを意識して作られたんですか?
「やっぱりメジャーシーンの中で戦っていくとなると、J-POPを聴いてる人にも聴いてもらえる機会が増えると思うので。ふだんHIPHOPを聴かない人にHIPHOPの魅力を伝えたいなって思って、サビでメロディーを歌ってみたり、ビートがすごいしっかりしているものや4つ打ちのものがあったり、幅広く挑戦してますね。今回はいろんなパターンの曲調を楽しんでもらえるんじゃないかなと思ってます」
――1曲目の『LOOKΛME』はタイトルからして「オレを見ろ!」というストレートな表現ですよね。決意表明のような強い意志を感じます。
「この曲が一番、今の自分の心境が出ている曲で。HIP HOPならではの言葉遊びをしていたり、結構攻めの姿勢を出しています。それこそ『LOOKΛME』の中の“きゃりーも手に負えないぐらいのMonster”っていうフレーズとかもそうですけど、やっぱり一番フレッシュな存在だし、同い年なので対抗意識じゃないけど、負けねーぞ!っていうのもあって。まだ本人にも会ったこともないけど(笑)。ビッグマウスというか、他のジャンルではなかなか難しいと思うし、ラッパーにしかそういうことを曲で言えないとも思うので。そこはHIP HOPならではの面白さですよね。そういうことをメジャーのシーンでやっていきたいのもあったので、1曲目にしました。毎回ガッツリ言いたいことは言っていく。特に今作では結構時間的に余裕を持ってリリックも書けたので、言葉もいろいろ遊べたりしましたね」
――リリックだけでなく、トラック面で冒険したことは何かありますか?
「『BEST MAN』(M-5)っていう曲はHIP HOPサウンドというよりは、4つ打ちのシンセバキバキでやってみたんですけど、こういう曲がライブのときにあったらいいなっていうので作ってみました。内容も今まで応援してくれたファンのことを思って、感謝の気持ちをリリックにしていますね」
――『Teach Me Love』(M-3)『Day'n Night,U』(M-4)ではSHUNさんの等身大の恋愛観が感じられますね。
「インディーズの頃からラブソングも毎回入れるようにしていて。やっぱり一番反響が良いというか、みんな好きみたいなので。それも踏まえた上で今回も書こうと」
――これは実体験?(笑)
「基本は自分の体験したこと、ホントに自分が思ったことを元に書いてますね。冷静になってみたら、すげー恥ずかしいんですけど(笑)。ま、ラップだから言えるっていう部分もあります。性格は結構シャイなんです(笑)。だからライブでもマイクを持ったら攻めの姿勢になるというか。で、MCになったらフニャッとしてしまうっていう(笑)。素はそんな感じですね」
――強気に「オレを見ろよ!」っていうリリックもあれば、こういった恋に悩む切ない自分も出していて。
「普通の人だったら表に出せないかもしれないけど、こうやってラップで自分の言葉を伝えられる立場だからこそ、同世代代表じゃないですけど、そういうリアルな気持ちも常に残していきたいなっていうのはありますね」
――『Day'n Night,U』のアコギがループするトラックも切なさを掻き立てますね。
「今までの僕の曲ではこういうタイプの曲はなかったんですが、前からアコースティックなものにも挑戦したいと思っていたので、今回はちょっと作ってみました。いつかは生バンドを引き連れてライブをやりたいっていう目標もあるので。どちらかと言えばラップ向きじゃないトラックかもしれないけど、だからこそどうやってラップを乗せて1曲作るかっていう楽しみもありましたね。HIP HOPだけじゃなくていろんな音楽から影響を受けているので、やっぱりメロディラインなんかはJ-POPの影響もあると思います。バンドもカッコイイなと思ってるし、いろんな制限なしに自由にやりたい。で、最終的に自分がラップしたらHIP HOPになる。そうなりたいなってスゴい思ってますね」
もっともっと頑張って、デッカいステージで好きなことをやりたい
自分もそこに夢をもらったので
――今後、コラボレーションしてみたい人などはいますか?
「いっぱいいますけど、やっぱり僕は海外のラッパーやトラックメーカーに憧れていたので、いつかそういう人たちと一緒にやってみたいですね。英語は出来ないので(笑)、僕は日本語で勝負します」
――日本では?
「久保田(利伸)さんですね。実はレーベルメイトなので、これから頑張って頑張って、是非とも実現したいです!」
――次作に向けて考えていることはあります?
「やりたいことはいっぱいあるので、いつでも出したいんですけどね(笑)。まずはツアーをやりたいので、そのために曲を増やしていきたいですね」
――今後もHIP HOPシーンの新世代として、新風を送り込んでいって欲しいですね。
「ラッパーでダンスもしている人はまだ少ないですし、ミュージックビデオやライブでもガンガンに踊っているので、ラップとダンスとで、新たな立ち位置を確立していきたいと思っています。これからもダンスやファッションだったりいろんな面で入口を作って、“HIP HOPっていいんやで!”って伝えていきたいなと思いますね」
――ライブの方はどうです?
「ホントに僕自身もライブが好きで、唯一お客さんとコミュニケーションが取れる場所だし、音楽をやる上では一番重要だと思ってます。そこでしか味わえない空気を楽しんで欲しいですね。将来的には、もっともっとエンタテインメントなステージをやりたいなと思っていますし、だからこそもっともっと頑張って、デッカいステージで好きなことをやりたい。自分もそこに夢をもらったので。今やっとスタート地点に立った感じなので、これから是非ともそれを叶えたいと思います!」
Text by エイミー野中
(2013年8月 7日更新)
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